ゆず『GreenGreen』歌詞の意味を考察・解釈

「忘れないから」「忘れないでね」
扉の向こうに手を振った 遠い昔話
「全部このままさ」「なにも変わらない」
振り返るけど 僕らはもう 他の誰かだった

若葉が光受けるような 淀みない心で触れ合った
浮かんでくるのは 眩しすぎる日々

グリーングリーン
丘の上寝そべって見てた空 夏の匂いがすぐそこまで
憧れも不安も ぼんやりと過ぎてった
どうにかなるさと笑いながら
君とだったら無敵と思っていた 叶わぬ願いはないと信じた
風の中で揺れている
グリーングリーン

「似たもの同士」「分かり合えるんだ」
言葉なんて必要ないさ そんなおとぎ話
「元気でいてね」「きっとまた会えるよ」
サヨナラは間違いじゃなかった そう言ってくれないか

グリーングリーン
帰り道待ち合わせの時刻 呼びかけたら振り向いた君
少し大人ぶって でもカッコつかなくて
吹き出したいつものあどけない笑顔
特別予定なんかなくても 一緒にいれればそれでよかった
続いていく毎日を疑いもせず

若さゆえに傷ついて 街の雑踏に飛び出した
世界が嘘だらけでも 君だけ ほんとだった
見渡す景色 今もどこかで どんな風に暮らしているかな
時々悩んだって 幸せに包まれ
変わらない君がいるだろう

グリーングリーン
丘の上寝そべって見てる空 夏の匂いがすぐそこまで
教えてくれたんだ 道に迷うときは
ここから また始めればいいんだ
ずっと言えずにいた「ありがとう」 小さく呟いて歩き出す
風の向こうに手を振る
グリーングリーン

はじめに

『GreenGreen』とは2019年7月6日にネット上で公開された楽曲です。
同年7月7日に配信限定リリースされ多くのファンに注目されています。
さらに伊藤園「お〜いお茶」CMソングに起用されています。
動画再生回数はMV公開から2週間経過した現在で30万を超えています。

同年5月10日に「SEIMEI」をリリースしてから僅か2か月後に今作が
登場しました。
短期間で練り上げられた楽曲はどのように仕上がっているのでしょうか。

動画コメント欄を見るとその点について触れられていまた。

今作は北川悠仁が作詞、作曲を務めました。

これまで発売してきた『サヨナラバス』『桜木町』などのラブソングを彷彿とさ
せる大切な人との別れを歌っています。何気ない日々の日常を綺麗に切り取った
叙情的な歌詞と、心地良く胸に響くメロディー、ノスタルジーな旋律が特徴的な
アコースティックギターが重なり合った珠玉の楽曲となっているようです。

本考察でも「大切な人との別れを歌ったラブソング」を中心軸にして進めていき
たいと思います。

曲調に関してもミドルテンポで進行するアコギが切なさと哀愁を漂わせていまし
た。
そこにゆずのお二人の美声が寄り添い、別れの意味を付していきます。

そんな楽曲の気になる歌詞をさっそく考察していくことにしましょう。

タイトル『GreenGreen』とは

「Green」とは英単語で「緑」「青々とした」「未熟」という意味があり
ます。

お~いお茶タイアップにピッタリのタイトルだと言えますね。
また歌詞中の自然を基調としたフレーズにもマッチし、爽快感を聴き手に
イメージさせることに寄与しています。

また歌詞中に登場する男女の未熟さを示唆する歌詞ともリンクしています。

「Green」二回繰り返されているのは、君と触れ合い過ごす時にはいつでも
自然が共にあった、ということを強調しているように感じました。

また1つの意味ではなく2つ以上の意味、例えば色に重点をおいた「緑」と
成長の度合いを示す「未熟」を表現するために繰り返されているのだと筆者
は考えました。

続く考察からも歌詞全体の意味を紐解き解釈していきます。

『GreenGreen』歌詞の意味

扉の向こう側、君に手を振って

「忘れないから」「忘れないでね」
扉の向こうに手を振った 遠い昔話
「全部このままさ」「なにも変わらない」
振り返るけど 僕らはもう 他の誰かだった

歌詞冒頭では男女が分かれていく様子が描かれています。

男性が女性を見送るところなのでしょう。
「扉」とは彼女の乗った電車かバスなのだと思いました。

「忘れないから」「忘れないでね」とは女性から述べられた
台詞なのかもしれません。
離れていく自分にどこか後ろめたさを感じつつ、忘れないこ
とをお互いの共通認識として持つことを願っています。

二人が短い言葉のやり取りを終えると扉がしまり彼女を乗せ
た乗り物は二人を引き離していきます。

彼は徐々に遠くなる彼女の顔をずっと見つめていました。
最後に一瞬だけ彼女の笑顔が曇ったように見えたのは気のせ
いではありませんでした。
同時に彼も無理して作った笑顔をやめてしまいました。

唐突に彼の脳裏には彼女との思い出がよぎります。
「全部このままさ」「なにも変わらない」
自分が彼女に述べた言葉が胸を抉ります。

あの時の二人なら自分の述べた言葉を実行できました。
しかし今の二人はあの頃とは違う、そう別の誰かになり
果ててしまったようです。

愛という名の光合成

若葉が光受けるような 淀みない心で触れ合った
浮かんでくるのは 眩しすぎる日々

ここでは若葉が光を受けるという例証を用いた状況描写が
なされています。

葉が光の恩恵を受けることを聞くと「光合成」が頭にイメ
ージできると思います。

光合成とは
植物や緑藻が葉緑体(クロロプラスト)内で行う二酸化炭素の固定反応です。
この過程で水が酸素に酸化され,二酸化炭素は還元されて糖になります。
そして地球へ酸素を供給する重要な働きを行っています。

冒頭で登場した二人は若かりし頃、お互いを愛し合い慈しんでいました。
太陽の光のようなお互いの愛を疑うことなく受け入れた二人の関係は、強い
ものに成長していきました。

吐き出される言葉を吸収し甘い思い出に変えていく、そしてまた相手にさら
なる良い言葉を述べる様はまさに光合成に類似しているのだと思いました。

男性は遥か昔の回想をやめ深い溜め息をつきました。
なぜなら今の自分には楽しい思い出が眩しすぎるのです。

別れの正当性

「似たもの同士」「分かり合えるんだ」
言葉なんて必要ないさ そんなおとぎ話
「元気でいてね」「きっとまた会えるよ」
サヨナラは間違いじゃなかった そう言ってくれないか

この部分では二人がいかに意気投合していたかを理解できます。
共通点や相性の面で文句なしの状態を保っていたのでしょう。
言葉が意味をなさないほどに、彼らは目で分かり合える仲だった
のです。

しかし「おとぎ話」というフレーズが夢を見る二人を現実へと
誘います。

言葉のいらなかったはずの二人が「元気でいてね」「きっとま
た会えるよ」と別れの言葉を口にしたのです。
二人はこんな悲しく切ない日が来ることを夢にも思っていなか
ったでしょう。

若かりし頃の二人の台本には綴られていなかった展開です。
ですから二人は別れのシーンを上手く演じることができません。
動きも表情もどこかぎこちないものでした。

二人がただ願うこと、それは「サヨナラが間違いではなかった」
ということを証明して欲しいということでした。

「All Green」

グリーングリーン
丘の上寝そべって見てる空 夏の匂いがすぐそこまで
教えてくれたんだ 道に迷うときは
ここから また始めればいいんだ
ずっと言えずにいた「ありがとう」 小さく呟いて歩き出す
風の向こうに手を振る
グリーングリーン

サビが繰り返されているのは、男性が自然の中で紡いだ
彼女との思い出を忘れられないことを示唆しています。
さらに自分たちが若く未熟であったことを痛感している
部分でもあるのだと解釈できます。

丘の上で一人寝そべっている彼は大事なことに気がつき
ました。
「道に迷う」つまりこれからどうすればいいかわからな
くなった時には自然に身を任せれば良いということです。

そうすれば「また始められる」のです。

見出しで使用した「All Green」とは軍隊やそれに関係す
る分野において「すべて良好」「異常なし」という意味
で使用される言葉です。

自然の中で男性が自分の気持ちを確認し見直して上記の
ような状態になったのだと思いました。

別れがもたらした寂しさや切なさに埋もれた「五文字」を
彼は思い出して呟きました。

「ありがとう」

まとめ

いかがだったでしょうか。

別れとそれがもたらす感情を例証とともに巧みな仕方で
描写されていましたね。

思い出は自然界がもたらす風のように舞い込んでは去って
いきますね。
皆さんにも忘れられない思い出がたくさんあるかと思います。
是非、今作を聴いて感情移入してみて下さい。

筆者が取り分け印象に残ったのは歌詞の終盤です。
自然が教えてくれた大切なこと、そう自然に身を任せてまた
ここから始めるという点です。

個人的にやや消極的な面があり切り替えに時間がかかるから
そう感じたのかもしれません。
しかしリラックスして再出発するという思考はどんなタイプ
の人にも重要な要素だと感じたのです。

ラブソングにここまでの教訓的な要素が盛り込まれているこ
とに驚嘆しました。

ゆずの今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思い
ます。

素敵な作品を有難うございました。

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