ヨルシカ『藍二乗』覚悟を決めた、最後の夢

変わらない風景 浅い正午
高架下、藍二乗、寝転ぶまま
白紙の人生に拍手の音が一つ鳴っている
空っぽな自分を今日も歌っていた

変わらないように
君が主役のプロットを書くノートの中
止まったガス水道 世間もニュースも所詮他人事
この人生さえほら、インクみたいだ

あの頃ずっと頭に描いた夢も大人になるほど時効になっていく

ただ、ただ雲を見上げても
視界は今日も流れるまま
遠く仰いだ夜に花泳ぐ
春と見紛うほどに
君をただ見失うように

転ばないように下を向いた
人生はどうにも妥協で出来てる
心も運命もラブソングも人生も信じない
所詮売れないなら全部が無駄だ

わざと零した夢で描いた今に寝そべったままで時効を待っている

ただ、ただ目蓋の裏側
遠く描く君を見たまま
ノート、薄い夜隅に花泳ぐ
僕の目にまた一つ

人生は妥協の連続なんだ
そんなこと疾うにわかってたんだ
エルマ、君なんだよ
君だけが僕の音楽なんだ

この詩はあと八十字
人生の価値は、終わり方だろうから

ただ、ただ君だけを描け
視界の藍も滲んだまま
遠く仰いだ空に花泳ぐ
この目覆う藍二乗

ただ、ただ
遠く仰いだ空、君が涼む
ただ夜を泳ぐように


はじめに

2018年12月28日に配信されたヨルシカさんの『藍二乗』。

公開されたYouTube投稿のMVは、年明けの2019年1月1日には、すでに100万回再生を突破していました。

MVで男性が万年筆で歌詞を綴る様子を参考に、歌詞を考察したいと思います。

タイトル『藍二乗』の意味

タイトルの解釈が難しい『藍二乗』。

冒頭の歌詞から、主人公の人格から「藍」を想像し、「藍」についての人格的なオーラを調べたところ、性格的には「落ち着いた、深く敏感な一面を持つ」人なのだそう。

主人公が思い悩んでいる歌詞の様子から、心、体の状態を掛け合わせて、また、瞼を閉じたときの景色、両目の「藍・藍」なのだと解釈しました。

しかし、歌詞を読み解いていくと、主人公が使っている万年筆のインクの「藍」、主人公が見る夜の景色の「藍」、いろいろな解釈ができることがわかりました。

「藍」を探し、想像しながら歌詞を楽しんでいただければと思います。


『藍二乗』歌詞の意味

夢を追う主人公

変わらない風景 浅い正午
高架下、藍二乗、寝転ぶまま
白紙の人生に拍手の音が一つ鳴っている
空っぽな自分を今日も歌っていた

情景から読み取れることは、高架下で弾き語りでしょうか。

気持ちの良い太陽の中、日陰で弾き語りをしている歌を聴いた誰かが、その歌に拍手を送っている。

主人公は、シンガーソングライターなのでしょう。

タイトルの『藍二乗』が早くも歌詞に登場しました。

どこか、主人公の心情を『藍二乗』と表現しているように感じます。

変わらないように
君が主役のプロットを書くノートの中
止まったガス水道 世間もニュースも所詮他人事
この人生さえほら、インクみたいだ

「君」という相手が出てきました。

主人公はシンガーソングライターで、「君が主役のプロット」を考えています。

ラブソング、でしょうか。

「止まったガス水道」、主人公は、まだ駆け出しのシンガーソングライターだと伺えます。

「プロットを書く」ために使用している万年筆のインクは、おそらく黒か、藍色。

人生を暗く感じているのでしょう。

「インクみたいだ」と歌っています。

あの頃ずっと頭に描いた夢も大人になるほど時効になっていく

おそらく主人公は、歌手か、音楽関係で成功させることを夢見ていたのでしょう。

大人になってみると、夢を追い続けることで、社会的な困難や、生活への支障が出てくるものです。

夢を追うことに限界を感じているのではないかと考えられます。

ただ、ただ雲を見上げても
視界は今日も流れるまま
遠く仰いだ夜に花泳ぐ
春と見紛うほどに
君をただ見失うように

先の歌詞に「変わらない」と2度出てきています。

「変わらない」日々がただただ過ぎていき、好きな人、「君」も大人になっていくのです。

夢を追い続け、「君」を追い続け、報われる日は来るのでしょうか。


ただ、ただ夢を描く

転ばないように下を向いた
人生はどうにも妥協で出来てる
心も運命もラブソングも人生も信じない
所詮売れないなら全部が無駄だ sdpriority46 \

「所詮売れないなら全部が無駄だ」

自暴自棄になる主人公。

夢を追い続けていても、もう限界を感じているのです。

わざと零した夢で描いた今に寝そべったままで時効を待っている

考えれば考えるほど深みにはまっていくように、時が解決してくれるのを待つしかないのでしょうか。

ただ、ただ目蓋の裏側
遠く描く君を見たまま
ノート、薄い夜隅に花泳ぐ
僕の目にまた一つ ent

目を閉じて、浮かんだ情景を想いながら、ノートに君への歌を綴ります。

今、自身にできることを、自身の想いを、綴っていくのです。

「エルマ」のために

人生は妥協の連続なんだ
そんなこと疾うにわかってたんだ
エルマ、君なんだよ
君だけが僕の音楽なんだ
この詩はあと八十字
人生の価値は、終わり方だろうから

夢を追い続け、それでも主人公には音楽しかないのだと、この世界に向かっていく意思を固めた主人公。

ここで、「エルマ」という女性の名前が出てきました。

主人公は男性で、愛する女性であろう「エルマ」への想いを歌詞に綴ります。

「この詩はあと八十字」 限りある詩の文字に、自身の人生を全てかけるかのような、覚悟を決めたような大サビの歌詞です。


「この詩はあと八十字」

ただ、ただ君だけを描け
視界の藍も滲んだまま
遠く仰いだ空に花泳ぐ
この目覆う藍二乗

八十字に想いを込める主人公。

「視界の藍」は、ノートに書き、滲んだ万年筆のインクでしょう。

そして、タイトルの『藍二乗』。

その前に「この目覆う」と綴られています。

目を閉じたときに、暗闇になる、二つの目を閉じたときに見える暗闇を、「藍・藍」=『藍二乗』と歌っているように思います。

冒頭の歌詞の『藍二乗』は、精神的な暗い気持ちのことだと感じましたが、冒頭の情景でも、主人公が目を閉じていたのかもしれません。

明るい正午でも高架下の日陰で目を閉じると、暗い『藍二乗』ですね。

ただ、ただ
遠く仰いだ空、君が涼む
ただ夜を泳ぐように

詩に想いを込めた主人公。

納得のいく詩を書き上げ、ほっとしたような、安らぐような優しい視線で「君」を想っているようなラストの歌詞です。

この曲で、主人公は夢を叶えることができるといいですね。

まとめ

『藍二乗』、いろいろな「藍」を探し出せたでしょうか。

主人公の夢と、人生を掛けて詩を綴っている様子が感じ取れた『藍二乗』。

ヨルシカさんの今後の楽曲も期待したいですね。