米津玄師『パプリカ』歌詞の意味を考察・解釈

曲りくねり はしゃいだ道
青葉の森で駆け回る
遊びまわり 日差しの街
誰かが呼んでいる

夏が来る 影が立つ あなたに会いたい
見つけたのはいちばん星
明日も晴れるかな

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ

雨に燻り 月は陰り
木陰で泣いてたのは誰
一人一人 慰めるように
誰かが呼んでいる

喜びを数えたら あなたでいっぱい
帰り道を照らしたのは
思い出のかげぼうし

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ

会いに行くよ 並木を抜けて
歌を歌って
手にはいっぱいの 花を抱えて
らるらりら

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
かかと弾ませこの指とまれ


はじめに

『パプリカ』とは2019年8月9日にネット上で公開された楽曲です。
MV公開から僅か1時間で40万回再生を突破し、コメント欄は17,000以上の熱い
メッセージで埋め尽くされていました。
毎度のことながら伝説級の人気を誇っていますね。

同曲は、2020年とその先に向けて、頑張っているすべての人たちを応援するプ
ロジェクトの曲として2018年7月に発表されました。
これは今回の考察での中心軸となるテーマとなるでしょう。

作詞作曲を含むプロデュースを米津さんが務め、オーディションによって選ばれ
た小学生5人組ユニット・Foorinが歌唱しました。

また、Eテレの多くの番組とのコラボを展開し、全国各地の子どもたちとともに
パプリカを踊るイベントを定期的に開催しました。
関連動画のYouTube総再生回数は1億7,000万再生を記録しています。

8月16日(金)9:30にはNHK Eテレで放送される5分番組で、米津さんが「パプ
リカ」のセルフカバーについて語るインタビューがオンエアされる予定です。
MVについての裏話や正確な情報が手に入るのでお見逃しなく。

さて今作MVについてご紹介したいと思います。

MVは Foorin「パプリカ」のジャケットを描いたイラストレーター・加藤隆氏の
アニメーションで構成されています。
内容は大人になった「僕」が、幼少期に出会った「風の子」との思い出を回想す
るという物語です。

その他の映像には、風鈴、縁側、夕暮れの港、打ち上げ花火など日本の情緒を感
じさせる構成がふんだんに盛り込まれています。
今作のメインとなる「和楽器」にマッチするよう制作されたようです。

歌詞全体も幅広い年齢層を捉えるよう練られているように感じました。
NHKみんなのうたの基本的な枠のようなものを大切にしながらも、米津さんらし
さを出しているといった印象を筆者は個人的に受けました。

タイトル『パプリカ』とは

それでは気になる歌詞をさっそく考察していきましょう。

『パプリカ』とはナス科の多年草であるトウガラシ属トウガラシの栽培品種を
指します。
一般的には「野菜」もしくは「唐辛子」のイメージが強いかと思われます。

しかし今作の歌詞においてはパプリカの花に言及されている点に注目です。
パプリカの花はどんな花でしょうか。

ちょうど良いフリー画像がなかったので絵心ない筆者が
花図鑑を見ながらササッと描いた画像で妥協してください(笑)

ようは白くて6枚の花だということですね。

しかし今回パプリカの花の色が白いことや6枚であることは
解釈する上であまり意味を持たないようです。
どちらかと言えば「パプリカ」の花言葉の方に歌詞との関連性
を見出しました。

パプリカの花言葉にはたくさんの意味があります。
今作に関係ありそうな言葉は「君を忘れない」「海の利益」
「海のめぐみ」といったところでしょうか。

MVから「君を忘れない」は僕と風の子に該当しますし、映像
に海の舞台がたくさん登場する点でも「海の利益(恩恵)」
「海の恵み」という言葉が当てはまります。

前作「海の幽霊」から「海」ワードが続いていますが自然を愛
する米津さんの気持ちが露出しているように感じました。


『パプリカ』歌詞の意味

誰かが呼ぶ声

曲りくねり はしゃいだ道
青葉の森で駆け回る
遊びまわり 日差しの街
誰かが呼んでいる

今作はMVの内容を反映しつつも主人公を不特定の人物
として展開していきます。
理由はあくまでのNHK「みんなのうた」だからです。
すべての人が共感できることが大切だと思います。

季節は夏、蝉が騒がしくそよ風が木々を揺らしています。
学生であれば夏休みであり自然に触れる機会も多かった
ことでしょう。

ぐねぐねと曲がっている道は歩きづらいはずなのに子供
たちは興奮し走り抜けます。
森の中では木登りや自然採取など遊び方は豊富です。
日差しの街では「誰かの呼び声」が聞こえてきます。

これは自分たち以外の同級生か、もしくは帰りを心配し
ている親の声なのかもしれません。
いづれにせよ、携帯で呼び出す現代とは打って変わって
懐かしさを感じるフレーズです。


夏はときめきの宝石箱

夏が来る 影が立つ あなたに会いたい
見つけたのはいちばん星
明日も晴れるかな

夏は基本的に影が「短く」なる季節と言われています。
ですからびよーんと伸びて寝ているように見える影よ
り自分と一緒に立っているような影を見たのでしょう。

さらに夏は「大切な誰かに会いたく」なったり一番星
を見つけて喜んだりと興奮する機会が多いのです。
勿論季節に関係なく上記のことがらは楽しめるのです
が雰囲気が違うのです。

気持ちは高揚し普段なら出来ないことをやってみよう
と人を駆り立てる不思議な力が夏にはあるようです。
子供たちも一番元気にはしゃぐ季節かもしれません。
まさに夏はときめきのたくさん詰まった宝石箱です。

慰めと喜び

雨に燻り 月は陰り
木陰で泣いてたのは誰
一人一人 慰めるように
誰かが呼んでいる

喜びを数えたら あなたでいっぱい
帰り道を照らしたのは
思い出のかげぼうし

ここでは泣き悲しんでいる子供の心情を美しい自然描写を
用いて例証しています。

「雨に燻(くゆ)り」とはどういう意味でしょうか。
「燻る」とは木々などが燃えずに煙だけ出す状態を指します。
簡単にいうと外でチップなど使用して作るスモークチーズの
スモークです。

ですから雨で燻りとは「燃えない状態」を描写しています。
誰しも元気が出ないとき、やる気が起きないときはあるもの
です。
歌詞中の子供もそうした理由から泣いているのでしょう。

そんなとき周囲の友達は一人一人自分なりの言葉でその子供
を「慰めて」いきます。
今はいじめなどが問題になっていますが、こうした自然に示
される優しさが広く見られたら微笑ましいですね。

続く歌詞では「喜び」を数えること、数えたら喜びの理由が
友達であったことを示しています。
一日、あるいは連休を振り返り自分がどれだけ「幸せ」だっ
たか、そして友達への感謝を思い起こすのは大切ですね。

この部分の歌詞からは慰めることと感謝を学べます。


パプリカの花―笑顔 咲かせて

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
かかと弾ませこの指とまれ

サビの部分では子供たちに向けてエールが送られています。
「花が咲いたら」とは「元気になって笑顔になったら」と
筆者は解釈しました。

「晴れた空に種を蒔こう」とは「晴れ晴れとした心に新た
な思いや志」を持とうという意気込みを感じます。

「ハレルヤ」とはキリスト教で一般的に聞かれる用語であ
り聖書の中に記載されています。
「感謝や歓喜」というのが幅広い意味合いですが参照資料
を調査するなら「神を賛美する言葉」が正確なようです。

上記に共通しているのが「対象者が非常に喜ばしい状態」
であるという点です。
こうした状態になったのなら「夢」を描くことを歌詞では
勧めています。

米津さんが子供たちへの可能性を高く評価し無駄にして欲
しくないという願いを強く感じる部分ですね。

子供だけでなく2020年とその先を生きる大人たちも、自分
たちの可能性を最後まで信じて目標持って歩んで行きたいと
思いました。

まとめ

いかがだったでしょうか。
パプリカの花言葉や自然描写から子供の心情を汲み取ることが
できましたね。

そして米津さんの熱い応援メッセージもずっしりと心に届いた
のではないでしょうか。

MVでは赤を基調とした服や花が多く登場してきました。
そうした面では野菜の赤パプリカを連想させたいのかなと思い
ました。

特定のイメージを持たせたくないという部分を米津さんの作品
からはいつも感じています。
「パプリカ=野菜」とか「パプリカ=赤また黄色」など断定し
たイメージを払しょくした作品であると筆者は実感しました。

毎回、感動と驚嘆を与えてくれる米津さんに感謝したいと思い
ます。
素敵な作品を有難うございました。
今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。