米津玄師『TEENAGE RIOT』歌詞の内容は「米津玄師 どこにも行けない説」への反撃だった。

出典:http://reissuerecords.net/special/flamingo/

潮溜まりで 野垂れ死ぬんだ
勇ましい 背伸びの果てのメンソール
ワゴンで2足 半額のコンバース
トワイライト 匂い出すメロディー
今サイコロ振るように日々を生きて
ニタニタ笑う 意味はあるか
誰も興味が無い そのGコードを
君はひどく 愛していたんだ
煩わしい心すら
いつかは全て 灰になるのなら
その花びらを瓶に 詰め込んで火を放て
今ここで 誰より強く願えば
そのまま遠く 雷鳴に飛び込んで
歌えるさ
カスみたいな だけど確かな
バースデイソング
しみったれた
ツラが似合うダークホース
不貞腐れて 開けた壁の穴
あの時言えなかった三文字
ブラスバンド鳴らし出すメロディー
真面目でもないのに 賢しい顔で
ニヒリスト気取ってグルーミー
誰も聞いちゃいない
そのDコードを
それでもただ信じていたんだ
よーいドンで 鳴る銃の音を
いつの間にか 聞き逃していた
地獄の奥底に タッチして走り出せ
今すぐに誰より 独りでいるなら
誰より誰かに届く歌を
歌えるさ間の抜けた だけど確かな
バースデイソング
持て余して放り出した
叫び声は取るに足らない
言葉ばかりが
並ぶ蚤の市に また並んでいく
茶化されて 汚されて恥辱の果て
辿り着いた 場所はどこだ
何度だって歌ってしまうよ
どこにも行けないんだと
だからこそあなたに
会いたいんだと

煩わしい心すら
いつかは全て 灰になるのなら
その花びらを瓶に 詰め込んで火を放て
今ここで誰より 強く願えば
そのまま遠く 雷鳴に飛び込んで
歌えるさカスみたいな
だけど確かな
バースデイソング


はじめに

今回は米津玄師『TEENAGE RIOT』の歌詞の意味を考察していきます。

直訳すると「10代の暴動」。

もともとは、大ヒット中の楽曲「Lemon」のカップリング用の曲だったとのことで、バラードのような「Lemon」に対し、対照的な曲を作ろうと思ったのだそうです。

モノクロのMVと、バンドサウンドがかっこいい楽曲ですが、どんな暴動なのか、歌詞の内容を見ていきましょう。

『TEENAGE RIOT』歌詞の意味

思春期の感情

米津さんが10代の頃を思い返しながら制作したというこの楽曲。

1番、2番のAメロ、Bメロで、10代独特の感情が表現されています。

まずは1番のAメロ。

潮溜まりで 野垂れ死ぬんだ
勇ましい 背伸びの果てのメンソール
ワゴンで2足 半額のコンバース
トワイライト 匂い出すメロディー

「潮だまり」とは海の満潮時に到達した海水が、干潮時に凹みの部分に取り残された場所のことです。

10代、「普通」に見える人たちになじめず、取り残されている様子が読み取れます。

米津さんの10代は、「青春」ではない、キラキラと輝くような学生生活ではなかったのでしょう。

次に、1番のBメロです。

今サイコロ振るように日々を生きて
ニタニタ笑う 意味はあるか
誰も興味が無い そのGコードを
君はひどく 愛していたんだ

サイコロの目は、振るとランダムに数字が現れます。

何も考えず、ただ何となく笑って日々を過ごす意味はあるのか。

「Gコード」は、音楽用語で、和音の1種類のことです。

ピアノなどの鍵盤で、「ソ・シ・レ」を同時に鳴らした音です。

この和音は、明るいイメージで、勇気があふれてくるような元気な感じ。

米津さんは、10代の若いころから、音楽に没頭し、将来の自分を想像していたのかもしれません。

同じ趣味を持つ仲間がいないけれど、やりたいことがある。

周りに流されることなく、強く自身を貫いていたのでしょう。

サビはいったん後回しにさせていただき、2番のBメロを考察します。

しみったれた
ツラが似合うダークホース
不貞腐れて 開けた壁の穴
あの時言えなかった三文字
ブラスバンド鳴らし出すメロディー

ここで気になるのは

「あの時言えなかった三文字」

「ダークホース」は競馬で言うと大穴。

みすぼらしい容姿だけれども、実は力があるもののこと。

1番の歌詞からわかるように、米津さんの10代は明るいものではなかったと想定できます。

周りから変わり者として見られていたのでしょう。

そして、「不貞腐れて 開けた壁の穴」。

周りをいつか見返したい、そんな悔しい想いが込められている「三文字」だと想定します。

あの時を「不貞腐れて 開けた壁の穴」の時だと仮定すると、「三文字」は

「ごめん」

ではないかと思いました。

これはあくまで考察なので、本当のところはわかりません。

素直になれない思春期。

その他にあてはめるとしたら、「きらい」「つらい」「こわい」など、ネガティブな言葉だと思います。

そして、続くBメロ。

真面目でもないのに 賢しい顔で
ニヒリスト気取ってグルーミー
誰も聞いちゃいない
そのDコードを
それでもただ信じていたんだ

1番では「Gコード」明るい印象の和音でした。

2番では「Dコード」になっています。

「Dコード」は「レ・ファ♯・ラ」、ラブソングなどに多用れる和音です。

誰かに作った想いを込めた曲を、気に留める人はいなかった。

それでも自分を信じて、音を鳴らしてきたのでしょう。


夢は叶う

衝動的な感情が沸き上がっているサビ。

1番と、ラストで歌われるサビは同じ歌詞です。

煩わしい心すら
いつかは全て 灰になるのなら
その花びらを瓶に 詰め込んで火を放て
今ここで 誰より強く願えば
そのまま遠く 雷鳴に飛び込んで
歌えるさ
カスみたいな だけど確かな
バースデイソング

周りとなじめず、つらい心。

いつかは必ず人間は死んでしまうから、やりたいことがあるなら周りを気にせずやればいい。

周りとは違うことをし、自分のやりたい音楽を続けてきた米津さん。

音楽家となった今、10代の自分を励ます歌詞となっています。

2番のサビは、より鮮明に。

よーいドンで 鳴る銃の音を
いつの間にか 聞き逃していた
地獄の奥底に タッチして走り出せ
今すぐに誰より 独りでいるなら
誰より誰かに届く歌を
歌えるさ間の抜けた だけど確かな
バースデイソング

「誰より 独りでいるなら」

孤独でも、夢を追い、自分が正しいと思う最善の道を走れ。

米津さん流の、10代へ向けての応援歌だと読み取れます。

「中二病」の反撃

最近は、生きづらいことを言葉にすると、SNS上などで「中二病」と称されます。

大サビは、この「中二病」の使い方について考えさせられる内容になっています。

持て余して放り出した
叫び声は取るに足らない
言葉ばかりが
並ぶ蚤の市に また並んでいく
茶化されて 汚されて恥辱の果て
辿り着いた 場所はどこだ
何度だって歌ってしまうよ
どこにも行けないんだと
だからこそあなたに
会いたいんだと

「茶化されて 汚されて恥辱の果て」

素直な気持ちを吐き出した言葉が、茶化されたりしたらとても恥ずかしいですよね。

しかし、米津さんは屈しません。

「何度だって歌ってしまうよ どこにも行けないんだと」

2017年8月、インターネット上で「米津玄師 どこにも行けない説」が浮上しました。

米津さんは、自身の楽曲「LOSER」や「砂の惑星」で「どこにも行けやしない」「どこにも行けなくて」等、「どこにも行けない」という内容の歌詞を多用していることから起因。

米津さんのファンがツイートし、話題になったことで米津さん本人の目にも止まりました。

そして、米津さんのこのようなネガティブな歌詞は、世間一般的に「中二病」だと批判する人もいます。

そんな中、『TEENAGE RIOT』この歌詞です。

世間一般に対する、米津さん流の反撃。

どんなに「中二病」だと言われても、これからも歌い続けていく、そんな意思の表れだと思います。

かっこいいですね。

こんな米津さんを「中二病」というのなら、「中二病」を応援したくなります。


まとめ

米津さん流の暴動は、自身の世間一般のイメージに対するものでした。

音楽家だからこそできる、楽曲での暴動ですよね。

米津さんの過去をテーマにしたこの楽曲、歌詞の内容を読み取りながら聴いてみてくださいね。



この記事をシェアする!