米津玄師『Flamingo』歌詞の意味・考察と解釈 ~独創的な歌詞の秘密とは? ~

宵闇に 爪弾き 悲しみに雨曝し 花曇り
枯れた街 にべもなし 侘しげに鼻垂らし へらへらり

笑えない この陳家な泥仕合
唐紅(からくれない)の髪飾りあらましき恋敵
触りたい ベルベットの眦に
うすら寒い笑みに

あなた フラフラフラ フラミンゴ
鮮やかな フラフラフラ フラミンゴ
踊るままフラフラ笑ってもう帰らない
寂しさと 嫉妬ばっか残して
毎度あり 次はもっと大事にして

御目通り 有難し 闇雲に舞い上がり 上滑り
虚仮威し 口ずさみ 狼狽えり軽はずみ 阿保晒し

愛おしいその声だけ聞いていたい
半端に稼いだあぶく銭 集りだす昼トンビ
下らないこのステージで光るのは
あなただけでもいい

それは フラフラフラ フラミンゴ
恐ろしや フラフラフラ フラミンゴ
はにかんだフラフラあかんべえ もうさいなら
そりゃあないね もっとちゃんと話そうぜ
畜生め 吐いた唾も飲まないで

氷雨に打たれて鼻垂らし
私は右手に猫じゃらし
今日びこの程度じゃ騙せない
狭間で彷徨う永久に
地獄の閻魔に申し入り
あの子を見受けておくんなまし
酔いどれ張り子の物語
やったれ死ぬまで猿芝居

あなた フラフラフラ フラミンゴ
鮮やかな フラフラフラ フラミンゴ
踊るまま フラフラ笑ってもう帰らない
嫉妬ばっか残して
毎度 あり次はもっと大事にして
宵闇に爪弾き花曇り
枯れた街にべもなし鼻へらり


はじめに

2018年10月31日リリースの両A面シングル『Flamingo / TEENAGE RIOT』に収録されている楽曲です。

「ふらふらふらフラミンゴ」が頭から離れない、面白いサビの歌詞に注目です。

今回は、そんな『Flamingo』を考察していきます。

タイトル『Flamingo』の意味

フラミンゴはピンク色の体と、片足で立つ姿が特徴的な水鳥です。

MVでは、米津玄師さんがフラミンゴのような動きのダンスを披露しています。

米津玄師さんの長い手足がフラミンゴの姿と重なります。

米津玄師さんは、自身が高身長、細長く長い指など、骨格に症状が現れる「マルファン症候群」であることを告白しており、自身の身体特徴をフラミンゴと重ね合わせ、タイトルにしたのではないでしょうか。

歌詞中のフラミンゴはピンク色で艶やかな女性を連想させますが、米津玄師さんはこの楽曲を作る際、「自由にやれる環境がもらえて」、「次の曲は自分の側だけの曲にしようかな」と語っており、現在の米津玄師さんのやりたいことが詰まっているのではないかと感じました。

また、古文のような難しい言葉を選ぶ要素になったのは、沖縄民謡が好きで、独特の歌い方を練習したということから意識したのかもしれません。

参考:https://highsnobiety.jp/?p=11211&preview=1&_hscp=00491805


『Flamingo』歌詞の意味

夜の街で働くあなた

宵闇に 爪弾き
悲しみにあまざらし花曇り
枯れた街 にべもなし
侘しげに鼻垂らしヘラヘラり
笑えないこのちんけな泥試合
唐紅の髪飾り
あらましき恋敵
触りたいベルベットの眥に
うすら寒い笑みに
あなた ふらふらふら フラミンゴ
鮮やかな ふらふらふら フラミンゴ
踊るまま ふらふら 笑ってもう帰らない
寂しさと嫉妬ばっか残して
毎度あり 次はもっと大事にして

 

「宵闇」とは、日暮れから夜中までの薄暗さ。
「にべもなし」とは、愛想がない。
「唐紅」とは濃い紅赤色。
「あらましき」とは激しい。
「眥」は目じり。

語彙力が高すぎて一字一句解読していかないと難しい歌詞です。

「にべもなし」や「ヘラヘラり」と、「ヘラヘラ」に「り」と終止していることで、古文のような、和風な感じが強まります。

「爪弾く」というワードから、薄暗い夕方から夜にかけての路上LIVEかなと感じました。

店舗のシャッターが閉まり、人気はまばら。

足を止める人もおらず、人々に愛想は感じられない。

「唐紅の髪飾り」から女性を連想させます。

夜の街で働く女性でしょうか。

誰の目にも止まらない、ちっぽけな男性目線の、ある女性への恋。

サビは、女性を「フラミンゴ」と歌っているようです。

お金を払い、一夜だけの女性。


あなたに届かない

御目通り ありがたし
闇雲に舞い上がり上滑り
虚仮威し 口ずさみ
うろたえに軽はずみアホ晒し
愛しいその声だけ聴いていたい
半端に稼いだ泡銭
たかりだす昼とんび
くだらないこのステージで光るのは
あなただけでも良い
それは ふらふらふら フラミンゴ
恐ろしや ふらふらふら フラミンゴ
はにかんだ ふわふわ浮かんでもうさいなら
そりゃないね もっとちゃんと話そうぜ
ちくしょうめ 吐いた唾も飲まないで

 

「御目通り」とは上品な人のお目にかかること。
「上滑り」とは本質を見抜けない、軽々しいこと。
「虚仮威し」とは見せかけだけで中身がないこと。

2番の歌詞では、高嶺の花の女性の目にとまり、浮かれている様子なのでしょうか。

せっかくお目にかかったものの、上辺だけの軽はずみな行動に後悔しているように感じます。

女性には多くの男性を虜にしてしまう魅力があるのでしょう。

相手にされない男性の悔しい気持ちが、「ちくしょうめ 吐いた唾も飲まないで」と少し汚い言葉で表現されているようです。

あなたを手に入れたい

氷雨に打たれて鼻垂らし
私は右手に猫じゃらし
きょうびこの程度じゃ騙せない
朝まで彷徨うとこしえに
地獄の閻魔に申し入り
あの子を見受けておくんなまし
酔いどれ張り子の物語
やったれ死ぬまで猿芝居
あなた ふらふらふら フラミンゴ
鮮やかな ふらふらふら フラミンゴ
踊るまま ふらふら 笑ってもう帰らない
嫉妬ばっか残して
毎度あり 次はもっと大事にして

 

「とこしえ」とはいつまでも続くこと。

自分を見てはくれない女性。

どうにもならない男性の、手持無沙汰な様子が、「猫じゃらし」や「酔いどれ張り子」という言葉からうかがえます。

地獄の閻魔様にさえも頼りたい。

女性を自分のものにしたい、諦められない気持ちが伝わってきます。


そしていつもの日常へ

宵闇に 爪弾き花曇り
枯れた街 にべもなし
侘しげに鼻垂らしはらヘラり

最後のフレーズは最初のフレーズと同じような歌詞です。

男性は、女性に憧れを抱いたまま、半端に泡銭を稼ぐ日常を繰り返すのでしょう。

まとめ

歌詞の言葉が難しいので、何度もリピートしていると解ってくるような深みがあります。

「フラミンゴ」が米津玄師さんのことだとしたら、マルチに活躍する彼の日常が、これからも苦労とともに繰り返され、続いていくということなのではないでしょうか。

米津玄師さんの活動は、今後も目が離せませんね。



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