山内惠介『唇スカーレット』歌詞の意味を考察・解釈

抱きしめていたいんだ…

これが たとえ嘘でも
くちづけは 覚えていたい
いつか消える夢ほど
強く指を絡め合い

なにも いらない なにも
今夜 このまま 今夜
恋の色はスカーレット
唇スカーレット
君にあげるから

どこか 連れて行ってと
耳もとで 囁(ささや)くけれど
遠く ばかり見ていたら
たぶん道に迷うもの

もしも 二人が もしも
今夜 このまま 今夜
恋の色はスカーレット
唇スカーレット
君にあげるから

蜜の甘さばかりを
幸せと思いたがるよ
棘の痛み忘れれば
花はどうせ枯れるのに

なにも いらない なにも
今夜 このまま 今夜
恋の色はスカーレット
唇スカーレット
君にあげるから
きっとあげるから

歌詞考察の前に

人気アーティスト山内惠介さんが歌う『唇スカーレット』は2019年3月6日にリリースされました。

同年1月31日には同曲のショートバージョンMVがネット上で公開されました。
現在の動画再生回数は120万を超える人気ぶりを見せています。

同曲の作詩を松井五郎さん、作曲を水森英夫さん、編曲を馬飼野俊一さんが担当しています。

ストレートに情熱を伝えつつも大人の色気を伝える曲調には、どことなく「ジュリー」をイメージさせられました。
テンポや内容は違えど「勝手にしやがれ」のような。。

なんて思って検索してみればあら不思議。。
あるサイトでもそのようなことを述べていました。

頭に浮かんだのはジュリー=沢田研二(70)だったという。「ジュリーが出していた雰囲気、妖しさやきらびやかさ、派手さ」を思い浮かべて歌った。https://www.sankei.com/entertainments/news/190604/ent1906040005-n1.html

上記コメントでも述べられているようにジュリーが放つ魅力を感じさせる要素が今作でもたくさんあったと思います。

MVでは 山内惠介さんが深紅の衣装を身に纏って登場します。
タイトルと関連のある色を選びましたね(スカーレットにしては真っ赤に見えるが)

一度目にすれば焼き付いてしまうほどのインパクトの強い衣装です。
しかしそれを上回るほどの力強い歌声と、天に差し伸べられた手が筆者の頭にインプットされました。

男前な顔と切れ長な目もたいへん魅力的であり女性ファンも釘付けでしょうね。

それではさっそく気になるタイトルや歌詞の考察を始めていきたいと思います。

タイトル『唇スカーレット』とは

タイトル『スカーレット』色名の1つでありやや黄味の赤を表します。
鮮やかな純色とされることが多いようですが、JIS Z 8102:2001ではややくすんだ色とされています。

また 山内惠介さんご自身が「赤は勝負色」と述べていたこともあり、今作がアグレッシブで攻めの姿勢を見せていることも理解できます。

ただ筆者が拘りたい点は「レッド」ではなく「スカーレット」という点です。

確かに「スカーレット」 の方がお洒落で濁点の無い分、丸みのあるタイトルに思えます。

しかし今作の内容が「男女のワンナイトラブ」をテーマにしているように思え、お互いの感情の複雑さ、一筋縄でいかない部分や幸せ一色ではない点を「やや黄味の赤」であるスカーレットで表現したのだと解釈しました。

また「唇」とは歌詞中の男性の唇のことだと思われます。
彼の唇の色や情熱的な口づけをタイトルは表現していると考えました。

続く部分では歌詞の意味と登場人物の背景や感情を追っていきます。

『唇スカーレット』歌詞の意味

離したくない

抱きしめていたいんだ…

これが たとえ嘘でも
くちづけは 覚えていたい
いつか消える夢ほど
強く指を絡め合い

今回の考察では2人の男女を主軸に進めていきたいと思います。

歌詞冒頭では「抱きしめていたいんだ」と彼が自身の願いを告げています。

時刻は夜なのでしょうか。
彼には愛してやまない女性がいます。

今まさにその女性を両手いっぱいに抱きしめています。
ハグは愛情表現の一つですがそれだけではありません。

彼は「この手を離せば、彼女を抱きしめるのを今やめてしまえばもう二度と会えなくなる」と考えていたことでしょう。

なぜなら続くフレーズに「これが たとえ嘘でも」とあるからです。
理由はわかりませんが今の行為が、そして感じる幸せが「嘘」つまり全くなかったことになる可能性に不安を感じています。

さらに「いつか消える夢」というフレーズも2人の関係が永遠のものではないことを強調しています。

上記の「夢」に対して「強く指を絡め合い」と重ねられているのは、儚い夢だからこそ離したくなくなるという気持ちを描写しているのだと読み取れます。

指の絡め合いでイメージされるのは「恋人繋ぎ」かもしれません。
少々若者向けの連想かもしれませんが、互いの指を交互にしっかりと絡めることで「親しみ」「絶対に離さない」という意志が伝わります。

そのようにして2人は互いを求め合い決して離そうとはしなかったのでしょう。

欲しいのは一夜の愛

なにも いらない なにも
今夜 このまま 今夜
恋の色はスカーレット
唇スカーレット
君にあげるから

ここでは男性側の情熱的、且つ本能的な心情が溢れています。

目の前の彼女以外では自分の欲求を満たすことはできません。
そして歌詞の中で「今夜」2回強調されている点からも、彼女を「今、愛したい」という強い願いを感じます。

さらに「このまま」というフレーズが「時間が止まってずっと今夜」であることを望んでいるようにも感じられました。

そして「恋の色はスカーレット」という意味深なフレーズが登場します。

これは単に恋愛は情熱的だ、というだけのものではないと思います。

そのような情熱がスカーレットの赤の部分であれば、明日になれば会えなくなるのではないかという不安、どれだけ愛しても足りない不満が赤に混じった黄色の部分なのだと解釈しました。

続く「唇スカーレット」とは彼の唇の色を表現しており、彼女に口づけするということを暗示しているフレーズなのでしょう。

叶えられない願い

どこか 連れて行ってと
耳もとで 囁(ささや)くけれど
遠く ばかり見ていたら
たぶん道に迷うもの

恋愛ストーリーに多く見られるのが、女性が男性に「どこか 連れて行って」と願い出るシーンです。

それは現状からの脱却、逃避を目的としている場合があります。
また愛する人との時間を確立するために願い出る場合もあります。

今作でも彼女は彼の耳もとで同じような願いを口にします。
もしかすると彼女にも、自分の生活に満足していない面があったのかもしれません。

または単純に彼との将来を視野に入れてずっと一緒にいることを望んだのかもしれません。

しかし彼は「遠くばかり見ていたら」道に迷うと述べています。

これは彼が彼女の現状に理解を示し、目を逸らしてはいけないと優しく配慮したのかもしれません。

また将来を考える彼女に今に集中して欲しいと願ったともとれます。

いずれにせよこの部分での2人の考えや優先順位に幾らかの差異が生じていることは明らかです。

同じ感情を持つ人間ですが、その感情の形も量も男性と女性では違っているものです。

それはスカーレットの色見本を見て「赤」「朱色」「オレンジ」とさまざまな意見が出るのと同じほどの差異なのかもしれません。

恋愛の花

蜜の甘さばかりを
幸せと思いたがるよ
棘の痛み忘れれば
花はどうせ枯れるのに

この部分では恋愛を「花」に見立てているように見受けられます。

花に「蜜」があるように恋愛にも甘く感じられる幸せな面があります。
愛する人と顔がくしゃくしゃになるほど笑い合い、触れ合うことができるのです。

しかし花の種類によっては茎などに「棘」が存在します。
同じように恋愛にも痛みを生じさせるような面があります。

相手と永遠に結ばれることを許さない状況があります。
また今、一致している理解や意識に大きな摩擦が生じるかもしれません。

それまで笑顔で尊び合っていた男女が、血相変えて口論するときには心痛を味わいます。

また会えない時に感じる寂しさも棘のように胸を痛めることがあります。
そうした恋愛の痛みの面、すべてを味わいたくないのであればある方法を取る必要があります。

それは相手を忘れて恋愛を終わらせることです。
それしかないと言えるでしょう。

痛みのない恋愛はありません。
重複するかもしれませんが筆者の述べる「痛み」は問題という消極的なものだけを指すのではなく寂しいと感じる部分も含んでいます。

ですから愛する人にずっと会えない時に痛みを感じることは誰にでもあるという点を上記は伝えています。

恋愛の花を枯らさないポイントは蜜も棘も愛して受け入れるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

歌詞中の愛し合う2人もその点に留意し、一夜しか咲かない恋愛の花を慈しみ大事にしていたに違いありません。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
愛し合う男女と交錯するさまざまな心情や感情が歌詞の中で表現されていましたね。

時にタイトルにも含まれている「スカーレット」のチョイスが考えさせられました。

誰かに「スカーレットってどんな色?」と尋ねられたら皆さんは何と表現しますか。

筆者は「赤にね、なんか黄色が混じった感じ」と適当に答えてしまいます(笑)
恐らく人によって表現方法が異なると思います。

同様に恋愛や感情も人によって表現方法が異なり、定義づけなんて出来ないと改めて思いました。

また「愛し合っているならなんの問題もない」という経験の浅い考えを打ち砕くような「恋愛の裏側」も歌詞の中に盛り込んだように感じました。

これから恋愛の花を一生懸命育てようと考えているすべての人が、蜜と棘の両方を甘受して幸せになることを筆者は願っています。

情熱的で大人の魅力たっぷりに歌ってくださった山内惠介さん、素敵な作品をありがとうございました。

次回作と今後の活動にも注目し期待しています。
また今年の紅白でのパフォーマンスも楽しみにしています。
頑張ってください!

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