宇多田ヒカル『二時間だけのバカンス 』歌詞の意味・考察と解説

クローゼットの奥で眠るドレス
履かれる日を待つハイヒール
物語の脇役になって大分月日が経つ

忙しいからこそ たまに
息抜きしましょうよ いっそ派手に

朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに連れて行って
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ

お伽話の続きなんて誰も聞きたくない

優しい日常愛してるけれど
スリルが私を求める

家族の為にがんばる 君を盗んでドライヴ
全ては僕のせいです わがままにつき合って
二時間だけのバカンス いつもいいとこで終わる
欲張りは身を滅ぼす
教えてよ、次はいつ?

ほら車飛ばして 一度きりの人生ですもの
砂の上で頭の奥が痺れるようなキスして
今日は授業サボって 二人きりで公園歩こう
もしかしたら一生忘れられない笑顔僕に向けて

朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに参ります
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ


はじめに

2016年に発売された宇多田ヒカルの6枚目のアルバム『Fantome』に
収録された楽曲『二時間だけのバカンス』。

椎名林檎とのコラボが大きな話題となった楽曲です。

LIVEやCDで互いの楽曲をカバーし合うなど、深い親交があることで知られている
宇多田ヒカルと椎名林檎でしたが、これまで正式な共同作品はありませんでした。

このような背景から両者のファンから多大な期待を寄せられていた『二時間だけのバカンス』。

果たしてその歌詞はどのようなものなのでしょうか。

歌詞考察

独り身の女性が母になって

クローゼットの奥で眠るドレス
履かれる日を待つハイヒール
物語の脇役になって大分月日が経つ

忙しいからこそ たまに
息抜きしましょうよ いっそ派手に

一番Aメロ〜Bメロです。

「クローゼットの奥で眠るドレス」「履かれる日を待つハイヒール」と、
お洒落なアイテムがしばらく使われていない描写から始まります。

アイテムが女性のものであることから、これは一人の女性が母になって
そういったものを身につける暇がなくなったことを描写しているのでしょう。

そして、その女性とは宇多田ヒカルと椎名林檎のことを指すと考えられます。

同時期にデビューし、共に音楽界で活躍してきた二人も今では子を持つ母親です。

そういったデビューから変化した自分たちの環境の変化を思い、このように歌うのでしょう。

しかし、パートの最後では「忙しいからこそ たまに息抜きしましょうよ いっそ派手に」
と続きます。

忙しいから短いけれど、充実した二時間だけのバカンスが始まるのです。


少しの時間で終わるからこそ

朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに連れて行って
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ

一番サビです。

「朝昼晩と頑張る 私たちのエスケープ 」という歌詞からは、家事や子育てを行いながら
歌手活動に取り組み、毎日慌ただしく過ごす宇多田ヒカルと椎名林檎がエスケープ、
つまりその日常から脱出して短いバカンスを楽しむ様が描かれます。

そして「足りないくらいでいいんです 楽しみは少しずつ」と、その時間は短いけれど、
積み重ねることによって少しずつこれからも楽しんでいこうという歌詞が続きます。

宇多田ヒカルと椎名林檎が互いのために時間を作って、二時間だけのバカンスを
これからも楽しんでいくことが予想される歌詞ですね。

同時に互いの関係が非常に良好であることも分かります。

毎日の生活に充実はしているけれど

お伽話の続きなんて誰も聞きたくない

優しい日常愛してるけれど
スリルが私を求める

二番Aメロです。

「優しい日常愛しているけれど スリルが私を求める」という歌詞から
愛するパートナーと子供がいる満ち足りた日々を過ごしているけれど、
何か物足りないと感じる姿が描写されます。

一番サビでは「足りないくらいでいいんです」と言っていたにも関わらず、
大きな心境の変化ですね。

気心知れた二人きりの短いバカンスが、振り返ってみると非常に楽しかったためでしょうか。

そんな心境の変化に任せて、またバカンスを楽しむことを決めるのです。


さらに楽しみたくなって

家族の為にがんばる 君を盗んでドライヴ
全ては僕のせいです わがままにつき合って
二時間だけのバカンス いつもいいとこで終わる
欲張りは身を滅ぼす
教えてよ、次はいつ?

ほら車飛ばして 一度きりの人生ですもの
砂の上で頭の奥が痺れるようなキスして
今日は授業サボって 二人きりで公園歩こう
もしかしたら一生忘れられない笑顔僕に向けて

朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに参ります
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ

二番サビ〜大サビです。

「家族の為にがんばる 君を盗んでドライヴ」と二番Aメロから続く、
日常を抜け出してスリルを楽しみたいという思いが
二時間のバカンスをよからぬ方向に向かわせます。

そして「二時間だけのバカンス いつもいいとこで終わる」「教えてよ、次はいつ?」
と少しだけの楽しみでよかったはずのバカンスを過剰に楽しんでしまっている様が描かれます。

しかし、最終的に愛するパートナーや我が子のことを思い出したのでしょう。

「足りないくらいでいいんです」「楽しみは少しずつ」と、
短いバカンスを正しく楽しむことを決めるのです。

終わりに

宇多田ヒカルと椎名林檎の共作として大きな話題となった『二時間だけのバカンス』。

その歌詞は母となった互いの現状を踏まえて作られた、
忙しい日々の息抜きの楽しさを描いたものでした。

歌詞に加えて、MVも非常に印象的で近未来的な世界で
二時間だけのバカンスに興じる両者の姿を見ることができます。

ぜひ、歌詞とMVを併せて『二時間だけのバカンス』の世界観を楽しんでください。



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