ツユ『ナミカレ』歌詞の意味を考察・解釈

お先真っ暗な人生
最早、どうでもいいや

夢とかどうやったら見つかるの?
教えてよ ちゃんと良い子にしたじゃん
学校は皆勤賞 部活も頑張った
テストの点も悪くはなかったはずだけど
目隠しがキツくて外れない

がむしゃらな態度で僕を見下さないで
ムカつくんだ
追いかけてる姿が眩しくて
社会の最底辺でこのまま朽ちてゆく
漠然としたまま過ぎ去ってしまうわ
涙すら枯れてしまった

幼少期の頃ならば 沢山夢ありました
パティシエさんになりたくて
スポーツ選手も悪くなさげだ
遠く過去を思い出せ
全部強いて言うならの話だ
特別な努力とか無くて
だって「夢」だろう

特に不自由のない日々を送らせてもらった
だからさ 信じて疑う余地もなかった

夢とかどうやったら語れるの?
教えてよ ちゃんと良い子にしたじゃん
くらべられっ子 聴いても意味ないね
劣等生のあの子のほうが上手くいってる
目隠しがキツくて外れない

ひたむきな態度で僕を見下さないで
ムカつくんだ
熱く語る姿が妬ましくて
社会の最底辺でこのまま朽ちてゆく
呆然としたまま飛び込んでしまうわ
涙すら枯れてしまった

幼少期の頃ならば 沢山褒められました
将来、超期待されて
お年玉やプレゼント貰えて
ずっと続けばいいのに
なんでこうもあからさまに数は減り
そして無いのが当然だと
全部、夢みたい

だけど不自由のない日々を送らせてもらった
だからさ 信じて疑う余地もなかった

お先真っ暗な人生
最早、どうでもいいや

夢とかどうやったら見つかるの?
教えてよ だって!良い子にしたじゃん・・・
無事、大人ってやつになって 言うことも聞いてきた
容姿は特に良くはなかったけども
中の下くらいの人生 生きてきた

がむしゃらな態度で僕を見下さないで
ムカつくんだ
幸せそうな声が憎らしくて
社会の最底辺でこのまま朽ちてゆく
漠然としたまま過ぎ去ってしまうわ
涙すら枯れてしまった

枯れてしまったんだ

歌詞考察の前に

今回は人気音楽ユニットであるツユの楽曲『ナミカレ』を考察していきたいと思います。

筆者が今作から特に感じ取った点は以下の通りです。

・優等生の悩み

上記の点を続く楽曲紹介と共にお話したいと思います。

『ナミカレ』のMVが2020年3月31日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開から僅か数時間で9万を超える人気ナンバーとなりました。

同年2月19日にリリースされたアルバム「やっぱり雨は降るんだね」のラストを飾る楽曲となっています。

今作についてツユはツイッター内で次のように語っていました(絵文字省略)

礼衣です
ツユ 新作を投稿しました!
思春期特有のモヤモヤを、
歌いました。おとなってなんだー
共感される歌声を目指します。

https://twitter.com/TUYU_official/status/1244965253827325953

ツユのボーカルである礼衣さんのコメントから「思春期特有のモヤモヤ」を歌ったとはっきり述べられていますね。

さらに今作の作詞作曲を努めたぷすさんのコメントから主人公の背景を幾らか知ることができます。

君が優等生でも劣等生でも 人生って奴は一筋縄じゃないから 俺もみんなと一緒で毎日必死に生きてるよ でもまぁ完璧に整備された道もつまらんと思うからデコボコ道、開き直って走ろうぜ

https://www.youtube.com/watch?v=5xfNTyy-Xhk

上記のコメントで注目したいのは「優等生」と「劣等生」です。
今作の歌詞では前作「くらべられっ子」が登場しています。
くらべられっ子といえば劣等生の悩みを歌った作品です。

そのように考えると今作の主人公は「優等生」であると解釈できます。
歌詞全体を見ても優等生が抱える悩みが綴られています。

ぷすさんのコメントからどちらのタイプであっても必死で生きていること、開き直って自分の弱点と向き合っていくことが述べられていました。
「デコボコ道、開き直って走ろうぜ」なんて励まされたら安心しますね。

MVの内容や曲調にも注目してみましょう。

MVのイラストを担当したのは前作に引き続きおむたつさん、映像はAzyuNさんが担当されました。

さまざまな表情を浮かべる女子高生を巧みにな仕方で描き上げています。
子供の頃の主人公のイラストがとても愛嬌があり可愛らしかったです。

曲調はギターとピアノを中心にハイテンポで進行していきます。
ラスト付近で仕掛けられている転調にテンションもハイになるに違いありません。

それではさっそく気になるタイトルや歌詞に注目していきましょう。

『ナミカレ』とは

最初にタイトルを見たとき筆者の脳裏にはカレー並が浮かんできました。
是非忘れて下さい(笑)

タイトルと関連があると思われるフレーズが歌詞中で繰り返されています。

「涙すら枯れてしまった」

恐らくタイトルは上記フレーズの略称「涙枯れ(ナミカレ)」であると解釈しました。
主人公の涙が枯れてしまった理由や苦悩を続く歌詞考察から探ってみましょう。

『ナミカレ』歌詞の意味

自暴自棄

お先真っ暗な人生
最早、どうでもいいや

今回は一人の女子学生を主人公として考察を進めていきたいと思います。

歌詞冒頭では彼女が自暴自棄になっていることが理解できます。
「最早、どうでもいいや」と人生という匙を投げています。

「最早」「物事が変えられないところまで進行している」という意味を持つ副詞です。

彼女が後戻りできないと感じたのはどうしてでしょうか。。

夢を見失う

夢とかどうやったら見つかるの?
教えてよ ちゃんと良い子にしたじゃん
学校は皆勤賞 部活も頑張った
テストの点も悪くはなかったはずだけど
目隠しがキツくて外れない

ここでは彼女が夢を見れなくなっていることが綴られています。
歌詞の「良い子」「皆勤賞」「部活も頑張った」というワードから彼女がさまざまな分野で優等生であったことを理解できます。

しかし何でもそつなくこなしていく過程で彼女は夢、つまり「なにかに熱くなる」ことが出来なくなったと考えられます。
同時に感動や興味といったものにも無感覚になっていったのでしょう。
これは優等生特有の贅沢な悩みに思えるかもしれません。

彼女はテストで良い成績を収めても将来が見えずに苦悩していました。
先行き不透明な現状と夢を見ることができない彼女を助ける人はいませんでした。

夢追い人に憤り

がむしゃらな態度で僕を見下さないで
ムカつくんだ
追いかけてる姿が眩しくて
社会の最底辺でこのまま朽ちてゆく
漠然としたまま過ぎ去ってしまうわ
涙すら枯れてしまった

ここでは主人公が自分とタイプの違う人に憤りを感じていることが綴られています。

「がむしゃらな態度」とは人を無視して自分の物事を成し遂げることを指します。
その人は彼女とは異なり「夢に向かって熱くなったり必死になる」ことが出来る人です。

彼女はそうしたタイプの人に温度さを感じたことでしょう。
初めはちょっとした違和感から始まりやがては苛立ち、憤りへと変化していったことが読み取れます。

しかし頑張っている人に憤りを感じてしまう自分が「社会の最底辺」であると表現しています。
彼女の自尊心が著しく低下している、もしくは全く無くなっていることが伝わってきます。

無意識、無感覚のまま彼女の日々が過ぎ去っていきます。
そうした渇いた日々が彼女の悲しみと涙を乾燥させ、いつしか彼女は涙を流さなくなったのでしょう。

数少ない感情、悲しみの感情すら消えうせてしまったのです。

努力の伴わない夢―根の無い植物

幼少期の頃ならば 沢山夢ありました
パティシエさんになりたくて
スポーツ選手も悪くなさげだ
遠く過去を思い出せ
全部強いて言うならの話だ
特別な努力とか無くて
だって「夢」だろう

ここでは主人公の幼少期の夢が回想されています。
パティシエやスポーツ選手など可愛い夢からクールな夢まで彼女は抱いていたようです。

しかし今思い返せばそれらの夢はすべて「強いて言うなら」というレベルのものばかりだったようです。
本心から願った夢ではない場合、人は特別の努力を傾けないものです。

彼女は「だって夢」と一蹴するほど夢に対する現実味がなかったようです。

努力の伴わない夢は忘れるのも早く成果がありません。
それは根の無い植物のようにいずれは枯れうせてしまいます。

満腹感は成長を遠ざける

特に不自由のない日々を送らせてもらった
だからさ 信じて疑う余地もなかった

ここでは主人公がこれまで「不自由のない日々」を送っていたことが綴られています。

「送らせてもらった」という表現から多少なりとの両親への感謝が垣間見れます。

しかし続く部分には「だから信じて疑う余地もなかった」と述べられています。
ここから「満足」が「成長」を遠ざけることを理解できます。

ハングリー精神がないと何かの分野で不足を感じなくなるでしょう。
多くの場合、夢はなんらかの不足から発生します。

彼女にはその実感がないので夢が見れないのでしょう。

すべてが幻へと

将来、超期待されて
お年玉やプレゼント貰えて
ずっと続けばいいのに
なんでこうもあからさまに数は減り
そして無いのが当然だと
全部、夢みたい

ここでも主人公の幼少期が回想されています。
目減りして最終的に無くなってしまった「お年玉やプレゼント」に言及しています。

これは「自分の価値」が徐々に薄れていったことも伝えているように思います。
夢を見れない彼女はここで「全部、夢見たい」と述べています。
これまでの良い思い出は幻だったのだろうと彼女は結論したようです。

劣等生を妬んで

夢とかどうやったら語れるの?
教えてよ ちゃんと良い子にしたじゃん
くらべられっ子 聴いても意味ないね
劣等生のあの子のほうが上手くいってる
目隠しがキツくて外れない

ここでは前作「くらべられっ子」が登場しています。
前述でもお話したように彼女は優等生であり「くらべられっ子」の主人公は劣等感を抱いています。

彼女の目には劣等生のほうが自分より周囲との関係を幾らか築いており、なんらかの夢を見れていると感じたようです。

彼女はその事実に深いショックを受け、人間不信になったかもしれません。
そのことが「目隠しキツくて外れない」と表現されていると解釈しました。

誰かの幸福に憎悪

幸せそうな声が憎らしくて
社会の最底辺でこのまま朽ちてゆく

ここでは主人公が他人の幸せに嫌悪感、または憎しみを表しています。
ここまで彼女は優等生でしたのでさまざまな機会に褒められたり評価されてきたのでしょう。
普通は幸せを感じるのではないでしょうか。

しかし今の彼女は褒められることも評価されることも「すべてが当たり前」となっています。

特別感を感じたい思っていますが、そもそも特別感がいまいちピンときていないようです。

彼女の成績優秀な頭脳を持ってしても、自分が幸せになったり夢を模索する方法を導き出す事はできません。
この事実は彼女の心を深く刺しましたが彼女は涙を流すことはしません。

涙は当の昔に枯れているからです。。

まとめ

いかがでしょうか。
優等生ゆえの悩みをここまでリアルに書き上げることに驚きました。
人は悲嘆しそれが改善されないと、順調な人や自分とタイプが違う人を避ける傾向があることも理解できました。

くらべられっ子の劣等感を抱いた主人公も大変ですが、今作の主人公も別の分野で苦労がありましたね。
皆さんはどちらのタイプ、あるいはどんなタイプでしょうか。

今作が優等生でありながらも「夢のために努力できない人」や「夢がまだ見つからない人」の背中を押したり慰めになることを願っています。

ツユの今後の活動や次回作に期待し注目していきたいと思います。
第二章の内容がどのようなものになるのかも楽しみです。
考え深い素敵な作品をありがとうございました。

ここまで記事を読んで下さった皆様もありがとうございました。。

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