THE YELLOW MONKEY『 I don’t know』歌詞の意味を考察・解釈

誰も知らない 暗く長い道
風吹き止まぬ 向かう
あの日心に 無理矢理押し込んだ
記憶の中を 触る
誰の温もりが残っている?


今日もこの街に命が芽生える
愛を掴み合い その両腕はアザだらけで
どこまでも続く 無口な雑踏
いつかまたあなたと会えるのなら
今は I don’t know


踏切を待つ 真っ赤なサイレンが
規則正しく 叫ぶ
誰の悲しみが通り過ぎる?


時折目を刺す手掛かりの残像
しらみつぶしてもそのほとんどが嘘ばかりで
あんなに燃えてた炎は消えたの?
灰になったとしても
あの情熱だけは忘れない


守れるもの何か 失ったものは何か
苦しんだ坂道 登り切ったら何が


わたしは誰かと空に尋ねても答えてくれない
優しいだけの青ばかりで
どこまでも続く 魂の葛藤
いつかまたあなたと会えるのなら
今は I don’t know
見違える強さを手に入れたら
あとは I don’t know
woo woo woo
I say I don’t know
woo woo woo
忘れない


はじめに

『 I don’t know』とは2019年1月24日にネット上で公開された楽曲です。
ならびにテレビ朝日系列木曜ミステリー『刑事ゼロ』主題歌ともなっています。

歌詞全体を見るとドラマタイアップを強く意識した内容となっており歌詞中の
主人公をドラマ『刑事ゼロ』の主人公にそのまま重ね合わせてもなんら支障が
ないように思われます。

その主人公とは京都府警捜査一課刑事・時矢暦彦(沢村一樹さん)です。

タイトル『 I don’t know 』とは

時矢暦彦は“京都府警に時矢あり”といわれるほど優秀でした(I know状態)
容疑者を追跡中に廃工場の貯水プールに転落し病室で目を覚ましたとき、20
年間の記憶を失ってしまったのでした(曲タイトル I don’t know状態)

過去の実績・経験・人間関係など構築していったものすべてに対して時矢は
「わからない」「しらない」のフレーズを述べることになるのです。

ですからタイトルの意味はとても物悲しく暗い意味が込められています。
曲調も暗めでサビも大きく盛り上がる要素もなくフィルインも控え目で
THE YELLOW MONKEYらしい一曲に仕上がっていますね。

一人の男が乾いた感情を抱きながらさびれた街を歩く姿が目に浮かびます。
彼が無くしたもの、何を見つけようとしているのか、様々な感情を考察し
その足取りを追っていくことに致しましょう。


『 I don’t know 』 歌詞の意味

暗く長い喪失の道のり

誰も知らない 暗く長い道
風吹き止まぬ 向かう
あの日心に 無理矢理押し込んだ
記憶の中を 触る
誰の温もりが残っている?

「誰も知らない 暗く長い道」とはどんな道のことでしょうか。
それはドラマ「刑事ゼロ」の主人公が経験した「記憶喪失」の
ことを描写しているように思えます。

頭の記憶を辿っても真っ暗で何もないように感じています。
さらに記憶を取り戻す間、周囲の人たちの風当たりは強く
厳しい現実に主人公は立ち向かっていかなければなりません。

「あの日心に無理矢理押し込んだ」とは刑事になるための難
しい勉強や経験を指しているのかもしれません。
その中には自分を支えてくれた上司や愛する人との時間が含
まれていることでしょう。

主人公が頭の中を彷徨っているうちに「誰かの温もり」に辿
り着きました。
しかし記憶はとても曖昧で顔やその人の情報はぼやけてしま
って確かなものではないのです。


大切な人の確かな存在感

今日もこの街に命が芽生える
愛を掴み合い その両腕はアザだらけで
どこまでも続く 無口な雑踏
いつかまたあなたと会えるのなら
今は I don’t know

主人公は一日のうちに世界のどこかで「命」が
生まれていることを頭の中で思い浮かべます。
同時に愛を求めて必死に生き傷つく人の姿も
黙想していきます。

自身の経験もよみがえりその最中、過去に自分に
とって大切だった人が浮かんできました。
昔より鮮明に思いだした時、主人公はその人に無
性に会いたくなりました。

しかし「記憶」が完全に戻まではその人に会えない
ことも実感しています。
ですから「いつか」という不確定要素を残しながら
も再開を期待して街を歩くのでした。

大切な人に会えるのか会えないのか、記憶は戻るのか
戻らないのかに関する現段階での主人公の答えは現在
「I don’t know」でした。

くすぐる手がかり&燻る情熱

時折目を刺す手掛かりの残像
しらみつぶしてもそのほとんどが嘘ばかりで
あんなに燃えてた炎は消えたの?
灰になったとしても
あの情熱だけは忘れない

街の中に記憶を探して主人公は歩いています。
そうした日々の中で時折「手がかり」と呼べる
記憶を断片的に入手するときがあります。

これはドラマ『刑事ゼロ』の時矢が現場で会得
した「研ぎ澄まされた五感」に触れている部分
のようにも思えました。

記憶を失った代わりに備わった能力は事件の
「手がかり」また「自分を救う」手がかりに
なり彼を救うことにつながるのです。

さらに自分が過去に経験していた燃えるような
「情熱」を思い出します。
それは事件に対するものまた大切な人へ向けら
れたものだったのでしょう。

いずれにせよ現在の自分には決して呼び起こせ
ない感情のように主人公は思えました。

それでも灰になる、つまり自分が消え失せるこ
とになったとしても情熱の日々を忘れないこと
を彼は自分自身に向けて誓いました。


苦痛の坂道~頂上に待つもの~

守れるもの何か 失ったものは何か
苦しんだ坂道 登り切ったら何が

ここで主人公は記憶喪失になっている自分が
「何を守れるのか」「何を失ったのか」自問
しています。

記憶を失う前の刑事としての知識や経験、ま
た情熱があれば救えたであろう命。
解決できたであろう事件。

しかし新たなに会得した研ぎ澄まされた五感で
守れた命。

そうしたものを頭の中で天秤にかけた結果、主
人公にとって苦しい坂道のような人生であると
結論づけられました。

この苦しさの先に一体どんな光景が待ち受けて
いるのだろうかと主人公は疑問視します。

記憶が戻った晴れ晴れとした明るい人生でしょうか。
記憶が戻らない曇天のような人生でしょうか。彼に
もそれはわかりません。

自身に問う「I don’t know」

わたしは誰かと空に尋ねても答えてくれない
優しいだけの青ばかりで
どこまでも続く 魂の葛藤

主人公は日常の日々を過ごしていくうちに
「自分は誰であるか」という疑問を抱き始
めるようになります。

それは自然なことで記憶=自分の存在証明
といっても過言ではないからです。
過去の自分と今の記憶喪失の自分は全く別
の人格のように思えたのでしょう。

誰も教えてくれない状況下で主人公は空を
見上げ「自分は誰か」と問い尋ねます。
それでも空は顔色一つ変えない青で的を射
た返答を彼に与えませんでした。

そしてこの未回答の問いを頭で忘れようと
しても「魂」つまり自分の全身がこの問い
に関する回答を求めて止まないのでした。

今日も静かでさびれた街に主人公の「魂の
葛藤」が響き渡ります。

まとめ

記憶を失う、想像しただけでも恐ろしいことですね。
子供のころは学校で問題が解けないとき、大人にな
ってからは仕事で問題解決できないとき大きなスト
レスを感じますね。

この点から人は「わからない」状態がつづくとイラ
イラし時に不安になることが理解できます。
ですから自身の記憶を失い自分のことがわからなく
なった時の不安は想像を絶するでしょうね。

まして現役刑事が急に記憶を失ったら焦りや不安の
度合が半端じゃなさそうです(冷や汗)

余談ですが筆者がTHE YELLOW MONKEYの曲で最初に
聴いた曲が「tactics」だったと思います。絶対に、多分
、、そうだった、ような気がします(笑)

やはり人の記憶は不確かであり失われていくようですね。
さして大事な記憶に対しては「I don’t know」でも問題
なさそうですね(笑)

THE YELLOW MONKEYの今後の活動と次回作に期待して
注目していきます。