the peggies『君のせい』歌詞の意味と考察〜思春期の悩みを乗り越える強さ

the_peggies君のせい

君のせい 君のせい 君のせいで私
臆病でかっこつかない
君のせいだよ

少し伸びた前髪に隠れてる君の目
ちょっとどこ見てんの?こっちに来て!
君が私を夢中にさせるのに難しい事は一つもない

夕方の駅のホーム 波の音
黙る私を見透かしたように
そんな風に笑わないで

君のせい 君のせい 君のせいで私
臆病でかっこつかない
こんなはずじゃないのに
君のせい 君のせい 君のせいで私
誰かを嫌いになるの?
こんな夜は胸騒ぎしかしないよ
ハートのマシンガン構えて
余裕ぶっこいてる君に狙い撃ちするのさ

今も少し痛む傷 隠してる
制服脱いだって見えやしないほんとのこころ
二人並んで歩いても微妙すぎる距離感
もっと近付いてよ

最低な言葉言ってみたりした
カワイソウな女の子ってやつに
ならないための予防線

君のせい 君のせい 君のせいで私
忘れられない事ばっか
増えていって困るなぁ
君のせい 君のせい 君のせいで今ね
私は綺麗になるの

君じゃなきゃ嫌だって言いたい 今すぐ
ひとりきりの夜とずっと ここで待っていたんだよ

君のせい 君のせい 君のせいで私
臆病でかっこつかない
こんなはずじゃないのに
君のせい 君のせい 君のせいで私
誰かを嫌いになるの?
こんな夜は胸騒ぎしかしないよ
ハートのマシンガン構えて
余裕ぶっこいてる君に狙い撃ちするのさ

2018年11月7日にリリースされた、the peggiesの『君のせい』は、アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のオープニングテーマです。

今、注目のモデルで女優でもある12歳の中島セナが出演するミュージックビデオも、話題になりました。

今回は、キャッチーなサビが耳に残る、疾走感溢れるパワーポップチューン『君のせい』の歌詞を考察します。


the peggiesと「青ブタ」

the peggiesは、ギターボーカルの北澤ゆうほ、ベースの石渡マキコ、ドラムの大貫みくからなる、女性3人のスリーピースバンドです。

メジャーデビューは2017年ですが、2009年に今のメンバーでバンド活動を始め、高校時代の2011年からライブ活動など本格的な活動を開始して、今に至っています。

キュートなビジュアルや声が、ポップ色を強く感じさせるthe peggieですが、その芯にあるのは、シンプルでパワフルなロックです。

『君のせい』は、その力強いロックサウンドとポップなメロディが融合し、アニメのオープニングにぴったりの、気分を高揚させる曲になっています。

『君のせい』の制作にあたり、作詞をした北澤ゆうほは、次のようにコメントしています。

この度「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のオープニングテーマを演奏させて頂ける事になりました。
「君のせい」は麻衣ちゃんに気持ちを寄せて歌詞を書きました。
麻衣ちゃんと咲太の縮まっているようで縮まっていないような絶妙な距離感を描きたいなと思いました。
私自身、麻衣ちゃんの不器用で強がりな性格に共感する部分が多くあったので、とても自然に感情移入する事が出来て、
素直な気持ちで歌う事も出来ました。もしかしたら私と同じように共感してくれる女の子も多いのではと思います。
そしてこの曲を通して男性の皆さん是非、強がってしまう女の子の複雑な心境を知って頂きたいです!笑
青春ブタ野郎のアニメとともにこの曲がたくさんの方に届きますように!
the peggies 北澤ゆうほ

アニメ公式サイトから引用

次の章からは、アニメのタイトルにもなっている「バニーガール先輩」麻衣に気持ちを寄せて書いたという歌詞を見て行きます。

「君のせい」にする臆病な「私」

君のせい 君のせい 君のせいで私
臆病でかっこつかない
君のせいだよ

『君のせい』は、サビ始まりで、最初から一気に盛り上がります。

自分が今までの自分じゃなくなったのは、「君のせい」。

「私」は、「君」に会って変わった。

「君」に本当に伝えたい気持ちは、「臆病で」言えないし、クールに決めてたのに、好きな「君」の前では決められなくて「かっこつかない」。

「私」が変わってしまったのは、「君のせいだよ」、わかってる?

少し伸びた前髪に隠れてる君の目
ちょっとどこ見てんの?こっちに来て!
君が私を夢中にさせるのに難しい事は一つもない

「君の目」が、何を見ているのかわからない。

「どこ見てんの?」、何で「私」を見ないの?

「君が私を夢中に」させたんだから、「私」を見て。

「君」と「私」の間に、できないことはない「難しい事は一つもない」んだから。

夕方の駅のホーム 波の音
黙る私を見透かしたように
そんな風に笑わないで

「波の音」が聞こえる「駅のホーム」。

『君のせい』のミュージックビデオでは、江ノ電の極楽寺駅のホームで撮影されたシーンがでてきます。

主演する中島セナが「君」を想って、アイスクリームが溶けることにも気付かないシーンは、「私」のピュアな一面を表しているようです。

本当の気持ちをうまく言えなくて、「黙る私を」「笑わないで」。

「君」の前で「私」は、素直になれなくて強がっています。

そして、「私」は、そんな思うようにならない関係の中で、強がってみせます。


強がる「私」の本当の気持ち

君のせい 君のせい 君のせいで私
臆病でかっこつかない
こんなはずじゃないのに
君のせい 君のせい 君のせいで私
誰かを嫌いになるの?

「君のせいで私」は、変わってしまった。

前は臆病じゃなかったし、かっこよかったし、それが君の前では、内気で小さな子供みたい。

「私」は、こんな人間「じゃない」はずなのに。

それに、「君」が好きすぎて、「君」を傷つける人や「私」から奪おうとする人を、「嫌いになる」かも知れない。

こんな夜は胸騒ぎしかしないよ
ハートのマシンガン構えて
余裕ぶっこいてる君に狙い撃ちするのさ

こんなに自分がわからなくなる夜、胸がドキドキして落ち着いていられない。

もう、素直に気持ちを伝えるしかない。

「君」に、「私」の「ハート」=愛を、ストレートに届ける「狙い撃ちする」よ。

強がる「私」の本当の気持ちは、おさえきれない「君」への愛。

強がりじゃなく愛を届ける強さを

2番の歌詞は、アニメのストーリーを意識しながらも、北澤ゆうほ自身の気持ちが、より強く打ち出されています。

今も少し痛む傷 隠してる
制服脱いだって見えやしないほんとのこころ
二人並んで歩いても微妙すぎる距離感
もっと近付いてよ

最低な言葉言ってみたりした
カワイソウな女の子ってやつに
ならないための予防線

「君」の前で素直になれなくて、はぐらかしたりつらく当たったり、本当は「痛む」心を「隠してる」。

でも、「ほんとのこころ」は、心の覆いを脱ぎ捨てても、まだ見えない。

「並んで歩いて」いても、二人の距離は縮まらない。

もっと近付きたいけど、「私」からは、言えない。

「私」の本当の心に気付いてよ。

「君」のことなんて何とも思ってないから、とか、「最低な言葉」を言ったりしたのは、フラれた「カワイソウな女の子」って、みんなに思われたくないから。

君のせい 君のせい 君のせいで私
忘れられない事ばっか
増えていって困るなぁ
君のせい 君のせい 君のせいで今ね
私は綺麗になるの

ここでも「私」は、どうしても素直になれなくて、強がってしまいます。

「忘れられない」素敵な思い出が「増えていって」、「困るなぁ」。

本当は嬉しくてしょうがないのに、「君」に、そんな恋する乙女みたいな「私」は見せられない。

「私」別に「綺麗に」なんてなりたくないのに、「君のせいで」「綺麗に」なったみたい。

「君のせいで」困ったな。

君じゃなきゃ嫌だって言いたい 今すぐ
ひとりきりの夜とずっと ここで待っていたんだよ

好きな気持ちを素直に言えなくて、強がって冷たい態度を取ってしまう「私」は、本当の気持ちを心の中でつぶやきます。

「君じゃなきゃ嫌だって言いたい」。

「ひとりきりの夜」の存在を強く感じながらいつも、「君」の前で素直な自分になれるのを、「待っていたんだよ」。

強がって揺れ動いていた「私」は、強がりではなく、素直になって愛を届ける強さの大切さに気付いて、ストーリーは未来に向けて進み始めます。


終わりに

2018年秋アニメの中でも好評を得た「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」では、海辺の高校を舞台に、思春期症候群という謎の症状が引き起こす、不思議な現象が描かれます。

思春期の不安定な気持ちや心の傷や悩みが、目に見える現象になって、登場人物たちを困らせるストーリーは、心に深く刺さり、若者が抱える生きづらさについて考えさせます。

そんな、どこか暗い影も感じさせるアニメの中で、『君のせい』は、明るく前向きな曲調で、全体のバランスをうまく整えているようです。

『君のせい』は、青春時代の不安や悩みを、強がったり泣いたりしながら、乗り越えて行こうとする前向きな気持ちを、爽やかに表現して、私たちを元気にしてくれる1曲です。