ザ・クロマニヨンズ『生きる』歌詞の意味を考察・解釈

黄土色の サファリルック
中南米あたりの探検家
捕虫網と虫眼鏡とカメラ

探しものが あるのではなく
出会うものすべてを 待っていた
見たいものと 見せたいものばかり

謎のキノコをかじる
三億年か四億年

見えるものだけ それさえあれば
たどり着けない答えは ないぜ
ずっと ここには ずっと ここには
時間なんか 無かった

いつか どこか わからないけど
なにかを好きになるかもしれない
その時まで 空っぽでもいいよ

少しだけ わけてくれ
三億年か四億年

見えるものだけ それさえあれば
たどり着けない答えは ないぜ
ずっと ここには ずっと ここには
時間なんか 無かった


はじめに

『生きる』とは2018年8月29日にリリースされたザ・クロマニヨンズ
17枚目のシングルです。
さらに日本テレビ系列ドラマ番組「3年A組~今から皆さんは、人質です~」
主題歌ともなっています。

3年ほど前にも「ど根性ガエル」主題歌を担当しており多くの方に今もなお
認知されています。

ドラマタイアップを強く意識した歌詞だと個人的に感じました。
ドラマ内容は卒業を控えた生徒たちが先生の人質になるという
ものです。
学校に隠された真相を知るためなら先生は手段を選びません。

タイトル『生きろ』とは

生徒は卒業まで様々な手段を駆使して生き延びなければ
なりません。
この点で主題歌『生きろ』は生徒たちに投げかけられた応援メッ
セージなのだと理解できます。

さらに歌詞全体を考慮すると価値あるものを何も見出せなくても
見つけたいものや将来なりたいものなど今は何もなくてもとにか
く「生きろ!」という強いエールが感じられます。

この点は何に関しても無関心な若者にターゲットを絞ったように
も見受けられますね。

叩きつけるようなビートサウンドとストレートに表現されたパワ
ーコードが聴き手に「生きろ」と叫んでいるようにも思えます。
それではさっそく歌詞の考察をしていきましょう。


『生きろ』歌詞の意味

探求心を上回る感受性

黄土色の サファリルック
中南米あたりの探検家
捕虫網と虫眼鏡とカメラ

探しものが あるのではなく
出会うものすべてを 待っていた
見たいものと 見せたいものばかり

謎のキノコをかじる
三億年か四億年

歌詞の冒頭では一人の探検家の心情を描いています。
「サファリルック」とは狩猟服や旅行服のスタイルのことで
’60~70年代にかけて流行しました。 
サファリとはアフリカでの狩猟旅行のことです。

探検家は虫や植物または鉱石など様々なものを観察しようと
してやってきたのでしょう。
「探しものが あるのではなく」とは探検家が特定の「目的」
を持っているわけではないことを示唆しています。

探求心はもちろん持っていますがそれを上回る感受性が彼を
突き動かし見るものすべてを許容し魅了されていくのです。

目前に広がる未知の世界を彼はずっと待っていたようです。
探検家が「見たいもの」と同数の誰かに「見せたいもの」が
ありました。

続く歌詞では人類が「謎のキノコ」つまり解明されていない
発見されてもいない物に触れた時代を取り上げています。

現代では山で遭難した時に余程キノコに関する知識が無ければ
「謎のキノコ」を手に取って食べたりはしないでしょう。
昔の人は目につく物を躊躇なく「試して」いたようですね。
筆者もフグの犠牲者とタコを最初に食べた人を尊敬します。

この点から躊躇せず未体験のものに「挑戦」するよう励まして
いるような歌詞だと思いました。
ザ・クロマニヨンズにとって「挑戦」とは「生きる」ことなの
だと理解することができます(情熱100℃)


何かを好きになる―それが答え

見えるものだけ それさえあれば
たどり着けない答えは ないぜ
ずっと ここには ずっと ここには
時間なんか 無かった

いつか どこか わからないけど
なにかを好きになるかもしれない
その時まで 空っぽでもいいよ

「見えるものだけ」つまり自分の周囲で観察できる
ものだけで自分なりの答えを探せると述べています。

若いうちは無限の可能性を求めて自分探しの旅に出
ようとするものです。
夢、希望、可能性は素晴らしいものですがそうした
「見えないもの」がなくても良いと解釈できます。

人は用意された環境でもあきらめずに探求し続けれ
ば「答え」は見つかるはずだと強調しています。

続く歌詞では「時間」の概念について触れています。
人類創造の初めには「時間」の概念がありませんでした。
歴史書を調べると神様が光と闇とを設けられ時節や四季
が理解できるようになりました。

しかし現在でも「時間」というものが一体なんなのか
正しく定義づけることはできていないようです。
人間が勝手に定めた方式で生活しているに過ぎないの
です。

そうしたすべての考えが「時間なんか 無かった」という
フレーズに包含されているのかと個人的に読み解きました。

まとめると時間の概念など誰一人性格に理解などできない
のだからゆっくり焦らず答えを探せば良いという意味だと
解釈しました。

さらに続く歌詞を見ると「答え」とは自分が「なにかを好
きになる」ということのようです。
何にも興味関心のない人でも、冒頭で登場した探検家のよ
うな探求心や感受性が皆無であってもです。

長い人生の過程でそうした素晴らしい特性はすべての人に
備わっていくのだという確信が強まりますね。
ですから今、なにかを好きになる要素が皆無つまり「空っぽ
でも問題はないのです。

答えがいつどこで見つかるかは誰にもわかりません。
それは本人ですらわかりません。
大事なのは探検家のように自分から周囲のものを観察
したり感受性を意識的に持とうと努めることにあります。

そうした努力すべてが「生きる」ということに直結して
いくのだとザ・クロマニヨンズは教えているのかなと感
じました。

ドラマ内容に戻りますが生徒たちは集団生活に慣れ過ぎた
のか自らの意思で行動することを苦手としている様子です。
自分たちが人質になることで初めて主体性を持ち始めました。

このように人は特定の状況や環境変化に直面すると新たな
感覚が生まれたり研ぎ澄まされたりするのかもしれません。
自分では無意識のうちに全身が「生きる」との意思表示を
してしまうのでしょう。

まとめ

歌詞構成がとても率直で理解しやすかったと思います。
冒頭の探検家の考察の仕方が後の分岐点になってくる
でしょう。
他にも様々な解釈があると思います。

筆者は学生時代の頃にブルーハーツ時代の彼らの曲を
たくさん聴きあさっていました。
アルバムに記載されている彼らに関するライターノーツ
を読むのが好きでした。

昔の曲はコード4,5個しか使用されておらずどうして
こんな単調な構成で複雑な転調も無くリスナーを掻き
立てることができるのか不思議でなりませんでした。

それでもロックに複雑な音楽理論は必要不可欠ではない
ことやノリと情熱で人々の心に花を咲かすことができる
ことを俄かに理解することができたと思います(笑)

筆者自身、初めてバンドメンバーとスタジオで演奏した
曲が「情熱の薔薇」でした。
非常に思い出深くまさに情熱にまみれた歌でしたね。

余談が長くなり申し訳ありません(汗)
それでもバンド名を何度も変えてきた彼らの情熱が
今なお全くもって不変であることを伝えたかったの
だとご理解いただけると幸いです(苦笑)

現在55歳となるボーカルの甲本 ヒロトさんですが
MVやTV出演で見る限りまだまだ行け行けゴーゴー
な感じで活動していきそうですね。

そんな甲本 ヒロトさんとメンバーの皆さんの姿が
まさに「生きる」という三文字を私たちに突き付け
ている、そんな気がしました。

ザ・クロマニヨンズの今後の活動と次回作に期待し
つつ注目していきたいと思います。