Superfly『覚醒』歌詞の意味を考察・解釈

現る黒い空
鼓動は雷鳴を繰り返す
嵐がくる前に
今宵は あの呪文を授けましょう

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ

蘇らせるのさ
愛する君の心
からだを脱ぎ捨てて
今、我に還るとき

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ
天に吠えて 覚醒

目を瞑って 風をすくって 身を溶かして 鐘を鳴らして

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ
天に吠えて 覚醒

雷鳴は 何度も産声をあげる
うたうのさ 闇を越えて飛び出せ

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ
マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ

歌詞考察の前に

Superfly 6th ALBUM『0』に収録される『覚醒』MVが2020年1月13日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開初日から5万を超える人気を見せています。

同曲は映画『プロメア』主題歌として書き上げられました。
映画についての情報も紹介しておきたいと思います。

今作は人気TVシリーズ「天元突破グレンラガン」や「キルラキル」の監督である今石洋之氏が脚本を担当する中島かずきさんとの 完全オリジナル劇場アニメーションとなっています。

~あらすじ~

全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、
突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。
あれから30年――攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと
〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。
熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は――。

https://promare-movie.com/about/

上記を簡略化してまとめると、メインキャラであるガロとリオは信念の違い故に衝突しますが、後に協力し合いさらなる強敵に挑みます。

この点を含んだ興味深いインタービューがありましたのでご紹介します。

◆ 越智志帆( Superfly ボーカル)

「プロメア」には戦闘シーンが出てきますけど、主人公の2人にはそれぞれの正義があって、別に誰かを傷付けたいがために戦うわけじゃないんですよ。そこが物語の中でも特に印象に残ったので、曲を作る際にも大事にしたいなと思ったポイントでした。そのうえで「覚醒」に関しては、戦いの前夜に「守るための戦いなんだ」という気持ちを清め、心を落ち着かせるための儀式をしているイメージで作っていったんですよ。儀式で瞑想しているときに流れている曲というか。

https://natalie.mu/music/pp/superfly07/page/2

コメント内でも主人公のガロとリオの関係について触れています。
またタイトルの背景も明確に説明して下さっていますね。
この点は続く部分で扱います。

タイトル『覚醒』とは

タイトルの『覚醒』は「目をさますこと。また意識をはっきりさせたり興奮させたりすること」を意味します。
加えて「 迷いからさめること。また自分の非に気がつくこと」も意味します。

前述で取り上げた主人公のガロとリオは「燃やすこと」「消すこと」それぞれの重要性を主張し合います。
それぞれの持つ正義も信念も異なります。

しかしあることをきっかけに「目をさます、また迷いからさめた」ように真の目的を理解していきます。

また自分の掲げていた正義や信念にほころびや相違があったことをはっきり意識させられます。

そうした点がタイトルには包含されていると解釈しました。

さらに 越智志帆さんのコメントには『「守るための戦いなんだ」という気持ちを清め、心を落ち着かせるための儀式』とありました。

歌詞全体のフレーズからも「破壊」を感じさせない優しさが滲み出ていました。
続く部分から歌詞全体の意味を追っていきましょう。

『覚醒』歌詞の意味

戦闘前のマントラ

現る黒い空
鼓動は雷鳴を繰り返す
嵐がくる前に
今宵は あの呪文を授けましょう

マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ
アマレ ディラヒ ジュマギ ガナシャラ

歌詞冒頭の「現る黒い空」は「暗雲立ち込める望ましくない状況」を指しているようです。

今作に当てはめるならば主人公たちと敵が今にも対峙しようとしている状況でしょう。

気づけば鼓動は雷鳴のように大きく鋭く鳴り響いています。
闘う前の緊迫した空気をリアルに感じさせるフレーズです。

「嵐がくる前に」とは状況がさらに進行し敵と交戦することを指すのでしょう。
歌詞では戦闘前に「呪文を授ける」と述べています。

この点に関してもインタビューで興味深いことが述べられていました。

◆ 越智志帆( Superfly ボーカル)

実際の瞑想ではマントラを唱えるんですけど、意味のない言葉を何度も繰り返すことで自分の本当の気持ちにたどり着く効果があるそうなんです。なので私なりのマントラを作ってみました(笑)。この曲は戦闘シーンで使われることが決まっていたので、映像の邪魔をしたくない思いもあったんですよ。それもあって意味のない言葉を使うことにしたんですけど

https://natalie.mu/music/pp/superfly07/page/2

越智志帆さんいわく歌詞の呪文はマントラとして登場させたようです。

マントラとは「サンスクリット語で本来は文字,言葉を意味します。しかし宗教的には賛歌,祭詞,呪文など」を指します

戦場で芽生えたもの

蘇らせるのさ
愛する君の心
からだを脱ぎ捨てて
今、我に還るとき

ここの部分は非常に温かみを感じるフレーズとなっています。

ここで出てくる「君」は戦闘の中で対峙する相手を指すと考えられます。
序盤ではガロと対峙するリオ、そして後に2人と対峙する敵といった感じです。

あまり語りませんが「バーニッシュは人を殺さない、、、」というくだりではリオの「愛する心」をもう一度芽生えさせたことでしょう。

「からだ」とは人の表面的な部分、外的部分を指すのだと思います。
「我に還る」とは内面の部分、つまり本心に立ち返るという意味だと解釈できます。

こうした仲間の支え合いは「真実を見据え真の目的を鮮明に描く」助けになったでしょう。

全身全霊で掴む勝利

目を瞑って 風をすくって 身を溶かして 鐘を鳴らして

ここでは主人公たちが体験したすべてが綴られています。

「目を瞑って風をすくって」とは集中して物事を感じることを示しているようでに思えます。
時に人は視界に入るものによって思考が惑わされ物事の真実を捉え損なうことがあるからです。

「身を溶かして 鐘を鳴らす」とは「全身全霊を注いで目の前の問題に打ち勝ち勝利する」ことを暗示していると解釈しました。

またバーニングレスキューの出動時の「サイレン」も示唆していると思われます。

常に感じる新たな鼓動

雷鳴は 何度も産声をあげる
うたうのさ 闇を越えて飛び出せ

ラストの部分にも「雷鳴」が用いられています。
ここでの「雷鳴」は歌詞冒頭の「雷鳴」と同じものだと理解できます。
そう考えるとここでも雷鳴は「鼓動」を指します。

筆者は前述で戦いの前の緊迫した空気を伝える述べました。
主人公たちの「鼓動」は新たな敵や困難に直面するたびに「産声」をあげます。

「産声」 とは「赤子が生まれた時、初めて上げる声」です。
ここから主人公たちが毎回、初めて抱くような鼓動の響きや高鳴りを感じているのを読み取れます。

同じ緊張感も不安も期待も興奮も存在しないのです。
すべてが新しく未知の世界に思えます。

そんな彼らが『覚醒』する、つまり自分や本来向き合わなければいけない人物、また目的を思い起こすために、今作と呪文は用意されたのかもしれません。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
作品の核心となるシーンや台詞に言及できないためフワッとした考察になってしまい申し訳ありません。

この記事で伝えたかったのは今作『覚醒』が「マントラ」のような意図を持って作られたという点です。
それだけ覚えて下されば幸いです(え)

曲調に触れていませんでしたが、たくさんの要素をふんだんに取り込んでいましたね。

イントロはピアノでローテンションバラードであったのに対し、30秒経過後は厚めのギターサウンドが豪快なロックチューンを作り上げていました。
かと思えばまたピアノソロで抑えるなど、制作チームの創作意欲の全開放を全身に感じました。

メロディーの根幹となるベーシックアレンジは 越智志帆さんご自身で作成されたみたいですね。
それだけ今作への明確なイメージと想い入れがあったのだと理解できます。

躍動感ある超大作を考えることができました。
Superflyの今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。

素敵な作品をありがとうございました。

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