椎名林檎『本能』歌詞の意味・考察と解説

約束は 要らないわ 果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ 朝が来ない窓辺を 求めているの

どうして 歴史の上に言葉が生まれたのか
太陽 酸素 海 風 もう充分だった筈でしょう

淋しいのはお互い様で
正しく舐め合う傷は誰も何も 咎められない
紐 解いて 生命に 擬う

気紛れを 許して 今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って あたしの衝動を 突き動かしてよ

全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯
劣等感 カテゴライズ そういうの 忘れてみましょう

終わりにはどうせ独りだし
此の際虚の真実を押し通して絶えてゆくのが良い
鋭い其の目線が 好き

約束は 要らないわ 果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ 朝が来ない窓辺を 求めているの

気紛れを 許して 今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って あたしの衝動を 突き動かしてよ

はじめに

1999年に発売された椎名林檎の4枚目のシングル、『本能』。
椎名林檎の名を爆発的に世に広めた自身最大のヒット曲です。

ナース姿でガラスを割るジャケット写真も当時大変な話題となりました。

あまりにもこの曲ばかりが注目されるので、当時学園祭などに呼ばれた際には
あえてこの曲を披露しないことも多かったとか。

そんな椎名林檎の最大のヒット曲『本能』ですが、果たして歌詞はどのようなものでしょうか。
歌詞考察を行ってまいります。

歌詞考察

約束が破られて

約束は 要らないわ 果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ 朝が来ない窓辺を 求めているの

頭サビです。

「約束はいらないわ 果たされないことなど大嫌いなの」と
一人の女性の感情的な言葉から始まるこのパート。

「ずっと 繋がれていたいわ」というのは性行為の暗喩だの考えられます。

恋人に約束を破られ、やぶれかぶれの気持ちになったまま会った、一夜の関係の男に対して
このように言うのでしょう。

そして「朝が来ない窓辺を求めているの」といつまでも夜でいい、暗い中にいたいという退廃的な思いが綴られます。

『本能』はそんな思いに沈む一人の女性の衝動を描いた楽曲なのです。

言葉の誕生さえも恨んで

どうして 歴史の上に言葉が生まれたのか
太陽 酸素 海 風 もう充分だった筈でしょう

淋しいのはお互い様で
正しく舐め合う傷は 誰も何も 咎められない
紐 解いて 生命に 擬う

一番Aメロ〜Bメロです。

「どうして歴史の上に言葉が生まれのか」というのは約束を破られたことから来る思いでしょう。

言葉を交わさなければ約束することも出来ず、破られることもありません。

そして「淋しいのはお互い様で 正しく舐め合う傷は 誰も何も咎められない」と、
一夜の関係の男と寂しさを癒し合う様が描かれます。

恋人に約束を破られたことに対する失意が伝わってくる内容です。

思いは離れることなく

気紛れを 許して 今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って あたしの衝動を 突き動かしてよ

一番サビです。

「気紛れを許して」という懇願から始まるこのパート。

一夜の関係が恋人にばれてしまったため、このように言うのではないかと推察されます。

「もっと中迄入って あたしの衝動を突き動かしてよ」という歌詞は、
頭サビから続く性行為の暗喩だと考えられます。

浮気したことを許してもう一度抱いて欲しいという、
恋に溺れる女性の激情が鮮明に描かれています。

恋に疲れて思うこととは

全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯
劣等感 カテゴライズ そういうの 忘れてみましょう

終わりにはどうせ独りだし
此の際虚の真実を押し通して絶えてゆくのが良い
鋭い其の目線が 好き

二番Aメロ〜Bメロです。

これまで主人公は恋人から約束を破られたり、一夜の関係がばれて修羅場を迎えたりと
恋に関してさまざまな苦悩を抱えていました。

きっとそんな苦しみを経て、もう疲れきってしまったのでしょう。

「全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯」、「終わりにはどうせ独りだし」と、
投げやりでもう1人きりでも構わないという思いが描写されます。

これまで恋に苦しめられ、そして投げやりになった主人公。 果たしてこれからどのように生きるのでしょうか。 二番サビに続きます。

堂々巡りからは抜け出せなくて

約束は 要らないわ 果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて 居たいわ 朝が来ない窓辺を 求めているの

気紛れを 許して 今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って あたしの衝動を 突き動かしてよ

二番サビです。

ここで綴られるのは頭サビと一番サビで歌われた内容。

これらはそれぞれ浮気相手と恋人に向けられたものでした。

その内容が並べられているというのは、どちらとの関係も結局
続いてしまっていることを示しています。

二番Aメロ〜Bメロでは、もう恋はいいと言っていたにも関わらず、
結局どっぷりとはまりこんでしまっているのです。

分かっているけれど止められない。 まさに本能ということでしょう。

終わりに

今回は椎名林檎の最大のヒット曲、『本能』を特集しました。

考察を行ってみると果たして共感者どれくらいいるのだろうか、と思わずにはいられないほど
激情を歌詞にしていることがわかりました。

しかし実際に聞いていると、椎名林檎の歌声やメロディとの親和性から
気づけば聞き込んでしまっています。

ぜひこの体験を味わうためにも歌詞を聞きこんでみてください。

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