SEKAI NO OWARI『イルミネーション』歌詞の意味・考察と解説

君に似合うのはきっと
赤でも青でも黄色でもない
どんな炎に焼かれても
ただ一つ残る色だ

幸せになるにはきっと
何か払わなきゃいけないの、と
泣いているような空を見る
君の強さを知っているよ

汚れたような色だねって
そんなに拗ねるなよ
人知れずシャツの袖で
涙を拭った君に

純白の街へ連れてくよ
緑や赤の綺麗な光
濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る
二人だけの足跡

優しさに色があるなら
赤でも青でも黄色でもない
全部を混ぜあわせて
ただ一つ出来る色だ

それ、鼠色だよねって
顔をしかめるなよ
人知れず眠れない
夜を過ごした君に

僕らの家へ帰ろうか
影絵のような帰り道
夕食の匂いのする方へ
二人手を繋いで
向かい合った足跡

強いようで弱い
でも弱いようで強い君へ贈る色 グレー

今年の冬は暖かいね
少し前に君が言ってたけど
世界はこんなに一瞬で
真っ白になっていく

純白の街へ連れてくよ
緑や赤の綺麗な光
濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る
二人だけの足跡
続いていく足跡


はじめに


SEKAI NO OWARIが2018年に発表したシングル『イルミネーション』。

米倉涼子が主演したドラマ「リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子」の主題歌にも起用され
話題となりました。

楽曲に関してメンバーは「今回、ドラマのお話を頂き、炎で燃やされても残ることが
出来るくらいの強さと、色んな意見を聞いて決断するという優しさ、
その選択を後押し出来る曲にできたらと思いこの歌を作りました。」と語っています。

そんな思いが込められた『イルミネーション』果たして歌詞はどのような内容なのでしょうか?

今回はSEKAI NO OWARIの楽曲『イルミネーション』の歌詞考察を行います。

歌詞考察


人それぞれが似合う色、人それぞれの幸せ


君に似合うのはきっと
赤でも青でも黄色でもない
どんな炎に焼かれても
ただ一つ残る色だ

幸せになるにはきっと
何か払わなきゃいけないの、と
泣いているような空を見る
君の強さを知っているよ

汚れたような色だねって
そんなに拗ねるなよ
人知れずシャツの袖で
涙を拭った君に


一番Aメロ〜Bメロです。

歌詞冒頭の「君に似合うのはきっと 赤でも青でも黄色でもない どんな炎に焼かれても
ただ一つ残る色だ」という歌詞は自分らしくいれば良いというメッセージが込められています。

しかし、「どんな炎に焼かれても」という歌詞がこのメッセージの独特な部分です。
これは様々な苦しみや悲しみを乗り越えた先の自分こそ、本当の自分だと歌っているのです。

そしてそれに対して「幸せになるにはきっと何か払わなきゃいけないの」とそんな苦しみ
や悲しみを乗り越えないと幸せは手に入らないのかと疑問を感じる相手の姿が描写されます。

しかし、それに対して「泣いているような空を見る 君の強さを知っているよ」と主人公は
優しく相手を励まします。

泣いているような空とは雨空のことでしょうか。
どうせ見るのであればカラッと晴れた晴天が良いものです。

それにもかかわらず、雨空を見上げるというのは嫌なことでもしっかりと向き合う
ということへの比喩だと考えられます。

パートの最後には「汚れたような色だねってそんなに拗ねるなよ 人知れずシャツの袖で涙を拭った君に」とあり、苦しみを乗り越えた先の相手の姿が描かれています。

その色は相手が望んだものではなかったようですが、苦難の先に得たものはかけがえのないもの
なのであるから「そんなに拗ねるなよ」と主人公は語りかけます。

最後の「人知れずシャツの袖で涙を拭った君に」という歌詞からはやはり相手が
それだけの苦しみを乗り越える強さを持ったことが描写されています。

苦しみを乗り越えた先に2人で過ごす純白の世界


純白の街へ連れてくよ
緑や赤の綺麗な光
濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る
二人だけの足跡


一番サビです。

これまで比喩的に赤や青などの色が描写されてきたため、冒頭の「純白の街へ連れてくよ」
にある「純白」も一見すると何かの比喩なのではないかと考えてしまいますが
これは単純に雪が降った町のことを表しているものだと考えられます。

続く「緑や赤の綺麗な光」も様々な色のイルミネーションが灯った情景を描いています。

そして「濡れた袖が暖まるまで 雪道を彩る 二人だけの足跡」という歌詞からは恋人同士が
雪の世界を手を繋ぎながらゆっくりと歩く姿が想起されます。

Aメロ〜Bメロでは赤や青の色は心理的表現として用いられており、心理描写が続いていました。
対してこのサビではそれらの色は単純に情景の中の色として用いられており、
情景描写に徹しています。

この鮮やかな対比表現は『イルミネーション』の特徴の一つと言えるでしょう。

優しさを色で例えるとは何か?


優しさに色があるなら
赤でも青でも黄色でもない
全部を混ぜあわせて
ただ一つ出来る色だ

それ、鼠色だよねって
顔をしかめるなよ
人知れず眠れない
夜を過ごした君に


二番Aメロ〜Bメロです。

一番Aメロ〜Bメロと同様、再び感情の比喩として色が用いられます。

そして「優しさに色があるなら 赤でも青でも黄色でもない 全部を混ぜあわせて
ただ一つ出来る色だ」と主人公は優しさとは色々な感情が合わさったものだと言います。

が、それに対して相手は「それ、鼠色だよね」と反論します。

恋人同士の会話ということで軽い会話の印象のを受けますが、これは非常に重要な
ことが述べられています。

例えば感情を色で表すとなったとしてみなさんは優しさをどの色で例えますでしょうか?
多くの方は各々が心に思い描く明るい色を答えるのではないでしょうか。
クリーム色やピンク色などに回答が集中しそうです。

対して主人公は「優しさに色があるなら色を全部混ぜ合わせた色」だと言っています。

つまり、優しさとは楽しさや嬉しさといったプラスの感情だけでなく、苦しみや悲しみ
といったマイナスの感情も味わった人こそが持つことができる感情だと言っているのです。

これは一番Aメロ〜Bメロの「君に似合うのはきっと 赤でも青でも黄色でもない どんな炎に焼かれても ただ一つ残る色だ」という苦しみを乗り越えた先の自分こそ本当の自分というメッセージにリンクすることでもあります。

真に優しい人物、真に自分らしい人物とは苦しみや悲しみを乗り越えた人物であると
言っているのですね。

SEKAI NO OWARIの多くの曲の作詞を担当しているメンバーのFukaseとSaoriの人生観が
伝わってくる内容です。

思えばSEKAI NO OWARIも今となっては押しも押されもせぬ人気バンドとして、J-Popに
なくてはならない存在として活躍していますがそうなるまでは並々ならぬ苦労があったはずです。

売れない苦しみや売れた後も根も葉も無い誹謗中傷に悩まされることもあったことでしょう。

そんな艱難辛苦を乗り越えて今現在トップアーティストの一人として活躍している彼らが
作った曲だからこそ、非常に真実味があり私たちの心に残るのです。

現実の色と感情の色、どちらも繰り返される中で


僕らの家へ帰ろうか
影絵のような帰り道
夕食の匂いのする方へ
二人手を繋いで
向かい合った足跡

強いようで弱い
でも弱いようで強い君へ贈る色 グレー

今年の冬は暖かいね
少し前に君が言ってたけど
世界はこんなに一瞬で
真っ白になっていく

純白の街へ連れてくよ
緑や赤の綺麗な光
濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る
二人だけの足跡
続いていく足跡


二番サビ〜大サビです。

まず綴られる歌詞では「僕らの家へ帰ろうか 影絵のような帰り道
夕食の匂いのする方へ二人手を繋いで 向かい合った足跡」と一番サビと同様に
手を繋いで歩くカップルの姿が描かれます。

繰り返しますが、Aメロ〜Bメロの心理描写が続く歌詞とは対照的な情景描写に徹された歌詞
で、鮮明にリスナーのカップルが二人幸せに歩く姿を浮かび上がらせます。

加えて「夕食の匂いがする方へ」という歌詞によってこの恋人が共に暮らしていることが
暗示され、その仲が非常に睦じいことがわかります。

そして続く歌詞は「強いようで弱い でも弱いようで強い君へ贈る色 グレー」というもの。
グレーに続く歌詞が無く、サビパートの歌詞が情景描写に徹していることから一見すると
グレーのマフラーかな?と考えてしまいますが、これは二番Aメロ〜Bメロとリンクしています。

そこで主人公は「優しさとは全て色を混ぜ合わせた色だ」と言い、これに対して恋人は
「それって鼠色だよね」と返答していました。

すなわち「君へ贈る色 グレー」とは優しさのことなのです。

情景描写に徹しているサビパートの中で唯一この歌詞のみが心理描写によるもので、
それによって主人公が恋人へと与える優しさがより印象深いものとなっています。

そして歌詞は「世界はこんなに一瞬で真っ白になっていく」と再び情景描写に切り替わります。
雪が降り、一面が銀世界になったことをここでは表しているのでしょう。

直接的には雪という言葉は出てきませんが、これまで心理描写や情景描写で色の表現が
繰り返されていることで、直接的表現が用いられずともその意図を汲み取ることが出来ますね。

FukaseとSaoriの作詞力の高さを感じる歌詞です。

最後には「純白の街へ連れてくよ 緑や赤の綺麗な光 濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る 二人だけの足跡 続いていく足跡」と綴られます。

これは一番サビとほぼ同様の内容ですが、最後に「続いていく足跡」とあります。
この歌詞が追記されたことにより、主人公と恋人がいつまでも仲睦まじく一緒に
時を過ごしていくのだろうなと読み取ることができるのです。

全体を通して心にポッと火が灯ったような優しい気持ちにさせてくれる歌詞ですね。

終わりに


感情と情景の描写にふんだんに色を用いた表現が使われている『イルミネーション』。

思えば『イルミネーション』というタイトルは一度も歌詞に出てきません。

これは喜びや悲しみといった感情や恋人たちが歩く街並みにある様々な光、そういったものを
総称して『イルミネーション』と言っているのではないでしょうか。

そしてその表現が歌詞中で何度も繰り返しているため、あえて『イルミネーション』
というタイトルは省いたということなのでしょう。

そんな色の表現を味わいながらぜひ聞いて身てください。

2 件のコメント

  • 当たり障りない解釈も自由ですけど、私の意見も一応。
    私はMV見たとき、これ、視覚障がい者とパートナーの歌だと思いました。

    • ユカさんコメント有難うございます。
      「視覚障害者とパートナー」の線、興味深いですね。

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