SEKAI NO OWARI『サザンカ』歌詞の意味と考察〜冬の優しい応援歌

SEKAI NO OWARI『サザンカ』

ドアの閉まる音 カレンダーの印
部屋から聞こえる 君の泣き声
逃げる事の方が怖いと君は夢を追い続けてきた

努力が報われず 不安になって
珍しく僕に当たったりして
ここで諦めたら今までの自分が可哀想だと
君は泣いた

夢を追う君へ 思い出してつまずいたなら
いつだって物語の主人公は笑われる方だ
人を笑う方じゃないと僕は思うんだよ

誰よりも転んで 誰よりも泣いて
誰よりも君は 立ち上がってきた
僕は知ってるよ
誰よりも君が一番輝いてる瞬間を

夢を追う君へ 思い出してくじけそうなら
いつだって物語の主人公が立ち上がる限り
物語は続くんだ

嬉しいのに涙が溢れるのは
君が歩んできた道のりを知っているから

夢を追う君へ 思い出してつまずいたなら
いつだって物語の主人公は笑われる方だ
人を笑う方じゃない
君ならきっと

『サザンカ』は、2018年2月28日に、SEKAI NO OWARIの12枚目のシングルとしてリリースされました。

NHKの2018年ピョンチャンオリンピック・パラリンピックのテーマソングとして制作された『サザンカ』は、2018年の第69回紅白歌合戦で演奏されることも決まっています。

SEKAI NO OWARIの紅白出場は、2014年から5年連続で、常連ともいえる実績を残していますが、『サザンカ』には冬の寒さを忘れさせてくれるような、温かい応援の気持ちが込められおり、寒い紅白の時期にぴったりの曲です。

新しい年を迎える直前の、一年の締めくくりにふさわしい『サザンカ』の歌詞に込められた、SEKAI NO OWARIのメッセージを考察してみましょう。

https://youtu.be/pw2di3acrWg

夢を追いかける人と見守り続ける人たちへ

冬季オリンピック・パラリンピックのテーマソングだった『サザンカ』ですが、曲に込められた応援のメッセージは、スポーツだけにとどまるものではありません。

『サザンカ』に対してSEKAI NO OWARIは、以下のようなコメントを発表しています。

夢を追いかける人、その側で見守り続ける人たちの物語を歌に出来たらと思い、今回の楽曲を制作させて頂きました。オリンピック・パラリンピックに挑戦する選手たちや応援している方々に、この曲がそっと寄り添うことが出来たら光栄です。

公式コメントより引用

『サザンカ』は、スポーツ競技だけではなく、あらゆる場面で「夢を追いかける人」、そして、その努力を「そばで見守り続ける人たち」を、優しく励ます曲です。

冬の寒さの中で、温かく優しい応援の気持ちが込められた『サザンカ』に、励まされた方も多いでしょう。

神木隆之介との共演が話題になったミュージックビデオでは、「君」が追いかける夢は、素晴らしい絵を描くこと。「君」を見守る人は、その兄でした。

夢を追い続けてきた君の不安と涙

ドアの閉まる音 カレンダーの印
部屋から聞こえる 君の泣き声
逃げる事の方が怖いと君は夢を追い続けてきた

ドアを閉めて部屋に閉じこもったのは、「夢を追い続けてきた」「君」です。

「カレンダーの印」は、実現させようとしている夢を、完成させなくてはならないタイムリミット。

しかし、何かがうまくいかない「君」は、悩み苦しんで、泣いています。

「夢」を諦めるより、「夢」から「逃げる事の方が怖い」、と泣く「君」は、つらくても逃げださない強さを持っています、

そして、それを見守る歌い手は、そんな「君」を思いやり、心を痛めています。

努力が報われず 不安になって
珍しく僕に当たったりして
ここで諦めたら今までの自分が可哀想だと
君は泣いた

「夢」を実現させようと、頑張っているのに、なかなか「努力が報われ」ない「君」は、歌い手である「僕」に当たってしまします。

「ここで諦めたら」、「夢」の実現のために努力していた自分を否定することになる。

そんな「自分が可哀想だと」泣く「君」は、身勝手なだけの人間ではありません。

その涙の理由には、自分をいつも見守って助けてくれる「僕」への気持ち、応援に応えられない自分の不甲斐なさや、申し訳のない気持ちも含まれています。

「君」と「僕」の関係は。実現が難しい「夢」の前で、今にも壊れそうに揺らいでいます。

夢を追う君へ…僕の率直な気持ち

夢を追う君へ 思い出してつまずいたなら
いつだって物語の主人公は笑われる方だ
人を笑う方じゃないと僕は思うんだよ

ここで「僕」は、「君」への想いを優しく、しかし、率直に力強く歌います。

「夢を追う君」、もし、「つまずいたなら」「思い出して」欲しい。

「物語の主人公は笑われる方」であって、主人公を「笑う方じゃない」。

ここでの「主人公」とは、実現できるかどうかもわからない「夢」を追い続けている人たちのことです。

そんな、叶うかどうかもわからない「夢」を追い続ける人たちのことを、現実的な人間は、無駄な努力をしている、と笑います。

しかし、そのような現実を前に「僕」は、そうじゃない、笑われても夢を追い続ける「君」こそが主人公だ、と思っています。

「僕」の「君」へ対する気持ちは、届いているのかどうか。

物語の前半であるここでは、まだ、わかりません。

転んでも立ち上がる君が輝く瞬間

誰よりも転んで 誰よりも泣いて
誰よりも君は 立ち上がってきた
僕は知ってるよ
誰よりも君が一番輝いてる瞬間を

「君」は何度も、「夢」の実現の前でつまずき、失敗してきました。

しかし、「誰よりも転んで」泣いてきた「君」は、そのたびに立ち上がり、挑戦を諦めませんでした。

どんなにつらくても、どんなに苦しくても、「夢」を実現させるために努力し続ける「君」。

「僕」は、「夢」に向かって努力している「君」その姿こそが、「一番輝いている」ことを知っています。

結果だけが全てじゃない。結果に向けて、諦めずに頑張っている過程が一番大切なこと。

この「僕」の想いには、オリンピックでメダルを獲ったり、コンクールで優勝したりできなかった人たち、「夢」に向かって努力する人たちすべてへの、応援の気持ちが込められています。

栄冠を勝ち取った人も、それができなかった人たちも、「夢」に向かって努力を続ける積み重ねる姿が、一番輝いているのです。

夢を追う君へ 思い出してくじけそうなら
いつだって物語の主人公が立ち上がる限り
物語は続くんだ

「僕」はさらに、「君」に歌いかけます。「夢」を追いながらも、「くじけそう」になったら、「夢」を諦めてしまいそうになったら、思い出して欲しい。

「主人公が立ち上がる限り」、倒れても諦めずにまた立ち上がるなら、「物語は続く」。

「君」が「夢」を諦めずに、立ち上がり努力を続けるなら、「夢」の実現という結末に向かう物語は終わりません。

このメッセージは、「夢」の実現に向けて頑張っているすべての人を励ますものです。

君と僕が一緒に夢を実現させる

嬉しいのに涙が溢れるのは
君が歩んできた道のりを知っているから

ここから『サザンカ』の物語は、結末に向かいます。

「嬉しいのに涙が溢れるのは」、「君」がついに「夢」を実現させたからです。

「僕」は「君」の「歩んできた道のり」、諦めずに努力を積み重ねてきた過程を、一番近くにいて見守ってきました。

「夢」を実現させることができたハッピーエンドは、「君」だけのものではありません。

「君」を見守りつくしてきた「僕」、そして、頑張る人を応援してきた人のすべてがその喜びを分かち合い、幸せになります。

夢を追う君へ 思い出してつまずいたなら
いつだって物語の主人公は笑われる方だ
人を笑う方じゃない
君ならきっと

サザンカの花は、冷たい冬に咲く美しい花です。

その花言葉は、寒さに負けず咲く花であることから「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」となっています。

寒い季節に力強く咲くサザンカの花は、困難を乗り越えて「夢」を実現させた「君」であり、さらに、実現した「夢」の象徴です。

また、「夢」を諦めずに努力を続けた「君」のひたむきさを称え、贈られる花でもあります。

そして、最後の1行で歌われる「君ならきっと」という言葉は、すべての人に贈られたメッセージです。

「君ならきっと」夢を実現できる。

この力強く優しいメッセージは、私たちすべてを勇気づけてくれます。

終わりに

『サザンカ』の公式ミュージックビデオは、歌詞の物語にそって、Fukaseが演じる兄と、神木隆之介が演じる弟の、夢の実現に至る日々を描いたものです。

絵を描きながらも、なかなか認められない弟を、兄は献身的に支えています。

絵が認められずに悩む弟は、スランプに落ち込み笑顔も失って、兄につらく当たりますが、やがて、自分を支えてくれる兄の想いと愛情に気付きます。

そして、兄の想いの象徴であるトンカツの絵を描いて、ついに「夢」を実現さるのです。

夢を追いかける人と、それを見守り応援する人の物語を描いたミュージックビデオは、『サザンカ』の歌詞の意味とメッセージを、より深く、はっきりと伝えてくれます。

一流のスポーツ選手や芸術家でない私たちにも、「夢」があります。

受験や就職、愛する人と幸せになること。

人によって「夢」はさまざまですが、どんなに小さなことでも「夢」は大切なものであり、誰もが実現させたいと願っています。

そして、身近なところに「夢」追っている家族や友人がいて、私たちはその実現を手助けしたいと思います。

『サザンカ』は、特別な人だけではなく、「夢」を追いかける普通の私たちと、それを見守る人たちの気持ちに寄り添い、優しく励ましてくれる曲です。

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