SEKAI NO OWARI『スターゲイザー』歌詞の意味を考察・解釈

それは
死体が腐敗していくように
学校へ毎日通うように
夫婦が一生添い遂げるように
花は摘めば枯れていくように
叩けば物は壊れるように
罪人が法で裁かれるように
多数派がいつも勝っていくように
怒鳴れば君が泣くように
時々頭がおかしくなる普通の日常

stargazer(星を見上げる人)

それは
電車に揺られて眠るように
休みを取らずに働くように
命を削って生きていくように
勝つことこそが目標なように
出る杭は打たれていくように
小鳥の声で目が醒めるように
怒れば君が黙るように
もう君が笑わないように
時々頭がおかしくなる普通の日常

stargazer(星を見上げる人)

はじめに

『スターゲイザー』とは2019年2月8日にネット上で公開された楽曲です。
僅か2週間の間に動画再生回数240万回を突破し人気のほどを示しています。

MVでは現在、欅坂46のセンターである平手友梨奈さんが主演となり見事な
ダンスを披露しています。
普段黒髪であることが多い平手友梨奈さんの金髪も必見ですが特筆すべきは
ダンスが自身による振付けであることには驚嘆させられましたね。

MVの最初の綺麗な映像、またタイトルからオレンジレンジの「アスタリスク」
もしくはスピッツのスターゲイザーのようにストレートで明るい曲を連想した
方も多いかと思われます。

しかし歌詞全体やMV中盤のシーンを考慮すると「光」と「闇」の部分が調和
良く織りなされていると感じました。
両方の側面を考えながら歌詞考察を進めていきましょう。

タイトル『スターゲイザー』とは

「スターゲイザー」とは英語で「星を見つめる者」を指します。
天文学者などがそれに該当しているようです。
MVでも主人公である平手友梨奈さんが月や星空を見ているシー
ンが確認できますね。

公式サイトの歌詞では括弧書きの通り(星を見上げる人)と表記
されていますね。
意味は類似していると思います。

星を見つめるとき人は日常で起きた様々な出来事を回想します。
今作の歌詞の中でも「日常」は2回用いられています。
様々な日常の一面に触れてリスナーが共感しやすいような構成
に仕上がっていると感じました。

回想には幸福と思えることや理不尽や現実問題などで作りあげ
られた不幸が含まれています。
正の気持ちと負の気持ちが交差する中での星の観察で主人公の
感情はどのような変化が生じたのでしょうか。

『スターゲイザー』歌詞の意味

星を見ている人―彼女は何を想う

stargazer(星を見上げる人)

最初に主人公像を考察しておきたいと思います。
前述でも取り上げたようにMVでは平手友梨奈さんが
主人公を演じていますから今回の考察も主人公を女性
として進めていきます。

MVでの彼女は暴走族に所属しているようです。
やさぐれている、反社会的といったイメージが
似合うような生活を送っています。

ゲーセンでつまらなそうな表情を浮かべ街で他者
に暴行を加える仲間と歩いたりバイクに乗ったり
と彼女は満たされない毎日を送っています。

そんな彼女にも「優しさ」また「道徳観念」が存在します。
店で少女がキャンディーを落としたのを見かけるとキャンデ
ィーを拾って渡そうとします。

星空の下で踊り狂いそれでも笑顔を見せない奇怪さや不思議さ
も兼ね備えており謎多き主人公と言えるでしょう。
そんな主人公は星空を見上げて回想した日常を垣間見ていきま
しょう。

星空の回想―前半

それは
死体が腐敗していくように
学校へ毎日通うように
夫婦が一生添い遂げるように
花は摘めば枯れていくように
叩けば物は壊れるように
罪人が法で裁かれるように
多数派がいつも勝っていくように
怒鳴れば君が泣くように
時々頭がおかしくなる普通の日常

彼女の回想は全部で「16個」列挙されています。
それぞれ前半と後半にわけて心境を読み取りたい
と思います。

前半と後半には共通する事柄があります。
それは初め日常に見られる点に触れてから
最後に必ず二人称の「君」に触れています。
「君」は彼女にとって大切な人なのでしょう。

「君」との関係は決別しているように感じます。
歌詞の内容が良好さについて全く述べておらず、
MVでも彼女はいつも一人で過ごしているからで
す。

最初に前半の8個の回想について考えてみましょう。

「死体が腐敗していくように」 これは形あるもの
がいつかなくなっていく点に触れていると思います。
彼女はこれまでの人生で大切な人を亡くした経験が
あったのでしょう。

「学校へ毎日通うように」 これは焼き回しの日常を
醸し出すような表現に感じました。
集団行動を意識しての一致か社会の設けた規則に従う
故の行動かわかりませんが以前彼女は従順でした。

「夫婦が一生添い遂げるように」これは彼女の両親か
周囲の夫婦を見てきてそう判断したのでしょう。
離婚していない夫婦ですからある面で幸福な夫婦のこ
とを述べているようにも感じます。

しかし彼女が幸せそうではない点を考慮すると両親は
「一生添い遂げる」が円満な家庭ではなかったとも読
み取れます。

「花は摘めば枯れていくように」彼女が幼少期のころに
実際体験したことを思い出しているのかもしれません。
負の考え方をすると幸福という土壌から引っこ抜かれた
彼女の人生が枯れてしまったと解釈することもできます。

「叩けば物は壊れるように」ストレスを物にぶつけたこ
とがあるのでしょう。
同じように人は強い言葉や暴力の前で傷つくことを示し
ているようにも感じます。

「罪人が法で裁かれるように」彼女の見てきた限りで
は確固とした正義の存在を認めているようです。
間違いは必ず正されるという正の感情を持っているよ
うです。

しかしこの点も考察の仕方では負の感情になり得ます。
暴走族のような生き方をしているうちに法的機関のお
世話になった自分の実体験を語っているのだとしたら
それは後悔の回想にも思えます。

「多数派がいつも勝っていくように」学校や社会を見て
彼女がそのような結論に至ったのでしょう。
以前彼女も少数派で苦しんだ経験があったので現在では
徒党を組むような生活を送っているものと思われます。

「怒鳴れば君が泣くように」前述で取り上げた「君」が
登場します。
彼女は「君」である大切な人に対してそのようにしてし
まったことがあったのでしょう。

彼は泣いてしまい彼女はうろたえてしまう、そんなやりと
りが過去に何度もあったのでしょう。
彼女が満たされない生活を送っている鍵となるのは「君」
とのやりとりであることに間違いはないでしょう。

星空の回想―後半

それは
電車に揺られて眠るように
休みを取らずに働くように
命を削って生きていくように
勝つことこそが目標なように
出る杭は打たれていくように
小鳥の声で目が醒めるように
怒れば君が黙るように
もう君が笑わないように
時々頭がおかしくなる普通の日常

後半からは「君」の彼女に対する反応の仕方に
変化が生じることがわかります。
その変化は今の彼女がどうして幸福ではないの
かという点の答えになります。

「電車に揺られて眠るように」気持ちよく眠ると
いうより疲労しきって眠る様子が浮かんできます。
また彼女が自分の意思とは逆の方向に流されてい
くと感じているのだとも思いました。

「休みを取らずに働くように」筆者は社畜という
言葉が余り好きではありませんが会社の奴隷とい
う表現も昔から使われてきましたね。
彼女が述べているのはそうした用語のことです。

「命を削って生きていくように」某アーティスト
の歌詞でもカンナみたいに命を削るという表現が
あるように自分をすり減らして最後には無くなる
というメッセージ性を強く感じるフレーズです。

「勝つことこそが目標なように」子供のころから
競争心にまみれた環境に彼女は置かれてきたのか
もしれません。

「出る杭は打たれていくように」彼女は当初、発言
力・行動力・進取の気性に富んでいたのかもしれま
せん。

それでもある日を境に目立つことを嫌うようになっ
てしまったようです。

「小鳥の声で目が醒めるように」爽やかな朝を迎え
るイメージを持つことができます。
負の考え方ですと小鳥が起こさないと一人の彼女を
起こしてくれる人がいないとも判断できます。

「怒れば君が黙るように」君は最初「泣いて」ました。
今回は「黙る」という反応に変化しています。
泣くという行為は「悲しみ」「寂しい」という感情が
伴う場合が多いです。

君にとって彼女とのやりとりでそうした感情を示す必要
がないと悪い意味で冷めてしまったのでしょう。
良く夫婦で聞かれる「だんまり戦術」に似たものなのか
もしれません。

「もう君が笑わないように」そして彼からは笑顔も消失
していきます。
この段階で彼女は焦りを感じ彼との関係を取り戻そうと
しましたがすでに手遅れだったのでしょう。

「時々頭がおかしくなる普通の日常」として示されている
ように彼女の笑わなくなった乾いた人生の理由がここにあ
るのです。

普通の日常に忙殺され、彼の反応に滅入ってしまった彼女
は避難所と呼べるところが一切なくなってしまいます。
MVの序盤のシーンで暗がりの部屋が唯一の自分の場所の
ように思えてしまうのです。

彼女は今日も星を見上げているでしょうか。
もしそうであれば星より少ないとはいえ多く
の回想が彼女の頭の空へと繰り広げられてい
くことでしょう。

まとめ

キャンプや散歩中で星を眺める機会があるでしょうか。
多くの方が星を見上げいろいろなことを考えることでしょう。
彼女の16個の回想のうち1つは自分と同じ回想だったかもし
れませんね。

すでに前述で歌詞の中で正の感情を表す回想と負の感情を表す
感情が織りなす形で構成されていることに触れました。
それは初めは正の感情で始めた回想が時間が経つたびに消極的
になり負の感情へと変化してしまう様を描いたと解釈しました。

人の悩みの数はきっと星の数ほどあるのだと思いました(笑)
実際に科学的でもなんでもありませんが自分の回想が綺麗な星
になっているという考えはとても前向きで良い発想だなと筆者
は感じました。

SEKAI NO OWARI の今後の活動と次回作に期待して注目して
いきたいと思います。


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