三月のパンタシア 『恋はキライだ』 歌詞の意味を考察・解釈

恋が好きとか もう言えないや
やっぱひとりじゃ さびしいや

汗ばむ 砂の上 ぎこちなく 君を追いかけた
近付き過ぎてしまえよと
夏風が背中で茶化した

銀河みたいなスコープ
転がり 変わってく風景
二度と戻んない今日だ

「バイバイ また遊ぼうね」
魔法の呪文みたいに
寂しい 寂しい 夢だ

恋はキライだ 君がスキだ
悲しくないのに 泣かすなよ
朱色火花 サイダーブルーは
これから ずっと君の色だ

恋はキライだ 君がスキだ
その手に 触れてしまえばよかった
夏が終わる 透明な夢を見てた
かえろう
振り返らず行こう

言えないまま 終わること
最初から 分かっていたんだ
アイラブユーとか何とか
それどころじゃないよ
大丈夫なふりして 笑えたふりして

水彩柄の視界じゃ
遠ざかる君が見えない
きこえないよ 何て言ったの
最後の最後になって
正直になったってさ
足りない 足りない 遅いよ

恋はキライだ 君がスキだ
何もかも あと一つだった

白地のキャンバス 銀色のフレーム
君の思い出が 写ってる
夏が終わる 終わるよ

夕色の海に 呼んでみたけど
やっぱ来ないや もういいや
来年もどうせ 再来年もどうせ
僕は 泣いてるよ

恋はキライだ 君がスキだ
見送る方が ずっとイヤでした
朱色火花 サイダーブルーは
これから ずっと君の色だ

恋はキライだ 君がスキだ
さよなら 歌になってしまえ
夏が終わる 透明な夢を見てた
かえろう
口ずさんで 行こう

はじめに

『恋はキライだ』は2019年8月26日にネット上で公開された楽曲です。
ボーカルみあさんの小説『8時33分、夏がまた輝く』 EDテーマとなり多くのフ
ァンに注目されているナンバーです。

動画公開されてから数時間しか経過していないのに5万回以上の再生と、500を
超えるコメント数が集まっています。
三月のパンタシアの人気の高さが数字からも理解できますね。

MVではイラストレーターのダイスケリチャードが手がけるイラストが世界観を
美しく鮮やかに表現しています。
曲調に関しては夏の初恋をイメージする爽快感漂うメロディが主体となっていま
した。

イントロの優しいピアノからミドルテンポで奏でられるドラムとギターが、聴く
人に初恋を彷彿させるような感覚を与えてくれるでしょう。

今作の視点やファンへの思い入れをみあさんご自身がツイッター内でこのように
語っていました。

『恋はキライだ』聴いてもらえましたか? 「僕は泣いてるよ」って歌詞がオチサビで出てきますね。僕、、?そう、実はこれは悠ちゃん目線の歌詞になっています。 物語と合わせて、そしてオープニングとイラストとも合わせて、たのしんでもらえたら嬉しいです。

リプもYouTubeのコメントもツウィートもぜんぶみてるーーーっ。恋の高鳴りとうまく伝えられない切なさに心が揺さぶられるような楽曲だよね。「恋はキライだ」感想たくさん教えてね。


https://twitter.com/3_phantasia?lang=ja  三月のパンタシア(みあ)twitter より

小説『8時33分、夏がまた輝く』に登場する悠ちゃん目線で書かれたという
点を意識しながら本考察を進めていきたいと思います。
またみあさんがツイッターのリプや動画コメントを見逃さずにチェックして
いる点にも心打たれますね。

「恋の高鳴り」と「上手く気持ちを伝えられない切なさ」の2点も大切にしな
がらじっくり考察していきたいなと感じました。

それではさっそく気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『恋はキライだ』とは

まず最初に小説のあらすじを把握する必要があります。

「8時33分、夏がまた輝く」は東京生まれ、東京育ちの消極的な性格の主人公:
葵(アオイ)がひょんな事から、小豆島に住む、叔母のカフェを夏休みの一か月限
定で手伝うことになり、そこで出会ったのは天真爛漫でマイペースなちゃんと
小豆島の自然の美しさに触れ、だんだんと心が変化していく物語です。

みあさんのコメントにもありましたが歌詞の中で「僕」と言っているのは悠で
す。
彼が自分の経験に基づいて「恋はキライだ」と呟いている、タイトルはそのよう
な繊細な感情を物語っています。

葵と過ごした短くも尊い日々が彼にどんな影響を与えたのでしょうか。
続く部分から詳しい情景や感情を探ってみましょう。

『恋はキライだ』歌詞の意味

伝えられない気持ち、胸に抱いて

恋が好きとか もう言えないや
やっぱひとりじゃ さびしいや

汗ばむ 砂の上 ぎこちなく 君を追いかけた
近付き過ぎてしまえよと
夏風が背中で茶化した

歌詞冒頭では悠が自分の恋について真剣に悩んでいます。
「恋が好き」つまり恋愛を純粋に楽しむ余裕はないようです。
それでも恋はうんざりと言い放つ決心もつきません。
彼は一人が寂しく辛いことを痛感していたからです。

しかしただ誰かが側にいれば良いという安易なものではありま
せん。
そう、彼にとっては葵がすべてであり彼女が側にいなければな
らないのです。

続く歌詞では葵が「君」で表現されています。
夏の砂浜を歩き出し彼女をゆっくり追いかけます。
それでも恥ずかしさや遠慮の気持ちが彼女との距離を作ってい
きました。

物理的な距離だけでなく比喩的な距離も彼は気にしているので
しょう。
僅か一か月で彼女はここからいなくなってしまう。
終わる恋を引き留めてなんの意味があるのだろうかと。。

そうして思考を巡らしていると、じりじりと焼け付く太陽が彼
に「近付き過ぎてしまえよ」と茶化してくるように思えました。
夏の力に身を任せて素直に本音を伝えて見ようか、、
検討した末、彼はその考えに対して首を横に振りました。

同じ景色は一日も無い

銀河みたいなスコープ
転がり 変わってく風景
二度と戻んない今日だ

「バイバイ また遊ぼうね」
魔法の呪文みたいに
寂しい 寂しい 夢だ

銀河をスコープで除けばそこは変幻自在の世界が広がっています。
目を話せばそこに同じ景色はありません。
悠は例証を用いていま自分が見ている光景の一瞬一瞬が貴重であり
掛け替えのないものであることを伝えています。

葵はずっといない、この事実は出会ったときから不動のものです。
悠は葵と遊んだあとに言う「バイバイ また遊ぼうね」の台詞にい
つも不可解な部分を感じていました。

「また」会えるのだろうか、バイバイした後に次はあるのだろうか
と考えては寂しさを胸に抱いていたことでしょう。
彼女に手を振って別れた後、また会える保証はどこにもないと考え
たら一日一日が非常に尊く思えたのでした。

出遅れた本音

言えないまま 終わること
最初から 分かっていたんだ
アイラブユーとか何とか
それどころじゃないよ
大丈夫なふりして 笑えたふりして

水彩柄の視界じゃ
遠ざかる君が見えない
きこえないよ 何て言ったの
最後の最後になって
正直になったってさ
足りない 足りない 遅いよ

悠は天真爛漫でムードメーカーで明るい性格をしています。
彼には苦手なものなどないように他者からは見えるのです。
しかし彼は葵に自分の気持ちを伝えることがどうしてもで
きません。

「アイラブユー」という愛を表現する余裕がどこにもない
のです。
普段は葵を笑わしたり困らせたりする台詞なんか幾らでも
湧いて出てきます。

小説の終盤では彼がようやく本音を伝えるシーンがありま
す。
けれども別の音にかき消されて彼の勇気ある本音は葵には
届きませんでした。

夏に口ずさむ矛盾の歌

恋はキライだ 君がスキだ
さよなら 歌になってしまえ

悠は自身の経験から矛盾を歌にして口ずさみます。

「恋はキライだ」つまり恋愛がもたらす寂しさや
本音を伝えられないもどかしさはキライだという
ことでしょう。

「君がスキだ」とはそれでもやはり葵への恋愛感
情に嘘はないという部分を認めているのでしょう。

彼はこの二つの感情に苛まれながら夏の熱を感じ
ています。
太陽に焦がされる肌と葵に焦がされる気持ちは、
悠にとって忘れられない思い出になったことでしょう。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
小説を読みながら今作の歌詞を聴くと悠と同じ
感情が湧き上がってきます。
不意に泣けてきたりするので注意が必要です。

動画コメント欄には「恋がしたい 彼氏彼女が
欲しい」という叫びで埋め尽くされていました。

多くの方が今回のキャッチ―な作品に胸打たれ
惹かれていったに違いありません。

三月のパンタシアの今後の活動と次回作に期待
し注目していきたいと思います。

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