三月のパンタシア『パステルレイン』歌詞の意味を考察・解釈

さっきのは冗談よ
余計に遠ざかる もどかしい言葉は
低気圧のせいだ
覗き込んでみたって 鏡は鏡
水たまり 独り言だよ
 
こだまして 反射して
ふとした瞬間にときめいて
平然なんてきっと思う程
上手く出来そうにない かなしいほどに
 
止まない雨は無い なんて君は言う
ならもうちょっと私 濡れていくわ
何もかも洗い流してはくれないけど
パステルレイン 滲ませてしまったのは
曖昧な今が ただ愛しいから
聞かないで 本当のとこなんて
知らなくっていいよ
 
あさっての方向ね
思惑なんてさ 大抵逸れてしまうもの
だけど祈ってしまうの
君も同じ風に
思ってるとしたら
それは素敵な事だろうけど
 
絶対は無いと言う
その口元を いま塞げたら
けど叶わない 運命のいたずらなんて
もう 思わないよ
 
止まない雨は無い なんて君は言う
悲しいくせに 余計知らん顔して
このままずっと紛れて 泣いていようか
パステルレイン 滲ませてしまったのは
夢の終わりが ただこわいから
聞かないで 本当のとこなんて
関係ないよ
 
止まない雨は無い なんて君は言う
雲間が覗いて白く光る
もうちょっとだけでいいから そばに居て
パステルレイン 滲ませてしまったのは
曖昧な今が ただ愛しいから
聞かないで 本当のとこなんて
言うまでもないよ


はじめに

『パステルレイン』とは2019年3月22日にネット上で公開された楽曲です。
大人気クリエイターユニットである三月のパンタシアの新春ナンバー登場です。同年3月11日リリースされたNew Album 「ガールズブルー・ハッピーサッド」
に収録されています。

上記は「音楽×小説×イラスト」を連動させた 自主企画『ガールズブルー』をテーマにしたニューアルバムとなっています。
MVも3つの連動したコンセプトを感じさせる構成になっていましたね。

ストレートな歌詞というより抽象的あるいは描写の多い歌詞が用いられている点
が小説らしいなとも思いました。

雨を題材にしたタイトルから静かでローテンポな曲調を想像した方も居たのでは
ないでしょうか。
しかし今作はアップテンポで軽快なステップを踏みたくなるようなテイストに仕上がっています。

歌詞の内容は一人の女性を主人公とし、彼女の様々な感情が雨に描写され物語が
進行していくという展開を見せています。
彼女の彼の前でとっさに冗談にした本音にも注目したいと思います。
それではさっそく歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『パステルレイン』とは

パステルとはフランス語「pastel」からの外来語です。
単体で用いられることは少なく(有名なプリンを除く)
パステル画、パステルカラーなどが一般的に広く知られ
ていると思います。

パステルとは「粉末顔料に白粘土をまぜ、アラビアゴム
などの溶剤で棒状に練り固めたもの」を指します。

またパステルカラーの場合に「中間色」という意味合い
を持つことにも注目したいと思います。
さらにパステルから連想されるのは単色ではなく様々な
色であることも念頭に置きたい点です。

前述でも記載しましたが今作では一人の主人公の感情が
雨に描写されています。

ですから「パステルレイン」を「中間色の雨」「様々な
色の雨」とするならば、「はっきりしない感情」「様々
な感情」と解釈することが出来るでしょう。


『パステルレイン』歌詞の意味

本音―冗談へ姿を変えて

さっきのは冗談よ
余計に遠ざかる もどかしい言葉は
低気圧のせいだ
覗き込んでみたって 鏡は鏡
水たまり 独り言だよ
 
こだまして 反射して
ふとした瞬間にときめいて
平然なんてきっと思う程
上手く出来そうにない かなしいほどに

冒頭の歌詞から理解できるように主人公である
一人の女性はある男性の前で「気持ちを誤魔化
して」いるようです。

歌詞全体から考慮するとその男性は思いを寄せ
ている相手、もしくは交際相手と判断できるか
と思います。

彼女は彼に、要求あるいは告白をしたのかもし
れません。
いずれにせよ彼女の述べた事に彼は難色を示し
たのでしょう。

彼女がとっさに本音を冗談に変え誤魔化してい
る点がそれを裏付けています。

彼女の述べた遠ざかる言葉を「低気圧」のせい
にしています。
低気圧になると一般的に周囲から強い風が吹き
込みます。

自分の本音が強風に運ばれてどこかに消えてし
まったことを描写しているのだと思います。

彼女は道端の「水たまり」を見つけました。
覗き込むと鏡のように水たまりが浮かない表情
をした自分を映し出しました。

先ほどの彼とのやりとりを思い出して本音を
「独りごと」にしたいと思いました。

さらに「水たまり」には吐き出せない本音が、
彼女の心にたくさん溜まっていることを描写し
ているように筆者は感じました。

彼女は水たまりに映る自分を見つめながら、本
音の言えない状況下で「平然」としていること
の難しさを実感していました。


止まない雨に溶け行く本音

止まない雨は無い なんて君は言う
ならもうちょっと私 濡れていくわ
何もかも洗い流してはくれないけど
パステルレイン 滲ませてしまったのは
曖昧な今が ただ愛しいから
聞かないで 本当のとこなんて
知らなくっていいよ

ここで初めて男性側のセリフが登場します。
本音が言えない彼女は涙を流したのでしょうか。
「止まない雨は無い」という言葉で彼が彼女を
慰めたように感じます。

言葉の趣旨は「止まない悲しみは無い」という
ものであったのでしょう。
「私 濡れていくわ」という言葉には彼女が彼
の前でもう少しだけ泣くことを描写しています。

続く部分に今作タイトルである「パステルレイ
ン」が登場します。

「滲ませてしまった」という後悔めいた表現か
ら彼女の「一途な想い」が変化してしまったこ
とを表現しているのだと思います。

理由は「曖昧な今が愛おしい」からでした。
本音は彼ともっと近しい関係になりたいという
ものであり彼女は冒頭で彼に気持ちを伝えたの
かもしれません。

しかしその言葉を彼は素直に受け取りませんで
した。
彼女はその時、今の関係が壊れることを恐れた
に違いありません。

同時にこれ以上進めない関係を嘆いたのかもし
れません。
ですから彼女は今の曖昧な関係で満足すること
にシフトしたものと思われます。

ですから彼が今後、自分の本音を聞いてきたと
しても迷惑をかけることになるので「知らなく
っていいよ」と答えているのです。
本当はそうではありません。

見え隠れした本音の太陽

止まない雨は無い なんて君は言う
雲間が覗いて白く光る
もうちょっとだけでいいから そばに居て
パステルレイン 滲ませてしまったのは
曖昧な今が ただ愛しいから
聞かないで 本当のとこなんて
言うまでもないよ

前述と似たような歌詞なのですが最後に変化が
生じます。

それは「雲間が覗いて白く光る」つまり彼女の
モヤモヤした気持ちに踏ん切りがつくような表
現に示されています。

「雲間」とは雲と雲の切れ目の部分を指します。
そこから太陽の光が漏れて白く光っていること
を歌詞は示しているのです。

彼女は彼の前で「聞かないで 本当のとこなんて」
と前述と同じようなセリフを述べています。
しかし最後の「言うまでもないよ」というフレーズ
から彼との関係をあきらめていないと理解できます。

好きの気持ち、これ以上を望む気持ちを言葉にする
必要がないほどに良好な関係だと彼女は思っている
のだと筆者は感じました。

彼も不器用さと恥ずかしさが相まって彼女の言葉に
戸惑ったに違いありません。
もし彼が彼女のことを毛嫌いしているのであれば、
「止まない雨はない」と励ましたりはしません。

雨が止むと同時に彼女のパステル色に滲んだような
様々な感情もどこかに消えてしまいました。

彼女の心の中にある感情は彼を思う一途な気持ち、
そう、たった一色の強い愛の気持ちだけでした。

まとめ

雨を見る度にこの歌を思い出しそうですね。
MVのように色々なカラーの雨が降ったら面白そう
ですが、町全体が凄いことになりそうですね(笑)

十人十色といいますが、一人の心の中に何色もの
はっきりしない色が存在するのだと今作から実感
しました。

そして大切な人の心模様をいつでも完全には理解
できないことも学べたと思います。

三月のパンタシアの次回作と今後の活動に注目し
期待したいと思います。
まだまだ目が離せませんね。








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