サカナクション『モス』歌詞の意味を考察・解釈

君のこと
(ソウゾウデキズニ)

知らなくていいや
(ソウイウフンイキ)

僕はまだ
(ソウゾウデキズニ)

探してたいんだ
(ソウイウコトバガ)

抱えても
叶えられないこと

比べても
負けるとわかってたんだ

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

飛び交う蛾になる マイノリティ
雨に打たれ羽が折りたたまれても

君の上を
(ソウゾウデキズニ)

ふわふわ浮いた
(ソウイウフンイキ)

抱えても
叶えられなくても

比べても
一人でうずくまっても

つまづいても
誰かが指差しても

次の場所を
行けるとわかってたんだろう

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

飛び交う蛾になる マイノリティ
雨に打たれ羽が折りたたまれても

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

連れてく蛾になる マイノリティ
君はまた僕を思い出せるなら

はじめに

『モス』とは2019年7月11日にネット上で公開された楽曲です。
同年6月19日リリースのサカナクション 7th Album 「834.194」に収録され
ています。
動画再生回数は公開から1週間足らずで100万回を超える大人気ナンバーです。

またフジテレビ系 木曜劇場「ルパンの娘」主題歌ともなっています。
これまでMV公開してきた前作とは打って変わり、アップテンポな曲調が印象的
です。

MVは山口保幸氏が担当しました。
動きの少ない映像に多くのメッセージを詰め込んだ今作は評価が分かれそうな
仕上がりになっています。
MVと歌詞を見比べ熟考しなければ至らない境地、といった感じを受けました。

MVでは巨大な「白い繭」のようなものが中央に置かれていました。
曲進行とともにそこから人が出てくるという謎多き映像でした。

歌詞と合わせて考察すると「人の成長」をテーマにしているのではと筆者は考え
ました。

それではさっそく気になる歌詞の意味を考察していきたいと思います。

タイトル『モス』とは

『モス』は英単語「moth」であり「覆う、蛾や虫食い(衣服の)」などを
表します。
またはフランス語のmousseline(モスリン)の略であると思われる。
モスリンは「梳毛 (そもう) 織物の一。薄手で柔らかな平織りの毛織物」を指
します。

2つの意味をあげてみましたが歌詞全体のフレーズから後者の可能性は極めて
低いと言えます。
「蛾」や「繭」という直接前者の意味に該当するワードがその点を裏付けてい
ます。

人間はいくつになっても不完全であることや成長の可能性があることを念頭
においてタイトルが設けられたのかもしれません。
ちなみに余談ですがモスバーガーのモスは全然違う意味なのでご自身で調査な
さって下さい(笑)

『モス』歌詞の意味

自分との対話

君のこと
(ソウゾウデキズニ)

知らなくていいや
(ソウイウフンイキ)

僕はまだ
(ソウゾウデキズニ)

探してたいんだ
(ソウイウコトバガ)

今回の考察では一人の男性主人公を主軸に進めていきたい
と思います。

ここでは「僕」で表現される主人公と「君」が登場します。
君とは主人公の中の「もう一人の自分」なのだと解釈しま
した。

MVの繭の中に閉じこもっている状態、つまり自分の殻に
閉じこもって自分と対話している様子を伝えているのだと
思いました。

本当の自分を想像できないこと、投げ出したいこと、でも
本当は自分の本質を探したいことなどを歌詞は綴っています。
主人公は自分に問いかけ、それにもう一人の自分が答えると
いう形式を取っているように見受けられました。

理想という荷物

抱えても
叶えられないこと

比べても
負けるとわかってたんだ

主人公はここで「理想」という一つのテーマについて
考え黙想しています。

「理想」は自分の中で抱いても叶えられないのだと思
います。
同時に理想の自分と今の自分を比較しても負ける、ま
た劣ることを痛感するだけだと結論しています。

今の彼にとって理想とはただの厄介な荷物なのです。

成長への期待感

つまづいても
誰かが指差しても

次の場所を
行けるとわかってたんだろう

ここでは主人公が成長への期待感を抱いていることを
理解することができます。

なにかの問題に「つまづいても」また「誰かが指差し
て」そのことを笑っても前進していける自分を信じて
いました。

MVで繭から人が出てきたように、自分の殻を破って
成長した自分へ到達することを切望していたのです。

これは文字通り「行きたい場所へ行く」とか「未だ
行ったことのない場所に行く」ほど容易ではないの
でしょう。

自分自身の特質や性格の面で成長を遂げるというの
はとても大変なことであり苦痛を伴うものなのです。

完全変態―メタモルフォーシス

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

飛び交う蛾になる マイノリティ
雨に打たれ羽が折りたたまれても

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

連れてく蛾になる マイノリティ
君はまた僕を思い出せるなら

完全変態とは卵 – 幼虫 – 蛹 – 成虫となる過程です。
主人公はまさにその過程を辿っています。
昆虫が姿形を完全に変えるように、彼も自分の特質
や性格を完全に変えようともがいているのです。

歌詞では繰り返し「マイノリティ」という言葉が使
用されています。
「マイノリティ」の意味は「少数、少数派」です。

そして「マイノリティ」が蛾が「繭を割ること、飛
び交うこと、仲間を連れてく」ことと関連付けられ
ています。

ここから少数派になるということは「自分の殻を破
り、自由に行動し、人を引っ張る存在になる」こと
であると理解できます。

上記3つの特性は望んでもなかなかできないもので
あり、そもそも望みたくもないと考える人が多いよ
うな気がします。

多数派を選びたければ昔の主人公のような考え、つ
まり「自分の殻に閉じこもり、できるだけ目立たな
い行動をし、だれかに引っ張られることで満足する」
ことを望んでいたのでしょう。

このような大きな変化を受け入れることが出来たの
は「モス」つまり自分の殻に閉じこもり、時間をか
けて自分と対話し黙想したからでしょう。
そして彼はもう一人の自分を受け入れたのです。

ここから私たちは多くの教訓を学べます。
「理想」は荷物で邪魔なだけだと一蹴するかわりに
理想を受け入れ形にする努力を払うということです。

さらに今現在、殻に閉じこもって行動できないとし
ても「考え、黙想する」ことの大切さも実感しまし
た。

たった二文字で表される「モス」というタイトル。
そして歌詞では「繭」という用語。
その中で繰り広げられる多くの対話や黙想そして
時間が人を成長へと促していきました。

あなたも今現在、なんらかの「モス」にこもって
いるなら少しの時間、そうです5分時間をとって
自分自身を見つめてみるのはいかがでしょうか。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
「人の成長」をテーマに歌詞が展開されていたように
筆者は感じました。
皆さんはどんなテーマが頭に浮かんだでしょうか。

自分の殻に閉じこもると聞くと悪いイメージを持って
しまいます。
内向的な自分に嫌気が差すかもしれません。

それでも今作から悪いイメージだけではなく、しっか
りと時間をかけて自分を見つめなおす場所として描か
れていましたね。

自分がイケてるイケてないに関わらず、今の自分が理
想の自分へと成長しているかどうかを考えてみるのも
良いかもしれませんね。

サカナクションの教訓的で魅力溢れる作品に感謝しま
す。
今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思い
ます。

有難うございました。

コメントを残す