緑黄色社会 『Shout Baby』歌詞の意味を考察・解釈

いつもと違う髪のにおい
踊らされてしまう悔しいな
緩んでしまう口元 マフラーにそっと沈めた

いつから私こんな風に
我慢強くなれていたんだろう
子供の頃から泣き虫だって馬鹿にされたのに

内緒にしていてね
なんて残酷な言葉
叫び声霞んでく
ありふれてるはずの未来には遠くて

誰に聞かずとも分かる
あいつの元には届きやしない
どこに辿り着けばいい?
分からなくてただ縋り付いて
毎日の不安をかき消すほど
胸を焦がす憧れなど消えない
変わりたい

何でもすぐに後回しに
してしまうような私だから
僅かな繋がりだけでもずっと守りたかった

内緒にしていたら
あってもないようなものだね
忘れてしまえる程
ちっぽけな想いではないよ分かってる?

夜が明ける頃にまた
真面目な姿だけ身に付けて
だってそれしかなかったの
初めてのことに戸惑ってる
退屈な時間をかき消すほど
胸を占めるあいつなんて
もう

こんなもの知りたくなかった
あの時ああすれば良かった
こんなに脆いものだけど
自分を肯定したかった
悪いことをしてるようで
自分が情けなかった
だけど全て初めてで
まだ信じていたかった

誰に聞かずとも分かる
あいつは幸せをくれやしない
それでもあいつがくれたもの
何もなかったわけじゃないから
毎日の不安をかき消すほど
ずるい嘘が嬉しくて消えない
変わりたい

歌詞考察の前に

人気ロックバンドである緑黄色社会の楽曲『Shout Baby』MVが2020年2月8日にネット上で公開されました。
同年2月19日にリリースされることが決定しています。
動画再生回数は公開初日から15万を超え人気ナンバーとなっています。

また同曲はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』4期「文化祭編」EDテーマに選ばれ話題を呼んでいます。

メロディーに見られる自由で豊かな転調と力強く躍動感のある歌声がアニメキャラクターたちを忠実に表現しているように感じました。

4期はガッポォオォイ!(学校ぽいの略)な感じでスタートとする陽気な話が続きます。
しかし裏で動く悪とデリケートな問題が主人公たちを悩ませます。
そのような両面を曲調から感じ取ることもできました。

MVの内容にも注目してみましょう。

モノクロ映像とカラフルな色彩が交互に映し出され感情表現がされていました。
その中で演奏するメンバーたち。
笑顔や悲しみの表情がアニメ主人公たちが抱くさまざまな心情を描写しているようでした。

さて本サイトでは初めて 緑黄色社会 の記事を執筆することとなります。
簡単に紹介をしていきたいと思います。

緑黄色社会 (りょくおうしょくしゃかい)

~メンバー~

長屋 晴子(ながや はるこ)ギター&ボーカル

小林 壱誓(こばやし いっせい)ギター&コーラス

peppe(ぺっぺ)キーボード&コーラス

穴見 真吾(あなみ しんご)ベース&コーラス

略称「リョクシャカ」で知られ2012年に結成された日本の男女混合ロックバンドです。

バンド名は 長屋 晴子さん が飲んでいた野菜ジュースを見た 小林 壱誓さんが「緑黄色野菜」と言ったところ、他のメンバーが「緑黄色社会?」と聞き間違えたことに由来しています。
とてもユニークなエピソードですね(笑)

歌声やメロディーは非常にテクニカルでありどの楽曲も飽きがきません。
特にボーカルの声は「次の展開を期待させる」ような魅力に包まれています。

今作について 長屋晴子さんからコメントが寄せられていましたのでご紹介します。

「自分なんて」、そんな言葉に支配される毎日。たとえ難しい未来だと分かっていても諦められない欲望。だってやってみなければ分からない。強くなりたい、変わりたいという気持ちだけを武器にして。

やり場のない叫び声だってきっとエネルギーに変わる。

初めからかっこいいヒーローなんてきっといない。物語と、そしてあなたと、一緒に成長していける楽曲でありますように。

―― 緑黄色社会 長屋晴子(Vo/Gt)

https://skream.jp/news/2020/01/ryokushaka_shout_baby_heroaca_ed.php

今作は「自分に自信のない人」「夢を諦められない人」を対象とした楽曲であることを理解できます。

当然アニメタイアップを意識していますが、アニメキャラと共に日常生活で苦闘する人たちも念頭に置き共に成長していくという願いも伝わってきます。

それではさっそく気になるタイトルと歌詞を考察していきましょう。

タイトル『Shout Baby』とは

タイトルは「叫ぶ」を意味する「Shout」「赤子」を意味する「Baby」で構成されています。

さらに「Baby」には「最年少者」という意味もあります。

長屋晴子さんのコメントにもあったように日常を生きる人の「強くなりたい、変わりたい」というやり場のない叫び声をタイトルは表現しているのでしょう。

また「赤子」という意味はアニメキャラたちが「ヒーローとしてまだまだ赤子」であるという意味も包含されているのかもしれません(仮免取ったけどね)

「叫ぶ」に関してはネタバレにならない程度に主人公がある人物に向けて「君を救ける!」と叫んだシーンが連想されました。

他にも想いの内を叫ぶキャラたちを念頭においてタイトルが設定されたように感じました。

『Shout Baby』歌詞の意味

変わっていく「あいつ」追って

いつもと違う髪のにおい
踊らされてしまう悔しいな
緩んでしまう口元 マフラーにそっと沈めた

今作では一人の女性主人公「あいつ」で表現される男性を中心に考察を進めていきたいと思います。

歌詞冒頭では彼女が彼の髪のにおいを嗅いで気持ちが踊っていることが綴られています。

好きな人の変化に動揺を隠しきれない口元をマフラーで隠すというしぐさをイメージできます。

彼女の「悔しいな」というフレーズやマフラーで口元を隠したことから、自分が好意を寄せていることを彼には知られたくないと読み取れます。

成長を感じて

いつから私こんな風に
我慢強くなれていたんだろう
子供の頃から泣き虫だって馬鹿にされたのに

ここでは彼女が幼少期を振り返って成長を実感しています。

前述の恋愛や私生活全般から自分が「我慢強く」なっていると述べているようです。

彼女が小さい頃「泣き虫」と馬鹿にされていた背景も歌詞から理解できます。

内に秘めた想い

内緒にしていてね
なんて残酷な言葉
叫び声霞んでく
ありふれてるはずの未来には遠くて

ここでは彼女が心に秘めている想いがあることが綴られています。
歌詞では「内緒」にすることが「残酷な言葉」であると表現されています。

誰しも本当の気持ちをずっと押し殺すのはとても辛く残酷に思えるものです。
彼女は一人の時、あるいは心の中で「叫び声」をあげますが、それは誰にも届かずに霞んで消えていきます。

彼女が秘めている想いは「高望み」ではなく「ありふれてるはずの未来」つまり誰しも思い描くような未来を実現させるようなものと関係があるようです。

コメントを思い出して解釈すると「弱い自分から強くなった自分へと変わる未来」について述べているのかもしれません。

それでもまだ「遠くて」とあるように理想の自分には届かないと感じています。
前述で彼女は「我慢強くなった」ことを認めていました。
では彼女が求める「変化」はどんなものを指しているのでしょうか。

届かない想いは焦がれる

誰に聞かずとも分かる
あいつの元には届きやしない
どこに辿り着けばいい?
分からなくてただ縋り付いて
毎日の不安をかき消すほど
胸を焦がす憧れなど消えない
変わりたい

ここでは彼女が彼に想いを伝えたいと強く願っていることが綴られています。

自分の気持ちが彼に届かないことを痛感しています。
「どこに辿り着けばいい?」
というフレーズは彼女が気持ちの落としどころで迷っていることを示唆しているようです。

やり場のない気持ちを抱く彼女は彼以外のものに「縋り付いて」日々の不安を紛らわせようとします。

しかし幾らそのようにしても彼を好きな気持ちと、彼の前で魅力的な自分に変りたいとの願いは消えませんでした。

ここから前述の「変化」が彼に想いを伝えることに関連したものであることを理解できます。

伝えなければ何も無い

何でもすぐに後回しに
してしまうような私だから
僅かな繋がりだけでもずっと守りたかった

内緒にしていたら
あってもないようなものだね
忘れてしまえる程
ちっぽけな想いではないよ分かってる?

ここでは彼女の性格や心境の変化が綴られています。

彼女は「何でも後回し」にしてしまう性格のようです。
それには恋愛における自分の気持ちも含まれるでしょう。
ですから彼に気持ちを伝えずに「僅かな繋がり」つまり友達の関係で満足していたのかもしれません。

それでもその関係は尊くずっと守りたいものに思えていました。

続く部分の歌詞では彼女の心境の変化が見られます。

何でも後回しにして気持ちを内緒にしていた彼女が自己吟味しています。
「内緒にしていたら」彼への想いや変わりたいという気持ちはあってないようなものだと結論しているのです。

前述にあったように彼以外のものに縋り続けて「忘れてしまえる程 ちっぽけな想い」ではありませんでした。

彼女は自分の想いの強さを彼にもわかって欲しいと思っています。

真面目を装い

夜が明ける頃にまた
真面目な姿だけ身に付けて
だってそれしかなかったの
初めてのことに戸惑ってる
退屈な時間をかき消すほど
胸を占めるあいつなんて
もう

ここでは彼女が彼に素直になれないことが綴られています。

毎夜、彼女は彼の事を思い出し心が騒ぎ立っていたことでしょう。
それでも夜が明ける頃には「真面目」を装って彼と会っていたものと思われます。

ここでの真面目は「恋愛に興味ない」また「友達の関係を維持する」という意味なのだと読み取りました。

続く部分では彼女が彼との恋愛に関して「初めてのことに戸惑ってる」と述べています。

彼女は過去に誰かに気持ちを打ち明けたことがないのでしょう。
ですから成功も失敗も経験してはいません。
想いを伝えて彼との友情関係を損なうことを恐れたのだと解釈できます。

「退屈な時間」はすべて彼にささげられていることから彼女がいかに夢中になっているかが理解できます。

初心

こんなもの知りたくなかった
あの時ああすれば良かった
こんなに脆いものだけど
自分を肯定したかった
悪いことをしてるようで
自分が情けなかった
だけど全て初めてで
まだ信じていたかった

ここでは彼女の後悔が綴られています。

「こんなもの」とは彼女の「恋心」を示唆しているのかもしれません。
「あの時ああすれば良かった」とは彼女が彼との恋愛を回避できたと思われる点に触れているのかもしれません。

また反対に彼に想いを伝えるチャンスを逃したことを悔やんでいるとも解釈できます。

いずれにせよ悔やんでいる「自分を肯定したかった」と素直に認めています。
彼女は自分らしくない自分にある種の嫌悪感を抱いているようです。
その点が「悪いことをしてるようで」と表現されているように思えます。
また気持ちを隠していたことへの罪悪感ともとれます。

それらすべては彼女が心に初めて感じることであり、それはよいことであると信じていたかったのだと思います。

幸せ以外の尊いもの

誰に聞かずとも分かる
あいつは幸せをくれやしない
それでもあいつがくれたもの
何もなかったわけじゃないから
毎日の不安をかき消すほど
ずるい嘘が嬉しくて消えない
変わりたい

ここでは彼女が彼からもらったものについて綴られています。

彼女は彼が「幸せをくれやしない」と述べています。
前述を見る限り、彼女は彼に夢中になり幸せだったのではないでしょうか。
しかしこれは彼女が初めての恋愛に感じる苦悩の多さを忠実に表現しているように感じます。

自分らしくない、振り向いてもくれない、胸が苦しくなる、想いが伝えられないなど彼女にとってこれは幸せとは呼べないものだったのでしょう。

それでも上記のような初めて抱く感情にさせてくれた彼に彼女は感謝しているようにも見えます。

「ずるい嘘」とは彼が彼女を「好きかもしれない」という1つの不確定要素をそう表現しているのだと解釈しました。

その嘘に騙されている間、彼女は日常生活の他の問題が気にならないほどに嬉しい気持ちでいることができます。

そして彼の存在は「弱い自分から変わろう」と決意するきっかけとなりました。
ですから彼女は本気で自分を変えたいと願っているのです。

彼女は恋愛経験に関しても人生経験に関して赤子同然と言えるでしょう。
しかし彼女は今、確かに心の中で「変わりたい」と叫んでおり大人へと成長を遂げようとしているのです。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
歌詞冒頭が恋愛描写になっていたので女性の片思いとして考察していきました。
好きな人が弱い自分の面を変革しようと志すきっかけになることがあります。

恋愛を抜きにして「あいつ」を会社の同僚であったりライバルに置き換えることで「切磋琢磨していく主人公」を主軸とした考察も出来ると思います。

また青春時代の恋愛、気持ちの伝達、成長過程を描いたものとして捉えることもできると思います。
色々悩みましたが今回は恋愛で記述させて頂きました。

皆さんの考察を自由にコメント欄で伝えてください。

緑黄色社会の歌声と演奏はとても素晴らしく魅力的でしたね。
これからも活動に注目し応援していきたいと思います。

背中押すような素敵な楽曲をありがとうございました。

2 件のコメント

  • いつもと違う髪の匂い=自分の髪の匂い。つまり事後。
    踊らされて悔しいと思いながら口元が緩む

    いつから我慢強く=現在我慢を強いられている

    内緒にしていてね→あいつからこのことは皆には内緒だと(一夜を共にしたのに内緒だと=我慢の内容

    誰に聞かずとも =誰にも言えないけど恋に盲目的になってる自分でもわかる = あいつには恋人が別にいることが予想される

    変わりたい = こんな自分から脱却したい

    こうするとヒロアカには相応しくありませんが無理なく解釈できますね?

    • 匿名さんコメント有難うございます。
      髪のくだりを自分としその後のフレーズ解釈も
      とても興味深かったです♪

      これからもSugar&Salt Musicを宜しく
      お願いします!

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