Official髭男dism『ビンテージ』歌詞の意味を考察・解釈

口喧嘩なんかしたくもないから
細心の注意を払って生きてた
率先して自分のことをけなすのは
楽だけど虚しくて

悲しい過去なんか1つもないのが
理想的だって価値観を持ってた
そんな僕は君という人に会えて
大事なことに気付かされた

キレイとは傷跡がないことじゃない
傷さえ愛しいというキセキだ

酸いも甘いもって言えるほど
何も僕ら始まっちゃないけれど
褪せた思い出もビンテージなんて言って
振り返る度に笑えるようにと
大切に日々を重ねよう かけがえのない今を

好きな色なんか特段ないけど
人生が絵画だったならどうだろう?
君との時間を重ねることでしか
出せない色がきっと好きだ

喜怒哀楽そしてその間にきらめく想いを抱きしめて

シワくちゃだったり やけに錆びついたり
剥がれてしまった記憶があったとしても
何一つ隠し繕うこともなく
それさえ愛しいというキセキだ

酸いも甘いもって言えるほど
何も僕ら始まっちゃないけれど
褪せた思い出もビンテージなんていって
振り返る度に笑えるようにと
大切に日々を重ねよう

そして増えた思い出がいつか星の数ほどに
溢れることがただ嬉しいから
今の心を歪まないように
例える言葉を 探してみるよ 連なってく日々の中を 君と重ねる今を

はじめに

『ビンテージ』とは2019年10月15日にネット上で公開された楽曲です。
同年10月9日にリリースされたメジャー1stアルバム「Traveler」に収録されてい
ます。

現在Netflix、FODにて配信中のバラエティ「あいのり: African Journey」主題
歌となっています。
動画再生回数は公開初日から80万回を突破し驚異的な人気ぶりを見せています。
5,000を超える熱いコメントにも彼らへの感謝の言葉が表れていました。

さて今作の曲調とMV内容はどのような構成になっているのでしょうか。
曲調は90’sロックサウンドを連想させます。
特にスライドバーを用いたボルトネック奏法が上記のように感じさせます。
またMVのアナログ映像にも懐かしさや哀愁が漂っていました。

MVではOfficial髭男dismのメンバーが自由気ままに演奏したりコーラスを
楽しんだりしています。
前作「Pretender」や「イエスタデイ」とは全く異なる作品が、彼らの新た
な魅力の側面を伝えてくれました。

それではさっそく気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『ビンテージ』とは

タイトルは英単語「vintage(ヴィンテージ)」からとられていると思います。
上記の単語は「年代もの、また年月を経て味わい深くなったもの」という意味合
いがあります。

日常でもワインや衣服に関して「ヴィンテージもの」という言葉を耳にします。
時間を経て価値が増し加わったものに関してそう呼ばれます。

今作のメロディーからは古き良き時代の音楽性を感じ、歌詞では「思い出」が時
間が経って味わい深くなる様子が読み取れました。
目新しいもの、傷の無い綺麗なものとは対照的な「もの」にタイトルが当てはめ
られているのだと解釈しました。

また「あいのり: African Journey」主題歌となっている点も考慮に入れてみま
した。

ドラマの舞台アフリカの母なる大地にふさわしいタイトルだと思いました。
煌びやかや華やかさではなく伝統や歴史を感じる場所と今作がマッチしています。

『ビンテージ』歌詞の意味

傷つかないように

口喧嘩なんかしたくもないから
細心の注意を払って生きてた
率先して自分のことをけなすのは
楽だけど虚しくて

今回の考察では一人の男性を主軸に進めていきたいと思います。
歌詞冒頭では彼の人生観をいくらか垣間見ることができます。

「誰かと喧嘩して問題が起きるのなら自分が身を引く」

これが彼なりの正しい生き方なのだと推察できます。

こう考える人は決して珍しくありません。
衝突して体力や気力を浪費し、対象者との関係が悪化するのであれば
自分が悪者になる方が安上がりのように思えます。
しかし彼はどこか悲しげな表情である問題点に気づいたようです。

続く歌詞にあるように「率先して自分のことをけなす」ことに関して
虚しさを感じています。
問題回避の常套手段の陰には「なにかが違う」「自分は悪くないのに」
という感情が潜んでいたのかもしれません。

高価な傷物

悲しい過去なんか1つもないのが
理想的だって価値観を持ってた
そんな僕は君という人に会えて
大事なことに気付かされた

キレイとは傷跡がないことじゃない
傷さえ愛しいというキセキだ

この部分からさらに男性の考え方を読み取ることができます。
それは「悲しい経験は不要」であるという考え方です。
彼のこの考え方は自身の未来予想図を煌びやかにしたかもしれ
ません。

それはまさに汚点もシミもない綺麗なものだったでしょう。
楽しいこと、そして問題のない人生がベストと考えたかもしれません。
しかしある人との出会いがそうした考え方に変化を生じさせます。

「君」で表現されるその人は誰でしょうか。
複数を連想させるフレーズの文脈から筆者は彼が後に好意をよせる異性
であると解釈しました。
そう解釈した理由も続く部分でお話ししたいと思います。

彼は彼女から「キレイ」な人生とは傷のない、つまり問題や悲しみのな
いことではない
と教わったのかもしれません。
当座は喜ばしいとは思えないそうした経験が後に愛おしく思えてくると
述べています。

初めのうち彼は「そんなことはありえない」と彼女の言葉を否定したと
思います。
長年培ってきた人生観を簡単に変化することは難しいからです。

だからこそ彼女は自分がいったことを実感するのは「キセキ」のようだ
と例えたのではないでしょうか。
彼は腕を組みながら「本当にそう思えたらキセキだね」と返答したかも
しれません。

額縁のない思い出ビンテージ

酸いも甘いもって言えるほど
何も僕ら始まっちゃないけれど
褪せた思い出もビンテージなんて言って
振り返る度に笑えるようにと
大切に日々を重ねよう かけがえのない今を

好きな色なんか特段ないけど
人生が絵画だったならどうだろう?
君との時間を重ねることでしか
出せない色がきっと好きだ

前述で取り上げた男女は交際を始めたのかもしれません。
こう考えたのは「友情を始める」というより「交際を始め
る」
というニュアンスが強かったからです。
ですから前述では「君」を異性として考えました。

交際初期では二人の思い出が少なくまだ「始まってない」
と言えるくらいだったのでしょう。

二人は酸いも甘いも容認し、傷つき問題が起きることを
甘受しよう
と話し合ったのかもしれません。

そして将来、自分たちの歩みと思い出を振り返ったとき
「ビンテージもの」と言えるよう今を大事にしたことで
しょう。

二人は人生を絵画に例えています。
自分たちにしか出せない「色」があるはずだと考えてい
ます。

前述の彼女が言った「キレイとは傷跡がないことではない」
という台詞から、この絵は額縁に入れられてないのではと
考えました。

額縁で保護されていない絵は風化し外部から傷つけられる
ことがあります。
それでも二人は人生において傷つき変化することを覚悟し
ているようです。

ですからありのままの、自然体の二人の思い出は世界で一
つだけの味わい深い絵
になるに違いありません。

他者がそれを高評価しないとしても、二人にとってそれは
紛れもないビンテージ、時間をかけた味わい深いものなの
です。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は男女の恋愛観で歌詞を考察していきました。
友情路線やその他の観点で考える方もおられると思います。

いずれにせよ時間をかけた味わい深いものに言及していた
と考えられます。
メロディーや歌詞、そしてMVからそうした点を全身に感
じることができました。

筆者はOfficial髭男dismと言えば「綺麗」を追求したよう
な音楽という印象を持っていました。
勿論アグレッシブで力強い楽曲も存在します。

それでも今作の「懐かしさ」「温かみ」は筆者の心に深
く浸透し穏やかさを与えてくれました。
きっと今作を何年後、いえ何十年後に聴きなおしても味わ
い深く感じるに違いありません。

今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。
素敵な作品をありがとうございました。

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