Official髭男dism『パラボラ』歌詞の意味を考察・解釈

ダンボールだらけから幕開けた日々は
想像よりも少しだけ忙しく過ぎていってる
片付くことを知らない この部屋はなんだか
他の誰かの暮らしから借りてきたみたいだ

まっさらなノートの上 ひと文字目を書き出すようにして
期待感と不安感が混ざったインクに浸した心で

たがいちがいに歩き出した僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏み締めていくんだろう?
靴底を擦り減らして ドアの向こう側
まだ遠くて 不確かで ぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いてみせるよ いつかきっと いつかきっと

思い違いだらけのめちゃくちゃな過去を
振り返る度 未熟さにむず痒くなるけど
定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに
なぜだか僕らは不可思議に救われたりする

暗い部屋に鳴り響いた 誰かの鼻歌
声ですぐに分かったよ ずっとここに居たんだろう?
君が僕に歌い継いだ いつかのララルラ
胸ポケットで密かに呼吸をしている夢ならば
必ず僕がちゃんと叶えておくよ 堅い誓いを今立てよう

たがいちがいに歩き出した 僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏みしめていくんだろう?
靴底を擦り減らして ドアの向こう側
まだ遠くて 不確かで ぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いていけるよ
そして遥か先をゆく
どっかの僕が迷わないように
眩い光放ってみせるよ いつかきっと いつかきっと

Official髭男dism『パラボラ』の概要

今回は人気ピアノポップバンドであるOfficial髭男dismの楽曲『パラボラ』の歌詞考察をしていきたいと思います。

今作『パラボラ』から筆者が特に注目したい点は以下の通りです。

新生活への不安と期待とは

「まっしろ」な自分と時間とは

上記の点を続く楽曲紹介と共にお話したいと思います。

『パラボラ』 のMVは2020年4月27日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開から2週間経過した現在で280万を超える大人気ナンバーとなりました。

『パラボラ』は2020年カルピスウォーターCMソングとして書き下ろされました。
女優の永野芽郁(ながのめい)さんが新社会人を演じていましたね。
キャッチコピーの「まっしろで、すすめ。」 も考察に取り入れていきたいと思います。

今作『パラボラ』への思い入れをOfficial髭男dismは次のようにコメントしていました。

「いろいろな新しいタイミングの、ちょっとした不安と期待感の混ざった感情を描きました。ただ明るくて前向き!というだけではなくて、悩んだり迷ったりしながらも、“まっしろ”な自分だから、“まっしろ”な時間だから、体験できる人生を描けたのではないかと思います。」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200410-00010000-musicv-musi

上記のコメントからも理解できるように今作『パラボラ』の歌詞では「新生活での不安や期待」また「まっしろ」な自分と時間が可能にする事柄が綴られています。

歌詞も自然と初々しい表現になり、明日への期待感を高める内容になっていました。

MVでは過去ライブやフェスの映像が挿入されています。
さらにバックステージやリハーサルまた打ち合わせの様子なども見ることができます。

直接は語られていませんが、各シーンごとにメンバーがその時に感じた不安や期待が映像というツールを通して伝わってくるようでした。

曲調はどのような構成になっているのでしょうか。
イントロはテクニカルなシンセが奏でられています。
続いて加えられるギター、ピアノが楽曲の重厚感を徐々に増していきます。

相変わらずOfficial髭男dismらしい変則的な譜割りと転調が中毒になりますね。
動画コメント欄でも多かった意見なのですが、初めに聴いた時は「ん?」となる楽曲も何度か聴いていくうちに「おお!」となる不思議な現象が筆者にも起きています(笑)

彼らが生み出すメロディーが高度過ぎるのか、あるいは聴きなれない斬新な要素を含んでいるからなのかなとも思います。
彼らの楽曲に一過性のものは無く、どれもスルメソングであることは間違いないでしょう。

それではさっそく気になるタイトルや歌詞全体の意味を考察していきましょう。

『パラボラ』の意味とは

タイトル『パラボラ』の直接的な意味は「放物線、放物面」です。

数学などでよく目にした(頭痛が)上下に緩やかなカーブを描いた線です。
この線の形状からタイトルは以下の点を表現していると考えました。

新生活は山あり谷あり

グラフにおける放物線のように上がり調子の時もあれば、挫折を経験して気持ちが下降気味になる時もあります。

またコメントにもあったように、期待で上向きになる事もあれば不安で下を向いてしまう事もあるでしょう。

さらにマニアックな深堀りをしてみましたのでお付き合い下さい(笑)

パラボラが持つ性質から1つのイメージとメッセージ性を見出しました。

日常で馴染みのある「パラボラアンテナ」からお話します。
パラボラアンテナは、放物曲面をした反射器を持つ凹型アンテナです。
ご家庭のBS,CSアンテナにも「パラボラ(放物面)」があります。

性質の1つに「電波を1つの焦点に集める」というものがあります。

この性質を踏まえて、新生活を送るすべての人たちの「願いが1つになる」というイメージをタイトルから持ちました。

次にマニアックな「パラボラ工法」からお話したいと思います。
「パラボラ工法」を簡単に説明すると「円形球面切断によるマンホール鉄蓋維持修繕工法」のことです(ね、簡単でしょ)

パラボラ状の切断面がマンホールにかかる加重や摩擦抵抗を曲線へ分散させるメリットがあります。

この性質を踏まえて、新生活で感じる不安やストレスを協力し合って軽減していこうというメッセージ性をタイトルから感じました。

深堀りにお付き合い下さり感謝します。

『パラボラ』歌詞の意味

新生活の幕開け

ダンボールだらけから幕開けた日々は
想像よりも少しだけ忙しく過ぎていってる
片付くことを知らない この部屋はなんだか
他の誰かの暮らしから借りてきたみたいだ

今回は筆者のおっさん化する前の回想と重ねて考察を進めていきたいと思います。

1番では「新生活の回想」がメインに取り上げられています。

歌詞冒頭では新生活に伴う状態や気持ちが綴られています。
「ダンボールだらけ」という表現は次の2つの点を伝えているようです。

文字通り引越しにおけるダンボール

未開封の日々

筆者は10代で祖父母の介護のため実家を出て一人暮らしをスタートさせました。

初めての長距離運転、アパート契約、新天地における就職活動、人間関係の構築などに戸惑いを感じていました。
引越し当初はダンボールの荷解きがなかなか進まず、色々なことが手につかない状態でした。

それでも知らない土地に車を走らせ「こっちに行ったら何があるだろう」と期待で胸を膨らませていました。
まさに未開封の日々を少しずつ紐解いていく毎日でした。

しかし楽しいことばかりではありません。
引越したばかりの片付かず住み慣れない部屋は、他人の部屋のようでした。

屋根裏から聞こえるネズミが駆け回る音は、実家では聞くことの出来ない貴重な音でした(笑)

不安と期待の書き出し

まっさらなノートの上 ひと文字目を書き出すようにして
期待感と不安感が混ざったインクに浸した心で

ここでは新生活を向かえた人の心境が綴られているようです。

「心機一転」という言葉があるように引越しや新社会人をきっかけに頑張ろうとするのは良いことです。

「 まっさらなノートの上 ひと文字目を書き出すようにして」とはどのような心境でしょうか。

多くの場合「綺麗に書こう、曲がらないようにしよう」と思うでしょう。
そう強く意識すればするほど手に力が入り震えるかもしれません。

同様に新生活を始める人は「綺麗になんでもこなそう、間違えないように生きよう」と志すかもしれません。
そう志すたびに「期待感と不安感」が心の中で入り混じるのです。

筆者もそのように志しましたが、何日もしない間に色々な分野でボロが出たので自然体で生きることにしました。

不安定で力んだ足取り

たがいちがいに歩き出した僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏み締めていくんだろう?
靴底を擦り減らして ドアの向こう側
まだ遠くて 不確かで ぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いてみせるよ いつかきっと いつかきっと

ここでは新生活を向かえた人の歩みについて綴られています。

「たがいちがいに歩き出した僕の両足」とはなんでしょうか。
「たがいちがい(互い違い)」とは2つのものが交互に入れ違うことを指します。
つまり上記フレーズは両足を交互にクロスさせて歩くことを表現しています。

クロスウォークまたは交差歩きと呼ばれる歩き方は、足に負担がかかりバランスを保つのが難しいです。

この点は新生活を歩む上で、変に力んだり不安定な足取りになることを描写していると解釈しました。

筆者も引越し当初は、何もしないのにどっと疲れが出ていました。
初めての職場環境や慣れない仕事にストレスを感じ不安定になることもありました。

続く歌詞では「理想像」を追い越すような「軌跡」を描いてみせるという決意が綴られています。

新たな環境に身を置くひとには何かしらの「理想」があるはずです。
しかし人は理想への最短距離を一直線で向かうことはできません。
紆余曲折を経験し、右往左往しながら理想に近づいていくのです。

そのような生き方を線で描くならパラボラの放物線のようになるかもしれません。

歌詞で示されているように筆者もこれといった明確で鮮明な理想はなかったように思えます。
ただ「何でも話せる友達が何人か出来たら」みたいなぼんやりした願いがあったようです。

未熟と可能性

思い違いだらけのめちゃくちゃな過去を
振り返る度 未熟さにむず痒くなるけど
定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに
なぜだか僕らは不可思議に救われたりする

2番からは「現在と将来に向けた期待」がメインで取り上げられています。

「思い違いだらけのめちゃくちゃな過去」というフレーズは人によって異なるでしょう。

下記に幾つか例を挙げてみたいと思います。

若いうちは何でも上手くいく気がする

理想は必ず理想通りになる

筆者も若さの盛りに身を任せて無茶苦茶に生きて何年か人生を枯らせてきました(でもドライフラワーもお洒落とか強がってみる)

歌詞にある「未熟」をどんな時に感じるでしょうか。

ある分野で上達また成長できない時に未熟だと感じる場合があります。
仕事で何度も同じミスをしたり、人格面での弱さを克服できない時に未熟さを痛感するかもしれません。

「定規で書いたような将来の雛形」とはなんでしょうか。
それは「型にはまった生き方」を指すと解釈しました。

定規では「まっすぐな直線」しか引けません。
パラボラのように自由な放物線を描くことはできないのです。

「雛形」には「お手本や見本」という意味が含まれます。
新生活を始めたばかりの人は、世の中と先輩たちのお手本や見本をまだよく知りません。

それを未熟または世間知らずと判断する人もいます。
しかし歌詞では「救われたりする」と綴られています。

これは前述のコメントでもあったように「まっしろな自分」の利点を際立たせているようです。

「まっしろ」は言い換えるなら「まっさら」であり、何も知らないまた何もない状態を指すのでしょう。

だからこそ「吸収しやすく、新たな発想を生み出す可能性を持つ」という点に救いを感じれるのだと考えました。

筆者も何かの分野で失敗した時に「まだ若いんだしこれからこれから」と言い聞かせて安堵していたように思います(甘やかし)

新生活を始め出した時間」がまっしろな時であり、何でも吸収し自分の能力を開花しやすい期間と考えました。

願いは1つに

暗い部屋に鳴り響いた 誰かの鼻歌
声ですぐに分かったよ ずっとここに居たんだろう?
君が僕に歌い継いだ いつかのララルラ
胸ポケットで密かに呼吸をしている夢ならば
必ず僕がちゃんと叶えておくよ 堅い誓いを今立てよう

ここで登場する「誰か」また「君」自分と同じ新生活を送る人を指すのでしょう。

その人も新生活における自分の「理想」を抱いています。
歌を歌うかのようにして日々、その理想を口ずさんだことでしょう。

そうした数多くの人たちの願いは「歌い継いだ」とあるように交わって1つになります。

道しるべとなるような生き方

そして遥か先をゆく
どっかの僕が迷わないように
眩い光放ってみせるよ いつかきっと いつかきっと

歌詞のラストでは将来への期待と決意が綴られています。

「遥か先をゆくどっかの僕」とは誰でしょうか。
それは「今より大人になった自分」のことだと考えました。

将来、どこでどんな生き方をしているか分からない自分が迷走しないように「理想の光」を輝かせ続けるという決意だと解釈しました。

目標があるからこそ人は向上心を持って前進することができます。
今作パラボラは自身の可能性を信じて輝く理想を追い求めていく大切さを教えてくれたような気がします。

その点を教訓とし、筆者も「自分はもう若くない(たはぁー)」とつまらない境界線を設けるのをやめにしようと思いました。。

まとめ

いかがでしょうか。

歌詞が新生活の回想を扱っていたので筆者のカビはえた思い出を引っさげてきてしまいました。

過去ばかり振り返って後悔したり惨めな思いになるのは有益とは言えません。
しかし「まっしろ」だった頃の自分や時間を振り返り、新鮮な気持ちを取り戻すことには益があると思います。

今作『パラボラ』は多くの人にとって過去と現在また将来を比較し向上する良い機会となったに違いありません。

まさに背中を押してくれる応援ソングでした。
大人になって人生の減速また後退を感じる時には何度も聴きたい楽曲です。
いつでもそして何歳になっても「今より1歩前へ」と思わせてくれる不思議な力がありました。

Official髭男dismの次回作に期待し今後の活動にも注目したいと思います。

力強く勇気づけられる作品をありがとうございました。
ここまで記事を読んでくださった皆さんにも感謝します。
ありがとうございました。

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