乃木坂46 『平行線』歌詞の意味を考察・解釈

通学 電車を追いかけて
自転車 全力立ち漕ぎした
並んで走る 線路沿いの道
一瞬のロマンティック

窓の向こうで 気づいてるかな
毎朝同じ 平行線の恋 君が好きなんだ

あっという間に 引き離されてく
青春はいつも切ない
手に届かない もどかしいもの
それでも ペダルを 強く踏もう

どんなに 必死に願っても
叶わぬ 夢があるってことか
いつもの坂道 力が尽き果て
君の電車見送った

10分以上 遅れて着いた
次の駅には もう誰もいなくて
片思いファンタジー

僕一人だけ 取り残されてく
初恋はなぜ実らない
汗を拭って 肩で息して
ハートのペダルを明日も踏もう

どうしてだろう こんな風が気持ちいい
今生きている

あっという間に 引き離されてく
青春はいつも切ない
手に届かない もどかしいもの
それでも ペダルを 強く踏もう
交わらないから 永遠なんだ

はじめに

『平行線』のMVが2019年5月16日にネット上で公開されました。
同年5月29日リリースの23rd Single「Sing Out!」に収録されています。
動画再生回数も投稿初日から20万を確保し人気を集めています。

今作MVでは3期生の岩本蓮加さん・大園桃子さん・久保史緒里さん・阪口
珠美さん・与田祐希さんが選ばれており華麗なダンスを披露してくれます。

MVの設定としてはメンバーと街の人たちが「入れ替わり」を経験するとい
うものです。
SF系であればお決まりの設定であり中でも「君の名は」でも用いられた現
象でしたね。

MV撮影場所は茨城県常陸太田市「鯨ヶ丘商店街」です。
メンバーも協力者たちも「ぶつかって入れ替わり」をする度に相手の格好を
しなければいけません。
撮影を繰り返していく内に誰がどの役か分からなくなっていたそうです(笑)

彼女たちの普段決して着ることのない服、例えば警官の職服や作業着などを
代わる代わる着ていくシーンはコスプレ要素満載と言えます。

歌詞に注目していくと題材はアイドルソングの王道「一途な片思い」です。
「僕一人だけ」という表現から一人の男性が主人公となる恋愛ストーリーと
なっています。

彼は初恋が実らないことをもどかしく思い苦悩します。
それでもいつかこの恋が実ることを切に願っているのです。

MVの入れ替わりと一途な片思いの関連性はなんでしょうか。
続く部分でその点を扱いたいと思います。

タイトル『平行線』とは

『平行線』とは「平面上にありどこまでも交わらない2本の直線」です。
日常会話の用法例としては「僕たちの恋愛は平行線だ」「この話は平行線だ」
といった形で用いられることがありますね。
要点としては「これ以上、進展しない」ということです。

主人公の男性は自分の初恋がいつまで経っても実る気配がないことを悟り、
自分の恋愛は「平行線」なのだと結論しています。
自分と彼女を2本の曲線として考えこの先、決して交わらないことを描写して
いるのです。

タイトルにはそんな悲しく切ない意味が込められているのだと解釈しました。
ではMVの入れ替わりとはどんな関連性があるのでしょうか。

MVに関して公式サイトの情報では次のようなコメントがありましたのでご紹
介します。

誰が誰だかわからなくなり混乱しながらも、やっぱり自分が絶対いい!と元に戻る作戦を練るという、ユーモアたっぷりのMusic Videoとなりました!!


http://www.nogizaka46.com/smph/news/2019/05/23rdsing-outcwmusic-video-1.php  乃木坂46公式サイトより

上記コメントからタイトルとの関連性を読み取ることができます。
MV序盤でバスの中で与田祐希さんが大園桃子さんに向けて「可愛い。そんな
顔に生まれたかったなー」とため息交じりに言います。

これは今作の主人公の男性の気持ちとリンクしていると思います。
容姿端麗の男性を憧れの眼差しで見つめ自分があんな顔だったらと彼も思った
ことでしょう。
MVのように「ぶつかって入れ替わり」が起きたらと考えたかもしれません。

しかし、実際に入れ替わったとしても公式サイトにあるように「やっぱり自分
がいい!」と思えるに違いありません。
人には多かれ少なかれ自己愛があり自分を慈しみ大事にする性質があります。

さらに筆者の個人的な解釈ですが、好きな人と交わることでまたは喧嘩してぶ
つかることで「自分らしくいられなくなる」ことを恐れてるようにも感じます。
そうなるくらいなら「平行線」でいたいと考える人もいると思いました。

『平行線』歌詞の意味

交差しない2つの目線

通学 電車を追いかけて
自転車 全力立ち漕ぎした
並んで走る 線路沿いの道
一瞬のロマンティック

窓の向こうで 気づいてるかな
毎朝同じ 平行線の恋 君が好きなんだ

「通学」「自転車」というワードから主人公の男性は
学生であり自転車通学であることがわかります。

そして彼の好きな女性は「電車通学」です。
彼は線路に沿って自転車を猛スピードで走らせ電車と
並走します。

その理由は電車の窓際にいる彼女を一目見たいからで
した。
「一瞬のロマンティック」が指し示すように彼女を一
目見るだけで彼の心は幸せで充満していたのです。

「窓の向こうで気づいているかな」というフレーズと
「毎朝」というワードから彼は彼女と目線が合ったこ
とが一度もないのでしょう。

決して交わらない彼と彼女の2つの目線が彼の名付けた
平行線の恋の序章となっていたのです。

叩きつけられた現実

どんなに 必死に願っても
叶わぬ 夢があるってことか
いつもの坂道 力が尽き果て
君の電車見送った

10分以上 遅れて着いた
次の駅には もう誰もいなくて
片思いファンタジー

彼はこれまで彼女との関係に進展があること、
彼女に好意を持ってもらいたいと必死に願って
きました。

それでもある一つの現実を直視するようになり
ました。
それは「彼女との果てしない距離」です。

彼の語っている電車に引き離された、または追
いつけなかったことの説明は一つの事実を描写
しているようです。

自転車では電車に決して追いつけないように、
自分では彼女に追いついて対等に話したり並ん
で歩くことはできないということです。

彼は坂道の苦しさを全身に感じながら、同時に
その現実を直視することに苦悩を感じていたに
違いありません。

自転車が走る道が用意されており、それとは別
に電車の走る線路が別に用意されていることに
も注目できます。

彼には彼女とは別の相応しいレールが用意され
ているのだから高望みはできないと消極的にな
ったのかもしれません。

いずれにせよ彼は彼女をあきらめようかと何度
も考えたことでしょう。

心地よい「不確かさ」を感じて

どうしてだろう こんな風が気持ちいい
今生きている

あっという間に 引き離されてく
青春はいつも切ない
手に届かない もどかしいもの
それでも ペダルを 強く踏もう
交わらないから 永遠なんだ

彼は彼女をあきらめるべきか否かを思案しながら
それでも毎日彼女を運んでいく電車を追走します。
「もしや」の期待を捨てきれないのでしょう。

自転車を走らせている内に、彼は不思議な感覚に
包まれていました。

「風が気持ちいい」という感覚です。
普段は気にせずただ漫然と走っていました。
今日はやけに風から心地よさを感じるのです。

この時ばかりは彼女が自分に好意を持ってくれる
のか、この恋に進展はあるのかはどうでもよく思
えたかもしれません。

そして自分のいつしか始めた「平行線の恋」のメ
リットと呼べるものに気がつきます。
「交わらない」つまり思うように上手くいかない
から「永遠」に追いかけることができる点です。

「風」も「永遠」も姿形がなく不確かなものとい
う共通点があります。
それでも「感じる」ことができるものであり、彼
はそれぞれから快感を確かに得ていたのです。

あきらめかけていた彼にとって新たな自転車をこ
ぐ動機づけが生まれたのです。

それからもずっと彼は自転車で彼女を乗せた電車
を一生懸命追いかけたことでしょう。
自転車のペダルに全力を込めて。
昨日よりも強く、明日は今日よりも強く。。

まとめ

自転車通学と電車通学、なんて懐かしい響きでしょう(筆者はね 笑)
筆者は高校時代に電車通学、遅刻したときは電車通学といった感じで
したね。
皆さんの学生時代はいかがだったでしょうか。

確かに自分好みの学生が電車に乗っているととにかく気になって仕方が
ないという感覚を覚えています。

大人になると変な知恵がつくのか「確実に得られるもの」のために奮闘
する思考になるかもしれません。
それでも学生のうちは「自分に好意を持ってくれるかわからない」不確
定要素の高いものに魅力を感じ追いかけてしまうものですね。

「恋愛」だけでなく「青春」や「絆」なども大切にしますね。
何歳になってもこうしたものを大事にできる大人になりたいと筆者は思
いました。

そして誰かに憧れたときにも「自分でいることの大切さ」を再認識した
いとも感じました。

乃木坂46の今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。
夏の前兆を感じさせるような爽やかなダンスを披露してくれた5人のメン
バーにも感謝したいと思います。


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