Neru『豚になってyeah yeah』歌詞の意味を考察・解釈

tip top tip top 高尚なエチケットなんて
kick out kick out ちゃんちゃらおかしいね
it’s time it’s time ここらが限界なんで
chuck out chuck out そいつをどっかにポイして

ああ くだらねえよな ハイソを有り難がっても
ああ 救えねえよな いつまで御託を並べてんだよ

豚になってyeah yeah ゴミ塗れの掃き溜めに
飛び込めyeah yeah 服も飾りもほっぽって
へべれけyeah yeah シャレたダボハゼ共など
くたばれyeah yeah アホ面を引っ剥がしたいぜ

ドンストップ keep moving このまま雪崩れ込んでいこうぜ
一切合切 ここを譲る気なんてないね

さあ 素晴らしいペダンチックなこの時代諸共食い破って
ジャックナイフでハラワタ捌いて中の方まで腐らそうぜ

まあ 笑えねえよな キッチュなトーク光らせど
なあ 浅ましいだろ 正義の折檻だとかをやめたら?

豚になってyeah yeah ゴミ塗れの掃き溜めに
飛び込めyeah yeah 服も飾りもほっぽって
へべれけyeah yeah シャレたダボハゼ共など
くたばれyeah yeah アホ面を引っ剥がしたいぜyeah yeah

しゃしゃった講釈ばっか垂れ散らかしてご利益などがあるかと問いたい
あれよあれよと効き目が祟ってむしろ呪いをかけるまである
そうだとすりゃ困った パパとママとも相談しなくちゃ
ならこうしませんか 僕と楽しいことしませんか

let’s get twisted, let’s get twisted
let’s get twisted, let’s get twisted
let’s get twisted, let’s get twisted
let’s get twisted, let’s get twisted

豚になってyeah yeah ゴミ塗れの掃き溜めに
飛び込めyeah yeah 服も飾りもほっぽって
へべれけyeah yeah シャレたダボハゼ共など
くたばれyeah yeah 消えてくれyeah yeah

そのままGUSHA GUSHAになってしまえよ

Neru『豚になってyeah yeah』の概要

今回は人気ボカロPであるNeruさんの楽曲『豚になってyeah yeah』を考察していきたいと思います。

『豚になってyeah yeah』から筆者が特に感じ取った点は以下の通りです。

・着飾ったものへの皮肉

上記の点を続く楽曲紹介と共にお話していきたいと思います。

『豚になってyeah yeah』 MVが2020年4月15日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開から僅か1日で8万を超える人気ナンバーとなりました。

同曲は同年2月5日にリリースされた「ドンツーミュージック4」収録曲となっています。

「ドンツーミュージック」とは、今をときめくボカロPたちによる「4つ打ち」「ロック」をテーマとしたコンピレーションアルバムです。
その第四弾「ドンツーミュージック4」は、リリース直後に品切れとなり未だ入手困難となっているほどです。

そんな人気のアルバム収録曲『豚になってyeah yeah』のMVや曲調に注目してみましょう。

イラストはりゅうせーさんです。

MVでは一人の主人公チル=ナップ(Chill out and Take a nap)が登場します。
名前の由来となる英熟語は「ゆったりする、落ち着く、冷静になる、昼寝をする」などを表しています。

チル=ナップが着ている袖丈の長いフーディー(フード付きスウェット)も「ゆったり」感を伝えています。

チル=ナップはタピオカドリンクを飲んだり自由気ままに踊ったりして過ごしています。
これは型にはまらない生き方も強調しているように見受けられます。

VHSとの記載があったようにMVは懐かしいアナログ画質で映し出されています。
デジタル画質を選択しなかった点は「飾らない生き方」を伝えたかったのではないかと考えました。

曲調は前作「脱法ロック」のテンポを遅くしたような感じに思えました。
Neruさん自身がツイッターで述べていたようにLAのファンクバンド「The Fearless Flyers」の影響を受けているようでした。
歯切れのよいリズムと自然に漂うグルーヴが実感できましたね。

それではさっそく気になるタイトルや歌詞全体の考察を始めていきましょう。

『豚になってyeah yeah』の意味とは

まずタイトルに登場する「豚」について考えてみましょう。
豚は「清潔感」があり「知性が高い」ことで知られています。
歌詞中では人の醜さや愚かしい行動が列挙されているように思えます。
ですからそれらとは対照的な存在を「豚」は表現しているのだと解釈しました。

また豚は外見は着飾っておらず丸裸です。
着飾らない生き方の象徴とも言えるでしょうか。

さらにオイチョカブやポーカーにおける「ブタ」には「役無し」という意味があります。
これは歌詞のハイソ(ハイソサエティーの略)に相対する意味となるでしょう。

ハイソサエティーには「上流社会や上流階級の人々たちが集う社交界」という意味があります。
ですからそれら役職を持つであろう人たちに対し「自分たちは役無しで十分だと」皮肉を述べているように感じました。

以上の点から今作およびタイトルは「着飾ったものへの皮肉」を伝えていると解釈しました。

『豚になってyeah yeah』歌詞の意味

堅苦しい形式

tip top tip top 高尚なエチケットなんて
kick out kick out ちゃんちゃらおかしいね
it’s time it’s time ここらが限界なんで
chuck out chuck out そいつをどっかにポイして

歌詞冒頭では形式に捉われた生き方を否定しています。

「tip top」とは「最高、頂上」などを意味する言葉です。
続く「高尚」を際立たせているように思えます。
また「ひっくり返る」という意味もあるので高尚なエチケットが、いつか覆されるという解釈もできるかもしれません。

「kick out」とは「追い出す、蹴り出す」「chuck out」「放り出す」という意味があります。
さきほどの高尚なエチケットを受け入れないことを伝えているようです。

「it’s time」とは「時間だ」という意味になり、形式に捉われた生き方をやめるべき時がきたという意味なのでしょう。

上流の御託

ああ くだらねえよな ハイソを有り難がっても
ああ 救えねえよな いつまで御託を並べてんだよ

ここでは世間的に良いとされる立場やそうした立場にいる人々の御託を批判しているようです。

前述でも説明したように「ハイソ」とは ハイソサエティーの略称であり「上流社会や上流階級の人々たちが集う社交界」という意味があります。

そうした立場や集いを「有り難がっても」救われないと歌詞は綴っています。
このフレーズの背景には立場に固執するあまり自身の本当の価値を認識していないという考えがあるように思えます。

さらに「上流階級にいる人たちの地位や名誉に関係した御託にうんざりしている」ことも伝えているようです。

すべてを晒す豚になる

豚になってyeah yeah ゴミ塗れの掃き溜めに
飛び込めyeah yeah 服も飾りもほっぽって
へべれけyeah yeah シャレたダボハゼ共など
くたばれyeah yeah アホ面を引っ剥がしたいぜ

ここではタイトルにあるように「豚」になるよう勧められています。
「ゴミ塗れの掃き溜めに飛び込め」とはどういう意味でしょうか。

筆者は前述で豚の特性に「清潔感」を挙げました。
そして歌詞の文脈の「服も飾りもほっぽって」という意味も考えると「掃き溜め」は文字通り汚い場所ではないと解釈しました。

その場所は上流階級の人たちから見た「汚らわしい、また嫌悪されるべき基準や生き方」の比喩であると思われます。
上流階級の人たちからすれば自由気ままな生き方は低俗に映るのかもしれません。

歌詞中で彼らのことを「へべれけ」「ダボハゼ」と揶揄しています。
「へべれけ」とはひどく酔っており正気を保っていない状態です。
「ダボハゼ」には、どんなものにも見境無く飛びつく、無節操で強欲な愚か者という意味があります。

「服も飾りもほっぽって」 豚になる(※以下 豚スタイル)ことには、着飾らずに自分のすべてを晒して生きていくことが含まれることが理解できます。

突進と貪り

ドンストップ keep moving このまま雪崩れ込んでいこうぜ
一切合切 ここを譲る気なんてないね

さあ 素晴らしいペダンチックなこの時代諸共食い破って
ジャックナイフでハラワタ捌いて中の方まで腐らそうぜ

ここでは前述で考えた豚スタイルを生涯を通じて貫くことが決意されています。

「ドンストップ」や「keep moving」から豚の「突進」を連想しました。
種類や体格にもよりますが、豚の突進はバイク並みの破壊力があり大人でも数メートル吹き飛ぶようです。

同様に勢いにのった豚スタイルを誰も止めることはできないのでしょう。

続く歌詞では「ペダンチックなこの時代」を終わらせたいと思っていることが綴られています。

「ペダンチック」とは「学者ぶった、また学問や知識をひけらかした」という意味があります。
この意味から頭でっかちな人たちで作り上げられた時代を示唆していることを理解できます。

「食い破って」という表現は豚のガツガツと「貪る」様子を連想させます。

ですから「素晴らしいペダンチックなこの時代諸共食い破って ジャックナイフでハラワタ捌いて中の方まで腐らそうぜ」とは 豚スタイルを貫く人たちが、着飾った人たちの作る時代の根幹を揺るがせるという意味だと解釈できます。

まがいものたちの語らい

まあ 笑えねえよな キッチュなトーク光らせど
なあ 浅ましいだろ 正義の折檻だとかをやめたら?

ここでは偉大とは呼べない人たちの語らいを非難しています。

「キッチュ」とは「芸術気取りのまがいもの、いんちき、俗悪」という意味があります。
それらの人たちの「トーク」つまり話す言葉は、自分たちには「光り輝く」ように高尚な語らいに思えるのでしょう。

しかし豚スタイルを貫く人たちは「浅ましい」と感じています。

「折檻(せっかん)」とは 厳しく叱るという意味があります。
それに「正義」が付け加えられていることから、偉大だと勘違いしている人たちによる正義と戒めを示唆していると解釈しました。

愚者の末路

そのままGUSHA GUSHAになってしまえよ

『豚になってyeah yeah』ラストの歌詞は、着飾った上流階級の人たち、何かを気取って見せる人たち、そしてそれらの人たちが作り上げる時代を無くしたいという願いで締めくくられています。

筆者は「GUSHA」が「愚者」をも指すのではないかと考えました。
これまで多くの愚かしい考えや生き方をする人たちが列挙されてきたからです。

今後も豚スタイルを貫く人たちによる行進は決して妨げられることはないのでしょう。。

まとめ

いかがでしょうか。
飾らず自由気ままに生きるライフスタイルが強調されていた歌詞だと思いました。

ある程度の基準や価値観は必要であることに間違いはありませんが、常識や高尚な形式に捉われすぎるのも考え物です。
そうした点に焦点を合わせライフスタイルを見直す機会を 『豚になってyeah yeah』 は提供したのかもしれませんね。

豚スタイルを貫くことが出来れば チル=ナップのようにいつまでも笑っていられるのかもしれませんね。

Neruさんの次回作と今後の活動に期待し注目していきたいと思います。
ユニークさに溢れた素敵な作品をありがとうございました。

ここまで記事を読んで下さりありがとうございました。。

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