まふまふ『ジグソーパズル』歌詞の意味・考察や解釈~いつもなにかが足りない、そんな隙間を埋めようとする努力の先には~

損失 利得 体裁 気にするたびに
右も左も差し出していく
穴ボコ開いたジグソーの模様
パズルピース
あの子と手を繋げるために
余り物にならないために
切り取って すいて 貼って 何もハマらない
心のトコ
足りないのだ ①
足りないのだ ②
足りないのばっかで何にもないや
優しさは ③ 3ピースもないな
砕けた強がりの欠片
ジグザグの無感情がボクを作り上げる
いつだって 心から笑えないの
どうして?どうして?どうして?どうして?
ズタズタに切り裂いたハート型のパズル
どこを探しても埋まらないや
アイノウ 愛ノー もう足りないよ ジグソー
「敗戦」「錯綜さくそう」「平行線」
「論争」「逃走」「再公演」
ただ共通項を見い出して 言葉に意味を宿した
出来損ないと紐付いた この上下左右は閑散かんさんと
貴方の帰りを待っている ボクに触ってほしくて
誰にだって当てはまるように どの色も混ぜてみたのに
誰にだって侵されてしまう 染みてついた透明の色
哀楽 忘却の数ピース
愛憎 渇望のスパンコール
嫉妬 絶望のアンコール
(見ない 見ないふり)
ああ何処かにやってしまった…
ああ何処かにやってしまった…
ああ何処かにやってしまった…
そして何もが
足りないのだ ?
未だ足りないのだ ②
メスフラスコ使っていっぱいに満たして?
優しさは ① 一滴もないなあ
穴空くほどの心もない
ジグザグの無感情がボクを作り上げる
今日だって 完結した光景をただ切り取るだけの
人生だ
ジグザグザグもういいよ ボクを切り刻んで
いつだって 心から笑えないの
どうして?どうして?どうして?どうして?
ズタズタに切り裂いたハート型のパズル
どこを探しても埋まらないや
アイノウ 愛ノー もう足りないよ ジグソー
ジグソー
嘘吐きの世界は 泥んこの未来は 空っぽの心は
ジグザグジグザグに切り裂いて ジグソー

はじめに

『ジグソーパズル』とは2018年11月23日にネット投稿された
まふまふさんの19作目となる楽曲です。

まふまふさんは歌唱・作詞・作曲・編曲・演奏・エンジニアリングを
多くの場合お一人で手掛けてしまう実力派Pです。

投稿後から一カ月経たずしてネット上で様々なアレンジ動画や「うたってみた」が
投稿されており多くのリスナーから支持を得ていることがわかります。

タイトル『ジグソーパズル』の意味

MVの少女のように思われる人物が主人公です。
少女の身体にパズル型の穴が空いており
少女はピースを見つけては穴を埋めようと必死になります。

ジグソーパズルのピースは周囲に合わせるために必要な
自分らしくない「感情」または「思考」なのでしょう。

そうして作り上げた自分に満足いかなくなり
偽りの自分を傷つけたりもします。

彼女の身体に無数の絆創膏が貼られている
理由になるでしょう。

それでは『ジグソーパズル』の世界へ
足を踏み入れてみましょう。

ご一緒に意味のピースを拾い集めて
理解の一枚絵を完成させていきましょう。


『ジグソーパズル』歌詞の意味

損得観念が生んだ自己犠牲

損失 利得 体裁 気にするたびに
右も左も差し出していく
穴ボコ開いたジグソーの模様
パズルピース
あの子と手を繋げるために
余り物にならないために
切り取って すいて 貼って 何もハマらない
心のトコ
「損失 利得 体裁 気にする」とあるので

主人公である少女は損得観念を強く持っています。

そのためには「右も左も差し出していく」

つまり両手に持てるすべてのものを使ってでも
体裁を守るために合わせていきます。その様子はまるでジグソーパズルで
周囲のピースに合わせるために
四方に回転させ左右上下の凸凹を
他のピースに差し出す様に似ています。

「あの子と手を繋げるために」とは
好きな異性というより同性の友達なのでしょう。
「余り物ならないために」とは
友達から仲間外れにされないようにすると
理解できます。

しかしどんなに周囲に合わせる努力をしても
心の隙間はちっとも埋まりません。
友達は確かにいるのに淋しくてたまらないのです。
少女は不思議な感覚に捕らわれてしまいます。


周囲に形作られた傀儡人形

足りないのだ ①
足りないのだ ②
足りないのばっかで何にもないや
優しさは ③ 3ピースもないな
砕けた強がりの欠片
ジグザグの無感情がボクを作り上げる
いつだって 心から笑えないの
どうして?どうして?どうして?どうして?
ズタズタに切り裂いたハート型のパズル
どこを探しても埋まらないや
アイノウ 愛ノー もう足りないよ ジグソー
少女は自分の気持ちを正直に分析し始めました。
自己分析の結果、自分には人間の温かみのある
感情が足りていないことに気がつきました。自分らしさや主体性、特に欠けているのは優しさでした。
周囲に合わせるのが優しさだと思っていた少女は
本当の優しさが自分の中に何もないことに落胆します。

少女の心にまっすぐな自分らしさや素直さは残っておらず
あちらこちらにひん曲った無感情だけが占めていたのです。

歌詞中に何度か「ボク」という表現が出てきます。
MVの少女の白髪や抱いている白い猫から
まふまふさんのイメージカラーを連想させます。
もしかすると少女で表わされている主人公は
まふまふさん自身なのではという解釈も生まれます。

いずれにせよ少女は心から笑えない理由が気がかりになります。
「ハート型のパズル」は心で周囲に合わせるたびに
傷ついていきました。

それは十分知ってる、でも「愛ノー」愛が足りない、
足りないピースはどこへ?と少女は困惑します。

思考錯誤の行く末

「敗戦」「錯綜さくそう」「平行線」
「論争」「逃走」「再公演」
ただ共通項を見い出して 言葉に意味を宿した
出来損ないと紐付いた この上下左右は閑散かんさんと
貴方の帰りを待っている ボクに触ってほしくて
誰にだって当てはまるように どの色も混ぜてみたのに
誰にだって侵されてしまう 染みてついた透明の色
哀楽 忘却の数ピース
愛憎 渇望のスパンコール
嫉妬 絶望のアンコール
(見ない 見ないふり)
難しい6つの言葉が並んでいます。
これは6つに共通することがあるのではなく
少女の思考錯誤して払った努力を
順序立てて表現していると読み解きました。「敗戦」とは自分らしさを表現しようと試みたができなかったこと

「錯綜さくそう」とは改善のために悩んで色々な考えや感情が複雑になったこと
「平行線」とはその後も友達と相も変わらず無味乾燥な友情を続けていること
「論争」とは無理をして自己主張したら友達と喧嘩になってしまったこと
「逃走」とは友達と距離を置くことで冷静になろうとしたこと
「再公演」とは再び友達と仲直りしながら自分を表現していこうとすること
どちらか一方に合わせた話題ではなく
二人が心から共感できる共通の話題を探し求めている
ような気がします。何も出来ないピースで構成された自分の感情だが
友達に「ボク」という本当の自分に触れてほしいと
心から願います。

少女はいろんな人気の要素を取り入れ最高の自分らしさを
演出してみてももっと個性の強い友達に自分を染められて
しまう悲しさを感じていました。

「透明な色」とは少女がまた自分らしさを全部失い
無感情になったことを示唆しているのでしょう。「哀楽 忘却の数ピース
愛憎 渇望のスパンコール
嫉妬 絶望のアンコール
(見ない 見ないふり)」と少女の中で様々な思いが錯綜します。

楽しいことや悲しいことは忘れてしまった、
無個性の自分を忘れ去られるくらいなら憎まれたい、
でもできることなら愛されたいとの渇望が煌めきます。
空っぽの自分に絶望すると同時に主体性をしっかりと
持った友達に嫉妬してまた絶望するを繰り返します。

少女は解決不能なこの思いに目を背け見ないふりをします。


嘘だらけの幻想世界に差す嫌気

嘘吐きの世界は 泥んこの未来は 空っぽの心は
ジグザグジグザグに切り裂いて ジグソー

少女はこの世界に見られるすべての友情が
表面的なものであり建前でしかないと結論します。自分の本心とは違うのは自分に嘘をついていること、
それを続けていても泥んこのように薄汚れた未来しか
用意されていないことを悟りました。

また自分の体裁を繕うことで自分が無感情になり
空っぽの心が作り上げられてしまうことを思い知りました。

少女はそんな嘘の幻想的なものはすべて切り裂いて
バラバラにして最初からやり直したほうが良いと判断します。

無感情の少女が次に完成させるパズルにはどんな
自分や未来が描かれているのでしょうか。
それは本人にしかわかりません。

まとめ

中毒性のあるアップテンポな曲調と身近な題材を扱った歌詞が
多くのリスナーを魅了しているのでしょう。

MVでの歌詞の登場のさせ方も斬新で何度見ても惹きつけられますね。

自分の足りない何かを探して模索することや
自分らしさや主体性を求めることは
多くの人にとっての永遠の課題かもしれません。

まふまふさんの今後の活躍と次の作品に期待が高まります。

 

 

 



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