ラックライフ『Lily』歌詞の意味を考察・解釈

誰かの為 何かを燃やして
息ができなくなる
本末は転倒 揺れ動く感情
見失う「らしさ」を

すくい上げてくれないか
胸がぎゅっと苦しくなるんだ
この悲しみも虚しさも
脈を打つここで

涙溢れるな
静かに息を吐き出して
堪えて飲み込んだ
誰にも気付かれないように
僕「らしさ」ってなんなんだろうか
誰か答えてくれ
僕には何がある 何ができる
風に吹かれて
見つめた光

やけに大きく 聞こえる雑音に
苛立っている
褒めてほしくて 認めてほしいの
ほんの少しだけ

青すぎる空の下
胸にグッと力を込めた
この強がりも悔しさも
脈を打つここで

まださ、やれるから
強く握りしめたこの手
伸ばして届くかな
確かに見えた小さな光
僕のまんま走れるように
振り向かない今は
僕には何がある 何ができる
答えを探して
踏み出すのさ

きっとまたいつかなんてのは
聞き飽きた言い飽きたんです
映り込む鏡向こう側
立ち尽くす僕がいるんです
大切なモノ
君にもあるでしょ
わかっているだろ?

涙溢れるな
静かに息を吐き出して
堪えて飲み込んだ
誰にも気付かれないように

まださ、やれるから
強く握りしめたこの手
伸ばして届くかな
確かに見えた小さな光
僕のまんま走れるように
振り向かない今は
僕には何がある何ができる
答えを探して
踏み出す未来へ


はじめに

『Lily』とは2019年5月7日にネット上で公開された楽曲です。
TVアニメ『文豪ストレイドッグス』第3シーズン ED主題歌ともなっており
多くの方に注目された人気ナンバーです。

同年5月8日リリースされる「アーティスト盤」「アニメ盤」の音源もファン
の期待が大いに高まっています。

アーティストのラックライフに少し触れて見たいと思います。
日本の4人組ロックバンドである彼らは2013年よりハイウェイスターに所属
し音楽活動を続けてきました。

これまでにも彼らのアニメタイアップの中では「食戟のソーマ 餐ノ皿」遠月
列車篇 OP主題歌や「最遊記RELOAD BLAST」エンディング主題歌などを手
掛けてきました。

ボーカルPON(ぽん)さんの歌声は低音ハスキーボイスを特徴としており厚
みと深みを同時に感じさせる魅力を放っています。
また曲調に関しては重厚なギターサウンズでありながらリフや間奏での抜け
の良さを感じさせるメロディーといった印象です。

さて今作タイアップしたアニメ「文豪ストレイドッグス」についても触れて
おきたいと思います。

シリーズ累計750万部のヤングエースが送る大ヒット作であり現在も連載中
の漫画です。
内容は中島敦や太宰治、江戸川乱歩などの実在した文豪たちがモデルになっ
たキャラクターが固有の能力を発揮して戦うバトルアクション作品です。

さらに人気を加速するイベントとして同年5月6日から12日までの一週間に渡
り池袋・新宿にて大型広告を張り出す予定とのことです。

それではさっそく大人気アニメ主題歌となった今作の歌詞考察を始めていくこ
とにしましょう。

タイトル『Lily 』とは

「Lily」とは「ゆり(花)」を指す英単語です。
さらにゆりには「純潔」の象徴とされ故に結婚式で
メインに用いられる花の一つになっています。

そして今作の歌詞を読み解くと特定のアニメ登場キ
ャラクターを主軸に物語が展開しているわけではな
いこと、またタイアップに完全に寄せてはいないこ
とがどことなく伝わってきます。

むしろラックライフ自身のこれまでのバンドに対す
る純粋な思い入れや活動方針を歌詞の中で描いてい
るように筆者は感じました。

ゆりが象徴しているように混じり気無しの音楽を自
分たちが続けてきたのだという強い意気込みが伝わ
ってくるかのようです。


『Lily』歌詞の意味

他を生かし、我は灰となり

誰かの為 何かを燃やして
息ができなくなる
本末は転倒 揺れ動く感情
見失う「らしさ」を

すくい上げてくれないか
胸がぎゅっと苦しくなるんだ
この悲しみも虚しさも
脈を打つここで

今回の考察ではライラックとアニメキャラクターたちを
交互にまた同時に登場させて考えていきたいと思います。

これまでにライラックは「誰かのために」つまり認めら
れたい人物や未だ見ぬファンのために「何かを燃やして」
活動してきたのでしょう。

何かとは「青春」「時間や労力」「お金」「音楽以外の
趣味」など実にさまざまなものが含まれるに違いありま
せん。

そうした犠牲の日々を過ごしていると「息苦しさ」を覚
えることもあるでしょう。
「もう少し楽な生き方が選べたはずだ」そう言って自分
の活動を見直した時期もあるのでしょうか。

自分たちの目的を外的要因によって見失う、「本末転倒」
のような状態になったことももしかするとあるのかもし
れません。
挫折しないビッグアーティストは存在しないでしょう。

「らしさ」見失う、つまり自分たちの音楽における方向性
において少なからず迷った時期もあったのでしょう。
そうした時期に込み上げる「虚しさ」は本人以外に知る由
もありません。

それでも誰にも言えない孤独を誰かに吐き出したいとの欲
求はとても人間らしく自然であると言えるでしょう。
同じバンド活動をしていた先輩たちにその孤独を打ち明け
たのかもしれません。

まさに人気を得るまでの道のりは「他者のために我が身を
灰にする」ようなものに思えたことでしょう。
彼らの情熱と葛藤がストレートに伝わってきます。


悲嘆を飲み込み「光」を見つめる

涙溢れるな
静かに息を吐き出して
堪えて飲み込んだ
誰にも気付かれないように
僕「らしさ」ってなんなんだろうか
誰か答えてくれ
僕には何がある 何ができる
風に吹かれて
見つめた光

前述で取り上げた孤独は「涙」に形を変えて
姿を現しました。
それでもそれを地にまで落とすまいと意地を
見せてぐっと堪えたようです。

必死に彼らは「自分らしさ」つまりラックラ
イフらしさを追求し続けたのでしょう。
考えれることとして「売れる」ことと「らし
さ」が両立できない状況もあったのでしょう。

会社との兼ね合いもあり、売れるための曲や
歌詞変更も当然あったに違いありません。
メンバーで話し合っても納得がいかない場合
他の誰かを頼りたくなったかもしれません。

それでも自分たちの音楽ですし自分たちが決
めた道です。
彼らは踏ん張って自分たちの信じる道を一歩
一歩確かめながら歩いていきました。

「風に吹かれて」とは「風評」のことを指す
ものと思われます。
また「途方に暮れた」ことを示す描写とも考
えられます。

そうした困難な中で「見つめた光」がありま
した。

その光とは「自分らしくあるための鍵」だっ
たに違いありません。

明確なものを断定することはできませんが、
それは「らしくもあり人気もある音楽」であ
ると筆者は考えました。

事実として動画コメント欄にはラックライフ
らしい音楽とファンから評価されています。
タイアップも重ねているにも関わらず、彼ら
が原作に頼り切らない姿勢も貫いています。

確かに与えられた題材に完全に寄せるのは楽
なことであり世界観を壊すリスクを回避でき
るかもしれません。

しかしそれではアニメと音楽の力関係に影響
し9:1でアニメというアンバランスにもな
りかねません。

ラックライフの「自分らしい音楽」がファン
の間で証明されてこそ彼らの音楽は成立する
のだと筆者は解釈しました。
あくまでも個人的な意見です。

ここでアニメに戻りますが各登場人物もさま
ざまな歴史があり生き方も大きく異なります。
それ故に衝突があり共存が難しくなる時もあ
ります。

それでも自分らしさを見失ったキャラはほぼ
おらず全員が「らしさ」全開にして能力を発
揮、または立ち回っています。

特に武装探偵社社長の福沢諭吉に関してメン
バー内で唯一の和装及び独特の言葉づかいが
彼の「らしさ」を存分に放っています。
仲間思いの思考にも純潔さが感じられます。

もしかするとラックライフはアニメ登場キャ
ラクターたちの「まっすぐな自分らしさ、ま
た純潔な性質」と自分たちを重ね合わせ歌っ
ているのかもしれませんね。

文豪という古き時代の者達が「令和」の世界
で再び日の目を見ることとなり、有名バンド
ラックライフに結びつくとは夢にも思わなか
ったことでしょう。

彼らがもう一度生き返ってアニメや漫画を見
たならなんて言うでしょうか。
「美化し過ぎだ」と苦言を述べるかもしれま
せんね。

まとめ

「自分らしさ」を純粋に追及した歌詞でした。
A,B,サビそのすべてにおいて一貫したテーマ
が存在しており鍵となるフレーズが散りばめ
られていました。

この点はラックライフの音楽人生の、あるい
はアニメのどこを切り取っても「自分らしく
歩んできた」ことをリスナーに投げかけるよ
う構成されたように感じました。

一貫性を保った生き方はとても魅力的であり
見倣いたいと思わせる力がありますね。
挫折と同時に湧き上がる向上心の炎も歌詞か
ら伝達されてきました。

これからも彼らが「らしさ」を一片たりとも
見失わないで活動されていくことを期待しま
す。

また次回作にも注目していきたいと思います。
情熱的で純潔なロックナンバーに感謝します。