King Gnu『Teenager Forever』歌詞の意味を考察・解釈

他の誰かになんてなれやしないよ
そんなのわかってるんだ
明日を信じてみたいの
微かな自分を愛せなかったとしても

望んだこと全てが 叶うわけはないよ
そんなのわかってるんだ
深い傷もいずれは瘡蓋に変わって
剥がれ落ちるだろうか

いつまでも相変わらずつまらない話を
つまらない中にどこまでも幸せを探すよ

伝えたい想いは溢れてるのに
伝え方が分からなくて今でも言葉を探しているんだ
遠くに散っていった夢のかけらに
巡るめくあなたの煌めきに気づけたらいいんだ

結局のところ誰も教えちゃくれないんだ
進むべき道なんて
等身大のままで生きていこうぜ
歳を重ねても

いつまでも相変わらずつまらない話を
つまらない中にどこまでも幸せを探すよ
煌めきを探せよ

散々振り回して振り回されて
大事なのはあなただってことに気づかないままで
一体未来はどうなるのかなんてことより
巡りめく今という煌めきに気づけたらいいんだ

他の誰かになんてなれやしないよ
そんなのわかってるんだ
明日を信じてみたいの 
微かな自分を愛せなかったとしても

歌詞考察の前に

大人気アーティストKing Gnuより『Teenager Forever』の音源が2019年12月5日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開から3日で50万を超える人気ナンバーとなっています。

同年11月30日に放映開始となった完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングイヤホン「WF-1000XM3」のCMに起用されています。

上記CMでは King Gnu メンバーが出演しており、ノイキャン機能の凄さやバイタリティー溢れる演奏が映し出されていました。

同曲はすでに2017年に制作されており約2年間あたためられていたことがわかっています。

King Gnuのギター&ボーカルを担当する常田 大希さんの次のコメントは考察する上で念頭におきたい点となります。

珍しく爽やかすぎる曲書いてます. 爽やかすぎて“Teenager forever”ってタイトル付けました。小っ恥ずかしい10代の記憶.
https://twitter.com/daikitsuneta/status/1178954382286524416?lang=ta
常田 大希さん twitterより

コメントにあるように初めて歌詞を聴いた時には耳を疑うような、少々方向性を変えたのかと思ってしまいました。

それくらい爽やかでどこか10代の青春や葛藤を彷彿させるようなサウンドと歌詞だったと思います。

曲調も何曲かが組み合わさって1つの曲になっているという印象を持ちました。
すべて異なるサビの巧妙さや音使いの多さに圧倒されてしまいました。

歌詞のシンプルさと音の複雑さが絡み合ってなんとも言えない魅力を醸し出しています。

それではさっそく気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『Teenager Forever』とは

まずタイトルを2つに分けたいと思います。

「Teenager」とは「10代の人」を指す言葉です。
「Forever」とは「永久に、永遠に」という意味です。

ですから2つを合わせたニュアンスは「ずっと10代の頃のまま」となると思います。

先ほどの常田 大希さんのコメントでも「小っ恥ずかしい10代の記憶」と述べられていました。

歌詞の中では10代ならではの考え方や生き方がたくさん綴られています。
そして大人になった今でもその頃を回想して同じように感じてしまう自分がいる、ということをタイトルは示唆しているように感じました。

『Teenager Forever』歌詞の意味

他者への憧れ

他の誰かになんてなれやしないよ
そんなのわかってるんだ
明日を信じてみたいの
微かな自分を愛せなかったとしても

今作では一人の男性を主人公として進めていきたいと思います。

歌詞冒頭で彼は自分以外の誰かに憧れていることを綴っています。
特に10代の頃はスポーツ選手や芸能人、あるいは身近な秀才と呼ばれている人に憧れるものです。

でもそういう人といくら比較しても自分にはなれない、という結論に至ってしまうのです。

「微かな自分」とは自信がなく存在感の薄い、今にも消えそうな自分を表現しているように思えます。

それでも「明日を信じてみたい」と思ってしまうのは、10代に秘められた無限の可能性に賭けてみたいという彼自身の願いでした。

この部分の歌詞を見ると大ヒット作「白日」を思い出します。
「朝目覚めたら どっかの誰かになってやしないかな なれやしないよな」という歌詞です。

しかし白日の表現と比較しても、今作の方が前向きに憧れに向かって身を伸ばしているように感じます。

地に落ちた願いの残骸

望んだこと全てが 叶うわけはないよ
そんなのわかってるんだ
深い傷もいずれは瘡蓋に変わって
剥がれ落ちるだろうか

前述で主人公が10代が持つ無限の可能性に賭けたと述べました。
実際彼はそのように我武者羅に、色々なことに挑戦したのでしょう。

自分が憧れる人の真似ごと、例えば話し方や行動の仕方なども努力して追いかけたのかもしれません。

それでも一向に憧れの存在に近づけないと悟ったとき、深い挫折感を味わったことでしょう。

願いは必ずしも叶わないという事実は頭の片隅にはあったようです。
それでも歌詞では「深い傷」を負ったことが綴られています。
願いの叶わなかった彼が意気消沈してしまった時期を表現しているようです。

それでも彼は時間をかけて「深い傷もいずれは瘡蓋に変わって剥がれ落ちるだろうか」と自問します。

ここでも彼の積極性が観察できます。
「こんなに深い傷は一生治らないだろう」と考えることもできます。
しかし彼はそうしません。

順調でないつまらない時期も

いつまでも相変わらずつまらない話を
つまらない中にどこまでも幸せを探すよ

ここでは大人になった主人公が語っているのだと筆者は解釈しました。
「いつまでも相変わらずつまらない話」とは若い頃にしていた「ああなりたい、こうなりたい」という憧れのことだと思います。

「つまらない中」とは「願っても実現しない厳しい社会」もしくは順調でない時期を指すのかもしれません。

願い叶わない厳しい社会に揉まれながらも「憧れの人になる」という幸せを探し続ける彼をイメージできます。

夢中に憧れの人を追いかけていったときの感情が大人になった彼の心にも湧き上がったに違いありません。

言葉にならないもの―形にしていく

伝えたい想いは溢れてるのに
伝え方が分からなくて今でも言葉を探しているんだ
遠くに散っていった夢のかけらに
巡るめくあなたの煌めきに気づけたらいいんだ

結局のところ誰も教えちゃくれないんだ
進むべき道なんて
等身大のままで生きていこうぜ
歳を重ねても

この部分も大人になった主人公が難しい現状について述べているのだと思います。

相手に自分の想っていることや考えを伝えるのは難しい時があります。
特にアーティストの世界は表現や発想についてのこだわりがあると思います。

自分の「こうしたい」「こうなりたい」というイメージが形にならないと無性にイライラするかもしれません。

それでも主人公の男性は「言葉を探している」と述べています。
ここはたいへん積極的であり教訓的なフレーズです。

相手に自分の考えや願いが伝達されるまで「表現し続ける」という意志を感じます。

自分の考えや願いを伝えるということは「自分という人間を理解してもらう」ということです。

ですから彼はこの点で諦めることをしないのだと考えられます。

「あなたの煌めき」とは彼が憧れている人物でありその人の魅力なのでしょう。
「気づけたら」とはその人のように魅力的になれるヒントやきっかけのことなのだと筆者は理解しました。

それでも続く歌詞では誰も憧れに近づく道を教授してはくれないと綴られています。

「等身大のまま生きて行こうぜ」とはどういう意味なのでしょうか。

それは小さすぎず大きすぎず、今の自分を見せるということなのでしょう。

誰かにへつらい自分を卑下することは自分を小さく見せることです。
対して自身を過大評価したり傲慢になれば自分を大きく見せています。

そのどちらでもなく、正しく自己評価しながら自分のペースで憧れに向かっていく生き方を彼が願ったのだと思いました。

「今」という煌めきに導かれ

一体未来はどうなるのかなんてことより
巡りめく今という煌めきに気づけたらいいんだ

ここでは大人になった主人公の男性が大切に思っている点が強調されています。

大人になればなるほど「未来」が気になりあれこれと不安になります。
しかし若い頃、そう10代の頃は未来より「今」に関心を払います。

憧れはあっても「今」できることに集中して取り組んでいくのです。

大人になった彼はその点を思い出し「今」という時間を大切にしたことでしょう。

「未来を輝かせる」という発想ではなく「未来を輝かせるために今を輝かせる」という考えに至ったのでしょう。

そのために彼は未来のことをあれこれと思案することをやめたように思えます。
それは前述で取り上げたCMとも関連するかなと筆者は考えました。

ノイキャン機能オンにすると周囲の雑音が入らなくなります。
同じように主人公も「今」に集中することで「未来への不安」を思考からカットしたのだと考えました。

彼の目前には「今」という輝きを放つ星のようものが見えていました。
大人になった今も彼は夢中になった10代の頃の気持ちをずっと忘れなかったことでしょう。。

まとめ

いかがだったでしょうか。

若い時の憧れとそれに近づけない葛藤、さらには大人になってからの回想や生き方の選定など興味深い内容だったと思います。

今作に色々なサウンドが存在していたのは若かりし頃と大人になってからの頃を表現しているようにも感じました。

A、Bメロの軽快で若々しい感じとサビのKing Gnuらしいドロっとしたサウンドが大変魅力的でした。

自分を大きくも小さくも見せない「等身大」のフレーズも教訓的でした。

今年の紅白出場も決定したKing Gnu、これからも注目していきたいと思います。
素敵な作品をありがとうございました。

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