家入レオ『Prime Numbers』歌詞の意味を考察・解釈

つくり笑いだけ うまくなってく
わたし自身はまだ騙せないまま

明日なんか いつも信じてない
朝が降りる その瞬間まで

「悲しい」なんてコトバで 語れるくらいなら
いっそ楽になれる 軽くなれる 君から目を背けたりはしない
「苦しい」なんて素直に 言えたとしたら 涙をこぼせたなら
Ah 割りきれない自分だって ありのまま愛することができるのに

嫌いな人に好きと言う そんなくらいじゃ傷つかない
大好きな君にだけ 好きと言えなくて

わたしだけが知ってるやさしさを
ほかの人に触れさせないでね

「会いたい」なんて感情 教えてくれたこと
ちょっと恨んでいる 悔やんでいる 出会う前のわたしはもういない
「会えない」なんて状況 あたえられても 会いたさが募るだけ
Ah やりきれない想い抱いて 不確かな季節を越える 虹になる

「サヨナラ」言えるだけ 出会えた意味はある
そう胸に刻んだ

結ばれるはずじゃない 素数のようなふたりが
Ah めぐり逢えた それは偶然 だけどいま感じてるのは必然
「悲しい」なんてコトバで 語れるくらいなら
Ah 割りきれない自分だって ありのまま愛することができるのに

はじめに

『Prime Numbers』とは2019年3月19日にネット上で公開された楽曲です。
テレビ朝日系4月木曜ドラマ「緊急取調室」主題歌ともなっています。
同年4月17日リリースされるニューアルバム「DUO」に収録されています。
現在動画再生回数40万を超える注目のナンバーです。

家入レオさんと言えば17歳の若さで音楽活動を開始したことで有名ですね。
さらに7年前にドラマタイアップで成功を収めてからというもの、第54回レコ
ード大賞、最優秀新人賞など数多くの受賞経験を持っています。
令和になってからも大注目のアーティスト間違いなしの定評があります。

今作についてご本人から次のようなコメントが寄せられていたのでご紹介した
いと思います。

人生で初めてドラマの主題歌を担当させていただいたときの主演が天海祐希さんでした。手探りの中で作った曲だったのですが、ドラマの現場に行かせていただいたときに、「とても素敵な曲だね」と天海さんに言っていただけたことが、今でも心に残っています。


『緊急取調室』は人の深い部分が垣間見える作品だと思ったので、いろんな顔を合わせ持ってしまう、人の弱さや強さを滲ませた曲にしました。
松任谷由実さんにはじめてお会いしたとき「あなた素数ね。どこにいても馴染めないでしょう」と言われて。今まで感じてきた気持ちにはじめて名前を付けてもらったような不思議な感覚になりました。そして、私を含めて実はみんな、場に溶け込めなかったり、孤独を抱えているんじゃないかと。このエピソードを作詞家の松尾潔さんにお伝えして素数同士の繋がりを歌った楽曲になりました。
ぜひ聴いていただきたいです。


https://www.m-on-music.jp/0000331323/  M-ON!-MUSICより

天海祐希さんとの長い付き合いときっかけ、そして松任谷由実さんとの出会い
と会話が今作を生み出したんですね。
歌詞を見るとドラマタイアップも意識されていますが今回は個人的な思い入れ
も強く表現され取り入れられているなと筆者は感じました。

ドラマの内容に少し触れてみたいと思います。
ある事件で失敗の全責任を負わされた刑事・真壁有希子が、左遷先の「警視庁捜
査一課 緊急事案対応取調班」(通称・キントリ)で一癖も二癖もある犯人たち
と対決する刑事ドラマです。

一癖も二癖もあるのは犯人だけでなくキントリのメンバーにも当てはまります。
個性豊かで独創的なチームワークが事件の真相を掴んでいく様子は必見ですよ。

それではさっそく歌詞の考察へをはじめていくことにしましょう。

タイトル『Prime Numbers』とは

『Prime Numbers』とは「素数」のことです。
素数とは1とその数自身との外には約数がない正の整数を指します。
上記をもっとわかりやすくすると「約数を2つしかもたない数」と
言い換えることができるかもしれません(例 2,3,5,7)

前述でも取り上げましたが、家入レオさんが松任谷由実さんにはじ
めてお会いしたとき「あなた素数ね。どこにいても馴染めないでし
ょう」と言われたことがきっかけとなりました。

さらに今まで感じてきた気持ちにはじめて名前を付けてもらったよ
うな不思議な感覚、そして孤独、素数同士の繋がりがタイトルには
込められているようです。

数論では素数ではない数は「約数が多く存在します」
この点は周囲にうまく馴染める人、いろんなタイプと共存していける人を指して
おり、素数はその反対の不器用なタイプを表現しているようです。

素でいられない数だけ

つくり笑いだけ うまくなってく
わたし自身はまだ騙せないまま

明日なんか いつも信じてない
朝が降りる その瞬間まで

「悲しい」なんてコトバで 語れるくらいなら
いっそ楽になれる 軽くなれる 君から目を背けたりはしない
「苦しい」なんて素直に 言えたとしたら 涙をこぼせたなら
Ah 割りきれない自分だって ありのまま愛することができるのに

今作はコメントの意図を反映したいので主人公を
家入レオさんとして考察を進めていきたいと思います。

彼女は「つくり笑い」が上手になっていたことについ
て語っています。
通常、何かの分野で上手になることは喜ばしいことで
す。

しかし、作り笑いに関しては自分の本心を偽って行わ
れるものですから喜ばしいとは言えませんね。

続く歌詞にもあるように作り笑いをしてしまう自分を
容認しようとしても自分の心の内奥がそれを拒否して
しまうようです。

「明日なんて信じていない」とはどういう意味でしょ
うか。
明日には「希望」や「明るい見通し」が描写されてい
るのだと筆者は考えました。

さらに「実際に起きていないことを信じれない」性格
ということも示しているようです。
というのも「朝が降りる までは」と条件が示されて
おり「実際に朝がくると」信じれるからです。

これらすべてのことに関して「悲しい」の一言を口に
して表現してしまえばなんと楽なことだと彼女は考え
ました。
しかし誰かにそう打ち明けたこともなかったようです。

ここで「君」という二人称が登場します。
これは後の歌詞からして「好きな男性」を指している
のだと筆者は思いました。

素のままでいたいと強く願いながらも自分の素直な思
いを彼に伝えることができません。

目を背ければ楽になれますがそうはできないのです。
苦しさが彼女の全身を取り巻きます。

素でいられない数だけ彼女は苦しくなっていきます。
悲しい、苦しいを誰かに聞いて貰えたらどんなに楽か
と長年思い続けてきたのでしょう。

そんなとき松任谷由実さんと出会って向こうから感情
を汲み取る一言を言って貰えたとき、どれほどの喜び
を感じたことでしょう。

いつかこの喜びを曲にして恩返ししたいと考えたので
しょう。
そしてそれは2019年に現実のものとなりました。
歴史を感じさせる物語がここにありますね。

大事な人を大事にできない

嫌いな人に好きと言う そんなくらいじゃ傷つかない
大好きな君にだけ 好きと言えなくて

わたしだけが知ってるやさしさを
ほかの人に触れさせないでね

ここでは二つの点が比較されています。
「嫌いな人に好きと言う」とは本心を語れないということです。
その点に関して彼女は傷つかないと述べています。

しかし「大好きな君にだけ」好きと言えないことは我慢できず
とても傷つくことを認めています。
大事な人を大事にできない不器用さにがっかりしたことでしょう。

それでも彼女は彼の優しさを良く知っているようです。
ですから自分が勇気をもって想いを伝えるまでに、自分以外の誰
かに優しくしないでと心から願うのでした。

約そくの数がすくなくても

「会いたい」なんて感情 教えてくれたこと
ちょっと恨んでいる 悔やんでいる 出会う前のわたしはもういない
「会えない」なんて状況 あたえられても 会いたさが募るだけ
Ah やりきれない想い抱いて 不確かな季節を越える 虹になる

「サヨナラ」言えるだけ 出会えた意味はある
そう胸に刻んだ

結ばれるはずじゃない 素数のようなふたりが
Ah めぐり逢えた それは偶然 だけどいま感じてるのは必然

彼女が彼と出会ったことをきっかけに「会いたい」という
感情が芽生えてしまいました。
それまでは明日を期待するような感情など持ってはいなか
ったのです。

自分を大きく変えたその人物といつでも自由に会えるわけ
ではありません。
ですから会えない時間に感じる「会いたい」気持ちが彼女
を苦しめていきます。

その点に関して「恨んでいる」「悔やんでいる」という感
情が湧き上がっているのです。
出会わなければ苦しまずに済んだということです。

そして「素数のような二人が」とあるように彼もまた周囲
に馴染めない存在であり孤独を感じていたのでしょう。
ようやく似た者同士仲良くやれたのにという彼女のやるせ
ない気持ちが歌詞に表現されていますね。

「素数のような二人」そして「君」は男性として描かれて
いますが、もちろん曲を作るに至った松任谷由実さんを重
ねていることでしょう。

お互いハードスケジュールでありなかなか約束して会うこ
とも難しいと思います。
それでも偶然が必然を呼び、素数の二人を題材とした今作
が生まれたことは彼女にとっての確かな証なのです。

「自分が素のままでいられた、、、あなたのお蔭で」

まとめ

いかがだったでしょうか。
誰かの一言が自分の長年の悩みを吹き飛ばしその後、座右の銘
となって頑張れた経験があるかもしれません。

今作でのコメントを読まなければ家入レオさんにこんな悩みが
あっことを知る由もなかったでしょう。
彼女の貴重な側面に歌詞を通して触れることができましたね。

また伸びと厚みのある美声と心に浸透してくるようなビブラー
トにも魅了されました。
この声の秘密について「緊急取調室」にて事情聴取が必要かも
しれませんね(笑)

ドラマもシーズン3にまで及び人気を拡大させています。
『Prime Numbers』ともにより多くの人たちの間で人気を集め
ることを期待し願っています。
家入レオさんの今後の活動にも注目していきたいと思います。




コメントを残す