星野源『夢の外へ』歌詞の意味・考察と解説

夢の外へ連れてって
ただ笑う顔を見させて
この世は光 映してるだけ

いつの間にか明ける夜
通りを焼く日差し
夢日記は開けたままで
夏は通りをゆく
嘘の真ん中をゆく

ドアの外へ連れてって
ただ笑う声を聞かせて
この世は光 映してるだけ

自分だけ見えるものと
大勢で見る世界の
どちらが嘘か選べばいい
君はどちらをゆく
僕は真ん中をゆく

意味の外へ連れてって
そのわからないを認めて
この世は光 映す鏡だ

いつか 遠い人や国の空
想い届けばいいな
いつか 今は居ないあなたを
目の前に現して
現して

夢の外へ連れてって
頭の中から世界へ
見下ろす町を 歩き出せ

夢を外へ連れ出して
妄想その手で創れば
この世が光 映すだけ

はじめに

2012年に発売された星野源の3枚目のシングル、『夢の外へ』。

アーティストとしての星野源の名前を一躍有名にした楽曲であり、資生堂「ANESSA」
のCMソングにも起用されました。

この曲から星野源のことを知ったという方も多いのではないでしょうか。

そんな『夢の外へ』ですが、果たして歌詞はどのようなものなのでしょうか。
歌詞考察とまいりましょう。

歌詞考察

夢の外はどこか

夢の外へ連れてって
ただ笑う顔を見させて
この世は光 映してるだけ

頭サビです。

「夢の外へ 連れてって」とタイトルである「夢の外」という歌詞が冒頭から登場します。

夢の外とは通常で考えれば、私たちが今生きているこの現実世界の事だと考えられます。
何故わざわざこのようなことを綴るのでしょうか。

そのヒントは次に続く歌詞、「ただ笑う顔を見させて」にあると思います。

つまり、”ただ笑う顔が見られるような”現実世界へ連れてってということを
歌っているのだと考えられるのです。

何か辛いことを経験して引きこもってしまった状況で、
このことを言うのではないかと推察されます。

真夏と対照的な荒んだ生活

いつの間にか明ける夜
通りを焼く日差し
夢日記は開けたままで
夏は通りをゆく
嘘の真ん中をゆく

一番Aメロです。

「いつの間にか明けた夜」と、昼夜逆転の荒んだ生活を送っていることが分かります。

そして次に「夢日記は開けたままで 夏は通りゆく」という歌詞に注目しましょう。
夢日記とは自分が見た夢の記録を記したものです。

それが開かれたまま、というのは主人公が現実逃避をして夢の中にいつまでもいたい、
という風に考えていると推察出来ます。

そして、夏は通りをゆく、と時期は夏真っ盛りであることが分かります。

以上から真夏の朝という通常であれば、否が応でも心が踊りそうな
シチュエーションにも関わらず、夢の中にいたいと塞ぎ込む主人公の姿が明らかになるのです。

夢からドアへ

ドアの外へ連れてって
ただ笑う声を聞かせて
この世は光 映してるだけ

一番サビです。

歌詞の構成は頭サビとほぼ同様です。
しかし、「夢の外へ連れてって」から「ドアの外へ連れてって」に歌詞が変わっています。

これは今まで説明してきたように、現実逃避してしまっている主人公の苦しみを
より具体的に描いたものだと思われます。

つまり、ここで言うドア、とは引きこもっている主人公の自室のドアのことであり、
これを打ち破って自分を外界へ連れ出して欲しいと歌うのです。

大勢と違っていたから

自分だけ見えるものと
大勢で見る世界の
どちらが嘘か選べばいい
君はどちらをゆく
僕は真ん中をゆく

二番Aメロです。

ここで主人公がなぜ引きこもってしまったのか垣間見れるような歌詞が綴られます。
それが「自分だけ 見えるものと 大勢で見る世界の どちらが嘘か選べばいい」という部分。

まとめると自分と他人の意見が異なるときはどちらかを選べば良いということです。
普通は自分の意見を選べば良いと綴るものではないでしょうか。

しかし、ここではどちらかを選べば良いとあります。
これは大勢の他人と意見を食い違った際に、自分の意見を曲げざるを得なかった
主人公の後悔が表れています。

そして、そんな毎日に疲弊して引きこもってしまったのです。
その経験から「僕は真ん中をゆく」と、どっちつかずの一番疲れない意見を選ぶと言うのです。

夢から意味へ

意味の外へ連れてって
そのわからないを認めて
この世は光 映す鏡だ

二番サビです。

夢からドアへと変化したサビの歌詞ですが、ここでは夢から意味へと歌詞が変わります。
「意味の外へ連れ出して」。

このままだとよく意味が分かりませんが、直後の歌詞である「その分からないを認めて」
からその意味を読み取ることが出来ます。

二番Aメロであったように主人公は他人との意見の衝突によって引きこもってしまっています。

それ故に、自分と他人のどっちが正しいか決めずに、その真ん中の意見を選ぶことを決めました。

つまり、どっちつかずの意見、正しいかどうかは”分からない”意見を選ぶということです。

このことが「分からないを認めて」に繋がるのだと思います。
主人公なりに見つけた自分らしいスタンスを認めて欲しいというわけですね。

夢を外に連れ出して

いつか 遠い人や国の空
想い届けばいいな
いつか 今は居ないあなたを
目の前に現して
現して

夢の外へ連れてって
頭の中から世界へ
見下ろす町を 歩き出せ

夢を外へ連れ出して
妄想その手で創れば
この世が光 映すだけ

Cメロ〜大サビです。

これまでの苦い経験を踏まえて、自分なりの生き方を決めた主人公。
その達成感からでしょうか。

「遠い人や国の空 想い届けばいな」と見知らぬ国の人や空にまでこの想い届けたいと語るのです。

そして、最後に綴られるのは「夢を外へ連れ出して」 。
これまでは連れ出すという言葉は常に受け身で用いられてきました。

しかし、この部分だけは連れ出す対象は「夢」であり、能動的な意味で用いられています。
これはつまり、主人公がこの現実世界を夢に近づけたいと決意した事を表しているのです。

夢を夢で終わらせず、自分が決めたスタンスでもう一度この現実世界を生きてみよう。
そんな主人公の強い思いが「夢を外へ連れ出して」という歌詞に表れています。

終わりに

今回は星野源を一躍有名にした楽曲、『夢の外へ』を特集しました。

その結果明らかになったのは、『夢の外へ』はかつての苦い経験から引きこもってしまった
主人公が、外へ飛び出す勇気を持つに至るまでの様を描いた楽曲ということでした。

生きていれば人間一度は凹むことはあるもの。
そういったときにぜひ聞いてほしいおすすめの一曲です。

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