星野源『Friend Ship』歌詞の意味・考察と解説

いつかまた 会えるかな
雲の先を 気にしながら
口の中 飲み込んだ
景色がひとつ 水の底に消えた

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
笑い合うさま

いつの日か 還るまで
別の海を 渡りながら
いつの日か 会えるような
幻を見て 一歩踏み出すさま

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
笑い合うさま

何処までも 何処までも
つづく旅の隅で
何時までも 何時までも
君のことで笑う

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
わかりあった

君の手がほどけるとき
叶わないまま
胸の窓光る先に
手を振りながら
離れゆく場所で
笑い合うさま

はじめに

2015年に発売された星野源の4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』
に収録された楽曲、『Friend Ship』。

発売から約半年後に「星野源と聴く視聴動画」なる動画が公式チャンネルからアップロード
されるなど、人気の高い楽曲です。

映画「森山中教習所」の主題歌としても有名な『Friend Ship』。
果たして歌詞はどのようなものなのでしょうか。

歌詞考察

帰り道、友人のことを思いながら

いつかまた 会えるかな
雲の先を 気にしながら
口の中 飲み込んだ
景色がひとつ 水の底に消えた

一番Aメロです。

「いつかまた 会えるかな」という冒頭の歌詞からそれまで会っていた人物と
別れた状況であることがわかります。

そしてその相手とは『Friend Ship』というタイトルから考えて友人でしょう。

「口の中 飲み込んだ 景色がひとつ 水の底に消えた」とは友人と会うことによりできた
思い出を噛み締め、忘れないように大切にしようとしていることの
比喩表現であると考えられます。

友人のことを別れた後も思い続ける、微笑ましい友情が綴られています。

相手に対する思いは友情?愛情?

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
笑い合うさま

一番サビです。

「君の手を握るたびに わからないまま」という歌詞から始まるこのパート。
一体何がわからないというのでしょうか。

それは続く歌詞「胸の窓開けるたびに わからないまま」から推察されます。

胸の窓を開ける、とは自分の本心を明かすということの比喩表現でしょう。

Aメロで明らかになったような、良好な友情関係を築いている友人に対して
行うこととしては自然に思えます。

しかしその上でも「通じ合った」というような歌詞ではなく、
「わからないまま」と綴られるのです。

親密であるにも関わらずわからない、ということは互いの関係が
どういったものであるかわからないという意味ではないでしょうか。

何でも本心で話せる相手だけれど、相手をどう思っているかだけはわからない。

仲の良い描写もあることから、果たしてこの思いが友情なのか愛情なのか分からない
ということが、このパートで描かれていることだと思われます。

そんな互いの困惑を理解しあっているために、「笑い合うさま」と二人して笑う
ことが描写されるのです。

会えない時でもいつも相手のことを思う

いつの日か 還るまで
別の海を 渡りながら
いつの日か 会えるような
幻を見て 一歩踏み出すさま

二番Aメロです。

ここで描かれるのは大事な友人と離れてしまった主人公の姿です。

「いつの日か 会えるような 幻を見て」というのは状況がかなり深刻であることが伺えます。

もしたとえ期間がかなり空いてしまったとしても、会う約束があるならば
「いつの日か 会えるような」といったことは綴られないでしょう。

加えて「幻を見て」とあることから友人と会う可能性がかなり低いことがわかります。

しかし、それでもめげることなく「一歩踏み出すさま」と友人にまた会えることを信じて
前に進もうとするのです。

どっちつかずの思いが明らかになって

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
笑い合うさま

何処までも 何処までも
つづく旅の隅で
何時までも 何時までも
君のことで笑う

君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
わかりあった

君の手がほどけるとき
叶わないまま
胸の窓光る先に
手を振りながら
離れゆく場所で
笑い合うさま

二番サビ〜大サビです。

一番サビではお互いの関係が友情なのか愛情なのかどっちつかずに
なってしまっている友人と主人公の姿が描かれました。

これに対してこのパートではその関係に変化が訪れたことがわかります。
それが「胸の窓 開けるたびにわからないまま わかりあった」という部分。

わからないままであった二人の関係が遂にはっきりしたのです。
そしてその結果どうなったか、ということも以降の歌詞に綴られています。

その内容とは「君の手がほどけるとき 叶わないまま」というもの。
「君の手がほどけるとき」というのはその関係が壊れてしまったことを示しているのでしょう。

また望ましい関係へと変わるためであれば良いのですが、「叶わないまま」
ということからそうではないこともわかります。

これはきっとお互いの関係や思いをはっきりさせた結果、
認識にズレがあったということなのでしょう。

そして互いの思いが食い違ったまま一緒にはいられないと考え、離別を決めたのだと思います。

が、その離別は決して喧嘩といったような悲しい別れではなく「離れゆく場所で 笑い合うさま」
とあるように、お互いのことを思っての離別なのです。

『Friend Ship』は複雑で曖昧な人間関係を比喩を用いながら、的確に表現した楽曲と言えますね。

終わりに

何ともはっきりできない友情関係を描いた『Friend Ship』。

これは誰しもが一度は経験があることではないでしょうか。

非常に仲の良い相手だけれど、果たしてこの関係のままで良いのか
それともより親密な関係になったほうが良いのか・・・。

そんな自問自答を繰り返して、結局一歩踏み出せないまま終わってしまった
といったようなことは、多くの人が経験されていることだと思います。

そんな経験をした人あるいは今経験している人、それぞれの思いを反芻しながら聞くと、
より『Friend Ship』の世界観を味わうことができると思います。

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