初音ミク『神様、どうか僕を殺して下さい。』タイトルが怖い?歌詞の意味とは?


はじめに

2018年9月20日に投稿された、音の瀬ソーマさんの楽曲。

タイトルが衝撃的で、なんだか怖いですよね。

怖いもの見たさのような感覚で、思わずクリックして聴き入ってしまう、そんな楽曲です。

今回は、『神様、どうか僕を殺して下さい。』の意味を考察していきます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=xn1RTHrYhR8

退屈な夜に月が僕を嗤い
時間はそれぞれ過ぎ去ってゆく
砂を噛む様に
ただその美しさに
翻弄されては
殺されてしまう
よくいる平均それが僕で
人々率いる
ことなどできない
真似事ばかりで
批判もされて
生き恥晒して
なにも出来ずに
毎日無意味に時間が流れた
人間じゃなくても
よかったな
こんなお粗末な人生あぁ
機械の様に
ただ好きなときに
使われ捨てられるのだ
ごめんね
届きはしない
夢がある奴が憎い程
僕には僕が居なくてなんでも諦めた
右手のペンの希望は
その退屈さに毎日が死んでく
頑張る奴らを見るのは辛くて
心のリモコン電源オフして
毛布に包まり耳を塞いで
それでも画面の向こうの誰かは
命はどんな物より価値があるのと
覚悟もないのに
口に出した
約36度のこの物体に
未来はないのです
もう眠りなさい
ねぇどうして時間はさ
ここに存在するの?
ごめんね
なにもなくて
神様、どうか僕を殺して下さいと
願っても
そんな自己都合
聞くわけないよな
無能だと思わされる
くだらない命よ
本に挟んだしおりは
続きを選ぶことが出来ても
僕は自由な体で
続きを生きることはできやしないんだから
機械だと思う様な
こんな汚い社会で
過去で泣いて今日も眠るのさ
僕のこの命は
必要とされてるの?

タイトル『神様、どうか僕を殺して下さい。』の意味

歌詞中から読み取ると、死にたくても死ぬことができない、まじめな青年の歌だと読み取れます。

まじめに働き、疲れ果て、死にたいと思うとことまで追い詰められている。

でも、まじめな「僕」は、自分勝手に死ぬこともできない。

だから「神様」に「殺してください」とお願いしている。

「僕」を自由にしてあげたいともどかしくなる、とても重く辛い歌詞です。


『神様、どうか僕を殺して下さい。』のテーマ

音の瀬ソーマさんは、動画投稿時、次のようにコメントしています。

誰の都合で生まれ。何の理由で生きねばならぬのか。

MVの冒頭では、次の言葉が表示されます。

私たちは死の心配によって生を乱し
生の心配によって死を乱している。
ミシェル・ド・モンテーニュ

そして、MVでは間奏中に「死とは」という「死」の意味が表示されます。

引用元:http://www.nicovideo.jp/watch/sm33885941

音の瀬ソーマさんからの、生き地獄のような、時間に振り回され、仕事に追われ、感情がなくなってしまいそうな社会への警告とも感じ取れる、とても重要なテーマが歌詞に込められています。

『神様、どうか僕を殺して下さい。』の歌詞中の登場人物

主人公の「僕」の他には「人々」や「奴ら」といった具体的な名前は出てきません。

周りの全てが敵にみえてしまう、心が追い込まれてしまった「僕」について、考えさせられます。


『神様、どうか僕を殺して下さい。』歌詞の意味

夜に殺されてしまう

退屈な夜に月が僕を嗤い
時間はそれぞれ過ぎ去ってゆく
砂を噛む様に
ただその美しさに
翻弄されては
殺されてしまう
よくいる平均それが僕で
人々率いる
ことなどできない
真似事ばかりで
批判もされて
生き恥晒して
なにも出来ずに
毎日無意味に時間が流れた

初音ミクの声質が、他の曲とは全く違う、暗い感じが、心の闇を歌っているようです。

夜の情景。

「僕」は自信に劣等感を感じているのでしょう。

「夜」の「月」さえも、「嗤い」という漢字が使われているのは、「僕」が「月」に見下されているような、愚かさを表しています。

夜、なんだか気持ちが落ちてしまう時間。

暗闇にうかぶ「月」の美しさに吸い込まれそう。

しかし、ここで心を愚かにしてしまっては、「僕」は「殺されてしまう」。

たかが「みんなと同じ」「僕」。

誰の役にも立つことはなく、「僕」一人いなくなってもどうってことはない。

日々をがんばって過ごしていても、「批判」ばかりが目につき、とても積極的にはならない。

落ち込むばかりの毎日。

ネガティブな言葉が詰め込まれています。

人間も使い捨て

人間じゃなくても
よかったな
こんなお粗末な人生あぁ
機械の様に
ただ好きなときに
使われ捨てられるのだ
ごめんね
届きはしない

ブラック企業勤めを連想させます。

サビを聞いたときに、思い浮かんだのは社会へのメッセージ。

生きるために働いているのに、生きている感じがしない。

会社では機械のように扱われ、感情が失われていく。

「ごめんね」

なぜ、謝るのでしょうか。

誰に謝っているのでしょうか。

いつもがんばって仕事をして、報われず、この曲を聴いたらここで涙がながれてしまいそうです。

何も見たくない

夢がある奴が憎い程
僕には僕が居なくてなんでも諦めた
右手のペンの希望は
その退屈さに毎日が死んでく
頑張る奴らを見るのは辛くて
心のリモコン電源オフして
毛布に包まり耳を塞いで
それでも画面の向こうの誰かは
命はどんな物より価値があるのと
覚悟もないのに
口に出した

「夢がある奴が憎い」

自分に何ができるのか。

未来に希望は持てず、自分自身がわからなくなってしまう。

絶望を感じた時、自分のやろうとしていたことが、誰かに先に越されてしまったとき、自分には何もできないと、心が死んでしまう。

自分もとても頑張っているのに認められず、他の頑張っている人の成功ばかりが目に付いてしまう。

見たくない現実。

うまくいっているように見える人に、絶望を感じて死を覚悟してしまう人の気持ちなどわかるはずがない。

わかってほしくもない。

複雑なメロディに、暗い気持ちが並び、胸が痛くなります。


眠りたい

約36度のこの物体に
未来はないのです
もう眠りなさい
ねぇどうして時間はさ
ここに存在するの?
ごめんね
なにもなくて

「約36度のこの物体」

この表現の仕方がきれいだなと感じました。

人間のことですよね。

もう「僕」には何もできない。

「もう眠りなさい」

と、誰かから言われているような言葉は、「僕」が自分自身にかけている言葉でしょうか。

疲れ果ててずっと眠りたい。

そして、ここでも「ごめんね」と出てきます。

死ぬことは「自己都合」

神様、どうか僕を殺して下さいと
願っても
そんな自己都合
聞くわけないよな
無能だと思わされる
くだらない命よ

「自殺」はこの国では認められていません。

「神様」は、「僕」を殺してはくれません。

自分から死ぬことは「自己都合」。

どんなに生きることに疑問を感じても、死ぬことは許されない。

生きることの苦しみが読み取れます。


必要とされる命とは

本に挟んだしおりは
続きを選ぶことが出来ても
僕は自由な体で
続きを生きることはできやしないんだから
機械だと思う様な
こんな汚い社会で
過去で泣いて今日も眠るのさ
僕のこの命は
必要とされてるの?

創られた物語は、ハッピーエンドを選ぶことができる。

「僕」は自由になれる体ではない。

自由に生きることができない。

これからの長い時間も、何かに支配されながら生きていくことを思わせます。

ここで「汚い社会」というワードが出てきました。

この曲が、現代の社会を、人間が生きにくい社会であることを思わせます。

朝起きて、働いて、帰って寝て、働いて。

繰り返される日々。

自由になれる時間はない。

機械のように扱われる人間が、それは必要とされている命なのか。

ハッピーエンドでは終わらない、これから考えなければならない課題が重くのしかかる歌詞です。

まとめ

死と向き合う世界観を感じる楽曲。

「死」とは、「生きる」とは、深く考えさせられてしまう歌詞の内容でした。

サビのメロディが頭の中に残ります。

「僕」のようになってしまったとき、何かはけ口が見つけられたら、「僕」のような誰かを見つけた時、手を差し伸べられる何かがあれば良いですね。



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