Eve『闇夜』歌詞の意味を考察・解釈

救いなどない 生まれ堕ちてきた
歪な心の形に 勇ましい鼓動の叫び

振り向きはしない 修羅の道だって
枯れゆく季節など超えて 確かな真実を探した

醜い姿に
その痛みさえも気づけないまま僕達は
この皮も剥がしてしまったの

ああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方 呪われた世界を愛せるから
全てを背負った今

憂いを纏い 闇に堕ちてきた
淀みない言の葉さえも 塞ぎこんでしまうなら

産声などない 吐き出すことだって
いくつもの刃携えて 心に鬼を宿した

浅ましい声に
この世界からはじき出されてく僕達は
それでも明日を願ったの

ああ君だって 寂しさと哀を抱いて眠るの
でもさ触れたくなって 愛しいほどの涙
きっと月が陰れば この夜の淵まで愛せるから
その炎はまだ揺らめく

汚れてしまわないように
消えて無くならないように
見えないものだって抱きしめたいから 

あの日の僕に間違いなどない 救いの声を
失うばかりの 血の滲むような物語も
闇夜に染まれど それでも歩みを止めることはない
もう貴方は独りじゃないから

ああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方 呪われた世界を 愛せるから
全てを背負った今 

取り戻すの

はじめに

『闇夜』とは2019年6月24日にネット上で公開された楽曲です。
人気テレビアニメ「どろろ」第二期EDテーマともなっており注目されてます。
動画再生回数は投稿から1分で1万回、数時間経過した現在では30万を超える驚
異的人気を誇っています。

Eveさん待望のMV公開であるのと同時に多くの「どろろ」ファンが首を長くし
て今作を待ち望んでいたことがわかりますね。

タイトル、そしてアニメタイアップから「ダーク」なMVに仕上がっています。
モノクロで統一された映像が闇夜を色濃く演出していましたね。
曲調もそれに拍車をかけるように暗めの音使いがなされていました。

イントロの弦楽器がなんとも言えない独創的な世界観を作り出しています。
どことなくおどろおどろしい(どろろとかけていません 笑)感じを露出してい
ます。

今作への思い入れまた意気込みについて作り手のEveさんからのコメントが寄せ
られていましたのでご紹介します。

生まれもった醜い姿との付き合い,
孤独との向き合い
曲げる事のない己の信念,その瞳の奥の計り知れない深さ
他者との心の通わしから生まれる新たな感情
そして出会いと別れ,本当に大切なものは何か
食うか食われるかの呪われたこの世界で
奪われた体を取り戻す今,
鬼ではなく人を宿し
百鬼丸は何を思うのか。
”どろろ”を読ませて頂いて
僕がこの作品から感じた事を書きました。

Eve


https://eveofficial-yamiyo.com/  「闇夜」特設サイト より

「どろろ」の内容を把握し忠実に世界観につき従って出来た今作であることを
理解できると思います。
過酷な状況で感じる恐怖、出会いと別れを経験して揺れ動く心情など実に多く
の要素が映像と歌詞に盛り込まれているようですね。

少しだけ「どろろ」の内容について触れておきたいと思います。

どろろ』は手塚治虫氏による日本の少年漫画です。
戦国時代の日本を舞台に、妖怪から自分の身体を取り返すべく旅する少年・百鬼
と、泥棒の子供・どろろの戦いの旅路を描いた物語となっています。

Eveさんのコメントにもあるように今作は主人公の百鬼丸を主軸として考察を進
めていこうと思います。

それではさっそく歌詞の考察を始めていきたいと思います。

タイトル『闇夜』とは

作品の奥深さと主人公である百鬼丸の心の闇の色濃さを表現する
のにぴったりのタイトルです。

歌詞全体も非常にダークで絶望に寄せた表現が多様されています。
先行き不透明な百鬼丸とどろろの旅路を暗示しているようにも捉える
ことができます。

個人的には未来的音楽を創作するEveさんの底の見えない音楽センス
にも該当するのだと思いました。

『闇夜』歌詞の意味

救いなき旅路を進む勇者

救いなどない 生まれ堕ちてきた
歪な心の形に 勇ましい鼓動の叫び
振り向きはしない 修羅の道だって
枯れゆく季節など超えて 確かな真実を探した

主人公百鬼丸は鬼に身体を奪われ自身は大変醜い姿に
成り果ててしまいます。
外見的にも精神や感情といった内面的な意味において
も彼に救いはないように思えました。

心は人間が当たり前のように持つそれとは似つかない
形となり、さまざまな悪感情を封じ込めています。
それでも彼を救いなき道へと前進させるのは「心に燃
える勇ましい鼓動の叫び」なのでした。

奪われた身体を取り戻すという明確な目的遂行のため
に彼は消えることのない闘志を燃やし続けるのでした。
まさにその後ろ姿は「勇者」と称するに相応しいでし
ょう。

彼は決して振り向きません。
「枯れゆく季節など超えて」とは昔の色褪せた思い出
や悪夢の時期を乗り越えていくという意味だと考えら
れます。

彼にとって過去への後悔も回想も意味をなさないので
す。

永遠の夜と呪いを超越する覚悟

ああいつだって 愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって 終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方 呪われた世界を愛せるから
全てを背負った今

百鬼丸の人生を振り返るとそれが呪われた人生、そして世界全体が
呪われて終わらない夜のように感じるかもしれません。

生まれ持っての醜く特殊な体、周囲から憎まれ敵視され、弟殺しと
して扱われ実の父からも憎まれるなど救いようがない人生です。

それでも希望はあると信じて疑わない彼だから、必ず目的を果たす
と決意したその覚悟がそんな世界でも愛せるようにさせたのです。

彼の強く気高き覚悟がすべての呪いと暗闇を超越していきました。

敵意に包囲された二人の絆

産声などない 吐き出すことだって
いくつもの刃携えて 心に鬼を宿した
浅ましい声に
この世界からはじき出されてく僕達は
それでも明日を願ったの

「産声などない」とは人間の子として生まれることができなかった」
ことを描写しているフレーズだと思われます。
「吐き出すこと」とは弱音であったり本音を言えるような環境下では
なかったことを示唆しているのでしょう。

百鬼丸は刀こそ所持していますが本当はそんなものを振り回したくは
ありません。
それでも優しい心を持つ百鬼丸が心を鬼にするのは、目的のため、そ
して数少ない大切な友のためなのでした。

「浅ましい声」とは見た目で判断する軽率な大人たちを指しているの
だと考えられます。

百鬼丸の相方であるどろろも住人たちから袋叩きにされていました。
その後も二人は周囲の人々から温かくもてなされることはありません。
白い目でみられ罵倒され嘲笑され続けるのです。

それでも「僕達」つまり百鬼丸とどろろは明るい明日を信じて救いよ
うのない修羅の道を進んでいくのでした。

闇夜を切り裂く二つの流れ星

あの日の僕に間違いなどない 救いの声を
失うばかりの 血の滲むような物語も
闇夜に染まれど それでも歩みを止めることはない
もう貴方は独りじゃないから

この部分の最初では百鬼丸の過去にした決意について
振れられています。
弱かった自分、そして覚悟を決めれなかった時の自分
では誰も救うことができませんでした。

強くなりたいと願い心に勇気と闘志が燃え上がったあ
の日を百鬼丸は決して後悔しません。

この先、どれほど「闇夜」のように先行き不透明、ま
た暗中模索のような旅であっても彼は恐れません。

その理由は「貴方は独りじゃないから」です。
どろろと出会って奇妙な絆が百鬼丸との間に生じました。
これは本当にお互いにとっての心の支えとなりました。

彼らはまさに闇夜を二つに切り裂く流れ星のようです。
その輝きが鈍ることも消失することもありません。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
9割暗く消極的な歌詞に思えましたが、残りの1割で
希望の光がちらついて見えたのではないでしょうか。

人は絶望し死を目前にすると「光」のような存在に
縋るものです。

百鬼丸に光はないように思えましたが、自分自身が
覚悟を決めて光になること、そして闇夜を歩んでい
ればどろろという相方にも出会えることを証明して
くれました。

今作は消してネガティブで救いようがない歌詞では
なかったのです。

Eveさんの「どろろ」世界観に対する愛と百鬼丸に
対するエールと感情移入を汲み取ることができまし
た。
奥深くスケール感のある作品を有難うございました。

次回作と今後の活動にも期待し注目していきたいと
思います。

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