足りないもの探して バックパッカー
かっとなっては やっちまった
急展開に期待しなくたって
きっと君は来ないってないってば“ビビディバビデブー”
おまじないみたいなもんさ
帰りを今も待ち望んではその感動はまた走り去った
これじゃないと あれじゃないと
焦りだけが募るようだ隣に握りしめる手が欲しかった
温もりを知らぬまま心まで貧しくなって
グレイの海を彷徨った
美は満ち溢れているんだ
見過ごすな夜が明ける前に酔いを醒まして
時間がないんだ君には
盲目でいたいの 退屈な今日を
超えていきたいんだきっと声が届くまで想いをぶつけて
ふらふらになってしまうまで
僕らにそれを忘れることを許さないから
考えることすらやめてしまいな真夜中踊りだすマッドハッター
あっというまに 経っちまった
空想上に期待したくなって
きっと君はこないってないってば現実との狭間で泣いて
腹を裂かれるこの思いで
飲み干した言葉の棘が刺さるその滑稽さだけが残った
お気に入りの カトラリーは
至福だけを運ぶようだテーブルをみんなで囲みたかったんだ
ナイフを突き立てては君の喉仏を裂いて
指先を湿らせたんだ
フォークの使い方なんて
誰にも教わらなかった真理を見ようとしないで
命の重さを量った
揺らめく篝火の中
何をみた夜が明ける前に酔いを醒まして
時間がないんだ君には
盲目でいたいの 退屈な今日を
超えていきたいんだきっと声が届くまで想いをぶつけて
ふらふらになってしまうまで
僕らにそれを忘れることを許さないから
考えることすらやめてしまいな僕が食べる前に僕を見つけて
今回は人気アーティストであるEveさんの楽曲『いのちの食べ方』の歌詞考察をしていきます。
筆者が今作から感じ取った点は以下の通りです。
・命に対する見方
・時間の過ごし方
上記のように感じ取った理由を、続く楽曲紹介と共にお話したいと思います。
『いのちの食べ方』のMVが2020年5月22日にネット上で公開されました。
公開初日から40万以上の動画再生回数を記録しています。
同日、「めざましテレビ」にて『いのちの食べ方』のMVと地上波初となるEveさんの肉声が放送されました。
その中でEveさんご自身が今作のテーマについて次のように語っていました。
「あっという間に過ぎていく毎日をどう過ごし、どう生きて行くのか。そんな日々の【生き方】をテーマに作っていきました」―Eve
あるラジオ番組内でも
時間の使い方っていうのはいのちの食べ方に等しいと思っていて、自分のいのちをね・・・あ・・・だから・・・」
https://www.tfm.co.jp/lock/eve/index.php?itemid=14333
と言いかけのかたちでしたが、時間といのちを結びつけていました。
これらのコメントを考慮すると『いのちの食べ方』は「命に対する見方」と「時間の過ごし方」の2つを伝えていると解釈しました。
また今作は前作『トーキョーゲットー』と関連があると判断しました。
判断材料となったのは次の点です。
・監視カメラの映像
・主人公が入れられていたゴミ箱
・類似する街並み
さらに歌詞の中で「君」が来ないと歌われている点にも注目できます。
この君はもしかすると前回、主人公が追い求めていた「君(主人公の理想)」を指すのかもしれません。
この仮定が適切であるなら、今作は『トーキョーゲットー』の続編となると考えられます。
Eveさん公式アカウントでは事前にMVの予告動画が公開されていました。
その中の映像に注目すると、モニターにゴミ箱から足跡だけがつく奇妙なシーンがありました。
これは前作『トーキョーゲットー』のラストで怪物に食べられた主人公が、なんらかの仕方で復活したことを描写しているのだと解釈しました。
さて『いのちの食べ方』のMVに登場する人物とそれが示すものをまとめておきましょう。
・主人公―目つきの悪い少年(絵師イラストには「いのちの食べ方君、いのち君?」と表記)
・長身の人外(大きな牙)―親また保護者のような存在(絵師イラストには「のっぽさん)と表記」
・首無しの竜―「死」と「屠殺された動物」を描写しているよう。落とした頭を探し求めている。
上記のような考察で歌詞全体の考察を進めていきたいと思います。
『いのちの食べ方』の意味とは
タイトルは、2005年に公開された映画「いのちの食べかた」を連想させました。
同映画は、食べ物の大規模・大量生産の現場を描いたドキュメンタリーです。
映画を見た人たちのコメントの多くは「動物たちの命への認識と感謝が深まった」というものでした。
筆者はMVに登場する「首無しの竜」を 「屠殺された動物」 を描写していると解釈しました。
昔から屠殺された動物は頭を落とされてきたからです。
MVの前半では、主人公が首無しの竜に自分から近づいていきます。
これは彼が「食べる側」にいるということを暗示していると考えました。
この考えが適切であるなら、後半の部分で主人公が首無しの竜に追われている場面は、彼が「食べられる側」になっていると解釈できます。
さらに筆者は首無しの竜が「死」を描写していると解釈しました。
MVで、首無しの竜に触れた者たちが骨になったからです(デイダラボッチのよう)
先ほどと同じ原理で考えると、前半で主人公は自ら死に近づいているようでした。
しかし死が彼に近づいて来ると、彼は恐怖でおののいた表情を浮かべます。
この描写は自殺や死への恐怖などを伝えていると解釈しました。
誰もが残された自分の時間をどのように用いるかを考えたことでしょう。
まさにタイトルには「命」と「時間」を表現しており、これからの生き方を考える上で欠かせない要素であることを伝えています。
Eve『いのちの食べ方』歌詞
君という理想は遠くへ
足りないもの探して バックパッカー
かっとなっては やっちまった
急展開に期待しなくたって
きっと君は来ないってないってば“ビビディバビデブー”
おまじないみたいなもんさ
帰りを今も待ち望んでは
1番の冒頭から、主人公が「君」という理想が手の届かないところにあると感じているのを理解できます。
前作『トーキョーゲットー』でも彼は「君」を理想として追い続けていました。
「バックパッカー」とは少量の荷物を収納するバックパックを背負って旅する人のことです。
この表現から、未だに彼が理想を追いかけていることがわかります。
これまでの経験上、彼は理想には手が届かないことを痛感しています。
“ビビディバビデブー”と子供じみたおまじないに頼りたくなるほど、希望を見失っていることが読み取れます。
私たちにも理想を追い求めることに疲れを感じ、希望を見失うときがあるでしょう。
このような時間の過ごし方を続けてよいのだろうかと自問するかもしれません。
理想の中身―美しさは探すもの
隣に握りしめる手が欲しかった
温もりを知らぬまま心まで貧しくなって
グレイの海を彷徨った
美は満ち溢れているんだ
見過ごすな
ここでは主人公の理想が具体性を帯びています。
歌詞にあるように彼の理想とは「温もり」を与えてくれる存在や環境でした。
そうした存在や環境に恵まれずにここまできたようです。
彼はだんだんと「心まで貧しくなって」いきました。
主人公の目つきが悪く無表情を保っている理由がここにあるようです。
彼の見る世界は「グレイの海」つまり色彩のない世界のように映りました。
私たちも彼と同じように、世界に対して消極的な見方をすることがあります。
続く部分で歌詞は「美は満ち溢れているんだ 見過ごすな」と励ましています。
美しい景色になるのを待つのではなく、自分から探しに行くという積極的な見方が背景にあります。
確かに自分から行動しないと、あっという間に人生は焼きまわしの毎日になってしまうでしょう。
毎日の時間の過ごし方を建設的なものにしていきたいですね。
理想は有限
夜が明ける前に酔いを醒まして
時間がないんだ君には
盲目でいたいの 退屈な今日を
超えていきたいんだきっと
サビでは理想が有限であることが伝えられています。
「夜が明ける前」とは一日の終わりを指しているようです。
「酔いを醒まして」とは、理想は努力しなくても叶うという甘い考えのことかもしれません。
「君」の前に「時間がないんだ」というフレーズがあります。
これは、理想を叶えることのできる時間が限られていることを示唆しているようです。
ここまでをまとめると歌詞は「理想を叶えることのできる時間は限られているのだから、一日が終わる前に自分の中にある甘い考えを捨てろ」と伝えていると解釈しました。
「盲目でいたいの」というフレーズから主人公が、自分の弱い部分や理想に近づけない現状を直視したくないと考えているのを読み取れます。
それでも「退屈な今日」を乗り越えていきたいという思いを強く抱いています。
私たちも向上心を持って毎日過ごしていきたいですね。
現実と理想の狭間で
現実との狭間で泣いて
腹を裂かれるこの思いで
飲み干した言葉の棘が刺さるその滑稽さだけが残った
お気に入りの カトラリーは
至福だけを運ぶようだ
2番の歌詞は、主人公が現実と理想の狭間で泣いていることを伝えています。
私たちにもそのような状況に置かれ、挫折や失意を経験したことがあるかもしれません。
「飲み干した言葉の棘」とは、「自分じゃダメなのか!」「もう嫌だ!」などの悔しさや諦めを表す言葉を指すのでしょう。
「カトラリー」とは「食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどの総称」です。
それらは「至福だけを運ぶ」と綴られています。
「お気に入りの」とは「自分に都合の良い、または気に入った」という点を伝えています。
つまり主人公は、自分のお気に入りの方法で都合の良い考えを切り取り、日々を過ごしたいと考えているようです。
確かに負担も苦労も感じないライフスタイルと言えるかもしれません。
しかしそこには向上や進歩はないので、満足感や幸福感もないでしょう。
命の重さ
真理を見ようとしないで
命の重さを量った
揺らめく篝火の中
何をみた
この部分の「命の重さ」というフレーズに注目してみましょう。
今まで時間に関する考察をメインに行ってきました。
ここでは命をメインに考察してみましょう。
私たちは日常生活で、豚や牛また鳥などの肉を食べることがあります。
多くの人は肉を食べる前、あるいは食べながら「肉になる前は、生きてたんだよな」とか「かわいそうだな」などとは考えないでしょう。
記事の前半で紹介したドキュメンタリー映画の中でも屠殺のシーンがあるわけですが、 そうした「真理を見ようとしない」人が多いかもしれません。
たいした意味も考えずに「いただきます」の決まり文句を口にして、「命の重さを量った」つもりでいることがあります。
「篝火(かがりび)」とは「夜間の警護・照明や漁猟などのためにたく火」のことです。
実際の使用方法とは異なるものの、火で肉を焼くときに動物の命への感謝や認識を深めることができると考えました。
MVの主人公も、首無し竜に襲われて初めて「命の大切さや重み」を悟ったのでしょう。
彼のように身を危険にさらして教訓を得るのではなく、毎日の生活の中で命や時間への見方を新たにしていきたいと思います。
そのようにして初めて、今と将来の生き方を吟味することができると感じました。。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「時間」と「命」という2つの要素を考察してみました。
それらに対する感謝や認識を深めることで、今後どう生きるかというテーマとも向き合えると感じたからです。
毎度のことですがEveさんの作品は映画並のスケールがあるので、幾つかの要素に触れるだけで手一杯です(汗)
前作やMVに関する言及が不足している部分も多々あると思います。
気づかれた点を自由にコメントしてくださると幸いです。
これからもEveさんの活動を応援していきたいと思います。
壮大で素敵な作品をありがとうございました。
ここまで記事を読んでくださった皆さんにも感謝します。
ありがとうございました。
こういう考察しているサイト?とか自分みたいな曲の意味があんまりわかんない人にはありがたいです
Eveファンの一人さんコメント有難うございます。
お役に立てて嬉しいです♪
筆者も何日か頭を捻らせてみたものの
把握しかねる部分も多々あります。
お気づきの点がありましたら自由にコメントしてください。
これからもSugar&Salt Musicを宜しく
お願いします!
すげぇ〜ー!
けぇぇんさんコメント有難うございます。
これからもそう言って頂ける記事になるよう
励んでいきます。
なるほど…これでもっとMVのほうも楽しめますね。ありがとうございます…!
雨さんコメント有難うございます。
そう言って頂けて光栄です!
前作「トーキョーゲットー」との比較が少ないので
今後も情報を集めていきます♪
同じEveさんファンと繋がりたいです。
これからもSugar&Salt Musicを宜しく
お願いします!
凄い!!
Eveさんの曲はすごい考えさせられるので考察を書いてくれる人がいて助かります!!
たマゴファンさんコメント有難うございます。
ツイッターやネット上ではまだまだ考察が少ないのが現状です。
お友達やフォロワーさんに本記事を共有して頂けたら幸いです♪
Eveさんファンともっとこのコメント欄で盛り上がりたいですね!
これからもSugar&Salt Musicを宜しく
お願いします!
すごく詳しい考察ありがとうございます!この解釈を元にもう一度曲を聞き直して新たな感情を持って曲を聞き直して見ようとおもいました!それと、MVの最終ら辺に迫り来る首なし竜が少年に迫り来る時にノッポさんが転がっている少年を片手で庇い首なし竜を捕食?しているところはどのようにお考えですか?改めて素晴らしい考察ありがとうございます!
KTR兄貴さんコメント有難うございます。
お褒めの言葉を頂き恐縮です。
記事でもノッポについての言及がありませんでしたね(汗)
登場人物を紹介する部分でも触れましたが、彼は親また保護者のような
存在をイメージしました。
理由として、絵師イラスト説明文で「ノッポさん」はいのち君?のたばこを
取り上げています。
さらに庇うという行動からもそのように言えます。
しかし前半ではいのち君の命をノッポさんが食べているようなシーンがあります。
これは子供の時間がある程度、親に依存していることや血を分け合った存在という
印象を受けました。
これを本記事で盛り込むとかなり複雑になるので割愛しました(汗)
現在の筆者の考察です。
参考にしてくだされば幸いです。
文字化けはアプリで解読すると「いのちの食べ方」になりますね。
eveさんの曲はいつも何か意味があるものが多く
今回もその意味が知りたくてこの考察を拝見させていただきました!
トーキョーゲットーのゴミ箱のところの足跡もよーく見てみたらあったので驚きました!
すごく納得した考察の内容でしたので驚きました!
kenさんコメント有難うございます。
たくさんの意味が散りばめられていますよね♪
ファンの皆さんと一緒に意味という宝をこれからも
掘り進んでいきたいと思います!
お褒めの言葉を頂き光栄です。
同じEveさんファンと繋がりたいです。
これからもSugar&Salt Musicを宜しく
お願いします!
私も曲の意味がいつもあまりわからない人なんですが、映像にも何か考察のヒントが隠れているのではないかと思います。私はエレベーターのシーンが何度が出てくるのが気になります。主人公は上の方へ行こうとしています。しかし、エレベーターの下のボタンを連打されてドアが閉まらず怒ってドアを蹴り壊すシーンや、屋上に上がってからも首無しの龍などによって何度も下に落とされているようにも見えます。これが理想の高さや気持ちの明るさなどの何かを表しているような気がします。また途中ずっとしょっていたバックにナイフで突き立てては、喉仏を割いてというとても印象的なシーンも何かあるはずなのですが自分の頭だけではわかりませんでした。特に食卓におかれたバックが自分の姿のように見えるのも絶対何か伝えたいことがあるようで読み切れません。
ロ-ツェさんコメント有難うございます。
ご指摘頂いた点は筆者も考慮し構想を練ったのですが
脳が思考を停止しましたw
冗談さておきすべての要素を記事にすると3万文字くらいの
ボリュームになりそうだったので幾つか割愛しました。
エレベーターに関しては予告動画で「鬼の面」をつけた人外が
乗っていますよね。
映像にもいくつか映っています。
彼もキーマンになると睨んでいます。
ある考察に龍の頭が理性で身体が本能だとありました。
頭は主人公に具現化し街を彷徨うとの説明です。
自分もバッグの中身をもう1人の自分とした考察では、
動物の部位を自分の臓器などに置き換えたら、命の重みを
量れるだろうというメッセージ性を感じました。
コメントにあった理想の高さや気持ちの明るさも作品では
伝えられていたと筆者も思いますよ。
今後も色々な考察や解釈が生まれていくかと思います。
続編記事が出るかもしれません。
これからもSugar&Salt Musicを宜しく
お願いします!
凄いですね;;;尊敬します。
こんなに作り込んであるとは思っていなかったのが本音です。自分はファンの中じゃちょっと浅すぎるんですが、曲を聴くたびに何かと思う事がありました。
「時間」と「命」っていう要素からできた曲…。
トーキョーゲットーとの繋がりも見えてきてにやける日々です(w)
解説ありがとうございました!
ここで語ってくれた分でもめちゃ十分だけど、もっと語って欲しいですw←
語り続編…期待w!m(_ _)m←(迷惑)
スンマセンッm(__)m
副菜だったりさんコメント有難うございます。
筆者も考察するたびに感度の波が押し寄せています!
本記事では前作と関連させた言及が少ないので
是非、コメントお待ちしております。
また近日、ユーチューブにて「いのちの食べ方」の
考察動画も公開される予定ですのでそちらも
宜しくお願いします。
語れるファンに出会えて嬉しいですよ♪
ホントに最初にアウトサイダーのぱっつんともっちーが何かしていますので、確かめて見てください
0.16で見れます
名無しさんコメント有難うございます。
確かに確認できますね♪
アウトサイダーとの関連も考えてみたいと思います。
0:16秒くらいでぱっつんともっちーがいますよ
この様考察を見てからもう一度見直すと色んなことに気付くことができるのでこれからも頑張ってください
nanasi応援コメント有難うございます!