DREAMS COME TRUE『あなたとトゥラッタッタ♪』歌詞の意味・考察と解説

丸まってる背中に  もらい泣き
恥じだって一緒に  あなたとならトゥラッタッタ♪

飛行機雲ぼんやり眺む  心ここに在らず
年間トータル  もしかしたら 付き合うあたしすごい?

とぼけてる眉毛に  もらい笑い
照れだってなんだって  あなたとならトゥラッタッタ♪

肩が上がる下がる  微妙なあなたの動向を
目の端でいつも気にしてる  あたしは仙人か?

丸まってる背中に  もらい泣き
恥じだって一緒に  あなたとならトゥラッタッタ♪

頑固で面倒で  腹も立つけど
あなたの情熱は あたしの誇りで自慢で覚悟なの

もらい泣き もらい笑い もらい怒り もらいっ恥(ぱ)じ どんと来い!

晴天も曇天も霹靂(へきれき)も さあ あなたとトゥラッタッタ♪

はじめに

2018年11月に発表されたDREAMS COME TRUEの通算53枚目のシングル
『あなたとトゥラッタッタ♪』。

その前にリリースされた楽曲『AGAIN』は2014年にリリースされており、
シングルとしては4年ぶりの発表となりました。

またNHK連続テレビ小説『まんぷく』のために書き下ろされたシングルです。
DREAMS COME TRUEがNHK連続テレビ小説に楽曲提供するのは1992年の『ひらり』
以来、実に26年ぶりのことです。

『あなたとトゥラッタッタ♪』という歌詞の意味はよく分からないけれど
多幸感のあるタイトルに加えて、ジャケット写真は優しげなイラストに定評のある
イラストレーター、エッセイストの和田誠が担当しています。

NHK連続テレビ小説の主題歌であることも影響してか、外面からすでに
幸せな雰囲気が漂う『あなたとトゥラッタッタ♪』ですが、
果たしてその歌詞はどのような内容なのでしょうか?

今回はDREAMS COME TRUEの『あなたとトゥラッタッタ♪』を特集いたします。

 

歌詞考察

あなたがどんな状態でも

丸まってる背中に  もらい泣き
恥じだって一緒に  あなたとならトゥラッタッタ♪

飛行機雲ぼんやり眺む  心ここに在らず
年間トータル  もししたら 付き合うあたしすごい?

とぼけてる眉毛に  もらい笑い
照れだってなんだって  あなたとならトゥラッタッタ♪

一番歌詞です。

はじめに歌詞構成に関して説明したいのですが、『あなたとトゥラッタッタ♪』は
J-Popの基本構成であるAメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→大サビというような構成では
一切なく、Aメロ→Bメロが繰り返されるという特殊な構成です。

そのせいか一般的には4分弱ほどの長さの曲がJ-Popでは多いですが、
『あなたとトゥラッタッタ♪』は2分半ほどと非常に短いです。

しかし、メッセージの量も少ないかと言うと決してそうでは無く、シンプルながらも
奥深いメッセージが各所に散りばめられています。

2分半という短さでそれほどのメッセージが込められるというのは2018年で
30年のキャリアを誇るDREAMS COME TRUEの作詞能力および作曲力の高さを感じます。

さて、このような特殊な構成を持つ『あなたとトゥラッタッタ♪』ですが
歌い出しは「丸まってる背中に もらい泣き」 というもの。

丸まってる背中というフレーズで連想されるのは泣いている姿や落ち込んでる姿ですね。

この歌詞中でも同様の姿が表現されていると考えられ、そんな姿に
もらい泣きしてしまうと綴られます。
主人公の心優しい性格が表れている歌詞です。

そして続くのは「恥じだって一緒に あなたとならトゥラッタッタ♪」と
そんな落ち込む相手を励ますような歌詞が続きます。

やはり「トゥラッタッタ♪」という歌詞に特に意味は無いようですが、
何か励ますこのとできる心躍らせる言葉を考えた結果の言葉なのでしょう。

確かに口ずさんでみるとなんとなく元気になるような力を持っています。
長々と説明せず、たった一つの造語でそのような気持ちにさせるDREAMS COME TRUE
の力強いメッセージ力を感じます。

が、相手はそれほど励まされることはなかったようです。

「飛行機雲ぼんやり眺む 心ここに在らず」と飛行機雲をただ眺めるだけの日々を
過ごしてしまっている相手の姿が描写されます。

恐らく思いつきではなく、色々と熟考した上で「あなたとならトゥラッタッタ♪」
と言ったのだと思いますが、相手には理解してもらえなかったようです。

しかし、主人公はへこたれません。
「年間トータル もしかしたら 付き合うあたしすごい?」
とそんな無気力な相手に付き合う自分に対して賞賛の声を送ります。

主人公が心優しいだけでなく底抜けにポジティブな性格であることがわかりますね。

そして「とぼけてる眉毛に もらい笑い」と相手のふとした瞬間の仕草を楽しむ余裕
すらあるようです。

最終的には「照れだってなんだって あなたとならトゥラッタッタ♪」
と何があろうと相手と楽しんで過ごしてこうと思いを新たにするのです。

もらい泣き、もらい笑い、もらい怒り・・・思いを相手とシンクロさせて

肩が上がる下がる  微妙なあなたの動向を
目の端でいつも気にしてる  あたしは仙人か?

丸まってる背中に  もらい泣き
恥じだって一緒に  あなたとならトゥラッタッタ♪

頑固で面倒で  腹も立つけど
あなたの情熱は あたしの誇りで自慢で覚悟なの

もらい泣き もらい笑い もらい怒り もらいっ恥(ぱ)じ どんと来い!

晴天も曇天も霹靂(へきれき)も さあ あなたとトゥラッタッタ♪

二番歌詞です。

先述しましたが、『あなたとトゥラッタッタ♪』は明確にAメロやBメロサビなどが
存在しない楽曲。この二番というのも便宜上です。

さて、歌詞考察に戻るとまず綴られるのは「肩が上がる下がる 微妙なあなたの動向を
目の端でいつも気にしてる あたしは仙人か?」という歌詞。

相手のことを常に気にしていて、ちょっとの変化でも見逃さないという
主人公の深い愛が綴られています。

それに対して、「あたしは仙人か?」と自嘲するのです。
「どれだけ相手のことが好きなんだよ!」と自分を省みた際に思ったというわけですね。
世にも幸せな自嘲と言えるのではないでしょうか。

そして「丸まってる背中に もらい泣き
恥じだって一緒に あなたとならトゥラッタッタ♪」という
一番の歌詞と同じ内容が登場します。

これは相手がどんな状態にあろうとも見守るということを強調したかった
ために同様の歌詞を再掲したのではないでしょうか。

続く歌詞は「頑固で面倒で 腹も立つけど あなたの情熱は あたしの誇りで自慢で覚悟なの」
というもの。

一番歌詞から更に相手のことが克明に描かれ、相手の性格が頑固で面倒であることがわかります。

と、ここまでの歌詞を読んであることに気づきます。
それは『あなたとトゥラッタッタ♪』で描かれる主人公と相手との関係が
主題歌であるNHK連続テレビ小説『まんぷく』に見事にリンクしているということです。

『まんぷく』の主人公はインスタントラーメンを開発した日清食品の創始者である
安藤百福とその妻の仁子を中心に、戦前戦後の激動の日本を生き抜いた
人々の姿を描いた物語です。

そして安藤百福は戦時中に手がけた事業が国に目をつけられ拷問を受けた
ものの、決して自白はしなかったという頑固さを持ち合わせています。

そして加えて安藤仁子はそんな安藤百福を支え、その支えのおかげで
安藤百福は日清食品を立ち上げ、日本有数の経営者として大成したのです。

このような安藤夫婦から着想を得て『あなたとトゥラッタッタ♪』を
作詞したのではないかと考えられます。

そしてこれまで綴られたもらい泣きやもらい笑いに加えて
「もらい泣き もらい笑い もらい怒り もらいっ恥(ぱ)じ どんと来い!」
と相手とどんな感情も共有すると力強く語るのです。

最後には「晴天も曇天も霹靂(へきれき)も さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
ともはや口ずさむだけで幸せになれそうな「トゥラッタッタ♪」という
キーワードを用いて『あなたとトゥラッタッタ♪』は幕を閉じるのです。

終わりに

NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』の主題歌として起用された『あなたとトゥラッタッタ♪』。

歌詞を考察してみると主人公と相手は『まんぷく』のモデルとなった安藤百福と
安藤仁子そのものであることがわかりました。
この二人は戦前戦後の力強く生き抜いた夫婦。

そんな二人をモデルにするとあればともすれば重いメッセージ性を帯びた歌詞に
なりそうなものです。

しかし、DREAMS COME TRUEはあえてそう言った表現は用いず
「あなたとならトゥラッタッタ♪」という非常に軽妙で、だからこそ意味深く
感じる歌詞を『まんぷく』の主題歌に用いたのです。

また、歌詞構成を一般的なAメロ→Bメロ→サビというような構成でないことも
『あなたとトゥラッタッタ♪』の特徴です。

あえてこのような構成にしたのは「あなたとならトゥラッタッタ♪」という
キャッチーな歌詞を繰り返し繰り返し用いるためではないかと推察されます。

が、このような意図が見えるにしても定型的な構成にあえてしないという
DREAMS COME TRUEの意欲さには感心してしまいますね。

実に30年のキャリアを誇るにも関わらずこういったチャレンジをしている
DREAMS COME TRUEの姿には多くのリスナーおよびアーティストが
刺激を受けることでしょう。

このような歌詞だけでなく構成も含めて非常に興味深い作品である
『あなたとトゥラッタッタ♪』。

ぜひこのような観点からも楽しんでみてください。

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