DECO*27『スクランブル交際』歌詞の意味を考察・解釈

勿体無いじゃない バイバイはないわ もっとスクランブル 
結構無理じゃない? 無い愛数えて ちょっと苦しくなる

全然笑えない Night 内緒話ずっと聞きたくなる 
絶対有り得ない=大体有り得る きっと僕らリアル

もうこんなんなってどうしてくれんの 
なら試しに嫌ってみる?

バカになってどうぞ まともな中毒性 
今はインスタントラブがしたい したいよ 
「好きになって順序踏んで」 なんて、ねえどうせ 
愛に囚われたまま 傷付け合ってサヨナラすんじゃん

それならいっそ 歪んだ方が正解じゃん 
今も消えないほど痛い 痛いの 
壊れるほどに 求めた正当性 
次も誰かのために 欲(ホンネ)隠して愛(ウソ)を突くんだ

「嫉妬してって言っといたじゃん」

勿体無いじゃない バイバイはないわ もっとスクランブル 
結構無理じゃない? 無い愛数えて ちょっと苦しくなる

へえ、まあまあいいじゃんか 
四つ打つ出会いの衝動 
もっともっとちょうだい 
ねえもっともっとちょうだい

へえ、まあまあいいじゃんか 
裏打つ別れの衝動 
もっともっとちょうだい 
ねえもっともっとちょうだい

妄想なんとかって歌みたく 曖昧こそ好きってなる

バカになってどうぞ まともな中毒性 
今はインスタントラブがしたい したいよ 
「好きになって順序踏んで」 なんて、ねえどうせ 
愛に囚われたまま 傷付け合ってサヨナラすんじゃん

それならいっそ 歪んだ方が正解じゃん 
今も消えないほど痛い 痛いの 
壊れるほどに 求めた正当性 
次も誰かのために 欲(ホンネ)隠して愛(ウソ)を突くんだ

それでもあなたを愛したことだけが 
消えてくれやしない しないよ 
いつになって誰を愛したとて 
僕の心の中で 進化するんだ 息をするんだ

「じっとしてって言っといたじゃん」


はじめに

『スクランブル交際』とは2019年3月22日にネット上で公開された楽曲です。
人気ボカロPのDECO*27待望の新曲が遂に登場しました。
動画再生回数は数日足らずでミリオン達成となり今作も大人気となりました。

今作の題材は複数の入り混じった「交際」となっており考察もかなり複雑にな
りそうです(紐解いてわかりやすくするのが考察だろ)

今回は一人の主人公コーヘイと呼ばれる男性が主体となって展開されます。
MVではコーヘイが学生から社会人まで手広く交際している様子が描かれて
いました。

その中でも忘れられない、あるいは束縛となっている過去の純恋愛に苦しむ
やりとりなどが非常にリアルでどのシーンからも目が離せません。

スクランブル交際の信号が青に変わったようなのでさっそく考察に進んでい
きましょう。

タイトル『スクランブル交際』とは

「スクランブル」とは「ごちゃ混ぜにする」という意味を
持つ英単語です。
スクランブル交差点という言葉で日常耳にする機会も多い
と思われます。

本来そうした状況下では多くの人々が入り混じり、その中
で個人が特別に尊重されたり際立ったりすることはありま
せん。

しかし今作では複数の偽りの愛が入り乱れる中で純愛が尊
ばれ特別にされている演出が見られています。
主人公にとってある女性との純愛が忘れられず、そのため
に複数の恋愛に身を委ね誤魔化しているようです。


『スクランブル交際』歌詞の意味

どんなタイプも「君」という型に合わない

勿体無いじゃない バイバイはないわ もっとスクランブル 
結構無理じゃない? 無い愛数えて ちょっと苦しくなる

全然笑えない Night 内緒話ずっと聞きたくなる 
絶対有り得ない=大体有り得る きっと僕らリアル

まずMVの登場人物を整理し把握しておきたいと思います。

主人公(男):コーヘイ
ヤヨイ(女):元カノ第一号(純愛)
ナミカ(女):女子高生
リョウコ(女):社会人(OL?)
キイ(女):バンドのボーカル

これは主人公が携帯でメールリストを閲覧しているシーン
から把握することができるので押さえておきましょう。

上記から理解できる通りコーヘイはこれまでに4回の恋愛を
経験してきたようです。

歌詞冒頭の「勿体ないじゃない バイバイはないわ」とは
主人公の倫理観に反した思考を表現しているようです。
新しい交際相手が出来ても前の彼女をリストに残しておき
「バイバイ」つまり決別はしないのです。

それでも自分関心を向けてくれる複数の彼女のメッセージ
を見返しても「そこに自分の愛」がないことを知って苦痛
を感じ始めます。

付き合っているナミカが主人公に「そんなの絶対ありえな
い」と何気ない会話の中で述べたのでしょうか。
さまざまな経験をしてきた彼はこの世にありえないことは
なく大体ありえるのだと悟っていました。

価値観や見方の違いにとまどいナミカの手を自ら話してそ
の場を去ってしまいます(決別ではないように思えます)

子供ではダメなのかと思い今度は社会人であるリョウコと
交際し始めました。
それでも主人公はリョウコとも分かり合えず彼女からビン
タの痛烈な一撃をもらい相手から振られてしまいます。

ビンタをもらうくらいですから、彼の自由気ままな恋愛癖
を知って「浮気」という判定になり激怒したのでしょう。
当然と言えば当然の反応ですが。

今作の主人公は歪んだ見方や奇行癖があるという設定に筆
者は思えます。
一つは先ほどから論じている複数恋愛を良しとする点、も
う一つは続く考察の中で詳しく述べたいと思います。

いずれにせよ主人公はいろいろなタイプの女性と交際を試
みましたが一番大事に想っていたヤヨイとの純愛とぴった
り結合するような愛を見つけることはできませんでした。

ヤヨイがなぜ一番大事に想っていたと言えるかについては
彼のメールリストを見ると理解できます。
ヤヨイだけ★マークつまりお気に入りになっているからで
す。

複数の女性たちの中で唯一そのような設定になっている点
から彼が今も彼女を特別な存在として思っていることを容
易に理解することができます。


歪曲理論―薄汚れた正当性

バカになってどうぞ まともな中毒性 
今はインスタントラブがしたい したいよ 
「好きになって順序踏んで」 なんて、ねえどうせ 
愛に囚われたまま 傷付け合ってサヨナラすんじゃん

それならいっそ 歪んだ方が正解じゃん 
今も消えないほど痛い 痛いの 
壊れるほどに 求めた正当性 
次も誰かのために 欲(ホンネ)隠して愛(ウソ)を突くんだ

MVからわかる通りヤヨイの顔に白い布がかけられ
ているシーンがありました。
そして二つの仲よさげに寄り添う花の片方が萎れて
しまうシーンも見られました。

上記2点からヤヨイがすでに亡くなっているという
事実、そしてそれを忘れられない主人公という解釈
が得られると思います。

恐らくヤヨイの死別から主人公の持つ倫理観に反し
た歪曲された理論が展開されていったのでしょう。

「インスタントラブ」つまり手軽にできる交際を指
しているのでしょう。
「好きになって順序踏んで」という純愛の手順をヤ
ヨイとの交際の時は踏んでいました。

それでもヤヨイ以外の彼女とそうした手順を丁寧に
踏むのはたいへん馬鹿らしく、結局ヤヨイを振りき
れない自分は他者を傷つけるのだと考えます。

それならいっそ何も考えずに遊びの恋を重ねて、暗
い過去を拭い去るほうが良いと結論します。
これは主人公が歪んだ倫理観の海から救い上げた薄
汚れた正当性だったのです。

続く歌詞はたいへん興味深い点となっています。
欲を本音、愛を嘘と表現している点です。

本来であれば真逆のように感じますが、主人公に
とってヤヨイが一番大事であり純粋だったという
思いが本音でした。

それでも他者に愛を向けることで自分に嘘をつい
ていくという関係性です。
完結に述べると「ヤヨイでなければという欲の本
音を嘘の愛で隠ぺいする」ということです。

現れる光の君と闇の性癖

それでもあなたを愛したことだけが 
消えてくれやしない しないよ 
いつになって誰を愛したとて 
僕の心の中で 進化するんだ 息をするんだ

「じっとしてって言っといたじゃん」

主人公はある時、道端で路上ライブのチラシを
拾います。
関心を持ったのか彼はすぐにその場所へと足を
運びました。

観客は数人といったところから彼女はまだ人気
のない新人バンドなのでしょう。
冒頭でリストにて紹介したボーカルのキイです。

キイは自分のライブを見に来てくれた主人公に
関心を示し連絡を取り合うようになります。
しかし彼女でさえも彼の気持ちの空白を埋める
ことはできませんでした。

そしてある時、主人公の目の前に死んだはずの
ヤヨイが光の如く姿を現します。
彼に触れようとするヤヨイ、主人公は焦りを顔
に浮かべながら身をかわします。

それでもヤヨイは彼に近づき優しくキスします。
感動的な再会ですが、次の彼の行動ですべてが
凍りつきます。

彼女の首を絞め「出ていけ」と言わんばかりに
叫び出します。
彼女は涙を流しながら恐らく「さよなら」を口
にして光の彼方に消えていきます。

この行為と「じっとしてって言っといたじゃん」
というフレーズから主人公に奇行壁、具体的に
は危険な性癖があるように感じました。

基本的に彼は人に好かれ優しいのですが、一緒に
いる相手が親しい間柄になるとサディスト的な暴
力を加える癖があるのかもしれません。

この解釈で考察を進めていくと「じっとしてって
言っといたじゃん」がとても恐ろしい台詞に聞こ
えてきます。

彼に殴られる彼女が必死にもがいているのを見て
この台詞を述べたと仮定するのであれば、彼は恐
ろしい性癖の持ち主ということになります。

この点を裏付けるものとして上記フレーズを述べ
た時の彼の口元が悪そうに笑っており彼の顔が、
さながらコナンの犯人のシルエットのように黒く
なっていた点にあります。

いずれにせよ闇のようにどす黒いものを自分の内
に宿しながら純愛を求めていくことに主人公も矛
盾を感じていることでしょう。

彼はまだまだ複雑に絡み合ってごちゃ混ぜになっ
たスクランブル交際の中に身を潜めるようです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
MVの絵と音楽性とは対照的にリアルで不気味な
内容に筆者は思えました。

自分と合うタイプの異性を求めてさまよう内容の
歌詞もたくさんありましたが、そうしたものに歪
曲のエッセンスを加えたのが今作だと思います。

アダルト&ダークな歌詞に構成されていましたが
考察の仕方によってどれだけでも動きがある構成
になっていると思います。

DECO*27 さんの今後の活動と次回作に期待した
いと思います。