DECO*27『愛迷エレジー』歌詞の意味を考察・解釈~右往左往する愛が辿り着く先には~

「どうやら泣きすぎたみたい」とキミは笑う
どうにも笑えない。 こうにも笑えないよ。
たぶん、裏たぶん アタシのとある言葉のせい
いや、気のせい? …脳の味噌も呆れてます。
そろそろ助けようか 恐怖も引き連れてさ
雑巾絞るように 勇気もアレしちゃおう
だけどさ怖いんだよ ガタがアシアシだよ
フラフラで そのまま堕ちる
溺れるのが怖かったの エラ呼吸など出来ないから
キミが立てる その波紋に 揺られ酔って 逃げようと足掻いてた
なんとか逃げ出して 無音で「ごめん」を言う
「これで大満足」 言い訳はこれにしよう
一歩、また一歩と キミから離れるたび
泡のように浮かぶ 二人の淡い笑顔
やっぱ助けるよ 逃げないから アタシの息あげる
そう、相対のチュー 会いたいです。二つの息で〇〇
さて飛び込むよ んで飲み込むよ その悲しみ全て
さあ息を止めて ついでに二人の時も止めて(笑)
溢れるなら 零れるなら このアタシが その涙を
飲み干そうか そうしようか 水太りは 気にしないけど
塩辛いのは ちと辛(つら)いな だってアタシ 甘党だし
だからキミの 甘い愛が また欲しいから 目を覚まして欲しいな
泳ぐエレジー

はじめに

2010年12月15日リリース『愛迷エレジー』に収録されている楽曲です。
オリジナルボーカルはmarinaさんでしたがベストアルバム発売に合わせて
初音ミクでセルフカヴァーされました。

2018年12月15日に『愛迷エレジー』で21曲目のミリオン達成を飾り
DECO*27さんのミリオン記録を更新しました。

DECO*27さんは男女の非常に現実味を帯びた恋愛を会話口調で表現した
歌詞と軽快なギターとハイテンポを組み合わせて爽快なサウンドが特徴です。
特筆すべきは現在投稿した全ての曲がミリオン達成している点です。
まさにボカロ界の覇者と呼べるのではないでしょうか。

そんなDECO*27さんが生み出した21曲目の名曲『愛迷エレジー』は
どんな曲なのでしょうか。

MVでは二人の若い男女が描かれています。
MVや歌詞で主人公となっているのは女性の方です。

彼女と彼氏だと思われる男性はお互いの会話のやりとりで
動揺や混乱、不安など多くの感情に悩まされていきます。

さらにDECO*27さんのその他の曲から解釈に様々な要素が
加わっていきます。
今回はやや複雑な構成となっていきますがご了承ください。

お互いへの愛が彷徨いだし右往左往していきます。
二人の迷い出た愛の行方を歌詞から読み解いていきましょう。

タイトル『愛迷エレジー』とは

「愛迷」は造語で文字通り愛が迷い出すことを指しているのでしょう。
「エレジー」とは悲歌や哀歌を意味しています。

以上2つの意味をまとめると愛が迷い出す悲しい歌となります。

今では広く知られることとなりましたがDECO*27さんの曲は
複数の曲が関連し合い一つの物語を形成していると噂になっています。
DECO*27さん本人から確認を得ている情報ではないので確証はありません。

しかしいくつかのMVや歌詞を比較考察してみると
一人の女性が主人公となって一連の出来事が起きていること、
彼女の内面の感情や行動に一種の成長があることに気がつきます。

そのような要素を組み入れながらも今回考えたいタイトルである
『愛迷エレジー』を考察・解釈していきたいと思います。

ではどんな出来事が二人の愛を迷わせる結果になったのでしょうか。
そして右往左往する二人の愛はどこに辿り着くのでしょうか。
『愛迷エレジー』の歌詞を考察し愛の行方をご一緒に追ってみましょう。

『愛迷エレジー』歌詞の意味

二重人格な彼女と悲嘆する彼氏~そして~

「どうやら泣きすぎたみたい」とキミは笑う
どうにも笑えない。 こうにも笑えないよ。
たぶん、裏たぶん アタシのとある言葉のせい
いや、気のせい? …脳の味噌も呆れてます。
DECO*27さんのこれまでの楽曲である
「弱虫モンブラン」「モザイクロール」「二息歩行」
などから主人公の彼女には二つの人格があることが
理解できます。
一つは弱気な自分でもう一つは強気な自分です。『愛迷エレジー』のMVは彼氏と思われる人物と
繋いだ手を話すシーンから開始されます。これまでの楽曲を比較考察するに主人公の彼女と
彼氏と思われる男性との間に「子供」が産まれたと
読み解きます。
彼女はまだ年若いので不安に襲われ「堕胎」を
口にしたのでしょう。これを聞いた彼氏は悲しくて泣きだします。
そのあと「どうやら泣きすぎたみたい」だと
笑ってその場を和めようとします。

この時に彼氏の彼女への愛が迷い出したのでしょう。

そうさせたのは自分の本心であるいは
もうひとつの裏の人格が言わせた「堕胎」の言葉の
せいだと彼女は考えます。

脳味噌は呆れてものが言えないほどに思考を停止し
慰めまたは励ましの言葉が浮び上がることはありませんでした。

まだ見ぬ小さな生命の光~生と死の狭間で~

そろそろ助けようか 恐怖も引き連れてさ
雑巾絞るように 勇気もアレしちゃおう
だけどさ怖いんだよ ガタがアシアシだよ
フラフラで そのまま堕ちる

女性は周囲の反対や出産の恐怖を引き連れて
お腹の子供を救うことを考え始めます。
彼女は自分の中の勇気を雑巾のように振り絞り
総動員させました。やはり非人道的な行為に彼女の倫理観が強く
反応したのかもしれません。
それでもこれから先のことを考えると恐怖に包まれ
足は震え出し彼女の足取りはおぼつかなくなって
いきました。
そうこうしているうちにまた消極的な考えへと
堕ちていくのでした。
彼女のお腹の子供と彼氏への愛が迷い出したのです。
MVで表わされている彼氏と思わせる男性は
所々でお腹の子供を描写しているようにも
考えられます。
水の中=お腹の中という構図です。

正当化し現実逃避の日々

溺れるのが怖かったの エラ呼吸など出来ないから
キミが立てる その波紋に 揺られ酔って 逃げようと足掻いてた
なんとか逃げ出して 無音で「ごめん」を言う
「これで大満足」 言い訳はこれにしよう
一歩、また一歩と キミから離れるたび
泡のように浮かぶ 二人の淡い笑顔
「溺れるのが怖かったの」とは彼女が
お腹の中にいる子供にまで考えが達しなかった
ということと思われます。自分は「エラ呼吸など出来ない」普通の人間だから
不安に負けて子供のことを十分に考えれなかったこと
を認めています。
お腹の中で子供が蹴るなどして「波紋」をたてるだけで
満足していたことを恥じているように感じます。出産に目をつぶっていた自分、色々な理由をつけて
現実から逃げていた自分に気づきます。
それでも彼女は勇気が出ません。彼女はお腹の子供に無言で「ごめん」とつぶやきます。
謝ったからいいよね、今の確かに聞こえたよね、
そんな身勝手な言い訳を彼女は考えつきます。そうして出産から一歩また一歩と遠のいていく自分が
いました。
そんな時に自分の脳裏には自分と自分が抱きかかえている
子供の笑顔が浮かんできます。同時に彼女のお腹の子供への、そして悲嘆している彼氏への
愛がまた迷い出していきました。

様々なものが重なり合っていく瞬間

やっぱ助けるよ 逃げないから アタシの息あげる
そう、相対のチュー 会いたいです。二つの息で〇〇
さて飛び込むよ んで飲み込むよ その悲しみ全て
さあ息を止めて ついでに二人の時も止めて(笑)

時間が流れ彼女は思い直して出産を決意します。
「アタシの息あげる」つまり自分の命にかけて
お腹の中の子供を助けることに決めました。「相対のチュー」は非常に多くの意味を含んでいると
読み解きます。

まず一つ目は産まれてきた子供に会って口づけしたい、です。二つ目に悲嘆して去って行った彼氏に会って口づけしたい、です。

三つ目に自分自身のもう一つの人格にも「出産」という
結論に合意して欲しいという点です。

彼女は連なる決意を胸に出産へと踏み出します。
それに伴う様々な障害や困難も飲み込む決意でいます。

「二人の時も止めて」とは自分とお腹の子供との時間に
集中する心構えを示しているようです。
(笑)と付け加えられているのは気恥ずかしさが
入り混じっているのかもしれません。

愛を求めて酸いも甘いも受け入れる

溢れるなら 零れるなら このアタシが その涙を
飲み干そうか そうしようか 水太りは 気にしないけど
塩辛いのは ちと辛(つら)いな だってアタシ 甘党だし
だからキミの 甘い愛が また欲しいから 目を覚まして欲しいな

泳ぐエレジー

ここで悲嘆して去って行った彼氏のことも
気がかりになります。彼が流す涙とその訳を彼女は全身で受け入れる
覚悟を決めたようです。「水太りは気にしない」とは相手の悲しみの涙を
今では受け入れられることを示しています。「塩辛いのはちと辛いな だってアタシ 甘党だし」とは
周囲の反対や厳しい意見には一人で対処できないという
意味だと解釈できます。

この点はDECO*27さんの別の曲『弱虫モンブラン』と
比較して考察すると理解できます。
確かに彼女は成長していますが弱い部分はまだ弱いまま
なのです。

自分の弱い部分を彼氏の愛で補って貰おうと
彼のもとに走ります。

「だからキミの 甘い愛が また欲しいから 目を覚まして欲しいな」
このフレーズには多くの意味が複合されている気がします。

まず一つ目に彼氏の愛が欲しいという意味です。
二つ目にお腹の子供からの愛が欲しくて出産して
子供の目を覚まさせるという意味です。
三つ目にもう一人の人格に目を覚ましてもらい
自分のためになることを言ってもらいたいという意味です。

DECO*27さんの別の曲『モザイクロール』のMVでも
もう一人の人格と対立し合った後に彼女を助けようとして
必死になるシーンがありました。

歌詞は「泳ぐエレジー」という言葉で締めくくられています。
困難や逆境という波や色々な感情の波の中を
主人公である彼女が必死に泳いでもがいているようです。

一時は彼氏とお腹の子供への愛が別の場所へと彷徨いましたが
最後にはしっかりと二人のもとへ到着したものと思われます。

しかし彼女は外見も中身も未だ未完成です。
この先の人生でも彼女の愛は迷うことでしょう。
彼女の愛が迷子になる時また悲しい歌が流れるのでしょう。

まとめ

今まで一途に愛していた人でも一つの出来事で
愛しているのかまたは愛しつづけていいのか
わからなくなる時が誰にでもあるかもしれません。
そんなときに誰かに頼りたいという思いと
頼れないという思いがぶつかり合うのもまた真実です。
リアルな純情や葛藤を表わすまさに奥深い歌詞ではないでしょうか。
少々考察の仕方によってはディープな内容になっていますが
現実問題としてそういったことが身近に起きていることもまた真実です。DECO*27さんの今後のリリース曲でさらなるストーリー展開が
見られるのか、そもそも一連のストーリーを意図しているのかは
定かではありません。それでも多くのファンが自分なりの考察や解釈を持ち
期待と夢を膨らませていることに違いはありません。DECO*27さんの今後の活躍とミリオン達成記録の
更新に目が離せませんね。

 

 

コメントを残す