DECO*27『サイコグラム』歌詞の意味を考察・解釈

初めては決まっていたの
触れたから染まってるでしょ?
開いた口から顔を出す
甘い甘いサイコグラム

「僕には見せないその顔は何ですか?」
ほらチクッとしましょ
「諦めて仲良くするのはいつですか?」
ほらチクッとしましょ

汚い言葉だらけだ
僕は呑み込まれてしまったんだ
わかるよわかるよ だってそうだ
そもそも愛は足りてるの

ねえ君が好きだよ
素敵すぎて 渡したくない
ねえ僕じゃないならば 誰を選ぶんだい?
ほら怖くないよ
例え話、もしも話
答えられないのなら 君は要らないや

重いほどビビッと来るの
キツくほら縛ってくれよ
お残しはダメよ ちゃんと食べて
甘い甘いサイコグラム

「すぐに返事してよ ねえ今どこですか?」
ほらチクッとしましょ
「嘘憑きはキスでお祓いしてあげましょう」
ほらチクッとしましょ

「ごめんなさい」はいいからさ
君は変わらずに笑っていて
心配させないで ツラいさよならは
二度と来ないんだ

ねえ君が好きだよ
二人きりを 夢見てたの
もう逃げたりしないで 僕が守るから
邪魔する形は
ひとつひとつ おもちゃにしよう
すべては君のため 誰も要らないや

ねえ君が好きだよ
素敵すぎて 渡したくない
ねえ僕じゃないならば 誰を選ぶんだい?
ほら怖くないよ
例え話、もしも話
答えられないんだよね? 君は汚いや

ほら怖くないよ
もう離さないよ


はじめに

『サイコグラム』とは2019年8月7日にプレミア公開された楽曲です。
翌日8日にフルサイズMVが公開され多くのファンの間で注目されました。
動画再生回数は公開から僅か1日で40万近い再生回数となり、コメント欄は
実に3,000以上のメッセージで埋め尽くされていました。

前作『人質交換』から1か月という短いスパンで登場した今作ですがDECO*27
さんのどんな創意工夫が見られているのでしょうか。
MVの内容に少し触れてみたいと思います。

今回のMVでは下記の登場人物が物語を展開していきます。

・赤髪の青年
・青髪の少女
・影で表現される人たち

最初に申し上げておきたい点が今作終盤では際どい展開になりダークな作品
に仕上がっています。

筆者の考察をざっくりと述べると、赤髪の青年は青髪の少女の家に監禁されて
いるのだと思います。
窓は木の板で封鎖されており外には出られないようになっています。

青髪の少女は幼い頃に周囲の人たち、もしくは両親から虐待を受けていたもの
と思います。
その代償として精神が非常に歪みメンヘラと化したように見受けられます。

影で表現される人たちは青髪の少女を虐待した人たち、もしくは赤髪が心配に
なった両親を指すのかもしれません。

詳しい物語の展開や登場人物とのやりとりは続く考察で扱っていきます。

タイトル『サイコグラム』とは

『サイコグラム』とは「精神図」であり人の心を測定してグラフ化する
「サイコグラフ」に類似していると思われます。

また今作においては青髪の少女の「精神が著しく病んでいる」もしくは
「猟奇的な」部分を考慮し「サイコパス」のような感覚で「サイコ」を
使用しているように感じます。

MV序盤でも少女は影で示される人たちに危害を加え、そして終盤には
赤髪の青年にまで危害を加えていきます。
それを悔やむこともなく悍ましい笑みを浮かべる彼女には、上記の意味
合いがふさわしいと言わざるを得ません。


『サイコグラム』歌詞の意味

アナタを初めて見た時から

初めては決まっていたの
触れたから染まってるでしょ?
開いた口から顔を出す
甘い甘いサイコグラム

MVを見る限り青髪の少女は影で表現される人たち、
例えば両親から虐待を受けていたようです。
彼女の精神はその時から大きく歪み彼女の中で危険
な要素をはらんでいきました。

初めは好きの感情で埋め尽くされた甘い甘いサイコ
グラム、つまり恋愛感情に満たされた精神でした。
青髪の少女は学生時代の赤髪の青年を一目見たとき
から猛烈に好きになりました。

虐待され愛情を知らない渇いた心に水が注がれたこ
とでしょう。
救われたと実感したに違いありません。

彼をどういう仕方で自室に運んできたのかはわかり
ません。
眠らせるなどして運び込んだか、部屋になんらかの
仕方で呼びつけたのかもしれません。

しかし歌詞を見る限り、彼女は彼に触れたときには
彼一色に染まっていきました。


知らないことへの嫌悪感

「僕には見せないその顔は何ですか?」
ほらチクッとしましょ
「諦めて仲良くするのはいつですか?」
ほらチクッとしましょ

汚い言葉だらけだ
僕は呑み込まれてしまったんだ
わかるよわかるよ だってそうだ
そもそも愛は足りてるの

今作においては「僕」が青髪の少女で「君」が赤髪の青年
を表現しています。

この歌詞は非常に悍ましくサイコ要素が強いと思います。
彼女は彼が自分の知らない表情を他人に向けるのが嫌いで
した。
つまりこの時はまだ自宅に返していた時期だったのでしょう。

「諦めて仲良くするのはいつですか?」
とは彼がまだ彼女の言いなりになっていない時期のことを述
べているように思われます。
洗脳しきれていない時期とも言えるかもしれません。

歌詞の合間に「チクッとしましょう」とあるのはなんらかの
洗脳したり思考を鈍らせる注射を彼女が打っていることを理
解できます。

こうしたことを繰り返すうちに彼は彼女の部屋から出られな
くなった、正確には出る気力がなくなったのでしょう。

彼女は歌詞の中で大人たちの汚い言葉が自分の心と精神を汚
した、もしくは歪めたのだと指摘しています。

過度の承認欲求―目を覚ます衝動

ねえ君が好きだよ
素敵すぎて 渡したくない
ねえ僕じゃないならば 誰を選ぶんだい?
ほら怖くないよ
例え話、もしも話
答えられないのなら 君は要らないや

前述で扱った彼女の「甘い甘いサイコグラム」は
徐々に形を変えていきました。
それは「独占欲」また「承認欲求」です。

彼女は好きで好きでたまらない彼を誰にも渡した
くないと考えました。
そして彼が自分だけを選んでくれるかがとても気
がかりになりました。

そして彼がもし、そうもしも自分を選ばないので
あれば彼はもう用済みという恐ろしい考えにまで
発展していったのです。


完全把握と管理

「すぐに返事してよ ねえ今どこですか?」
ほらチクッとしましょ
「嘘憑きはキスでお祓いしてあげましょう」
ほらチクッとしましょ

彼女の神経と精神は日を追うごとに過敏になっていきました。
彼がすぐに返事をしない、それには電話やメールの返事も含まれて
いたと思われますが遅いと心配になってしまうのです。
彼のことはすべて自分が把握していたいのです。

嘘憑きとお祓いという関連深い言葉を用いて言葉遊びをしています。
この言葉のチョイスから嘘を彼女が非常に悪いものとみていること
とその罰として彼をなんらかの仕方で苦しめている様子を想像する
ことができます。

この間も彼の思考や行動に影響を注射を繰り返しているところから
彼女が彼を自分の管理下に置きたいことが把握できます。

影と人形が示すもの

ねえ君が好きだよ
二人きりを 夢見てたの
もう逃げたりしないで 僕が守るから
邪魔する形は
ひとつひとつ おもちゃにしよう
すべては君のため 誰も要らないや

MVの最初から気になっていた点ですがしばしば「人形」
の描写が目についたと思います。
筆者の解釈では人形は彼女に危害を加えられた大人たち
であると思います。

まずはじめに彼女は自宅で両親に手をかけたのでしょう。
そして彼がドアを開いたときに、やってきた影たちをこ
とごとくおもちゃに変えたのは彼女でした。

「おもちゃにしよう」とは「自分の意のままになる」も
しくは「動かなくなる」ことを示しています。
つまり影で表現される大人たちはすべて彼女の手で、、、

彼女はすべて彼のためと称して猟奇的な行動を正当化し
ています。


これでずっと一緒だね

答えられないんだよね? 君は汚いや

ほら怖くないよ
もう離さないよ

今作のMVでは中盤まではハッピーエンドと錯覚してしまう
内容構成になっていました。
彼女が彼を悪い大人たちから守っているという構図だから
です。

しかし終盤には大どんでん返しが待ち受けていました。
危険な衝動を隠してきた彼女が遂に本性を表します。

彼は物言えぬ状態まで薬物中毒にされたのでしょうか。
彼女の「自分だけを好きでいてくれる?」という問い
かけに答えることができませんでした。

彼女は答えられない彼の心は汚いとののしり最後の手段
に出ました。
彼を包丁で刺してしまったのです。
そして流れる彼の血でハートマークを描き二人で寝ました。

彼女は彼に優しく呟きます。
「ほら怖くないよ もう離さないよ」
そして彼女は深い眠りに、彼は永遠の眠りにつきます。

彼女は歪んだ幸せを両手に抱きしめながらこう言います。
「これでずっと一緒だね」

まとめ

いかがだったでしょうか。
全開のタイトルもなかなか強烈でしたが、
今回はもう夏の季節に合わせたサイコホラーでしたね。

実際に歪んだ形の愛を実現してしまった事件もあります
ね。
こんな仕方で愛されたくないと心から願った筆者がいる
のでした(汗)

今作に登場した青髪の少女に共感した方がいるでしょう
か。
もしいたとしたら純粋で誠実な仕方で相手に愛を伝えて
欲しいと心から願います(汗 汗)

それでも辛い状況の中でなんとか愛を育もうとしたその
姿を実にドラマティックに描いていたと思います。
DECO*27さんの今後の活動と次回作に期待し注目してい
きたいと思います。