DAOKO『はじめましての気持ちを』歌詞の意味を考察・解釈

想い出になって弾ける泡になって 消えないように
あなたの瞳を 覚えていたいから
じっと見つめ ピント合わせ 答え合わせ
熱帯びた言葉 飲み込む

とめどない想いは 部屋中に散らかり
鮮やかな夢を見させる
こどもじゃないから 言い訳はしたくない
甘やかす空想ふけって

数センチの距離で 伝わる温度感
今はただひとりひとり あなた どんなきもち

想い出になって弾ける泡になって 消えないように
あなたの瞳を 覚えていたいから
じっと見つめ ピント合わせ 答え合わせ
熱帯びた言葉 飲み込む

家に帰ってもあなたの声が私の中に鳴り響く日常
心情 きっとあなたとの日々をふっと思い出させてくれるように
正直こんなふうに 落ちていることに
驚きな調子 本気 脳裏に焼き付く描写
放課後 教室 オレンジの夕日が

数センチの距離で 沸騰しそうだわ
祈り明かした夜が明けたら ああ

静まり返った部屋が変だな
天から見放されたみたいだから
逆さの雨 こみ上げる “さみしい”
誰にも届く訳ない嘆き
毎日同じような夢を見たり
他に希望と呼べる光はない
無理だと好きだの狭間で数奇な結末
予想する欠落

想い出になって弾ける泡になって 消えないように
あなたの瞳の色に透かされる
じっと見つめ ピント合わせ 答え合わせ
熱帯びた唇噛んだ

想い出になって弾ける泡になって 消せやしない
あなたが居たから彩る日常
絶対私は忘れない
夜に咲く恋模様と
はじめましての気持ちを

はじめに

『はじめましての気持ちを』とは2019年9月4日に先行配信され同年9月30日にネ
ット上で動画フル公開された楽曲です。
映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』挿入歌となっていま
す。

同年9月4日に配信リリースが開始され多くのファンの間で話題になりました。
原作ファンも9月6日上映される映画と今作に注目したくさんコメントをしてい
ましたね。

動画再生回数は公開から2日で20万と上々の伸びを見せています。

さて今作の作曲・編曲を手掛けるのは神山羊さんです。
神山さん自身もアーティストとして人気を集めており、楽曲作成においても
高い技術と熱意を感じます。

今作には漫画タッチで描かれた一人の少女が登場してきます。
イラストレーター・ふせでぃさんの共感を呼ぶタッチが魅力的でしたね。

MVでは上記の少女が渋谷の街を彷徨い歩きます。
様々なものを見て変わる表情と染まっていく街並みが演出されていました。

曲調は歌&ラップで構成され非常にDAOKOさんらしい楽曲だと思いました。
ミドルテンポで進行しながらも、どこか心にゆとりを感じる癒しが見え隠れ
していました。

今作の歌詞についてDAOKOさん、映画の四宮かぐや役である橋本環奈さん、
映画プロデューサーの平野 隆氏からコメントが寄せられていました。
それぞれ考察の動かせない基盤となる点に触れていましたので注目です。

DAOKO コメント

「はじめましての気持ちを」は、かぐやの気持ちをイメージして歌詞を書き
ました。 特に、原作・映画どちらにおいてもすごく印象的で心にグッとく
るエピソードである花火大会のシーンの、“ドキドキの空間”にいるかぐやの
気持ちをすごく考えました。歌う時もかぐやの気持ちを考え、歌詞をなぞる
ように歌いました。「かぐや様は告らせたい」の作品の一部として、彩りと
なると良いなと思います。

橋本環奈  コメント

「はじめましての気持ちを」は、作品の重要なエピソードでもある花火大会
のシーンに本当にピッタリでした。歌詞の中にある「数センチの距離」とい
うワードは、かぐやと白銀の距離感や空気感が見事に表現されていて、嬉し
かったです。
DAOKOさんの楽曲も加わって、本当に素敵で感動的なシーンになったの
で、ぜひスクリーンで味わっていただきたいです。

◆平野隆プロデューサー コメント

「心臓の音がうるさくて、もう花火の音は聞こえない」 これは原作コミッ
クス5巻のかぐやの台詞ですが、私はそのシーンを目にした瞬間、実写化し
たいと熱く思いました。原作は、副題にあるように、天才たちが織りなす恋
愛頭脳戦というコメディですが、このシーンで一気にラブの花火が打ち上が
ります。 脚本制作の段階でこのシーンには絶対挿入歌を入れようと思って
いました。気が強いけれど実は少女のような繊細さを持つかぐやの気持ちを
表現できて、若者たちの心に突き刺さるアーティスト…それはDAOKOさん
しかいない、とも思いました。 DAOKOさんにもすぐに快諾いただき、出来
上がった曲を初めて映像に当て込んだ時、涙するスタッフもいました
かつてこれほど素晴らしい花火のシーンがあっただろうかと思います。幻想
的な曲と歌声をありがとうDAOKOさん!

上記コメントの中で欠かせない点はやはりDAOKOさんの「かぐやの気持ちをイ
メージして歌詞を書きました。」という点でしょう。

さらに「特に、原作・映画どちらにおいてもすごく印象的で心にグッとく
るエピソードである花火大会のシーンの、“ドキドキの空間”にいるかぐやの
気持ちをすごく考えました。」
という部分も汲み取って考察したいと感じまし
た。

続いて橋本環奈さんのコメントからは「数センチの距離」というワードが、四宮
かぐやと白銀御行の距離感や空気感を表現する重要キーワードであると理解できますね。
考察でも触れていきます。

さらに平野隆氏のコメントからは 「心臓の音がうるさくて、もう花火の音は聞
こえない」
という原作の台詞が実写化に繋がる重要なフレーズであるという点が
理解できました。

そしてその部分で実際に今作が挿入されている点から、「花火」のシーンが中心
軸になるのだと解釈しました。

3人のコメントから考察に役立つ重要な手がかりを得られたと思います。
それではさっそく気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『はじめましての気持ちを』とは

前述で触れたように今作は原作・映画ヒロインである四宮かぐやの視点
歌詞が書かれているようです。

彼女は何不自由ない生活をしていました。
しかしそれにはどこか退屈を感じる面が伴ったことでしょう。
そんな時、自分の人生を大きく揺るがす人物が現れたのです。
それが主人公である白銀御行の存在でした。

彼と会ってはじめて感じる気持ちについて歌詞は綴られているように思えます。
彼女は自分の心にひょっこりと現れた気持ちに「はじめまして」と言いたくなっ
たのかもしれませんね。

『はじめましての気持ちを』歌詞の意味

気持ちの充満した部屋で

とめどない想いは 部屋中に散らかり
鮮やかな夢を見させる
こどもじゃないから 言い訳はしたくない
甘やかす空想ふけって

ここで映画の内容に少し触れたいと思います。

原作情報や映画予告でも説明がありましたが、 四宮かぐやは将来を期待された
エリート達が集う私立・秀知院学園に通っていました。
学園の生徒副会長であり文武両道で美貌の持ち主・大財閥の娘というステータス
を持つ彼女には過剰なプライドがあったのです。

上記の点からしても彼女に不足と感じる点はなかったのでしょう。
何でも自分の思い通りになると考えていました。
しかし後に彼女の人生を大きく狂わす人物が現れます。

それが同じ学園の生徒会会長を務め、頭脳明晰・全国模試上位常連の白銀御行で
す。
彼も過剰なプライドがありました。

2人は互いに意識し合いながらも自分に「告らせたい」と考えるようになりま
す。
しかし待てども両者は一歩も動かず目立った進展はありません。
ですからそれぞれ相手に行動させるための「恋トラップ」を仕掛けていきます。

そんなやりとりを繰り返していく過程で2人は本気の恋に堕ちてしまうのでし
た。

さて歌詞に注目してみましょう。

「とめどない想いは 部屋中に散らかり 鮮やかな夢を見させる」とあります。
これは四宮かぐやが白銀御行に想いを寄せていることを示唆しているように思え
ます。

彼女の生まれて初めて感じる想いは「部屋」のあちこちに充満し、寝るときには
彼との良い夢を見させる
のでしょう。

「こどもじゃないから 言い訳はしたくない」とは「自分は彼を好きじゃな
い」と頭から否定しない
という意味だと解釈しました。

0に出来ない距離感

数センチの距離で 伝わる温度感
今はただひとりひとり あなた どんなきもち

ここでは重要キーワードである「数センチの距離」が登場します。
花火のシーンでもそうでしたが、四宮かぐやと白銀御行は互いに近づこうと
努力し、実際すぐ近くまで接近します。
それでもどちらかのプライド、また気持ちが邪魔をして密着できません

特に今回は四宮かぐやのもどかしさを歌詞から感じ取ることができますね。
彼との数センチあいた距離を0に出来ない切なさは耐え難いものだったでしょう。

2人が互いを好きなことに疑う余地はありません。
四宮かぐやの心臓は花火の音が聞こえないほどに鳴り響いていたのです。
彼も同じように感じていたはずでしたが、愛し合うには及ばない憎たらしい
数センチの空間がそこにはあったのです。

忘れない―あなたと花火と気持ち

想い出になって弾ける泡になって 消せやしない
あなたが居たから彩る日常
絶対私は忘れない
夜に咲く恋模様と
はじめましての気持ちを

ここでは四宮かぐやの心情と人生について垣間見ることが
できます。
彼女は何不自由ない生活をしており不足を感じてはいなか
ったでしょう。

それでも人生における満足感や充足感は別だったのかもし
れません。
どこか色気の無い、セピア色した人生だと彼女は感じてい
たことでしょう。

裏付けとなるのは「あなたが居たから彩る日常」というフ
レーズです。

白銀御行の存在が彼女を当惑させ、苛立たせ、そして好き
の気持ちにさせ夢中にさせてきました。
彼女は毎日が楽しくて仕方なかったでしょう。

それでも彼女の家柄、またさまざまな状況は彼と結ばれる
にあたって壁となります。
彼女はそれでも彼を忘れることができません

彼女の胸には確かに今も忘れられないものがありました。
出会ってから自分の夢と人生観を広げたを。
あの日、夜空いっぱいに広がった花火を。
そして自分の心に広がったはじめましての気持ちを。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
初めはなんだか煮え切らない2人でしたが、後半になって
涙流れずにはいられない展開になっていきましたね。

特に彼女の気持ちが胸に流水の如く染み渡るようでした。
恋愛における花火のシーンはやはり最高だなと再認識させ
られましたね。

DAOKOさんのしんみりと、そして自由さも感じる歌声も
たいへん魅力的でしたね。

現実でも2人の距離感を感じもどかしさを感じている方が
いらっしゃるかもしれません。
そうした方すべての距離感が0になる日が来ることを筆者
は心から願っています。

DAOKOさんとそして神山羊さんの今後の活動と次回作に
期待し注目していきたいと思います。

素敵な作品をありがとうございました。

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