cozmez『Where They At』歌詞の意味を考察・解釈

Tell me where they at 端から蹴散らす
Tell me where they at 底辺の生活
与えられなかったモノを奪い取るだけ
どんな運命でも蹴り飛ばして Get Money

Stuck in hood 履いたシューズ
歌うBlues これがTruth
Rap game Make it to the top
こんなクズにも出来るだろ?

Get up,Get up
It’s a stick up, stick up
その首をもらいに 来た来た
今も切れないしがらみは
でも、Microphoneを握れば Killa,Killa

Here we go again 運命のカルマ
でも、いつかこの腕にする Bust down
またKnock outする 1Round
勝つも負けるもお前の判断

Where they at? Where they at? Where they at?
このGameごとShut this down
Where they at? Where they at? Where they at?
そのチェーンごとTake it now
Where they at? Where they at? Where they at?
底辺からto the top
Where they at? Where they at? Where they at?
テッペンまでRising

繰り返しのEveryday
抜け出すためAnything
覆すこの出来レース
生まれつきの激戦区

ここじゃ止まれねぇ これじゃ終われねぇ
成り上がるまで 命がけのGame
後戻りは出来ない One way
刺し違えても掴む One chance

俺らがRun this town
行き止まりの街 またRound&Round
何度超えてきた UP&Down
危険犯すのが安全策

最初から終わってた始まり
失うものなんて何も無い
光なんてないこの街並み
でも隣に兄貴の足並み

Where they at? Where they at? Where they at?
このGameごとShut this down
Where they at? Where they at? Where they at?
そのチェーンごとTake it now
Where they at? Where they at? Where they at?
底辺からto the top
Where they at? Where they at? Where they at?
テッペンまでRising

Where they at, Where they at, Where they at now?
この街からMake it to the top now
Where they at, Where they at, Where they at now?
力づくでMake it to the top now

Where they at? Where they at? Where they at?
このGameごとShut this down
Where they at? Where they at? Where they at?
そのチェーンごとTake it now
Where they at? Where they at? Where they at?
底辺からto the top
Where they at? Where they at? Where they at?
テッペンまでRising

歌詞考察の前に

今回はavex × GCREST “HIPHOPメディアミックスプロジェクト【Paradox Live】のナンバーを紐解いていきたいと思います。

本サイトでは既にParadox Liveの楽曲を考察しています。
世界観などを含む説明は下記の記事で紹介していますのでご覧ください。

-Paradox Live(パラライ)-BAE『BaNG!!!』歌詞の意味を考察・解釈

2019.12.20

さて今回考察するナンバーとユニットの紹介をしていきたいと思います。

『Where They At』とは【Paradox Live】内のユニットであるcozmez(コズメズ)のユニットソングです。

2019年12月20日にネット上で公開されました。
動画再生回数は公開から3週間で150万近くまで上昇し、その後も伸びを見せている人気ナンバーです。

今作の作詞を手掛けるのはソングライターやラッパーなどで有名なGASHIMA from WHITE JAMさんです。

がっしー(またはガッシー)の愛称で親しまれる彼の繊細かつアグレッシブなリリックに注目です。
cozmezの兄弟愛や下剋上の精神を忠実に書き上げています。

作曲・編曲は 【Paradox Live】内のユニット「悪漢奴等」やケツメイシの作曲 を手掛けているS-kit, Sylo GROUND-LINE さんが担当しています。

今作の曲調はどのようなものに仕上がっているでしょうか。

のっけからアッパーなサウンドと波打つビートが興奮を誘います。
筆者の感覚ですがK-POP要素を他ユニットよりも感じました。
ターン数も小節数も洗練されておりハンズアップ必須のラップミュージックです。

筆者が興味深いと思った点は「cozmez」というダウナー系双子ユニットにあえてアッパー系の曲を当てたことです。

「ダウナー系」はアッパーとは対照的であり「暗い気分」また「落ち着いた」要素を含んでいます。
2人の表情や放つオーラからも確実にダウナーでしょう。

それでも歌詞の中で感じる「底辺からのし上がる」という様子を伝えるため「ダウナー系双子ユニット」から「アッパー系の曲」が歌われていると解釈しました。

ではここでユニットとメンバーを紹介していきたいと思います。

【cozmez】―社会を憂うスラム出身ダウナー系双子ユニット―

◆ 矢戸乃上 珂波汰(やとのかみ かなた) CV: 小林裕介 ―世を憎むラッパー。幼少期に大人たちに虐げられてきた。裏稼業とラップの賞金稼ぎで食い繋ぐ。弟のためであれば献身的に尽くす。MCネーム【KANATA】

◆ 矢戸乃上 那由汰(やとのかみ なゆた) CV: 豊永利行―世を憂うラッパー。幼い頃から病弱。自分をずっと守ってくれた兄に絶対の信頼を寄せている。体力がなく雨が苦手。MCネーム【NAYUTA】

兄弟間の信頼や絆の強さをプロフィールからも感じることができますね。
筆者が気になった点は兄と弟で「世」に対する感じ方に差異が生じている点です。

兄の珂波汰は世を「憎む」とあり弟の那由汰は世を「憂う」とあります。

「憎む」とは非常に強い感情であり酷く嫌ったり不快に思うことです。
対して「憂う」とは思い悩んだり心配することです。

筆者が考えるに幼少期から兄は弟を献身的に世話しさまざまな困難から守ってきたのでしょう。

ですから世からもたらされる辛酸を主に舐めたのは兄だと考えられます。
弟はいくらか守られていますから世を憎むまでには至りません。

しかし貧しい状況であることや世が自分たちを守ってくれないことは認識していますから「この先どうなるんだろう」心配することはあるのでしょう。

それではさっそく気になるタイトルや歌詞の考察を始めていきましょう。

タイトル『Where They At』とは

タイトルの『Where They At』とは「彼らはどこに」という意味合いがあります。

歌詞中で何度も叫ばれている重要な部分です。
タイトルが意味する「彼ら」を誰とするかによって考察がガラッと変わるでしょう。

1つの考え方として次の考えが浮かびます。

・自分たちを捨てた両親のことを指す

彼らは孤児であり自分達を捨てた両親を少なからず恨んでいるでしょう。
少なくとも兄は憎しみの感情を今尚もっているに違いありません。

孤児を題材にした物語では「いつか自分を捨てた親を立派になって見返してやる」という考えが多く見られます。
彼らもパラライにおいてNo.1になることでそれを達成しようとしていると考えられます。

しかし次の考え方の方がある歌詞と調和しスムーズに理解できると感じました。

・双子が自分達のことを客観的に述べている

歌い手自身が「彼ら」と述べる場合、自分達のことを客観的に表現しているのだと考えることができます。

なぜこの考え方がスムーズなのかというと次のフレーズに注目したからです。

「そのチェーンごとTake it now」

上記の「チェーン」には2つの意味があると筆者は考えました。

1つには「兄弟の絆」です。

プロフィールや歌詞からも2人の絆が強いことに疑う余地はありません。
「Take it now」とは「今それを持っていく」という意味があります。

大事な兄弟の絆をひっさげてのし上がっていくという意味だと解釈できます。
「チェーン」を「親子の絆」にして考えてもみたのですが、2人の状況からしてそれを大事に持っていたいとは思えませんでした。

さらに「Take it now」を「遠くに持っていく、追いやる」みたく消極的に訳すことはできません。

ですから「兄弟の絆」がスムーズだと考えました。

もう1つの解釈は「兄の身に付けている文字通りのチェーン」を指しているという考え方です。

それはファントメタル含有のラップバトルに必要不可欠な物です。
この考え方も1つめと同じく兄弟に関係するものです。

無論ですがここまでの仮定は「彼ら」に「両親」が当てはまらないという話ではないことをご理解ください。

あくまで筆者が今回は主に「兄弟の絆」、一部に「両親」で考察を進めていくということです。

そのように考えると双子が兄弟の絆を武器に頂点を目指して底辺から這い上がる様子をタイトルから感じることができます。

『Where They At』歌詞の意味

双子の簒奪

Tell me where they at 端から蹴散らす
Tell me where they at 底辺の生活
与えられなかったモノを奪い取るだけ
どんな運命でも蹴り飛ばして Get Money

Stuck in hood 履いたシューズ
歌うBlues これがTruth
Rap game Make it to the top
こんなクズにも出来るだろ?

歌詞冒頭では 双子の弟である那由汰が不足や欠如を感じ、その埋め合わせに周囲から奪うことを心に決めています。

「Tell me where they at」とは「彼らがどこにいるか教えて」という意味です。

ここの部分では「自分達を捨てた両親」にも当てはまりそうです。
「あいつらはどこにいるのか教えろ」と叫び「あいつらがいなくなったせいで俺らはスラムで底辺の生活だ」と不満を述べているように解釈できます。

しかし1フレーズ目に注目してみると「端から蹴散らす」とあります。
この部分を考慮すると「彼ら(双子)はどこへ向かうか教えて」に続いて「手当たり次第、端から蹴散らす」というように繋がります。

「どんな運命でも蹴り飛ばして Get Money」という部分からは双子の考え方が幾らか読み取れます。

「孤児でスラム生活という運命も自分で変えられる」という考えです。
さらに自分はラップの賞金で食い繋いでいますから「金を手にすることが全て」という考えもあるでしょう。

裏稼業をやっている点からも金のためなら手段を選ばず、金以外の名誉なども奪う気でいると考えられます。

続く部分では「hood」「シューズ」「Blues」「Truth」と軽快に4つの韻を踏んで行きます。

彼の身なりや音楽性を示している部分です。
「hood」から彼が実際にフードを被り顔を覆う様子を示唆し「内気」や「引っ込み思案」な面を伝えているようにも解釈できます。

「Rap game Make it to the top」とあるように彼は兄と共に「ラップゲームの頂点」を目指します。

スラム街のハンター

Get up,Get up
It’s a stick up, stick up
その首をもらいに 来た来た
今も切れないしがらみは
でも、Microphoneを握れば Killa,Killa

Here we go again 運命のカルマ
でも、いつかこの腕にする Bust down
またKnock outする 1Round
勝つも負けるもお前の判断

ここでは双子の兄である珂波汰が自分を虐げてきた存在すべてに敵意を向けています。

「Get up,Get up」「stick up, stick up」「来た来た」「Killa,Killa」と弟と同じく4つ韻を踏み足並みを揃えています。
阿吽の呼吸を感じると同時にラップでも弟にしっかり寄り添っていますね。

「今も切れないしがらみ」とは自分を虐げてきた世に対して、また自分たちを捨てた両親に対してのものでしょう。
傷も癒えておらず憎しみの炎が消えていないことも理解できます。

「でも、Microphoneを握れば Killa,Killa」とは「マイク」を手にしてラッパーとして生きている時だけはそうした感情を殺せるという意味だと解釈しました。

続く「運命のカルマ」とは運命がもたらす「業や力」のことでしょう。
それらに必死に抗うことが歌詞の中で伝えられいます。

「お前の判断」とは「自分自身」さらに「弟」に向けられたものでもあると考えました。

人生やラップの勝ち負けを左右するのは「自分の判断力」だということです。
加えて勝利には「弟の力がいる」ことを認識しているのでしょう。

終点から始点へ

俺らがRun this town
行き止まりの街 またRound&Round
何度超えてきた UP&Down
危険犯すのが安全策

最初から終わってた始まり
失うものなんて何も無い
光なんてないこの街並み
でも隣に兄貴の足並み

この部分では双子が交互に自分の思いをぶつけていきます。

「俺らがRun this town」とは「自分達が街を収める」という意味です。
「行き止まりの街」とは「先の見えない行き詰った街の雰囲気」を表現しているのでしょう。

それでも「Round&Round」つまり世界と社会の歯車は回っていくと溜め息交じりに歌っているのでしょう。

興味深いのが「危険犯すのが安全策」というフレーズです。
「危険」と「安全」の矛盾を感じますが彼らの背景や生き方を考慮すると納得がいきます。

彼らは「裏稼業」や「ラップバトルにおけるトラウマのリスク」という危険を背負っています。

しかしそれらによって自分たちは生きることができるのです。
今日を生き抜きラップに生きがいを感じている時こそが彼らの「安全」なのです。

反対に危険を恐れてなにもせずに大人しくするだけでは、世の中から見過ごされ虐げられ結果として身を危険にさらすことになります。

ですから上記のフレーズは「攻撃は最大の防御」という点を強調しているように解釈しました。

そうやって彼らはゼロからスタートし、プラスからスタートした者達を追い抜いて頂点に輝くことを決意しているのでしょう。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
双子ラッパーというだけあって息の合った韻でしたね。

また自身の境遇が他のユニットよりも色濃く出ていた印象でした。
またリリックのワードチョイスから王位簒奪を狙う者、主君の首を狙う武士のような印象を彼らに持ちました。

今後、双子ユニットがどのようにして他ユニットに干渉していくか楽しみです。
これからも兄弟の絆を全面に押し出し作品を期待しています。

素敵な作品をありがとうございました。

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