BLUE ENCOUNT 『ポラリス』歌詞の意味を考察・解釈

あの日「守る」と決めた
約束はこの胸に

全てを失うことで
今 救える命があるのなら
喜んで全部をあげよう
この気持ちが初めての生きがいだ

傷跡はかくさないで
絶望も武器にして
生きると決めたんだよ

精一杯この涙かきわけて
君に全てをあげるから
お願いどうか消えないでくれ
あの日「守る」と決めた
約束はこの胸に

誰かの懸けた命に
今 生かされながら戦ってる
負けることはもう怖くない
勝ちを諦めるのが嫌なんだ

もう絶対逃げたりはしないから
なりたい自分(ボク)で挑みたいだけ
しょうもない綺麗事だとしても
君が笑ってくれりゃいいんだ

“強さ”は何かの上に立つため
在るんじゃない
大切なものを抱きしめるそのために

何もかもを失くしても
きっと 君を忘れない

精一杯この涙かきわけて
君に全てをあげるから
お願いどうか消えないでくれ
あの日「守る」と決めた
約束はこの胸に
消えそうな希望(ヒカリ)だとしても行け

歌詞考察の前に

人気ロックバンド BLUE ENCOUNTより『ポラリス』のMVが2019年11月15日にネット上で公開されました。
同年11月20日にシングルリリースされました。

動画再生回数は公開から2週間で70万を超える人気振りを見せています。

同曲はアニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期オープニングテーマとなっています。

歌詞は主人公・緑谷出久たちが敵<ヴィラン>の手から小さな少女を助けるために立ち向かうストーリーとなる第4期をイメージさせる、“絶対に守る”という強い意志を疾走感のあるメロディーに乗せたロックナンバーとなっています。

上記の点を指し示すフレーズがたくさん散りばめられていました。
動画コメント欄でもワンフレーズごとに「ここはあのシーンなのでは?」「これはあの人の台詞」という予想で盛り上がっていましたね。

しかしネタバレ騒動があったのも事実でありファンの間では残念な空気が流れました。

よって今回はとてつもなくやんわりと考察しネタバレ回避を心がけたいと思います(あえてアニメ要素薄めますのでご承知ください)

今作への思い入れをボーカル&ギターの田邊駿一さんが次のように語っていました。

【田邊駿一(Vo・G) コメント】
たとえ自分の命がすり減ろうとも大切な人の笑顔を守りたい。
この気持ちが芽生えた瞬間に人は誰かのヒーローになるんだと思います。
そんなヒーローたちに向けた応援歌が作れました。バンド史上最も儚く、血の通った曲になったと思います。
アニメの新たなストーリーが始まるにあたり、あなたと共に心を燃やせることを願って。

https://rockinon.com/news/detail/188890  rockinonより

上記コメントから誰でも自己犠牲の精神を抱いた時にヒーローになれることを伝える歌となっているんですね。

バンド史上最も儚く、血の通ったという力強い表現にも期待が高まります。

今作MVのロケ地は北海道の室蘭で撮影されました。
断崖絶壁や吹き荒れる強風がダイナミックな印象を視聴者に与えます。

メンバーの赤で統一された衣装はヒーローに滾る闘志や熱意を描写しているように筆者は感じました(別の意味については後でお話しします)

曲調はハイテンポでテクニカルなロックチューンとなっています。
イントロでは大人しく奏でられたギターリフは、僅か数十秒後に暴れ出します。
何かを叩き割るようなアグレッシブなメロディーがとても痺れました。

それではさっそく気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『ポラリス』とは

タイトル『ポラリス』とは、ラテン語で「極の」を意味する言葉で、近世になってこの星が天の北極に最も近くなったことから名付けられました。

現在では「北極星」として広く認知されています。
美しい光を放つ星であり観察者の多くを魅了してきた星の1つでしょう。
メンバーの赤で統一された衣装は北極星もイメージしているのかもしれません。

サッポロビールのロゴになっている赤い星も北極星を示しています。
ロケ地である北海道と北極星は切っても切れない関係になっており、指標や店など色々なところで関係しています。

北極星は旅人を導く目印にもなってきました。

上記の点を踏まえてBLUE ENCOUNTメンバーのインタビューを見て見ましょう。

田邊:「もっと光を」という曲を書いたときは、その光が何なのかよく分からなかったんですけど、僕の中で「もっと光を」を越える曲ができたからこそ、あの光は「ポラリス」という星だったんだよって、今回言えたかなと思います。

高村:「ポラリス」は、掘り下げようと思えばどれだけでも掘り下げられる曲だと思うんですよ。セットリストの大事な部分に置いて、めちゃくちゃ刺さる曲にもなるだろうし、自分たちの演奏しだいで全然響き方が違う曲になる。わりとストレートな楽曲ではあるけど、かなりやり込まないと、本当の意味では伝わらない気がします。僕らにとっても大事な指標というか、“ポラリス”なんですよね。

http://music.emtg.jp/special/20191114455f68390  EMTG MUSICより

上記コメントでもポラリスを「光」「指標」に関連付けていることがわかりました。

たくさんの意味合いがあるようですが今回の考察では上記の2つを念頭に置きながら執筆していきたいと思います。

『ポラリス』歌詞の意味

約束という指標

あの日「守る」と決めた
約束はこの胸に

本考察では一人の男性主人公を主軸に進めていきたいと思います。
時折、アニメ主人公たちを交えながら併合して考察する部分もあります。

さて歌詞冒頭では主人公が堅い決意をしている様子がうかがえます。

ある時、「守る」と誓ったその約束は彼の胸に宿り、その後の人生の指標となりました。

この約束を守ることが行動理念であり動機であることを理解できます。

また前述でも扱ったように、アニメ主人公・緑谷出久たちが敵<ヴィラン>の手から小さな少女を助けることが「守る」に該当するのでしょう。

尊徳観念を超えた自己犠牲

全てを失うことで
今 救える命があるのなら
喜んで全部をあげよう
この気持ちが初めての生きがいだ

この部分からは主人公が自己犠牲を厭わない性格であることがわかります。
大切な人のためには自分の持つ「全てを失う」ことも覚悟しています。

他人の命を自身の命より優先できるのはなんと貴い考えなのでしょう。
そしてその考えに彼自身「生きがい」を感じています。

この部分はBLUE ENCOUNTの活動に注ぐ意気込みや覚悟とも関連してくると筆者は考えました。

その点と関係のありそうなインタビューもご覧ください。

田邊:そうですね。原動力はやっぱり、生きがいを感じるかどうかだと思うので。今でも寝る間を惜しんでセットリストを考えたり、本当にしんどいんですけど、それでもステージに立って歌うと、気持ちいいー! 今日来て良かったあー! という瞬間があるから、俺たちはやり続けられるのかなって思います。その生きがいを誰かが受け取ったときに、愛だの正義だの言って欲しいんですよね。

http://music.emtg.jp/special/20191114455f68390  EMTG MUSICより

ステージに立ってファンに良いものすべてを捧げるために自身のすべてを犠牲にする彼らの姿勢そのものをフレーズに込めたのだとも解釈できました。

作品と向き合う前に、彼らが全力でみんなのヒーローになろうとしていたのを知ると、感動しますね。

すべてを良いものに

傷跡はかくさないで
絶望も武器にして
生きると決めたんだよ

この部分はたいへん前向きな考え方が示されています。
主人公の男性が負った「傷跡」これには心の傷跡も含まれるのでしょう。
続く部分に「絶望」と続いているからです。

普通であれば隠しておきたいそのような感情も「武器」にしていくと彼は決めていました。

もっと具体的に言えば積極的な見方をするということです。
「これ以上、酷い状況はない。なら今後はこれ以上の酷いことは起こらない」
というような考え方なのでしょう。

アニメの主人公たちも「絶望的」な状況に陥ります。
それはMVの崖っぷちに立たされているような感覚だったのでしょう。
それでも約束を思い出し、ヒーローとして生きることを貫いていきました。

悲嘆、乗り越えて届く思い

精一杯この涙かきわけて
君に全てをあげるから
お願いどうか消えないでくれ

前述から主人公が前向きな考え方ができるとお話ししていました。
それでも彼は悲しみ落胆し時に涙を流すようです。

「精一杯」という言葉が悲しみを乗り越える大変さを伝えています。
しかし彼は悲しみを乗り越えた先に大切な人が待っており、笑顔にできる力を自分が持っていることを確信しています。

アニメ主人公たちも「守る」と決めた人たちのため、涙を飲んで戦い続けます。
守られる側も辛抱が求められ、苦境に耐え続けなければなりません。

ですから自分たちが来るまで「消えないでくれ」つまり心折れないで欲しいと願っています。

希望という光

消えそうな希望(ヒカリ)だとしても行け

ラストでは主人公の心情について述べられています。
彼は「大切な人を守れる」という希望を抱いています。
しかし「消えそうな」という言葉が付随しており不安定さを暗示しています。

主人公を含め私たちはいつでも順風満帆な人生ではないことを知っています。
それでも彼は「行け」と自身を急き立て前進しています。

北極星が輝きを決して失わないように、彼もまた自身に抱いた希望の光を失いません。

周囲の諦めさせようとする行動や言動は彼には届かないでしょう。
彼には尊く気高い覚悟と約束があるからです。

大切な人を守る。

それは夜空に輝く北極星のように彼の人生を照らす指標となっているのです。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今作の歌詞が非常にストレート&スマートであると感じました。

歌詞冒頭で主人公の目的「大切な人を守る」という点がはっきり明記されていました。

しかしどうやって守るのか、その守る過程での困難や苦悩について具体的に細々と綴られたりはしていません。

この点から筆者はヒーローは細かいことを言わないし気にしない確固とした存在なのだと実感しました。

そういう存在になりたいと素直に思ってしまったこと、そして誰でもなれる可能性があることを示唆している歌詞だと感じました。

非情にホットであり血の通った作品に仕上がっていると感じました。
MVを見ながらどこの「岬」なのかを探すのも楽しそうですね。

BLUE ENCOUNTの今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。

熱意ある素敵な作品をありがとうございました。

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