back number『ヒロイン』歌詞の意味と考察〜愛される駄目な僕〜

back_numberヒロイン初回版ジャケット

君の毎日に 僕は似合わないかな
白い空から雪が落ちた
別にいいさと 吐き出したため息が
少し残って 寂しそうに消えた

君の街にも 降っているかな
ああ今隣で

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
それも君がいい

気付けば辺りは ほとんどが白く染まって
散らかってた事 忘れてしまいそう
意外と積もったねと メールを送ろうとして
打ちかけのまま ポケットに入れた

好まれるような
強く優しい僕に 変われないかな

雪が綺麗と笑うのは君がいい
出しかけた答え胸が痛くて
渡し方もどこに捨てればいいかも分からずに
君から見えてる景色に
ただ怯えているんだ

想えばどんな映画を観たって
どんな小説や音楽だって
そのヒロインに重ねてしまうのは君だよ
行ってみたい遠い場所で見たい夜空も
隣に描くのはいつでも

見慣れたはずの 街がこんなにも
馬鹿だなぁ僕は

君の街に白い雪が降った時
君は誰に会いたくなるんだろう
雪が綺麗だねって誰に言いたくなるんだろう
僕は やっぱり僕は

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
全部君がいい

冬に温かく寄り添う『ヒロイン』

『ヒロイン』は、2015年1月に発売され、冬の定番曲になったback numberの代表曲です。

数々の冬の名曲を送り出した、JRSKISKIのCM曲でもあり、50万枚以上を出荷して、長く愛されるヒット曲になりました。

今回は、寒い冬にどこか温かい気持ちにさせてくれる、back numberの代表曲『ヒロイン』の歌詞を考察します。

遠く離れた街の「君」を想う「僕」の後悔と強がり

君の毎日に 僕は似合わないかな
白い空から雪が落ちた
別にいいさと 吐き出したため息が
少し残って 寂しそうに消えた

君の街にも 降っているかな

「君の毎日に 僕は似合わないかな」

白い空から雪が落ちる冬のある日、「僕」はため息とともにつぶやきます。

「別にいいさ」

「僕」は「君」と離れ離れになってしまったことを、後悔しながらも、強がって見せます。

別にいい、大丈夫と。

「君」と離れた理由は、分かりません。入学、就職、あるいは誰か別の男のもとへ、行ったのかもしれません。

この雪は、遠い君の街にも降っているのだろうか? 「僕」は、雪が降っている今、隣にいて欲しいのは「君」だと歌います。

ああ今隣で

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
それも君がいい

遠く離れた「君」に言葉も届けられない「僕」

気付けば辺りは ほとんどが白く染まって
散らかってた事 忘れてしまいそう
意外と積もったねと メールを送ろうとして
打ちかけのまま ポケットに入れた

好まれるような
強く優しい僕に 変われないかな

1番の歌詞で、独りつぶやいていた「僕」は、「君」にメッセージを送ろうとします。

「意外と積もったね」

しかし、「僕」はメールを送ることができません。

優柔不断で、はっきりと決断できない「僕は」、行動を起こそうとして、結局何もできないのです。

そして、何もできずにいる自分を嘆きます。

「好まれるような 強く優しい僕に 変われないかな」

「僕」は迷い続けます。

「君」との関係に答えを出すことへの怯え

雪が綺麗と笑うのは君がいい
出しかけた答え胸が痛くて
渡し方もどこに捨てればいいかも分からずに
君から見えてる景色に
ただ怯えているんだ

「出しかけた答え」とは、何でしょうか?

「もう一度同じ街で暮らす」、それとも「もうすべて終わりにする」。

出しかけた答えは、胸が痛くなるもので、「渡し方」答えを伝えることも、「どこに捨てればいいか」出した答えを考え直すこともできません。

そして、遠く離れた「君」の世界に、怯えていることを吐露します。

でもやはり「僕」の物語のヒロインは「君」!

しかし、次に「僕」はあることを想い、迷いや怯えを乗り越えて、「君」との現実に向き合うきっかけをつかみます。

想えばどんな映画を観たって
どんな小説や音楽だって
そのヒロインに重ねてしまうのは君だよ
行ってみたい遠い場所で見たい夜空も
隣に描くのはいつでも

見慣れたはずの 街がこんなにも
馬鹿だなぁ僕は

「どんな映画を観たって どんな小説や音楽だって」

物語のヒロインに重ねてしまうのは、「君」であることに気付いた「僕」は、自分の物語のヒロインが「君」だと、はっきりと自覚します。

隣に「君」がいれば、「見慣れたはずの 街がこんなにも」美しく輝いて見える。

それに気付かなかったことを、「君」だけを愛している事実から逃げていたことを、「僕」は自嘲します。

「馬鹿だなぁ僕は」

「君」に、いつでも自分のヒロインでいて欲しいことに気付けなかった、自分の馬鹿さ加減に気付いた「僕は」、ようやく前に踏み出そうとします。

答えを見つけた「僕」は前に踏み出せるか…

君の街に白い雪が降った時
君は誰に会いたくなるんだろう
雪が綺麗だねって誰に言いたくなるんだろう
僕は やっぱり僕は

「君」の本心がわからない「僕」は、進もうとしながらも、まだ自分に自信が持てず、考えてしまいます。

白い雪が降った時、「君は誰に会いたくなるんだろう」「誰に言いたくなるんだろう」。

しかし、優柔不断な「僕」は、ついに心を決めます。

「僕は やっぱり僕は」

ここでは歌われないこの言葉に続くのは、「君が好き」「君に隣にいて欲しい」だと考えるのが自然です。

『ヒロイン』の歌詞では、重要で決定的な言葉は、歌われません。

曖昧だけれども、少年っぽい素直な愛情が感じられるところは、back numberの魅力のひとつです。

駄目な「僕」の決心が示す淡い希望

前に向かう決心をした「僕は」最後に歌います。

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
全部君がいい

『ヒロイン』の最後のサビには、最初のサビと違うところが1箇所あります。

「全部君がいい」

最初は、隣にいて欲しいのが誰なのか、「僕」は分かっているのに、はっきり答えをだそうとしませんでした。

しかし、最後に、ついに心を決めて歌います。

どんな時も、隣にいて欲しいヒロインは「全部君」。

「僕」は、まだ実際には行動していませんし、行動できるのかどうかもわかりません。

ただ、最後の言葉からは、将来に向けての淡い希望が感じられます。

優柔不断な、駄目な男の独り言が、愛される名曲になったのは、最後に示された希望があったからでしょう。

駄目な「僕」の精一杯のラブソング『ヒロイン』は、優柔不断な人間の、恋の苦悩と希望を歌って、駄目な「私たち」の共感を呼ぶ名曲になりました。

終わりに〜結婚発表!〜

2018年11月15日、back numberの清水依与吏さんと小島和也さんが、そろって結婚を発表されました。

オフィシャルサイトで清水依与吏さんは、以下のようにコメントを述べられています。

何よりも楽曲を大切にするとゆうこだわりを持って活動してきたバンドマンとして、自分達の私生活を公の場でベラベラ話す事はその美学に反しますし、聴く人に要らぬ先入観を与える事になりかねないので、極力避けてきました。

ですが今回の件で、驚かせてしまったり、気分を害した人がいたらそれはとても悲しいですし、申し訳なく思います。ごめんなさい。
今後はさらに、これまで以上に良い音楽を作って、僕らの楽曲を聴いてくれる人を、そして家族を大切にしていこうと思っています。

バンドとその楽曲のイメージを大切にして、私生活を公にしないという考えは、アーティストとして素晴らしいと思います。

新たなご家族を得た二人が、これからも素晴らしい曲を、私たちに届けてくれることを期待しましょう!

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