androp『koi』歌詞の意味を考察・解釈

物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって
会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように 恋するよ

何もいらない 何もいらないんだよ
君以外は 本当にそう思う
二人並んだ写真にも
写せやしない想いがあるの

終わりまで守ろう 約束をするよ
まだ見えない未来でも

物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって
会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように
目を合わせて そっと笑って
春にほころぶ小さな蕾 夏の暑さに 眩しい光
秋の彩り 冬の冷たさ そんな当たり前が
君となら特別に変わる
ずっと一緒にいてほしい

忘れるなら 忘れるくらいなら
君じゃなくて誰でもいいのに
君の仕草も約束も
くだらないことだって覚えてる

思い描く夢も イメージのシナリオも
いつも 隣にいるのは

君が遠くに行ってしまって
もう会えないとわかっていたって
僕は探すよ 君の姿を
君じゃなければだめなんだ
出会えた頃とまた同じように
恋して 恋して また笑ってよ

物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって
会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように 恋するよ
恋するよ


はじめに

『koi』とは2019年2月26日にネット上で公開された楽曲です。
動画再生回数は一か月経たずして90万を超えミリオンに王手を
かけていおりその人気のほどが伺えます。
映画『九月の恋と出会うまで』主題歌ともなっています。

MVでは学生二人が海でカメラを取り合ったり海ではしゃいだり
と男女の仲良さげな様子を見ることができます。
後半の部分では男性の方がおじいさんになり一枚の写真を懐かし
むように見ているシーンが写しだされます。

筆者の解釈ではおじいさんが学生時代の頃を回想し付き合ってい
た女性との楽しい時間に思いを馳せていたのだと思いました。
その点を裏付けるのはMV最後におじいさんが病室のベッドで回想
を終えたようなシーンがあるからです。

歳を取った自分と写真の中の歳を取らないあの頃のままの女性を
見事に対比させたMVであることが理解できます。
この点は映画タイアップを意識しており映画の内容にも寄せてい
ます。

映画『九月の恋と出会うまで』も「時間軸」が題材になっている
内容であり未来からの声に従った主人公が多くの危機を乗り越え
るという場面があります。

通常ではあり得ない時間の流れの中で沸き起こる感情や伝えたい
思いを歌詞全体の中で忠実に表現されていました。
そんな気になる歌詞をさっそく考察していきましょう。

タイトル『koi』とは

koiは「恋」のことであり、歌詞の内容から読み解くと未
完成のまま終わりを迎えてしまった恋だと理解できます。
完成形であれば一人回想することはなく写真を懐かしげ
に見つめることもないはずだからです。

男性はなんらかの仕方でこの恋を終わらせた、もしくは
外的要因によりこの恋が引き裂かれたと考えて間違いな
さそうです。

回想している時の年齢がかなり高齢のため、自身が戦争
に行かなければならなくなったのか家柄ゆえに分かたれ
た恋なのかもしれません。

タイトルの恋は何十年前に散った淡く儚い恋の花びらで
ありそれを男性が回想という仮定を通して拾い集めてい
く物語だと思いました。


『koi』歌詞の意味

障壁を乗り越えた恋

物語が僕を拒んだって 誰かが運命を定めたって
会いに行くよ どこにだって 探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように 恋するよ

主人公の男性が女性を想う気持ちはとても強い
ものでした。

「物語」つまり誰かが用意したシナリオが二人
を結び合わせないようになっていたとしても、
また「運命」という決して逆らえないように思
えるものに対しても彼の恋を阻めませんでした。

彼と彼女は学生時代を終えた頃に離れ離れにな
ったのでしょう。
もしくは彼女は年齢ゆえか病気かで亡くなって
いる可能性もあります。

それでも彼の気持ちは「どこへでも行く」とい
う決意を表明しており彼女に対する恋の温度が
昔と1℃たりとも変わってはいないことを歌詞
で伝えています。


静止画にはない躍動的な思い

何もいらない 何もいらないんだよ
君以外は 本当にそう思う
二人並んだ写真にも
写せやしない想いがあるの
終わりまで守ろう 約束をするよ
まだ見えない未来でも

彼は決して欲張りな性格ではありませんでした。
年齢を重ねた人生の終盤でも地位や名誉などに
目をくれず、ただ彼女と一緒に居たいと切に願
っていたのです。

いつも大事にしている写真を取り出しては眺め
それを日常の中で何度も繰り返していました。

その度に写真の頃よりも生き生きとした若々し
い愛情を持っていることを確証していました。
彼女がもし目の前に現れてくれるならばこの思
いをすべて打ち明けるつもりでいたのでしょう。

それでも彼女は彼の前に現れてはくれません。
学生時代に二人が交わした約束が胸を締めつけ
てきます。

「まだ見えない未来」とは二人が結ばれて一生
涯寄り添うことを指しているように思います。

「恋のレンズ」は被写体を美しくする

春にほころぶ小さな蕾 夏の暑さに 眩しい光
秋の彩り 冬の冷たさ そんな当たり前が
君となら特別に変わる
ずっと一緒にいてほしい

恋愛をすると何気ない景色でもいつもとは違って
見えたり感じたりするものです。
MVでも登場するカメラもレンズを変えることによ
ってさまざまな写真を撮ることができますね。

同様に「恋のレンズ」とも呼べるものを通してみる
世界は一味違った魅力溢れるシーンになります。

春の蕾や秋の紅葉なども女性側が「綺麗だね」と言
って男性側がはじめて美しさに気づき関心を払った
りするかもしれません。

また夏の暑さや冬の寒さは相手と一緒に忍び合うと
きには一人で我慢するときと違って感じるのも事実
だと思います。

主人公の男性もそうした当たり前のような感覚を回
想し懐かしんでいるように見受けられます。
彼女とのかけがえのない時間をもう一度味わいたい
と心から願ったことでしょう。


叶わぬ恋に手を振れず

君が遠くに行ってしまって
もう会えないとわかっていたって
僕は探すよ 君の姿を
君じゃなければだめなんだ
出会えた頃とまた同じように
恋して 恋して また笑ってよ


前述では主人公が彼女となんらかの原因で逢う
ことができない点に触れました。
この部分の歌詞ではそれが確定づけられており
再会の可能性がないことを示唆しています。

それでも主人公は叶わぬ恋に「さよなら」の意
味を込めて手を振ることができませんでした。

高齢になって自分の命を含めてなにかが「終わ
る」というのはとても悲しいことだと思えたの
でしょう。

年齢に関係なく人は不変的なものにすがって生
きていたいという欲求があります。
それは年齢を重ねていくと強くなっていくとい
う話をよく耳にしますね。

主人公の男性は今日も写真を片手に恋をし続け
ています。
彼の顔はシワだらけで体力も衰えています。

それでも彼の彼女を想う気持ち、つまり恋の気
持ちだけは決して衰えることはありません。

まとめ

高齢になっても初恋を大事に胸の内におさめて
何度も取り出す美しさを見ることができました。

現代では恋愛の数を誇ったり深い恋愛をしない
傾向にあるようですね。
物が豊かになって新しいものを短く使う時代の
風潮が恋愛にも影響しているかのようです。

人を想う気持ちや「恋」の重さや深さを鮮明に
伝えてくれた歌詞だったと思います。

筆者も自分の恋にシワができないように注意し
たいと思いました(汗)

andropさんの今後の活動と次回作に期待し注目
していきたいと思います。