あいみょん『夢追いベンガル』歌詞の意味を考察・解釈

裏切ったはずのあいつが笑ってて
裏切られた自分がこんなに不幸だ
ああ なんて 無様で皮肉なんだ

セックスばっかのお前らなんかより
愛情求め生きてきてんのに
ああ 今日も愛されない

だいたい普通でいたいはずなのに
普通より上を求めちまうしさぁ
まあ、なんか たまには 自分に優しく

今日も貯金通帳は白いカモメだな
適当にどっか飛んでっていいんだぜ
ああ 今日も愛されない

ありったけの水をちょうだい
白いカモメは海へ飛べ
デジタルも流行りもいらないよ
エロも今はいらない

走る 走る 遠くの方へ体を投げ捨てて
回る回る 平和も闇もとりあえず横に流せ
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい

どうせ暇だからあと5分寝かせて
セックスピストルズ の目覚ましがうるせー
ああ なんか 目の奥に虫がいるな

ああ 史上最強の馬鹿になった気分だ
なんとでも言って笑ってくれてもいい
そうだ そうやって 燃やしてくれ

欲しかったアレはもういらない
丸焦げになれカモメ
ベンガルを味方にいざ行こう
気力は無駄にあるぜ

走る 走る 遠くの方へこの脚振り上げて
回る回る 目が回るくらい この日々駆け抜けて
明日になって 朝が来た時
見えるものはなんだろう

平成うまれのカリスマが
溢れる世の中についてけない
噂のバンドも気にならない
今自分はどうかしてんのかな

ありったけの水をちょうだい
白いカモメは海へ飛べ
デジタルも流行りもいらないよ
エロも今はいらない

走る 走る 遠くの方へ体を投げ捨てて
回る回る 平和も闇もとりあえず横に流せ
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい
今の自分がどうかしていたって
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい

はじめに

『夢追いベンガル』とは2019年2月12日にネット上で公開された楽曲です。
動画投稿から5時間で動画再生回数3万、夜には6万回と飛躍的な伸びを記録
しています。

MVでは全国10都市11公演を駆け巡った「AIMYON TOUR 2018 -HONEY LADY BABY-」に密着しており総密着時間85時間に及んでMVが完成されました。
ライブ、バックステージ、移動中と様々なアングルからあいみょんとファンを切り取りその全貌を作品に仕上げています。

ユーチューブコメント欄にもあいみょんさんご自身のコメントが以下のように記載されていたので紹介します。

若いうちの自分を、よし、閉じ込めてやったぞ! という気持ちです。映像の中に閉じ込めました。 みんなも一緒に閉じ込めました。 誰も出られないし老けないし死なないです。 永遠はもちろんきっとないんですが、一期一会だったツアーの瞬間瞬間をテープにカメラに焼き付けられて嬉しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=ViG28OU9crI ―youtubuコメント欄より

コメント通りMVでは若さ全開のあいみょんさんがパワフルに活動している様子
を観察することができます。
同時にファンや関係者も映像中に閉じ込めており「みんなで一つの記念作品」と
いう印象を受けました。

それではさっそく『夢追いベンガル』の歌詞考察をしていきましょう。

タイトル『夢追いベンガル』とは

「ベンガル」とは猫の品種の一つです。
性格は甘えん坊で活動的という特徴を持っています。
筆者はベンガルと聞くと真っ先に「ベンガルドラ」を連想して
しまいますがあいみょんにはトラよりネコの印象が近いですね。

ベンガル(猫)は高い所に上るのを好むようです。
同時にストレスに弱く長期的にストレス状態にさらされると
攻撃的になったりすることも観察されているようです。

上記の点を踏まえると歌詞中に登場する主人公はベンガル(猫)
のように基本的には甘えん坊ですが「裏切り」というストレスに
さらされてから周囲の人々に対して攻撃的な性格を表してしまう
ようです。

また人生経験を通してあたかも「高い所」に上って人々や社会を
見下ろしているようなモノの見方をしているようにも感じます。

『夢追いベンガル』歌詞の意味

努力の報われない理不尽な世界

裏切ったはずのあいつが笑ってて
裏切られた自分がこんなに不幸だ
ああ なんて 無様で皮肉なんだ

セックスばっかのお前らなんかより
愛情求め生きてきてんのに
ああ 今日も愛されない


今回の考察では一人の主人公である「女性」を主体に
考えて解釈していきたいと思います。

彼女は友達あるいは彼氏に裏切られて辛い経験をした
のでしょう。
しかし自分を裏切った人物が高笑いをして幸福そうで
裏切られた自分がなぜか不幸に見えました。

加害者と被害者の結末に理不尽さを感じた彼女は自分
の住む世界を冷めた目で見つめ溜め息をつきます。
努力が全く報われない自分自身がとても無様に見えて
「自業自得」と皮肉を言いたくなります。

ここでの「セックス」とは「愛のない遊び感覚の性関係」
を指して用いられている表現でしょう。
自分は性関係を目的としているのではなく「純粋な愛」を
求めているのにそれが得られないでいます。

ずいぶんとこの「純粋な愛」を色々な人に求めてきました
が彼女は「今日も愛されない」と吐き捨て落胆します。

「もっと」を求める自分がいる

だいたい普通でいたいはずなのに
普通より上を求めちまうしさぁ
まあ、なんか たまには 自分に優しく

今日も貯金通帳は白いカモメだな
適当にどっか飛んでっていいんだぜ
ああ 今日も愛されない

彼女は普段は目立たず波風立てずという立ち回り
なのでしょう。
甘えん坊な彼女は一番にはなりたくないのです。

それでも「普通より上」つまり現状維持では満足
できない性格の一面も兼ね備えているようです。
そのような欲求というリクエストに応えようとす
る時にはいつでも自分に厳しくなってしまいます。

彼女は無理をさせている自分に「たまには優しく」
したいと思いました。

自分か誰かのために費やした貯金通帳の残高を見る
と「白いカモメ」のように預金が飛んで行っている
ことに気がつきました。

それでも彼女は金が貯まっていかないことに無関心
のようです。
それよりも愛が自分に溜まっていかないことに関心
がありその点をずっと嘆いています。

最先端より自由という翼

ありったけの水をちょうだい
白いカモメは海へ飛べ
デジタルも流行りもいらないよ
エロも今はいらない

走る 走る 遠くの方へ体を投げ捨てて
回る回る 平和も闇もとりあえず横に流せ
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい

様々なことに落胆する彼女は「ありったけの水」
を欲しています。

これは続くカモメの観点から考察すると「自由に
行き来できるフィールド」を描写しているように
読み取れます。

カモメのように「ありったけの水」でできた「海」
の上を自由に羽ばたくことを願い求めているのです。

現代では「デジタル」化や「流行り」また「性描写」
のニーズが優先される時代となっています。
しかし彼女はそうしたものすべてに価値を見いだせず
一切の興味を示しません。

MVがあえてアナログ画質で収められているのは「デジ
タル」を受け入れない彼女の心情に合わせたように感じ
ました。

続く歌詞で彼女の無我夢中の努力を垣間見ることができ
ます。
「走る 回る」まさに彼女は今を走り回って生きており
あれこれ考えずに自分らしさを表現しようとしています。

この身、白い灰と化しても

ああ 史上最強の馬鹿になった気分だ
なんとでも言って笑ってくれてもいい
そうだ そうやって 燃やしてくれ

欲しかったアレはもういらない
丸焦げになれカモメ
ベンガルを味方にいざ行こう
気力は無駄にあるぜ

「史上最強の馬鹿」と自分を評していることから
彼女は思考停止の無我夢中の生き方が賢い歩み方
ではないことを自覚しているようです。

周囲から見てもこの生き方は嘲笑の的になるには
十分であることも彼女は悟っているのです。
それでも気分はハイで心地よささえ感じています。
生き方が否定されると彼女の熱意は燃え上がります。

「欲しかったアレ」とは歌詞冒頭で欲していた「愛」
のことでしょう。
今の彼女は愛がなくても周囲からの否定で燃え上がる
ことができそれが生きる原動力となっているのです。

ここでは「ベンガル」が他者のような仕方で扱われて
います。
これは彼女の「ベンガル」の性質の一面である活動的
という部分を味方にするというふうに読み取れます。

その点が続く「気力だけは無駄にあるぜ」という部分
が裏付けているように思えたからです。
彼女は気力尽きるまで、たとえ自分の身が灰になって
もハイな自分でいることを決意しているのです。

今を駆ける彼女の勢いは留まるところをしりません。
もしも勢いが足を止めるようなことがあるならば、
彼女が独りでは生きられないことに気がついてしまい
「純粋な愛」に巡り合ったときなのでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
J-POP女性アーティストとしてみると歌詞フレーズが
幾分過激なように感じられます。
不満や性表現がパンクの要素を含んでいるようですね。

それでもすべてに対して包み隠さずストレートな表現を
用いてくれるあいみょんさんをファンは支持しているの
だと思います。

比較的若いアーティストがこれだけ社会に対して物申せ
るというのが斬新であり貴重な存在になっているのでし
ょうか。

あいみょんさんの次回作と今後の活動にも注目し期待し
ています。



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