あいみょん『貴方解剖純愛歌~死ね~』歌詞の意味・考察と解釈

『貴方解剖純愛歌~死ね~』

あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ

あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ

あなたの両目をくり抜いて 私のポッケに入れたなら

あなたの最後の記憶が 私であるはずよね

 

逃がさないよ 離さないよ 私だけのあなたになるの

今すぐ部屋においで

 

ねえ? どうしてそばに来てくれないの

死ね。 私を好きじゃないのならば

 

あなたの心臓をえぐりとって 私のネックレスにしたなら

私が眠るその時まで あなたを感じられる

 

どこに行くの 行かせないよ 私だけが隣にいたいの

いいから部屋においで

 

ねえ? どうして私から逃げ出すの

死ね。あなたを愛しているのに

 

誰にもあげない 触れさせやしない

あなたがもしも他の人と手を繋いでるのを見たら

指を喰いちぎるわ

足を引き裂き 歩かせやしない

唇を縫い 私だけのキスを味わえばいいの

 

ねえ?私はどこかおかしいですか

好きすぎて あなたが欲しすぎて

 

ねえ? どうしてそばに来てくれないの

死ね。私を好きじゃないのならば

あいみょんさんの『貴方解剖純愛歌~死ね~』

なかなかに刺激的かつ猟奇的タイトルの楽曲ですね。

この楽曲は2015年3月4日にタワーレコード限定で発売されたデビューインディーズシングルです。

いきなりタイトルに「死ね」とは驚きですが、軽快な曲調とともに歌詞をじっくりと聴けば、あいみょんさんの世界がどんどん広がっていきます。

では、ゆりはるなが『貴方解剖純愛歌~死ね~』の歌詞世界を考察してみたいと思います!

タイトル『貴方解剖純愛歌~死ね~』の意味・テーマ

放送できないような歌詞がたくさん登場するこの楽曲。

刺激的なタイトル。

「純愛歌」なのに「死ね」「解剖」

とても矛盾しています。

この矛盾が、歌の主人公である「私」、そして愛する「あなた」との感情の熱量が全く違う、ということを示します。

そして、「私」が語らない、知られざるストーリーを、聞く人々それぞれに想像できるタイトルになっています。

歌詞の考察

存在の有無を疑う愛

あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ

あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ

あなたの両目をくり抜いて 私のポッケに入れたなら

あなたの最後の記憶が 私であるはずよね

さて、いきなりの恐ろしい場面。

こんなことが本当に起こってしまったらと思うと、怖すぎますね。

「私」の妄想の中で、惨劇が繰り返されます。

冒頭から、とんでもなく強い独占欲が表現されますが、そこには相手の心情は一切語られません。

だからこその疑問が起こります。

そもそも、この「私」と「あなた」は恋人同士なのか?

タイトルにある「純愛」について、主人公である「私」の独善的な言葉しか出てこないのです。

「私」と「あなた」の人間的なコミュニケーションは、既に存在していないのかもしれません。

行ってはいけないその部屋

逃がさないよ 離さないよ 私だけのあなたになるの

今すぐ部屋においで

コミュニケーションの破綻した二人。

一体どうやって「私」は「あなた」を自分だけのものにすることができるのでしょうか?

またしても一方的な「純愛」。

私があなたのものになる、ではなく、あなたが私のものになる。

思わず「あなた」に「私」の部屋には絶対行ってはダメだ!と忠告したくなります。

それは「好き」なのか?「純愛」に憑かれてしまったのか

ねえ? どうしてそばに来てくれないの

死ね。 私を好きじゃないのならば

軽快でスピード感あふれるロックなバックに乗せて、「私」の本音がさく裂
します。

「私」にとって、好き、恋、愛などがひずみ、壊れていきます。

それは、相手に好かれていないからではなく、「私」が自分の信じる愛し方(と呼んでしまうのも疑問ですが
)を「純愛」と称して自分にも相手にも押し付けてしまっているのです。

脈打たぬ心臓から何を感じようというのか

あなたの心臓をえぐりとって 私のネックレスにしたなら

私が眠るその時まで あなたを感じられる

冒頭の歌詞から続く、猟奇的な「私」の独占欲。

この通りになれば、「あなた」の心臓は永遠に脈打つことはなくなるでしょう。

現代の阿部定事件ではないですが。

この歌詞でも、相手とのコミュニケーションや繋がりなど一描かれません。

いっそ、そんなものはないと言っても過言ではありません。

繋がりの破綻に気が付かないふり

どこに行くの 行かせないよ 私だけが隣にいたいの

いいから部屋においで

信頼関係のない姿が描かれます。

誰とどこにいようと、互いに愛情や心理的繋がりがあれば、こんな束縛をする必要はありません。

愛の実在を疑わせる独白と叫び

ねえ? どうして私から逃げ出すの

死ね。あなたを愛しているのに

逃げ出す、と言うよりは、既にもう会いたくもない!と思われているのかもしれませんね。

それとも、実はただの知り合いなのか。

あるいは、毎日通勤電車で見かけるだけの人なのか。

相手が自分に何をしたのか、自分が相手に何をしたのか。

今がどういう関係なのか。状況が何もかも歌詞に描かれません。

愛している、逃げ出す、と叫ぶけれど、実在の二人の姿はどこにも顕れません。

その愛?の血の海の中

誰にもあげない 触れさせやしない

あなたがもしも他の人と手を繋いでるのを見たら

指を喰いちぎるわ

足を引き裂き 歩かせやしない

唇を縫い 私だけのキスを味わえばいいの

惨たらしい描写が延々と続きます。

しかし残酷なのに、どこか美しさを持つ歌詞でもあります。

「私」の妄想の世界では、彼女は「あなた」の血の海の中で泳いでいるかのようです。

この歌詞にも表わされている通り、全編を通して猟奇的な独占欲や支配欲、束縛したい感情が描かれます。

しかし、「私」が信じる「純愛」への疑問が、この歌詞の行間から読み取ることができます。

本当にそんな残酷な行為をしたいのではなく、「純愛」だからなんでもありでいいんだ、だけど、本当は何かがおかしい

と自分で気が付いている「私」の心が読み取れるのです。

いっそ殺してしまいたいもの

ねえ?私はどこかおかしいですか

好きすぎて あなたが欲しすぎて

 

ねえ? どうしてそばに来てくれないの

死ね。私を好きじゃないのならば

直前で綴られた残酷な描写に、疑問を持つ姿。

好きすぎる、とは言いつつも、相手の意思を尊重できずにいます。

「私」は「あなた」にこの楽曲の歌詞で描かれているような、残酷な言葉を投げつけたことはあるのでしょうか。

これが「純愛」であり肯定されるべき愛の形であると、堂々と主張する勇気をもっているのでしょうか。

そんなものがないから、結局最後には、心の中で「死ね」とつぶやくしか「私」にはできなくなってしまいました。

「死ね」とは誰に言った言葉か。

「あなた」に対してなのか、「私」に対してなのか、「愛」に対してなのか。

なんの答えも出ぬまま、「私」の肯定しようとした純愛は崩れ落ちます。

まとめ

あいみょんさんの『貴方解剖純愛歌~死ね~』はアップテンポで軽快、メロディーがとても耳障りのいい楽曲です。

にも拘らず、びっくりしてしまうような描写に驚かされますが、行間に何が起こっているのか想像してみると、様々なストーリーが浮かび、とても奥深い歌詞になっています。

「純愛」とはなんなのか、この曲を聴いて想像してみるのもとても興味深いことですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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