Aimer 『Torches』歌詞の意味を考察・解釈

It’s just like a burning torch in the storm
Like a little flower blooming in the home
強く確かな意志を掲げ
ときに優しくあればいい

A misty moon
I’m missing you
滲む景色に膝を抱き
胸をはせる時

Listen to me
Cleave your way again
誓いの日々が最後に放つ未来
歪んだ空に描いた手のひら達が 頬を濡らす
You’re not alone
今 灯火を抱け
その闇を抜け

It’s just like a lighthouse in your hands
Like a little flag flapping in the sands
ふいに失くした意味に怯え
道を誤ることはない

A floating moon
You still croon?
揺れる波間に目を凝らし
舵を止める時

Listen to me
Sail away again
未開の海に 海路を照らす願い
繋いだ声は
答えのない世界へと 帆を揺らす
You’re not alone
ただ 荒波を行け
その闇を抜け

輝きを増せ
吹き荒れる風が織りなす雨音は
はるか遠く見えた 大地の唄になる
黄金色に輝く瞼の景色と
やがて来る祝福の日々のため

傷つかずに進むだけの道などなく
傷つくためだけに生まれた者もない
Do good to be good…
You’re not alone
荒波を行け
その闇を抜け
ただ前を向け


はじめに

『Torches』とは2019年7月29日にネット上で公開された楽曲です。
同年8月14日には Aimer 17th singleとなる『Torches』がリリース決定です。
「ヴィンランド・サガ~第五弾アニメ」EDテーマにもなっています。
(アニメのあらすじや詳細は下記のサイトより参考にして下さい)
   
https://jiyuninaru.com/anime/vinlandsaga/(CM)

特筆すべきは動画再生数であり、公開から僅か1週間で200万回を優に超えて
しまいました。

未だ謎多き歌姫Aimerさんですが、これまでにも数多くの映画・アニメ・ドラマ
タイアップ経験があります。
なかでも前作「Fate」シリーズのタイアップは支持率が非常に高く、動画再生も
1,000万を超えるものばかりです。

今作、そしてアニメタイアップについてAimerさんからコメントが寄せられてい
ましたのでご紹介します。

Aimer コメント

原作を読ませていただき、たいまつが照らす夜の海を思いました。
生きることと死ぬこと、トルフィンとトールズそれぞれの想いを考えながら、
自分自身への鼓舞も込めてこの曲をつくりました。
サウンド的にも新たなものに挑戦する機会をいただけたと思っています。
作品と一緒に、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。


https://vinlandsaga.jp/music/  TVアニメ「ヴィンランド・サガ」公式サイトより

上記コメントにあるようにMVでも「たいまつを照らす人々とそれらが夜の海
を照らす」演出が観察できました。
一人の女性は海に流れ着き別の女性がそれを助けるというシーン、それはまさ
に「生きることと死ぬこと」の描写なのだと筆者は感じ取ることができました。

コメントにも出てくる「トルフィンとトールズ」は親子でありながら生き方も考
え方も全く異なる二人です。
対象的な二人のライフストーリーが複雑に絡み合う様を、歌詞の中で巧み表現し
ていました。

そうした点を含めながら気になる歌詞の考察を始めていくことにしましょう。

タイトル『Torches』

『Torches』とは「たいまつ、光、点火棒」などさまざまな意味を持つ
英単語です。

まさにコメントでもあったように「たいまつ」が今作のイメージとして
決定づけられているようですね。
さらに歌詞ではたいまつを掲げることが「意志を掲げる」ことになぞらえ
ていたので、そのような側面もタイトルには含まれるのかと思いました。

基本的には上記の2点を中心軸にして考察を進めていきたいと思います。

たいまつが夜の海を照らす意味とは、そして物語を波乱に導く二人の因果
関係とは。。
続く部分で細かい歌詞の考察をしていきます。


『Torches』歌詞の意味

たいまつ―燃えるような意志

It’s just like a burning torch in the storm
Like a little flower blooming in the home
強く確かな意志を掲げ
ときに優しくあればいい

本考察ではアニメ主人公「トルフィン(男性)」とその父親「トールズ」
に歌詞を重ね合わせて進めていきたいと思います。
(※最低限のネタバレ、アニメサイトでの内容重複を避けるためアニメ
内容は非常にざっくりと端的に説明していますのでご了承下さい)

歌詞冒頭の英語の部分では「嵐の中で燃えるたいまつのようであり
家に咲く小さな花のように」という事が述べられています。

それは幼少期トルフィンに当てはめれば「内柔外剛」になるようにとの
願いであると解釈できます。

トルフィンは幼少期、おどおどしており強気なイメージがありません。
そんな我が子を見て父親「トールズ」が、「身体は強くたくましく 心
は優しく」育つことを願ったのでしょう。

実際にトールズは力強く周囲からは「ヨームの戦鬼」として知られてい
ました。
しかし同時に家族を思いやる優しい気持ちを持ち合わせていたのです。
家族や仲間を守るために自分の命を差し出すことさえ厭いません。

そんな二人のたいまつのように燃えるような意志とはなんだったのでし
ょうか。

父親トールズに関しては当初「戦いにおける最強」だったようです。
しかし戦いの中で「戦いの意味」を問うようになりその意志は徐々に消え
初めていきます。

一方トルフィンは父親の背中を見ていましたから「父親のようになりたい」
という憧れが彼の中で意志の炎となりました。
しかしあることがきっかけとなりこの意志の炎は姿を全く変えていくこと
になります。


意志は抱き駆け抜ける

Listen to me
Cleave your way again
誓いの日々が最後に放つ未来
歪んだ空に描いた手のひら達が 頬を濡らす
You’re not alone
今 灯火を抱け
その闇を抜け

ここで英語の部分では「私の話を聞いて 再びあなたの道を
切り開く」という意味のことが語られています。
これはトルフィンの歩む道を支える者達のセリフでしょう。

さらに続く歌詞では「誓いの日々」とあります。
ではこれは誰の誓いでありどんな性質のものでしょうか。
筆者はトルフィンのある出来事のあとに立てた誓いであり
それが「父親トールズの敵討ち」であると解釈しました。

あらすじや公式サイト程度にざっくりこの点を説明します。

父親トールズはある時、断れない状況下である場所に向かいます。
その旅にこっそりトルフィンが同行してしまいます。
父親はそれに気づいていません。

トールズ一向が目的の場所に到着すると聞いていた話とは全く違
う展開が発生します。
アシェラッド率いるバイキング達がトールズを始末するために待ち
構えていたのです。

トールズは奮闘し優位に立ちますが同行していたトルフィンを人質
に取られてしまいます。
トールズはトルフィンと仲間の無事を約束する代わりに自分の命を
差し出すことを約束します。

父親を目の前で殺されたトルフィンは、この出来事をきっかけに父
親を手に掛けたアシェラッドを「決闘で打ち倒す」という「誓い」を
立てたのです。
長くなりましたがこれが歌詞の誓いであると思われます。

そしてトルフィンの父親の憧れという意志の炎から「敵討ち」という
復讐の炎に変わっていたのでしょう。
彼のこの意志は確かに「抱かれた」、この先どんな濃い闇が訪れよう
とも「駆け抜ける」力を与えてくれるのです。。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はサビの部分や他の部分で「意志」がどのように
働くのかが明確に示されていました。

ある出来事をきっかけに意志が「抱かれ」そして困難
という「闇」を「駆け抜ける」力になります。

今作の歌詞から主人公と父親のように「意志」をしっか
り持って生きる大切さを学ぶことができました。

物語は親子の絡みであると同時に父親の仇との絡みであ
るとも言えます。
非情に重々しい気持ちになる部分もあり、考えさせられ
る部分も多いようです。

そんな壮大な世界観に見合ったスケールの楽曲を提供し
て下さったAimerさんは流石です。

今後の活動と次回作に期待し注目していきたいと思います。