Aimer 『STAND-ALONE』歌詞の意味を考察・解釈

重ねた夢の隙間彷徨う
今もまだ 今もまだ
揺らいだ現実全て捨てて
これはまだ夢の中

生ぬるい夜風と街並み
地下鉄に飲み込まれる
鳴り響く雑踏に溶けて
滲む合図 ネオンライツ

さよならって 君が叫んでる
さよならって 今も叫んでる
間違いだらけでも そのドアを開ければいいと
何も変われないなら
悲しい歌ずっと 歌ってもいいの

STAND-ALONE 歪んだ世界で
STAND-ALONE 描いた世界へ
バイバイ 窓辺に 月明かりも届かない場所
何もかも投げ出して 暗闇に浮かぶ
星になりたい夜 そうでしょう

ふらついた足元指先
目の前も 吐息すら
何もかも本当か嘘か
分からない わかんない

探していたはずの線を
失くしてきたもので描いて
曖昧過ぎたのは 始まりとルールの性能
何も守れないなら
刻んだ名前も 失くしてもいいよ

最初に 君がついた嘘
夜明けは来るよと囁き
泣きたい ほど あの時間こそが幸せだった
星座すら逃げ出して
一人立ち尽くす 星の見えない夜
STAND-ALONE

さよならって 君が叫んでる
さよならって 今も叫んでる
間違いだらけでも そのドアを叩けばいいと
何も変われなくても
悲しい歌ずっと 歌ってもいいと

STAND-ALONE 歪んだ世界で
STAND-ALONE 描いた世界へ
バイバイ 窓辺に 月明かりも届かない場所
何もかも投げ出して 暗闇に浮かぶ
星になりたい夜 そうでしょう


はじめに

『STAND-ALONE』とは2019年5月4日にネット上で公開された楽曲です。
日本テレビ系日曜ドラマ『あなたの番です』主題歌ともなっています。
また明日5月5日にiTunesや他動画サイトで配信を開始します。

これまで多くのドラマまた映画主題歌を手掛けてきたAimerさんの期待の
ナンバーをご一緒に考察していきましょう。

動画投稿初日に動画再生回数20万を記録し注目を集めています。
Aimerさん独特のハスキーボイスと重低音ギターサウンズが織りなす不思
議で神秘的な世界観が多くのリスナーの心をつかんでいるようです。

歌い手が変わりメロディのみに注目するならばハードロックに分類されそ
うな今作ですがAimerさんの多彩な技巧によりドラマ世界感も忠実に再現
しています。
少し今作タイアップの動画の内容に触れてみましょう。

マンションに引っ越してきた新婚夫婦が住人たちの「交換殺人ゲーム」に
巻き込まれる姿を描いたミステリードラマとなっています。

公式サイトでは「毎週、死にます」という悍ましい一言が掲げられていた。
ドラマタイトルはこのゲームの参加者に向けられた脅しのセリフだったの
です。

マンションの住人たちはそれぞれ独特の個性を持っています。
中には嫉妬深く歪んだ性質を持っている住人もおり、ドラマではさまざま
な感情のやりとりがなされます。

今作の歌詞の中でも登場人物たちの複雑な感情、それには嘘・困惑・訴え
などが包含されているのでしょう。
回避不能に見えるゲームの行方はどうなるのでしょうか。

さっそく気になる歌詞の考察へと進んでいきましょう。

タイトル『STAND-ALONE』

『STAND-ALONE』とは「孤立」また「独り(自分)で立てる」
という意味の英熟語です。

上記2点の意味はドラマにおいて併合して当てはめられると思い
ました。
前述でも取り上げましたがマンションに引っ越してきた新婚夫婦
は最初「いつも二人一緒」という共通理解を持っていました。

しかしゲームに巻き込まれ実際に惨劇を目にすると恐怖で誰かを
信じることが難しくなっていきます。
それは配偶者に関しても同様の感情を抱いてしまうのです。
いつしか二人は嫉妬や疑念を感じるようになり「孤立」します。

他のマンションの住人も同じであり皆で協力する気持ちもありま
したが、裏切られたりして孤立を感じていました。

もう一つの「独り(自分)で立てる」という意味は、誰も信じら
れなくなった人たちが「自分の力で立って行かなければ」と決意
する点に表明されていると思います。
また「自分だけは希望を捨てない」という部分もあるでしょう。

ドラマの回が進むごとに絶望と希望が交錯し複雑な感情を織りな
していきます。
最後まで自分で立っていられるのは誰なのでしょうか。


『STAND-ALONE』歌詞の意味

夢のような現実の中で

重ねた夢の隙間彷徨う
今もまだ 今もまだ
揺らいだ現実全て捨てて
これはまだ夢の中

生ぬるい夜風と街並み
地下鉄に飲み込まれる
鳴り響く雑踏に溶けて
滲む合図 ネオンライツ

ドラマ主人公である手塚翔太(夫)と手塚菜奈(妻)は
幸せいっぱいの新婚夫婦でした。
幸福で円満な家庭生活を終えてベッドで見る夢は毎回、
二人の幸せな将来だったのでしょう。

ところがマンションを舞台にして行われる「交換殺人ゲ
ーム」に巻き込まれてからというもの幸せはどこかに姿
を隠してしまったようです。

重ねて夢に見た幸せと幸せの隙間とも呼べる理解しがた
い空間に自分がフワフワと漂っているようでした。
それは普通、ではなく不幸と呼ぶにふさわしい場所であ
ることを二人は認めざるを得ませんでした。

それでも揺らいだ「幸せの現実」を現実逃避したくなっ
た彼らはこれがまだ「夢の中」であると暗示をかけるよ
うに願うのでした。

「生ぬるい夜風」とは心地よくない状態の描写でしょう。
「地下鉄に飲み込まれる」とは「薄暗さ」や電車がもた
らす騒音つまり耳障りを描写しているように思えます。

今、自分たちが置かれている状況をリアルに表現してい
る部分だと解釈できます。
夜の街を明るく照らしているはずの「ネオンライツ=ネ
オンの輝き」でさえ不気味な事件の合図に思えました。


別れの歌が鳴り響く

さよならって 君が叫んでる
さよならって 今も叫んでる
間違いだらけでも そのドアを開ければいいと
何も変われないなら
悲しい歌ずっと 歌ってもいいの

手塚翔太は手塚菜奈がゲームのことを自分にずっと
言えなかった辛さを知ることになります。
それで彼女のために何が出来るかを思案してました。

しかしその間に彼女は他の人にコンタクトを取り彼
と距離を取ります。
それを目撃した彼は「さようら」と言われ距離を取
られたように感じたことでしょう。

続く部分の「そのドア」とは自分が望む将来を指す
ものと思われます。
手塚翔太の「マンション引っ越し案」もドアの一つ
なのかもしれません。

彼の提案に対し手塚菜奈の「それは最終手段にして
事件の謎を知りたい」というのも一つのドアなのだ
と解釈できます。

こうしてそれぞれが自分の将来を決定していき、い
つしか孤独になっていくのです。

希望も絶望も一人旅

STAND-ALONE 歪んだ世界で
STAND-ALONE 描いた世界へ
バイバイ 窓辺に 月明かりも届かない場所
何もかも投げ出して 暗闇に浮かぶ
星になりたい夜 そうでしょう

ここでタイトルがフレーズとして用いられています。
タイトルに続くのは「歪んだ世界」つまり絶望的な現
在の状況のことでしょう。

悍ましいゲームの最中では誰もが独りで立っているよ
に感じることを表現しているのでしょう。
同時に「描いた世界」つまり自分の夢みた幸福な将来
を自分独りの力で掴んで見せるという決意のようです。

「バイバイ」とはなんと悲しげな一言なのでしょう。
愛する人をも突き放す別れの挨拶です。
これは嫌悪感故のセリフではなく大切な人をこれ以上
巻き込みたくないという気持ちの表れに思えます。

「月明かりの届かない場所」とはなんの希望もない現
状を描写しているようです。
それでも前向きな気持ちとして「星になりたい夜」つ
まり誰かを照らす希望になりたいとも思っていました。

主人公たちやマンションの住人たちの絶望と希望が交
錯する中、今宵もまた一人の犠牲者が出ます。

いつしか自分たちの住む「マンション」本来の意味で
ある「集合住宅」という概念も消え失せることでしょ
う。

「自分はいつも独りきり」

孤独な夜に虚しく哀れな一言がゆっくり溶けていきま
した。。

まとめ

今作もかなりドラマ寄りに仕上がっているなと感じま
した。
考察もそのように展開し進行していきました。
また皆さんの感じられた考察も教えて下さいね。

ドラマや歌詞を併合して考えますと、どんなに気に入
らない人がいるとしても憎んだり殺しの対象にしては
いけないのだと改めて思いました。

最近、「殺人」と「ゲーム」を結びつける傾向が社会
に浸透しているように思えます。
もし身近な愛する人が自分に向かって「さよなら」を
口にしたらどれほど寂しいことでしょうか。

手の届く範囲の人たちをこれからも大切にしていきた
いと今作から感じました。

Aimerさんの今後の活動と次回作に期待し注目してい
きたいと思います。