米津玄師『LOSER』歌詞の意味・考察と解釈

 

米津玄師さんの『LOSER』とてもいい曲ですよね!

しかし歌詞の意味まで読み解いてる人は少ないと思います。

そこで今回も私、砂糖塩味が『LOSER』の歌詞の意味を解釈してみたいと思います!

タイトル『LOSER』の意味

LOSERとは”敗者”の意味。
もっと噛み砕いて言えば『負け犬』です。

LOSERの主人公は音楽で成功した有名なミュージシャン。
昔から変わりたいと願い続け、夢を叶えました。
しかし主人公の心は晴れず、悶々とした日常を送っています。

ある時、自分の『本当の願い』に気付きます。
同時に自分は成功者に見えるだけの『負け犬』だと実感しました。

LOSERは「一度は負け犬となった主人公が、もう一度夢を叶えるために進み続ける」というストーリーの曲です。


『LOSER』のテーマ

LOSERは米津玄師さんの内面を表現した曲と言えます。

米津さんは「どこでもいいから遠くに行きたいという感覚が昔からずっと強くあった」と語っています。
以下は米津さんがLOSER発表時のインタビューで語った内容です。

「全部イヤなんだと思います。自分みたいな人間もイヤだし、自分の真逆にいる人間もイヤだなと思う……。」

「極論を言うと、俺、何もやりたくないんですよね。音楽もやりたくないし、ダンスもやりたくないし、絵も描きたくないです。もう、なんとなく部屋でTwitterを見て、どこの誰とも知らないツイキャスとかニコ生とかやってる人の、なんとなくやってる様を眺めながら1年も2年も経って、そのまま死んでいけたらいいなと思ってるんです。でも実際、そうもいかないし……」

「何もかもイヤだから、もうなんでもかんでもやってやろうっていう、自暴自棄みたいな感じになってるところがあって。」

アーティスト・米津玄師のネガティブな一面が垣間見えるインタビューですね。

米津さんは作曲・ボカロ・イラスト製作など、次々と新しいことにチャレンジしてきました。

MVでダンスを踊っているのは米津玄師さん自身。もともとダンスに興味があったらしく、LOSERのMV製作でチャレンジしたそう。

LOSERは曲調もラップ調で、米津さんには珍しいです。これは「ヒップホップみたいなニュアンスを取り入れたいと思った」と語っています。

しかしその挑戦は決してポジティブな意味ではなく、むしろネガティブな一面から湧き上がったもの……。
これは複雑な心境ですね。

ただ自暴自棄にならず、変わり続ける為に新しいことをする。
LOSERは米津玄師さんの感じている事を真っ直ぐ表現した曲と言えるでしょう。

米津玄師『LOSER』歌詞の意味

「今の自分を変えたい」と強く願う

いつもどおりの通り独り こんな日々もはや懲り懲り
もうどこにも行けやしないのに 夢見ておやすみ
いつでも僕らはこんな風に ぼんくらな夜に飽き飽き
また踊り踊り出す明日に 出会うためにさよなら

1番の出だしで描かれる主人公の心境。
「今の自分を変えたい」と強く願い続けています。

いつもと同じ、変わらない日常。街の通り(道)を一人で歩く主人公。
いつかこの日常が変わる事を夢見ているけど、明日は変わらずやってくる。

主人公はこんな変わらない日々はもう懲り懲りだというほど飽きています。

変わることができたのに心は晴れない

歩き回ってやっとついた ここはどうだ楽園か?
今となっちゃもうわからない
四半世紀の結果出来た
青い顔のスーパースターがお腹すかしては待ってる

日常を変えたいともがき続けた主人公は、やっと「今」とは違う場所に辿り着きます。
しかし主人公は疑問を覚えます。
「ここは自分が思い描いていた楽園なのか?」と。

四半世紀は、つまり25年。
青い顔=青ざめる、転じて冷めた顔という意味。
スーパースターとは主人公自身。

25年かけてたどり着いた場所にいるのに、心は冷めたまま。
「今」とは違う場所に来れたのに、主人公の心はいつまでも晴れません。

「どうせ負けならもう一度挑戦しよう」

アイムアルーザー どうせだったら遠吠えだっていいだろう
もう一回もう一回行こうぜ 僕らの声
アイムアルーザー ずっと前から聞こえてた
いつかポケットに隠した声が

主人公は自身を指して”負け犬”と称します。
変わりたいと願い続けたが、実際に変わったあとも心が晴れない。
そんな自分を、勝ち組に見えるだけのただの負け犬と自虐しています。

”声”はかつて持っていた「変わりたい」という願い。

無くなったように思えた願いは、実は心の奥にしまいこまれていただけ。
今になってまた響き出します。

自分は負け犬だと痛感しても、人生を投げません。
「どうせ負けならもう一度挑戦しよう」と決意します。

ここまでで主人公の姿が描かれました。
主人公の願いは「変わりたい」ではなく”変わり続けたい”、すなわち「今とは違う場所に行きたい」です。

ああだのこうだの知ったもんか 幸先の空は悪天候
ほら窓から覗いた摩天楼 からすりゃ塵のよう

摩天楼は高みにいる人。つまり勝者のこと。
勝ち組から見れば、自分は塵(ちり)みたいなもんだ。

笑って前に進みだす主人公

前半で主人公の本当の願いが描かれました。
2番はそれを補強しています。

イアンもカートも昔の人よ 中指立ててもしょうがないの
今勝ち上がるためのお勉強 朗らかな表情

イアンはイギリスのロック・ミュージシャン、イアン・カーティス
カートはアメリカのミュージシャン、カート・コバーン

どちらもロックの歴史に名を刻む伝説的存在です。
(イアンという名前のミュージシャンは何人もいるので、本当は別の人かも)

どちらも高名なミュージシャンで、自分と比べれば摩天楼。でも羨ましがっているだけ何にもなりゃしない。

主人公はいつかイアンやカートに勝つため、笑って前へ進みだします。

ファンへ向けたメッセージ

踊る阿呆に見る阿呆 我らそれを端から笑う阿呆
デカイ自意識抱え込んではもう 磨耗 すり減って残る酸っぱい葡萄
膝抱えてもなんもねえ ほら長い前髪で前が見えねえ
笑っちまうねパッと沸き立って フワッと消えちゃえるこんな輪廻

愛されたいならそう言おうぜ 思ってるだけじゃ伝わらないね
永遠の淑女もそっぽ向いて 天国は遠く向こうのほうへ
ああわかってるって 深く転がる 俺は負け犬
ただどこでもいいから遠くへ行きたいんだ それだけなんだ”

ここはかつて主人公が他人(自分のファン)へ向けていたメッセージです。

「愛されたい」とは本心。本心はちゃんと伝えようという意味です。

今までファン達にそう言ってきたが、当の自分は本心を隠していた負け犬。(主人公の本心は「変わり続けたい」)

自分の本心を再確認した主人公は、もう一度ファンへメッセージを送ります。
それが次の部分。

耳をすませ遠くで今 響きだした音を逃すな 呼吸を整えて
いつかは出会えるはずの 黄金の色したアイオライトを
きっと掴んで離すな

「音」とは自分の心から響く声のこと。欲求や本心です

アイオライトとはパワーストーンの一種。
夢・目標・人生の道しるべ・自分らしさへ導く』という意味があります。

「自分の本心は気づかないほど心の奥底に眠っている。それは夢や目標、人生の道しるべだ。
ソイツの声は小さい。だけど自分の心に耳を澄まして、その声を聞き逃すな。
聞こえたらすぐに掴み取るんだ。決して離してはいけない」

自分の本心に気付いた主人公の、心からのメッセージです。

アイムアルーザー なんもないならどうなったっていいだろう
うだうだしてフラフラしていちゃ今に 灰 左様なら
アイムアルーザー きっといつかって願うまま
進め ロスタイムのそのまた奥へ行け

愛されたいならそう言おうぜ 思ってるだけじゃ伝わらないね

永遠の淑女もそっぽ向いて 天国は遠く向こうのほうへ
ここいらでひとつ踊ってみようぜ 夜が明けるまで転がっていこうぜ
聞こえてんなら声出していこうぜ

loserのラストであるこの部分。
ここに伝えたいことの全てが詰め込まれています。

負けて諦めたら、そこで終わり。
「諦めたらそこで試合終了」という有名な言葉があるように、諦めない限り負け犬にはならない。

今は負けでも諦めずに進めばいい。

やりたいことをやろう。
いつか叶うと願うのなら、そのまま願い続けよう。
今の状況から抜け出すまで、願うままに動き続けよう。

loserにはこういうメッセージが込めらています。


最後に

以上、LOSERの歌詞解釈でした。
一度は敗者となった主人公が再び立ち上がる……まるで少年マンガのような熱さです。

私には負け犬となった主人公が、再び摩天楼を目指して昇り始める姿が目に浮かびました。

LOSERのMVを見たときは、本職のダンサーかと思いました。それくらいウマかったので、米津玄師さんと知って大変ビックリしました。
インタビューも含めて興味深い曲です。



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