いとうかなこ「ファティマ」の歌詞の意味・考察

この世界は非現実

ただ刷り込まれたビジョン

無限遠点 価値観を今 上書きする 変哲のない宇宙
傲慢な神は目に映らない 光速度で支配続けるならば

僕は 僕だけは
奇跡的で致命的な マイノリティでいい

I can fly —
あの瞬間、あの場面がキミにとって特別なら
過去は離れて行く ものなんかじゃなくて

傷つく事の痛みより大事なシーン その全てを
ヒカリが今 ゼロを生む
There is no god. Wonderful new world.

この命という夢幻
まだ錯覚とも知らず

二律背反 パラドクスさえ 限りの無い 世界線で欺き
感情の支配 軌道秩序は 常識さえ すり替えて行くならば

僕の僕だけの苦しみその欠陥さえ
アルゴリズムのまま

I can fly——
愛のしるし、愛の言葉、明確なる記憶を
二度と彼方に置き去りにはしないから
いつでもまだキミのそばに 隣り合わせその量子が
もつれ合えば ゼロになる
There is no god. Wonderful new world.

The place is worth visiting twice.
まだ知らない 新しい空 世界線へ繋ぐのさ

I can fly —
あの瞬間、あの場面がキミにとって特別なら
過去は離れて行く ものなんかじゃなくて

傷つく事の痛みより大事なシーン その全てを
ヒカリが今 ゼロを生む
There is no god. Wonderful new world.

 


いとうかなこ「ファティマ 」を紐解いていきましょう!

この歌の視点はどこにあるのか?少し悩んでしまいましたが

やはり主人公かな、と少し頭にいれつつ紐解いていきます。

この世界は非現実
ただ刷り込まれたビジョン

世界を否定する歌詞から始まった「ファティマ」ですが
刷り込まれたビジョン=作り上げられた記憶という風景という解釈ができます。
アニメ本編では時間跳躍が主軸となり、物語が進んで行きます。

無限遠点 価値観を今 上書きする 変哲のない宇宙
傲慢な神は目に映らない 光速度で支配続けるならば

無限遠点 = 限りなく遠いところにある点

価値観はその世界(時間軸・点)のことを指し
それらを変えていくのは宇宙、
ここでいう宇宙とは自分以外の全てではないでしょうか。
第三者の手によって世界を勝手に上書き、変えられていく、ということが込められていそうです。


傲慢な神 = これも第三者?

少なくとも今現在の自分のことではなく、
直前に宇宙というワードから神は未来の誰かを指しているかと思われます。

その神様は光速度で支配をしている=時間を超えながら
宇宙を支配しているのでしょう。

僕は 僕だけは
奇跡的で致命的な マイノリティでいい

一人称を重ねて、固い決意を表しています。
たとえ第三者の手によって
世界が変えられたとしても
奇跡的な力、あるいは世界に対して
致命的な個性、欠点ですらいいと感じています

I can fly —
あの瞬間、あの場面がキミにとって特別なら
過去は離れて行く ものなんかじゃなくて

1番のAメロ、Bメロそれぞれの歌詞に対して
I can fly と返してます。
僕は飛べる、時間を超えていく、
場面がここで切り替わったようです。

主人公目線にあてるとキミが誰なのか
という問題にぶつかりますが
今回はアニメや原作ゲームを視聴している
我々リスナーに向けた一説と捉えます。

アニメはある程度の一本筋ですが
ゲームは選択肢やタイミングにより
様々なエンディングや心模様が描かれます

それら一つ一つの物語は
貴方が選んだ未来だと示しているようです。

傷つく事の痛みより大事なシーン その全てを
ヒカリが今 ゼロを生む
There is no god. Wonderful new world.

ここもまた一つ一つの物語でしょうか。
選んだルートによって得られるもの、失うもの
それぞれがぶつかり合い、
宇宙での衝突=ヒカリ、と読み解けます。

1か0か、yesかnoか。

この二択を生み続け、ゼロ、すなわち否定することを選ぶのでしょう。

そして神様などいない、と否定しました。
Aメロの歌詞をひっくり返してます。

神様を信じない、いない方がマシだ、
どのような表現と捉えるか難しいですが
流れ的にはやはり「いない」ということでしょう。

この命という夢幻
まだ錯覚とも知らず

ここはそのままの意味でしょう。

二律背反 パラドクスさえ 限りの無い 世界線で欺き

二律背反という言葉はそれに続く「パラドクス」の意味にも使われる言葉で
両立することのできない二つの事象の関係を表します。
時間跳躍が物語の主軸なので「タイムパラドクス」などのS Fの世界観も感じられます。
そのパラドクスに対して
「世界線で欺く」ということは
時間を次々と超えて行くぞ、という意思の表れかと思います。

感情の支配 軌道秩序は 常識さえ すり替えて行くならば

アニメ本編では洗脳などの描写もありました。

さまざまな出来事を点と捉えて、
それらが揃う=軌道秩序が

今までの常識を上書きしていくことを指しているのではないでしょうか。

僕の僕だけの苦しみその欠陥さえ
アルゴリズムのまま

この曲が主人公を表しているのであれば
主人公の苦しみ=度重なる時間跳躍によって
見失いかけている本来の自分や結果などでしょうか。

それらを欠陥と言い放っています。


I can fly——

歌詞の表記では上記の通りなのですが
実際に楽曲を聞いたり、ミュージックビデオなどを確認すると
I can fly high と歌っています。
僕はもっと高く飛べる、超えられると
隠しながら思っているのでは無いでしょうか。
愛のしるし、愛の言葉、明確なる記憶を
二度と彼方に置き去りにはしないから
ヒロインのひとりは
とある出来事をきっかけに本作では既に故人となってしまい
その直前に取られたデータを基に作られた人工AIとして登場します。
このAIは愛のしるしも、言葉も体験することのなかった時点のデータなので
主人公の胸の中にだけ残っているものです。
彼女を救う手立てはないのかとまだ模索しているような描写ですね。
いつでもまだキミのそばに 隣り合わせその量子が
もつれ合えば ゼロになる
There is no god. Wonderful new world.
AIになってしまった彼女は量子=電子的なものとなってしまい、
なにかのエラーが起きてしまえば

AIとしての記憶すらも無くなってしまうということでしょうか。

The place is worth visiting twice.
まだ知らない 新しい空 世界線へ繋ぐのさ

まだ知らない、新しい空とは

想像もつかない登場人物たちにとって
最良の景色であるのでしょう。
それらを世界線へ繋ぎあわせることで
過去から未来、未来から過去への
干渉しあってきた全てが収束し
望まれる未来へ繋げられる、ということではないでしょうか。