FictionJunction『Parallel Hearts』歌詞の意味・解釈と考察

僕等は
未来を変える力を
夢に見てた

ノイズの中聞こえて来た君の泣き声
笑っていた僕の弱さを暴いた

君の行く道は君にしか分からない
違う空追いかけて

僕等は未来へ向かう勇気を
欲しがって過去に迷う
君が笑うほんとうの
現在へ還り付くまで

君の事を知りたいと思って初めて
寄り添えない心の距離に怯えた

分かり合えないと分かったそれだけで
二人が始まって行く

涙も痛みも全て抱きしめてあげたいけど
走れば走るほど遠くなる気がして不安になる
何処まで行けばいいの……

ノイズの中聞こえて来る君の歌声
失くしていた僕の姿が今見えるよ

一人で行く筈だった未来を
変える力を下さい
君が笑うそれだけで
高く飛べる

僕等は心を繋ぐ勇気を
欲しがって愛に迷う
君と笑うほんとうの
僕に還り付くまで

FictionJunction「Parallel Hearts」の歌詞を紐解く!

この楽曲はアニメ「Pandora Hearts」のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲です

アニメーションの世界観に深く寄り添い、

主人公オズたちの心情を華麗に歌い上げた一曲でしょう。

出だしからクライマックス

僕らは未来を変える 力を 夢に見てた

主人公一行が向かう先、未来を

幸福な形にしたいことを願っている、力強い歌詞です。

オープニング主題歌らしく世界に引き込まれるかのような

工夫が楽曲の随所にあり、間奏部分は1拍前に食ったコードとリズムで

ぐいぐいと進んでいき、世界の幕開けを奏でているようです。

「ノイズ」という単語が意味するものとは?

ノイズの中 聞こえてきた君の 泣き声

時間の流れそのものだと解釈いたします。

原作(2015年に完結済)では時間の流れが複雑に絡み合ってきました。

その時間の流れの中から聞こえてきたのはヒロインであるビーラビットの泣き声でしょう。

笑っていた僕の弱さを暴いた

主人公のオズは父親から愛されることなく、むしろ蔑むような気持ちで

育てられてきました。

物語の冒頭でビーラビットとの出会いが強がって生きていたオズの弱さを見抜いたのでしょうか。

たった2行の短いBメロに込められた思いとは

君の行く道は 君にしか分からない

違う空 追いかけて

アニメ―ション放映当時、原作はまだ中盤といったところで

巡り合ったオズとビーラビットの深い関係性など明示されていませんでした。

楽曲の作者である梶浦由記氏がどこまで先の情報を得ていたのか

変わりませんが、二人の境遇、出会いから物語を後押しする歌詞なのではないでしょうか。

その段階ではまだオズとビーラビット達は背中を合わせて二人がそれぞれ向き合えていない様子でしょう。

サビの歌詞は後ろから?

僕等は未来へ向かう勇気を

欲しがって 過去に迷う

君が笑う本当の

現在へ還りつくまで

4行目から読んでいくと紐解ける気がいたします。

どんなものが待ち受けているか分からない未来に対して

過去に振り回されながらも、泣いているビーラビット、もしくは主人公オズ、それとも二人ともが

心から笑える「現在」に帰ってこようという前向きなメッセージでしょう。

 

作品序盤でアヴィス、世界の裏側とでもいいましょうか。

そういったところに堕とされてしまいます。

そこでは時間が崩れており、ビーラビットと共に戻ってくると「現在」ではなく「10年後」に出てしまいます。

歌詞中では「還る」という限定的な使い方をされていますが

主人公たちが「現在」へ戻りたい、違う場所を指したり、生まれ変わりたいなど

多様な意味の込められた「還る」なのではないでしょうか。

“君”が誰を指しているのか

君のことを 知りたいと思って 初めて

寄り添えない 心の距離に 怯えた

 

分かり合えないと 分かったそれだけで

二人が始まって行く

「君」と特定するような歌詞ですが

今まで孤独だったオズ、ビーラビットが他の人を知りたい、きっと登場する人物全てを知りたいということではないでしょうか?

ただ、仲良くすることは表面上は出来ても、

心までは簡単には繋がれない、そういったことに気が付き

二人=物語が始まって行くことを歌っているような気がします。

2番はサビには入らず、Dメロへ!

涙も痛みも全て 抱きしめてあげたいけど

走れば走るほど 遠くなる気がして 不安になる

何処まで行けばいいの・・・

この一節のみ、少しだけ女性目線が入っている気がします。

そうなるとここはヒロインから見た主人公のことかもしれません。

まだ頼りない主人公を護りたい、共に歩みたい。

二人で始まった冒険も話が進むほど

お互いに妙な距離感が生まれてしまい

どうしたらいいのかわからない葛藤なども描かれています。

 

楽曲でこの部分は唯一、コーラスパートが入り組んでおり

4人のボーカルが競い合うように入れ替わり、立ち代わり

世界が崩れていく中を走り、突き進んでいく印象を更に強めています。

楽曲が物語のように結末へ向かう!

ノイズの中 聞こえてくる 君の歌声

失くしていた 僕の姿が今 見えるよ

冒頭、1番Aメロの繰り返しかと思いきや

全部をひっくり返し、否定する

主人公の成長、強くなったという印象を与える歌詞になっています。

一人で行くはずだった未来を

変える力をください

君が笑うそれだけで

高く飛べる

泣き声が歌声に変わり、笑える本当の現実が訪れ

主人公の背中を強く推し進めます。

 

冒頭の歌い出しでは未来へ行くことはまだ「夢にみてた」だけでした。

ここでは一人で行くはずだった、と決意を示し

更に未来には一人だけじゃない希望がある=笑うだけで高く飛べる

隠れた希望を仄めかしてくれました。

僕等は心を繋ぐ勇気を欲しがって

愛に迷う 君と笑う本当の

僕に還り付くまで

「心」というワードが出てきました。

寄り添うことが出来ない、怯えていたはずの主人公は

友情と愛情を重ねて 君=ヒロインと笑える

本当の僕=嘘、偽りのない主人公オズ

 

二人が迷いながらも

前へと進みたいという決心に満ち溢れた

詞だと思います。

 

この楽曲のまとめ

  • 歌詞は「主人公オズ」がメインで語られている
  • 原作完結の内容を見通していたかのような展開
  • 弱く、怯えて、泣いて、マイナスな負のイメージを持たせるワードを最後のサビでひっくり返す

アニソンの素晴らしい形の一つ、ではないでしょうか?

作品のストーリー、登場人物に沿った楽曲展開が持つ

歌のパワーは作品の世界観をより深く掘り下げて

楽しむことができるでしょう。

 

 

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