After the Rain『マリンスノーの花束を』爽やかな曲なのに、夏の青春ソングではなかった。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=4D_pgU5IyLU

初夏のパレード 潮風の背
海のクレープ はじけた夢
ちょっとだけ得意気に
君を誘うんだよ
飛沫あげて飲み込む夏が
ラムネによく似たこの味が
恋だなんて呼ぶことに
はにかんだワンシーン
描きかけの未来 砂の城
ずっと言い出せずいた後悔も
ココロの満ち引きに
流されて消えていく
星空のキャンバスをトレースして
この世の銀河をバケツで零してみたい
冷たい深海の君にも見えるように
サファイアより深い 光彩のひとつもない小景
宛名もないまま沈んだ向こう
君に見せたい星空になったんだ
水縹から瑠璃色の下
マリンスノーに見惚れていた
もう二度と君のこと
手放しはしない
そして ステップ&スキップ
水彩の水平線
ふたりで歩いていこう
叶わないなら 夢より御話でいい
消えてしまうなら 恋に満たなくたっていい
未熟な感情の 重さで沈んでいく
どれだけ 深いセカイ系の暗闇だって
泡沫のなぞる 天体の相
君に見せたい星空になったんだ
君のもとへ 届いたらいいのになあ


はじめに

今回はネットミュージックシーンで圧倒的人気を誇るシンガーそらるさんと、クリエイターまふまふさんによるユニットAfter the Rainの『マリンスノーの花束を』を考察して行きます。

2018年9月5日発売2ndアルバム「イザナワレトラベラー」に収録され、2018年8月、TBS系テレビ「ひるおび!」のエンディングとして楽曲が使用されました。

夏らしい爽やかな曲調に対して、歌詞の内容はせつないものになっています。

それでは、考察して行きましょう。

『マリンスノーの花束を』歌詞の意味

サビで真相がわかる1番の歌詞

初夏のパレード 潮風の背
海のクレープ はじけた夢
ちょっとだけ得意気に
君を誘うんだよ
飛沫あげて飲み込む夏が
ラムネによく似たこの味が
恋だなんて呼ぶことに
はにかんだワンシーン

アップテンポで明るい、爽やかな夏を思わせるイントロ。

1番のAメロから読み取れるのは、男女のある夏の光景。

しかし、この光景はのちに回想シーンなのでは、と分かります。

海の見える景色、まだお互い好きだけど気持ちは伝えていない。

甘い恋が始まる気配なのですが?

描きかけの未来 砂の城
ずっと言い出せずいた後悔も
ココロの満ち引きに
流されて消えていく

男女の未来を、「砂の城」と、王子様とお姫様、出会うべくして結ばれるのだと希望を持った矢先。

「ずっと言い出せずにいた後悔」が「ココロの満ち引きに 流されて消えていく」。

希望をもっていたはずなのに、「後悔」とは?

男女の間に、何か問題があったのではないかということが分かります。

星空のキャンバスをトレースして
この世の銀河をバケツで零してみたい
冷たい深海の君にも見えるように
サファイアより深い 光彩のひとつもない小景
宛名もないまま沈んだ向こう
君に見せたい星空になったんだ

Aメロでは、男女2人、海のそばにいる光景でしたが、サビで一転。

「冷たい深海の君」と、恋の相手を綴っています。

「サファイアより深い 光彩のひとつもない小景」

「サファイア」は濃紺の宝石。

濃紺より深い色の、深海から見える景色。

そして、「宛名もないまま沈んだ向こう」

行先も定まらず、どこかへ沈んでしまった?

「君に見せたい星空になったんだ」

昔から、「人は死んだらお星さまになる」と伝えられることが多くありますよね。

つまり、死んでしまったことを表しているのではないでしょうか。

Aメロの歌詞から一転、Bメロ、サビとどんどん真相がわかっていき、爽やかなイントロから想像のできない展開が見えてきました。

MVでは、女の子が落ちていく、沈んでいく?シーンが描かれており、何かしらの事があり、海に落ちてしまった好きだった子を想う男の子目線の歌詞と、好きだった男の子を想う海に落ちてしまった女の子目線の歌詞が入り混じっていることが分かります。

そらるさんパートが男の子目線、まふまふさんパートは女の子目線だと感じられます。


深海の星空

水縹から瑠璃色の下
マリンスノーに見惚れていた
もう二度と君のこと
手放しはしない

2番のAメロでは、海に落ちてしまった、過ぎてしまったことを悔やんでいます。

「水縹」と「瑠璃色」は伝統色の名称です。

「水縹」は薄い水色。

「瑠璃色」は濃い紫に近い青色です。

透明感のある水面から、暗く、深い海に沈んで行く様子が描かれています。

ここで、タイトルとなっている「マリンスノー」。

海中を撮影したときに見える白い粒子です。

この部分が、先ほどの1番のサビ、ラストのサビの「君に見せたい星空になったんだ」につながります。

小さな白い粒子の散らばりが、星空のように見えたのでしょう。

「手放しはしない」

男の子と女の子の手が離れてしまったことで、女の子が落ちてしまったと考察できます。

星空になった君へ

そして ステップ&スキップ
水彩の水平線
ふたりで歩いていこう
叶わないなら 夢より御話でいい
消えてしまうなら 恋に満たなくたっていい
未熟な感情の 重さで沈んでいく
どれだけ 深いセカイ系の暗闇だって
泡沫のなぞる 天体の相
君に見せたい星空になったんだ
君のもとへ 届いたらいいのになあ

大サビからラストのサビの考察です。

「叶わないなら 夢より御話でいい」

死んでしまい、恋が叶わないなら、お話の中でいいから一緒にいたい。

お互いに、「好き」という気持ちを伝えられぬまま、別れてしまったつらい女の子の気持ちです。

男の子は、星空を見るたびに女の子を思い出します。

この先もずっと忘れることなく、女の子と過ごしだ夏の時を胸にしまっていくのではないかと考察します。


まとめ

この楽曲は、ありがちなひと夏の恋物語ではなく、お互いに気持ちを伝えられないまま永遠の別れとなってしまった男の子と女の子の悲しい恋物語だと考察できます。

この楽曲と聴くと、夏らしく爽やかな気持ちになりますが、歌詞の内容を考えてしまうと涙が溢れてくると思います。

情景が美しく描かれているので、夏の海の景色や、深い海の中の景色を想像しながら聴いてみてはいかがでしょうか?



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